せめて週一で上げるよう出来る限り頑張ります。
という訳で本編入りまーす!
「深雪っ!原因が分かったかもしれないんだ!」
俺はお風呂場の更衣室から出てきた深雪の手をギュッと握り締めて伝えた。
「お、おおう。何だって?」
深雪は突然の事に何が何だか分らないといった様子で聞いてきたので俺はもう一度繰り返す。
「だから深雪が艤装が使えなくなる原因と対策が分かったかも知れないんだっ!」
「なにっ!?ほんとかそれ!」
「ああ、ただその前に幾つか確認しても良いかな?」
一応聞いておかないと俺の考えが根本から間違ってたらまた深雪に迷惑を掛けてしまう。
「深雪はさ、自分の艦の……じゃなくて過去の記憶はあるのかい?」
「過去?そりゃあ勿論…………あれ?」
「どうしたんだい?」
「ああいや、前に電とぶつかった事はちゃんと覚えてるぜ?」
深雪は何事もなかったかのように答えた。
……が、この環境に慣れつつある俺は深雪が自分の記憶に疑問を抱いた所で一つの可能性が浮上してきた。
当然それは深雪が転生者である可能性だ。
やはり念の為聞いておいて良かったかも知れない。
俺は深雪の正体を確かめる為核心に迫る。
「そっか。それじゃあもう一ついいかい?」
「おうっ、なんだ?」
「遠回しに聞く必要も無いから単刀直入に聞くけど深雪は別の世界からの転生者なのかい?」
さてこれでどういう反応をするかな。
転生者なら肯定するか否定するかのどちらかなはず。
しかし深雪は頭の上に疑問符を浮かべたまま逆に聞いてきた。
「てんせいしゃ……って?」
「……済まない、勘違いだった様だ」
「え?……おお?」
転生という概念を知らない……という事は深雪は純粋な艦娘だと言う事になる。
……が、いまいち腑に落ちない。
過去の記憶を聞いた時に詰まったのには何かしら理由がある筈。
しかし、言いたくない事を問い詰めるのは流石に気が引けるし……。
「響?おーい、どうした〜?」
おっと、どうやら考え込んでしまっていたらしい。
深雪の呼びかける声に気付き意識を表に向けると深雪が
「……なにふぉひふぇるんだい?」
「あ、気付いた」
俺は深雪の手を引き剥がし前に軽く押し出すことで自然に距離を離す。
「いやぁ、呼んでも反応が無いからちょっとねっ!」
そんなに考え込んでたのか……気を付けないと。
「ま、まあいいや。それじゃあ訓練を再開しようと思うけどその前に水着を借りてこようか」
「へ?水着!?い、いやいいってこのままでさっ?」
「良くないさ、これから毎日訓練するのにその度にずぶ濡れになってしまったら制服が無くなってしまうよ」
勿論これも理由だが最大の理由はその格好でずぶ濡れになられると下着とかが透けて見えてエロ────俺の精神衛生上よろしくないからである。
水着ならまだ見れる……はず。
「ん〜……分かった!その代わり一人じゃ恥ずかしいから響も着てくれよな」
よし…………って、えっ?
「え、いや私は別に着なくても……」
「頼むって!私一人水着だったらおかしいじゃんかぁ〜」
確かに深雪だけ水着のまま訓練をしてたら周りからどう見えるだろうか……。
状況を知ってる山本はともかく電や白雪に見られたら俺の趣味だとか思われるんじゃないか!?
それは不味い。電に軽蔑されようものなら俺は立ち直れなくなってしまう!
くっ、女性用の水着かっ……。
男として踏み入れてはいけない領域な気が……しかし……。
「よっしゃ、そうと決まれば早速水着を取りに行こうぜっ!」
「あ、ちょっとまっ!?」
俺の激しい葛藤を余所に深雪は俺を工廠へと引きずっていった。
「んん〜〜っ!なんか泳ぎたくなってくるなっ! 」
「そうだね……潜水艦にでもなろうか……」
深雪によって強引に着替えさせられた俺は男としての何かが喪われて行くのを感じながらただ呆然としていた。
唯一の救いはスク水故に肌の露出が少ない事……だと思ったのだが、予想以上にピッチリしてて下手に下着で外に出るより恥ずかしかったのだ。
だからって下着姿で外には出ませんけどね?
「まあまあ、元気出しなよ。似合ってるよ響」
「……ありがとう。確かに落ちこんでても仕方ないし訓練を再開しようか」
そんな俺の心中を察した、訳ではないがなんとか元気づけようと頑張ってくれている深雪を放っておくわけにもいか無いので気を取り直して訓練を再開する事にした。
「それじゃあまず私が離れるから海面を浮ける様になったら通信で教えて欲しい」
「お、おっけぇ……」
「そんなに緊張しなくてもいいよ、別に今日出来なくたって構わない」
「お、おう……」
「じゃあ離れるよ」
俺は九ノット程でゆっくりと深雪から離れていく。
二十分程進んだ所で深雪から通信が入ってきた。
「で、出来たっ!見てくれよ響っ、海上に立ってるだろ?」
深雪は証明出来た事が嬉しいのか通信越しにも分かるくらいはしゃいでいた。
「嬉しいのは分かるがここからだよ。深雪が海上に立っているところを私に見せてくれ」
「おっしゃぁー!この深雪様が直ぐにそっちに向かってやるぜっ!」
「待ってっ!進む時はゆっ────」
注意を呼び掛けるも時すでに遅し、通信機からは何かが水に飛び込むような音が響く。
俺は急いで駆け寄り必死にもがく深雪の手を取り一気に引き上げた。
練習場所として足が着く所を選んだのだが気が動転した状態では足を着くのもままならないのは艦娘も同じらしい。
「ふぅ……大丈夫だったかい?今は手探りでやってる様な状況だからね、暫くはゆっくり進んだ方がいい」
「げほっ!……げほっ……はぁ……はぁ……た、助かったぁ〜……りょうか〜い」
むせ続ける深雪を背負って俺は一度陸へとあがりゆっくりと深雪を降ろした。
「はぁ〜、死ぬかと思ったぜぇ」
「お疲れ、大変だとは思うけど明日からは少しでも距離を縮めて行こうか」
「距離を…………縮める……」
「ん?何か心配事でもあるのかい?」
「いっ、いや!?何でもないっ!み、深雪様にまかせろぉっ!じゃあシャワー浴びて来るな!」
深雪は慌てて立ち上がりそう言うとそそくさと港を走っていった。
「?……何かやらかしたかな……」
思い当たる節がなく暫く考えていると、鎮守府正面海域から帰ってきた電達と水着姿のまま鉢合わせてしまった俺は、港で正座をさせられ山本が来るまでの三十分もの間白雪に説教を受け続けるのであった…………遊んでるわけじゃないのに……。
スク水響っ!会いたいっ!行ってきますっ!