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埼玉県。人口約700万人と日本で第5位のランクに入る。面積は約37万㎢と奈良県や鳥取県と同じくらいの大きさ。東京の北に位置し、そばにあるため川越や大宮といったショッピングを楽しむ場所も充実しており、大槻家に遊びに来たときはよく遊びに連れてこられた。また、都心だからといってビルとかが立ち並ぶわけではなく、西の方に目を向ければ自然が広がっている。有名な名所だと長瀞や嵐山渓谷といった桜や紅葉など四季折々の変化が楽しめる場所でもある。
「Pちゃん!これなんてどう?」
そのような埼玉県で私は今、唯さんと一緒に川越にショッピングに来ている。
アイドルスカウトの話から一夜明けて、午前12時過ぎ。未だその話の答えが見つからない。それとは別に唯さんはその話を忘れてるかのように色々な洋服を見たり、試着したりして、無邪気にはしゃいでいる。
「もうー、Pちゃんきいてるのー?」
「すみません、女性の服を選ぶのには経験がないものでして……。」
「あ!じゃあじゃあ、どっちがゆいに似合っている?」
そうやってみせてきたのが透明感のある黄色のゆったりとしたシャツと細いオレンジ色のボーダーが入ったシャツである。
前者の方は少し大人っぽく見えるだろうか。あまりこういうシャツを持っていなかったような気がする。逆に後者はいつもの唯さんが着ているように体のラインがくっきりと浮き出るようなシャツである。どちらとも暖色系であるため唯さんにはぴったりだろう。
「……私的にはゆったりしてる方の唯さんが見てみたいです。」
「じゃあ、試着してみるからちょっと待っててね!……あ、Pちゃんなら覗いても問題ないからね〜。」
「遠慮しておきます。」
「もぉ〜〜、照れちゃって〜。じゃあ、パパッと着替えちゃいますか!」
そういって試着室に入っていった。1人になってみると周りの視線を一気に感じる……。それはそうだろう。ここは女性の服専門店。そこにガタイのよくて目つきが悪い男性が試着室の前に立っていればいやでも目立つ。少しソワソワしてしまう。やはり店に入る前に断っておけばよかったのか……。いやしかし、あの涙目にはどうしても……。
1人で自問自答していると試着室のカーテンが開いた。
「どうどうPちゃん!!似合ってる?」
試着室から出てきた姿は先ほど見たゆったりとしたシャツに下は今日着ているカジュアルデニムのショートパンツ姿であった。いつも見ている元気な唯さんとは違い、少し大人っぽく落ち着きがある。正直服装でここまで印象が変わることの驚きといつもと違う唯さんの雰囲気に言葉がでなかった。
「どうどう!あ、もしかしてヤバイ?見惚れちゃってる?キャー、ゆい、困っちゃ〜う!でもでも、Pちゃんがそこまでびっくりしてるってことは似合ってるってこと?」
「凄く似合っていますよ。」
心からの言葉だった。
「じゃあ、ゆいこれ買おーっと!Pちゃんちょっと待っててね〜。」
そうしてまた試着室の奥に戻っていった。
そろそろ12時半を過ぎる。ここを出たらきっとお昼を食べに行くだろう。何を食べるかは唯さんに任せよう。そしてそれが終わったらどこか静かな場所で昨日の話をしよう。私の今の正直な気持ちを……。
そんなことを思いながら唯さんを待っていると会計を済ませた唯さんが笑顔で走ってくる。
伝えることができるだろうか……。
私の正直な気持ちを……。
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