3週間後。サトシは7つ目のバッチ、アイスバーグバッチを取るためにエイセツシティのウルップに挑戦していた。
「ピカチュウ!ボルテッカー!!!」
メガユキノオーにボルテッカーを放つ。
「あれだな。まだ甘いぞ!ユキノオーゆきなだれでどでかい壁を作れ!」
メガユキノオーとピカチュウの前に大きな雪の壁が出現した。
「流石に一気にはいけないか…!」
その攻防を観客席からシトロン達は見守る。
「流石前回サトシを悩ませただけありますね…。今回はゲッコウガを使っていない分決定打がかけています。」
ピカチュウの技はすぐにかき消されてしまい、うまくユキノオーに近づくことができない。
「しかし、サトシもサトシでなんであんなに慎重になっているんだろう。いつもならもっとがんがん攻めていたじゃないか。」
カルムは腕を組んで悩む。
確かにサトシのバトルスタイルは変幻自在。何者にも囚われないバトルがサトシといえるだろう。しかし今のサトシはなにか他の事を気にしているようにも見える。
「くそ!どうすれば…!」
「おい小童!お前さん6年前の時よりも判断が遅れているぞ!あれだな、スランプ到来って奴だな!」
ウルップはサトシが本気を出せていないことに気付き、バトルを中断した。
「一回出直してこい、気持ちの整理をしてからまた挑戦しにこいや、期待してるぞ。」
ウルップはサトシの頭に手を乗せる。サトシは苦笑いでウルップを見る。
エイセツジムを出たシトロン達はサトシを見る。
「サトシ、どうしたんだい?いままでもこんなことが有ったのかい?」
カルムは心配してサトシに話しかける、しかしサトシの口からは何も言葉は発せられない。沈黙を破ったのはシトロンだった。
「サトシ、僕達はポケモンセンターで一休みしてきますので、散歩でもして心を落ち着かせたらどうでしょうか?」
「…ありがとう…」
サトシは静かに答え、森林の奥に歩いていった。そこをピカチュウが一緒に行こうとするが、
「ピカチュウ、今はまだためかもしれない。私が一緒に行って来る。」
「セレナ、サトシのことよろしくお願いします、」
そしてセレナも森林の奥に消えていった。
「カルム、メイ、サトシはこのようなことが前にもあったんです。」
「…どうやらわけありのようだし…ポケモンセンターで話を聞くよ」
サトシside
俺はまたウルップさんに負けた、でも今回はゲッコウガとの絆がぶれたわけじゃない…無意識に追い込んでたわけじゃない…。気付いてしまい、一緒にいることが嬉しい反面、伝えられないことの辛さ、これが俺の頭をぐるぐると回っていた。
「くそ、こんなんじゃぁリーグどころか、バッチすらゲットできない…」
俺はいつの間にか森林を走っていた。
「はっはっはっは…」
俺は体と心が厚くなるのを感じた。そして俺はその場に仰向けで倒れこむ。
「どうすりゃいいんだよ…俺の迷わないことってこの感情では無意味なのか…?」
『ザク、ザク、ザク』
足音が聞こえてくる。誰かは分からない。でもこのときいつも来るのは…
「…サトシ」
セレナだ。俺の思い人、俺の頭と心を支配しているセレナだ。
「やあセレナ。またやっちゃったよ。」
俺は震えた声で話す。その声を聞いて気付いてしまったのか、セレナは迷っているようだ。
「サトシ、今はあなたにしか分からない感情があるんだと思う。でも、それを和らげるなら話して?私はサトシ、あなたの力になりたいの。」
セレナはビクビクしながら俺に話しかけてきてくれる。
6年前は俺の勝手な判断でセレナに怒鳴ってしまった。そんなことはもう二度としない。でもこの感情を今ぶつけなかったら俺はもう進むことができないと思う。でも俺はまだ迷っているんだ。
「大丈夫、私はどんなサトシも受け入れるよ…」
やっぱりセレナはやさしい。俺をここまで気遣ってくれる。ここまで言わせといて何も言わないんなら死んだほうがましだな…
「セレナ
君が
好きなんだ」
to be continued...
投稿期間が大きく開けてしまい申し訳ありませんでした。忙しすぎで余裕がありませんでした。
私は無事に高校生活も終わり、4月からは専門学生になります。まだ余裕ができる気配はありませんが、週に1話投稿したいと考えております。最初このまま失踪も考えていましたが、ハーメルンの感想で松風サルさんからもらった感想を拝見させていただき、また再開をする決意を決めることができました。
今後ともポケットモンスターリターンカロスをよろしくお願いします。