今日も今日とて俺達は山本の部屋で深海棲艦について勉強をしていた。
と言っても知っている以上の情報は無かったから、俺はほぼポーズだけだったけれど。
山本はというと……パソコンで何かゲームをやっていた。
俺は無言で立ち上がり、山本の後ろから画面を覗き込むと何処か見覚えのあるゲーム……いや、これは……
「…………何をやっているんだい?」
「え、ええとこれはその……興味本位というか……その……」
山本が何をやっていようが口を出すつもりは無かったが、流石に
「そうか、なら司令官はそっちの
俺が部屋を去ろうとすると山本は慌てて扉の前に達塞がった。
「え……ちょっ、まっ!そ、そうだ響!新しい仲間を迎えようじゃないかっ!?」
「ふ〜ん…………」
何とか気を引こうとする山本。
まあ仲間が増えれば海域も攻略しやすくなるしそれ自体は問題は無い、だがな。
俺は冷めた瞳を画面に映るスカートを穿いてない少女へ向ける。
「え……と、ああっ!」
山本は俺の言いたい事を理解したようで、直ぐにパソコン前に戻るとアプリケーションのアンインストールを開始した。
そしてアンインストールが完了すると、振り向きながら土下座をするという上級テクニックを披露してきたのだ。
「ごめん響、もうあれは二度とやらない。だから頼むっ!居なくならないでくれっ!!」
「いや……こっちこそ済まない、流石に意地が悪かったね」
本気で謝罪してくる山本を前に、俺は少し大人気なかったかなと反省し、床に頭を擦り付ける山本へ右手を差し伸べる。
「さ、司令官。一緒に工廠へ行こう、新しい仲間を迎えるんだろう?」
「あ……ああよし行こうっ!」
「電も一緒に行こうよ」
「…………」
俺は電を誘ったが電は難しい顔をして考え込んでいた。
「どうかしたかい?」
「へ?あ、いえ、電は此処でお勉強しているのでお二人で行ってきて欲しいのです」
「そうかい?……分かった、すぐ戻るね」
「お気にせず、ゆっくりしてきて下さい」
「?……うん、行ってくるよ」
電の最後の言葉がなんだか引っかかるが、思い当たる節も無いので頭の片隅に閉まっておくことにした。
建造ドックを見渡しながら俺はここに来た日の事を思い出していた。
此処に来てからそろそろ一ヶ月経つのか……あっという間ではあるけど実際まだ鎮守府正面海域すら攻略してないと言うのは果たして海軍的には大丈夫なのだろうか。
……まあそもそも此処でまだ軍人どころか山本以外の人間を見たことが無いんだけど。
「さて、どのレシピで回すか……響ならどうする?」
「決めるのは司令官の仕事だろう?」
「それはそうだ、でも実際に戦いを知らない俺より知ってる響達の方が今必要な艦種が分かるだろ?」
「…………」
なるほど、山本の言う事は最もかも知れないな。
俺は現状で必要な艦種を考察する。
まず、出撃要員としては最悪俺や電みたく最初から艤装の操作が分からない艦娘だったとしても沈みにくい重巡、いや戦艦がいいだろう。
次に遠征……はまだ第二艦隊が解放されて無いから行けないか。
「それなら私や電みたいに、建造後直ぐに出撃出来ない可能性を考えるとやっぱり戦艦が良いんじゃないかな」
「おっけ、じゃあ400,600,600,200……っとよし頼むよ」
山本からレシピを受け取った妖精さんはピシッと敬礼をして機械の方へ走っていった。
暫く待っていると機械上部に取付けられたデジタルディスプレイに残り建造時間が表示された。
-4:59:56-
「まじでか…………」
「…………」
山本 運72/80みたいな感じ……かも知れません。