それは突然の出来事だった。
眩い光が俺を包み込み。気づくとそこは無重力と暗闇に支配された世界だった。
「ここは…」
辺りを見渡すが、何もない世界。
「門矢士…いや、仮面ライダーディケイド」
俺の名を呼ぶ声と共に、1人の男が突然目の前に現れた。
「お前は?」
「私の名前はアカレッド。全ての戦隊における象徴みたいなもの。そう思ってくれればいい」
「その戦隊の象徴が仮面ライダーに何の用だ?」
俺はアカレッドに問いかける。
「君に世界を巡る旅をもう一度してもらいたい」
「何を言っている。ライダーの世界を巡る旅はお前に言われなくても…」
「早合点してもらっては困るな」
俺の言葉を遮りながら、アカレッドは言葉を続ける。
「君に旅をしてもらいたいのは、ライダーの世界ではなく、戦隊の世界だ」
そう言うと、アカレッドは手のひらを差し出す。
そこには、虹色に輝くピラミッド状の水晶の様な物体があった。
「これは戦隊の大いなる力を具現化した物のレプリカだ。これ自体は力を持っていない」
アカレッドの手のひらから、レプリカが消える。
「この大いなる力は、とある戦隊が勇気ある決断の末に無くなったはずだった。しかし、世界を巡る術を持った者たちが、本来の世界を巡ることで、その力を得ようとしているのだ」
「なるほど。大体わかった。世界を巡りそれを邪魔しろということか」
「その通りだ」
しかし、腑に落ちない事もある。なぜ、仮面ライダーである俺に頼む。
今までもライダーと戦隊は一時的に共闘することはあったとしても、基本的には自分の世界を誰かに委ねるという事はしない。
もちろん、それはライダーも一緒だ。
「何故、ライダーである君に頼む。といった感じだな」
「ああ」
「本来なら、戦隊の世界は戦隊で守るべきなのだろうが、世界を巡る術を我々は持ち合わせていない」
「だから、俺に…か?」
アカレッドは大きく頷く。
「ただ、君だけに全てを託す訳にもいかないだろう。彼らなら君の力になってくれるだろう」
「彼ら?」
そう問いかけた瞬間、目の前からアカレッドと名乗った男は姿を消した。
それに気づいた瞬間。辺りが眩いばかりの光に包まれる。
「そう。君が仮面ライダーを繋ぐ者なら、彼らはさしずめ、戦隊を繋ぐ者たちだ」
アカレッドの声が遠くから聞こえる。
その声が聞こえなくなると共に、俺を包む光が弱くなる。
そして、気づくと俺は…見知らぬ場所でエプロン姿で立っていた。
「ここは…」
辺りを見渡すと、棚に並んだコーヒーカップやサイフォン。
どうやらここは喫茶店らしい。
俺はエプロンについた名札に気づくと、それを外して確認する。
「喫茶サファリ店長。門矢士…これがこの世界の役割か」
そう呟いた瞬間、扉が開く鐘の甲高い音と共に、一人の男が店に入ってくる。
「地球に帰ってきたらカレーって決まってるだろう。なあ、お前ら」
続く
プロローグです。平成ライダーでディケイドが一番好きという
異端児ですが、どうぞよろしくお願いします。
当然、次回から本編スタート。もちろん、出てくるのは
豪快なアイツらです!