山頂にて食事を取った後、私はテントを撤去し、門の逆側の方向を双眼鏡で調べた。
すると数十キロ先の森の中に何か建造物が見えたのでそこまで見に行くことにした。
ササ
「▲▲◎↑▲(待たれよ)。」
「ん?」
フリーランニングで森の中を走っていた私の前に耳の長い民族が弓を構えて制止する。
勿論言葉などわからない。
そのため私は手を広げているのを制止の合図だと思い立ち止まった。
私はすぐに腰に着けてあるビデオで彼らから見えないように姿を撮した。
「・・・。」
沈黙が場を支配する。
私は芝居をうつことにした。
喉を抑えて口をパクパクと動かす。
声が出ないことをアピールした。
私は木の棒を拾うと地面にオークの姿を4体描き、私が襲われているように手振りで見せた。
「▲▲◎↑◎。」
「〇〇▲◎。」
弓を構えている者もいるが、私は更に芝居をうつ。
見えないように触手で自分の脇腹を貫いた。
脇腹を抑えて血を吐き出し、倒れれば演技としては最高だろう。
「◎◎◎!!」
「▲〇↑↑!!」
慌てて私の側に近寄ってくる。
接触は成功だ。
約2日後、私はハーフエルフの集落で暮らしていた。
ベッドの横になりながら私は手帳に単語を書き続ける。
単語だけでなく生活習慣、食事、文明の質等も見ることでよくわかった。
(文明的には中世もしくはローマ帝国・・・くらいかな。ただ魔法がある分飢えることはあまりないらしいね。)
ヤマメの手帳にはもう言葉でほぼ真っ黒である。
私はその後頭を何度もハーフエルフ達に下げると先に進む振りをした。
後ろでは何かを叫んで手を上下に振っていた。
さようならの挨拶だろう。
私も真似をして上下に手を振った。
(言葉がわかるようになったらここにまた来よう。良い場所だったし、雨咲にも見させてあげたい光景だったな~。)
任務を終えて門を越え、封鎖された銀座を歩く。
そしてそのまま防衛省に直行した。
「これより門改めゲートについての対策会議を始めたいと思います。気を付け・・・礼。」
私は陸将達や陸将補、更には防衛大臣や総理大臣・・・一番驚いたのは今上天皇まで参加していたことだろう。
「特別地域(以後特地)より黒谷ヤマメ1等陸佐から報告があります。」
「はい。黒谷です。まずゲートの向こう側は夜と昼が逆転していました、また気候は四季が有るようで紅葉の木も発見されました。文明、技術は中世、魔法や魔物、ドラゴンもいるため科学的法則の乱れがあるかもしれません。また、言語は英語とフランス語を混ぜたような発音ですが、音は45音確認できております。口答だけではわからないものもありますので地図を広げさせてもらいます。」
会議は続く。