転生これくしょん~転これ~ 【一時休止中】   作:上新粉

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初めましての方も私の作品を読んでくださっている方もこんにちは!
サブタイトルの様に唐突に書きたくなり我慢できずについやっちゃいました!
基本的にはメインが向こうで息抜きにこっちみたいな感じを予定してますので気が向いたときにでも読んで頂ければ幸いですね!




始まりはいつも突然に……

 その日はここ数日と同じ様に雨が続き、実に梅雨らしい天気だという事以外別段代わり映えのしない平穏な一日だった。

いつもの様に友達(ダチ)の山本と一緒に下らないバカ話に花を咲かせながら帰りの電車を待っていた時の事だった。

 

「なあ響夜(きょうや)聞いたかよ、今日持田の奴がさぁ」

 

「ああ、あれはやばかったわ。なんつったって『次のアップデートでケッコンカッコカリが出来るようになるんだってよ!』だぜ?」

 

「マシで何時の記事呼んでんだよなあいつ!」

 

元々俺がやっていたブラウザゲームー艦隊これくしょんーを山本に勧めたたのが始まりで今ではうちのクラスに艦これを知らない奴は居ないくらいに一大ムーブメントを巻き起こしていた。

 

「だよなぁ、とっくに電とカッコカリしてるっつーの」

 

「俺なんかヴェールヌイと響改両方とカッコカリしてるぜ?」

 

「マジかよ、愛に溢れ過ぎだろ」

 

「まだまだよ、まだ改装前の響とカッコカリしてないからな」

 

「はぁ~、お前にゃ敵わねぇな」

 

「まあ、響夜と違って海域は3-4までしか進んでないけどな」

 

それでもすげぇよなぁ……俺も改装前の電とカッコカリしようかなぁ。

山本を羨みながらも俺の頭の中では帰った後の艦隊運営について頭を悩ませていた。

 

「あ~あ、俺も流石に通常海域進めようかなぁ」

 

「それもいいんじゃないか?先の方がレべリングも捗るだろうし」

 

山本と談笑していると後ろが俄かに騒がしくなっていた。

 

「どけよおらぁっ!飲みもんが買えねぇだろうが!!」

 

どうやら真ん中の方でオッサンが飲み物を買おうと騒いでいるらしい。

 

「よっぱらいかぁ?しずかにしろよな……」

 

「まったくだ、混んでんだから大人しくしてろよ」

 

そういってオッサンの方を一瞥だけすると直ぐに向き直り気に留めずに話を続けようとしたその時。

突如背中に走る鈍い衝撃に俺は為す術もなく電車が通過しようとしている線路へ放り出された。

その瞬間俺は時間だけが引き伸ばされたような世界で様々な事を理解した。

オッサンがかき分けた事によって列が乱れ俺が押し出されたこと。

山本が俺の手を取って引っ張り戻そうとしていること。

しかし山本までこっちに態勢を崩してしまったこと。

そして左から照らされる電車のライ……ト…………

 

 

 

 

 

 

そこで俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に俺の視界に入ってきたのはただ白いだけの何もない世界。

 

「ここは……?」

 

俺はホームから突き落とされて助けようとしてくれた山本と一緒に電車に……

しかし、自分の体を見るも電車に轢かれた所か傷一つ付いていなかった。

 

「夢…………いや、だとしたら何処からが夢なんだ」

 

暫く考えてみたが自分では分かりそうにも無かったので夢だろうがなんだろうが兎に角人を探すため辺りを再び見回してみると、さっきまでは気付かなかったが一点だけ黒い点がある事に気付いた。

 

「人……か?取り敢えず行ってみるか」

 

あれ以外に手がかりが無いのなら行くしか無いだろうと意気込み、全速力で向かった。

段々と点が大きくなっていくが俺はそれとは別のある事に気付いた。

 

「息が切れてない……疲労感もないな」

 

なるほど……此処が現実ではない確信は得た。あとは此処が夢の世界か死後の世界かだが……

近づくにつれ点は徐々に人型だと認識できるようになってきた。

それならばあそこの人に聞いてみればいい。

そう思っていた……しかし更に近づくにつれその存在は近づきがたいものだということに気付いた。

 

「これは……流石にな」

 

「うわあぁぁぁぁああん!!」

 

そう、号泣しているのだ。中(・)年(・)太(・)り(・)し(・)た(・)裸(・)の(・)オ(・)ッ(・)サ(・)ン(・)が(・)……

 

「うわあぁぁぁーー!!なんでがわいぞうなんだぁぁぁ!!!」

 

「このオッサン……何を言ってるんだ」

 

「小山響夜(こやま きょうや)君が可哀そう過ぎるよぉぉぉぉ!!」

 

「可哀そう、俺が?」

 

「そう……ズズッ……君が」

 

オッサンは汚らしく鼻を啜ると俺の肩を掴んでこう言った。

 

「私はね、神様なんだ。だから理不尽な最後を遂げた君に第二の人生をプレゼントしよう」

 

「は…………?」

 

いや、ちょっとまてよ。まあ恐らく俺の記憶通りだとすれば死んでいるんだろう。

確かに理不尽かもしれないが俺なんかよりもっと理不尽な最後を迎えてる人だって沢山いるだろう?それを第二の人生って言われても納得できるわけないでしょ、っつかそれよりも何よりもだ……。

 

「お前のようなどこにでも居そうな冴えないオッサンが神様っつーのが一番理解に苦しむ!」

 

「そ、そんなこといったってぇ……神様なんだから仕方ないじゃん?」

 

「頬を膨らませるな!気色悪いわっ!」

 

「ひっどいわっ!だったら私の神見せちゃうわ!どこでも好きな場所を言いなさい!生まれ変わらせてあげるわ」

 

なぜか途中からおねぇ言葉になり始めたオッサンは荒ぶる鷹のポーズを取りながら行先を要求してきた。

俺はどうせ出来ないだろうと思いつつも冗談半分で答えた。

 

「じゃあ、艦娘が居る世界に連れってって貰おうかなぁ?なんて……」

 

「分かったわ!艦娘の居る世界ね!神に掛かればチョチョイのチョイよ!」

 

オッサンが意気込んで人差し指を俺の額に当てた瞬間。

 

 

 

 

 

 

俺の意識は再び暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ん、んぅ……ここ……は?

伸びをしようと腕を動かすもなにかが邪魔をして腕を伸ばせない。

目を開いて周りを見渡すも薄暗くて何も見えなかった。

 

「今度は一体どこ……ふぁっ!?」

 

直ぐ近くから聞こえてくる聞き覚えのある声にびっくりし飛び退くと天井へ勢いよく後頭部をぶつけてしまった。

 

「っつ……!」

 

俺は後頭部を擦りながら現在の状況把握に努めた。

確か……オッサンに額を突かれて、いやその前に……艦娘の居る世界にチョチョイのチョイ……駄目だ、訳わからん。というかさっきから擦ってる髪もさらさらしてるし擦ってる手の感覚も自分の記憶とはかけ離れている……正直気持ちいい、がそうじゃない。

遠くは暗くて見えないが自分の姿ならと思い自分の手を見つめてみるが……

 

「な……んで?」

 

小さい、まるで小学生の様だ。

俺は慌てて顔や耳に触れてみたがやはり俺の体とは異なる。

しばらく呆然として漸く気が付いた帽子を手に取って自分自身を把握した。

 

「ひびき……だよ?」

 

あ、いまのすっごい良かったわぁ………………さて、あのおっさんが本当に神様だったのかまだ俺の夢なのかは解らないが取り敢えず此処を出る方法を見つけなければ。

と言っても内側から開ける取っ手やボタンは無さそうだし誰かに開けて貰うしか無いかぁ。

だったら今の内に響のドロップボイスを練習して置かなきゃな。

 

「あー……あー……響だよ?その活躍からふしちゅっ……」

 

噛んだ……可愛い。だかしかし!私は電一筋なのだ、済まない響っ!

なんて馬鹿な事を考えていると不意に外が明るくなり誰かの靴音が近づいて来る事に気が付いた。

 

「あれ……は」

 

近づいて来る人影を目を凝らして観察していると見覚えのあるアップヘアーを揺らしながら一人の少女が俺の前までやってきた。

そして少女が目の前の機械を操作すると俺の入ったカプセルは物々しい機械音と共に俺を外界へと解放した。

 

「あ……えと……」

 

「はじめまして、電です。どうぞよろしくお願いしますっ!」

 

突然の遭遇に俺が戸惑っていると彼女は俺に微笑み掛け手を差し出してくれた。

オッサン……あんた本当に神様だったんだな。

 

「ひ、響だよ。その活躍から不死鳥の通り名もあるんだ」

 

俺は自称神のオッサンに感謝しつつ響として生きる為、自己紹介を終え恐る恐る彼女の手を握り返した。

その手はマシュマロの様に柔く、俺は感激のあまり涙が零れ落ちそうになるのを必死に堪えながら彼女に手を引かれ何処かへ連れてかれるのであった。

 

「まずは司令官さんに挨拶に行くのです」

 

「司令官は一体どんな人なんだい?」

 

俺は響を演じながら此処に居るという司令官のことを聞き出す。

電ちゃんを護るためには敵の情報は知っておかないといけない。

 

「司令官さんは私の後に着任しましたけれどカッコ良くて優しそうな方だったのです」

 

ほう……つまりイケメンの優男という訳か、これは要注意だな。

 

「大丈夫かい?司令官に変な事はされてなかったかい?」

 

「?司令官さんとは少しお話した位なのです」

 

ふぅ、まだ電ちゃんは司令官(敵)の毒牙には掛かっていなかったようだ。

 

「そっか。いや、ならいいんだ」

 

「そうですか?――っとこちらに司令官さんが居るのです」

 

気が付くと執務室と書かれた部屋の前まで来ていた。

電ちゃんが扉をノックすると中から少し不機嫌そうな男の声が俺達に入るように促した。

 

「失礼します、響ちゃんを連れてきたのです」

 

「響、着任し……んなっ!?」

 

「ん、どうした?」

 

形式上の挨拶だけでもしてやろうと敬礼をして司令官の顔を見た瞬間、俺は思わず叫びだしそうになった。

 

「な……いや、なんでもないさ」

 

服装こそ一目で提督だと分かるような白い制服に身を包んで某特務機関の司令官の様に険しい顔をしたまま顔の前で指を組んでいるが、茶髪のミディアムヘアーで無駄にイケメンなそいつは俺の良く知る男であった。

 

「そうか、では私も自己紹介をしよう。私は此処第二鎮守府の提督、山本 徹(やまもと とおる)だ。今後ともよろしく頼むよ」

 

「よ……よろしく、司令官」

 

あっぶねぇ……あいつに俺の正体がばれたら何を要求されるか分かったもんじゃねぇぞ。

咄嗟に誤魔化したから流石に気付いていないと思うけど。

つーかその物まね全然似てねぇからやめろって言ってやりたい。

 

「ふむ……響」

 

「ふぁ!?な、なんだい司令官」

 

唐突に名指しされ動揺しつつも俺は努めて響らしく返事を返した。

だが次に帰ってきた言葉は想像は出来ていても絶対に勘弁願いたい一言だった。

 

「今(・)日(・)か(・)ら(・)君(・)を(・)秘(・)書(・)艦(・)に(・)任(・)命(・)す(・)る(・)」

 

 




今までは転生のような何かだったんでね、今回はまともに神様転生しようと思ったんですよ。
因みに本作は私の他の作品とは全く関係のない世界でのお話となります。
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