転生これくしょん~転これ~ 【一時休止中】   作:上新粉

9 / 30
戦闘?いえ、知らない子ですね。
今作は戦闘は少なめを予定しておりますのであしからず。(無いとは言っていない)


1-1攻略完了!

「作戦終了。艦隊が帰投しました」

 

「…………ただいま」

 

「おお、二人共お帰り──って大丈夫か響!?」

 

「問題ないさ」

 

とは答えたものの俺の内心ナイーブになっていた。

出撃の結果としては敵主力艦隊の撃破に成功し鎮守府正面海域の攻略は成功である……が。

俺はというと初戦でイ級の魚雷が命中し即効で中破。

その後の主力艦隊相手の時にはただ見ている事しか出来なかったのだ。

はぁ……情けない。

 

「まあ、初めの内はそんなものですから気を落とさないで下さい」

 

「そ、そうだぞ響。段々と慣れていけばいいんだって」

 

……それもそう、か。確かに俺の艦隊も最初から強かった訳じゃないよな。低練度だったらイ級単艦でも大破するときもあったよな……うん、あった……はず。

 

「…………ジュルリ」

 

…………それに今は落ち込んでる場合じゃないな。

 

「済まない司令官、先に直してきてもいいかい?」

 

「あ……そ、そうだな!直ぐに行った方が良いな!」

 

「ええ……報告()は私が行なって置きますので」

 

「うん、ありがとう。それじゃあ失礼するよ」

 

報告を白雪に頼み、山本に一礼してから俺は港を後にした。

少しして背後から何かを叩きつける音と呻き声の様なものが聞こえたが気にしないことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「あ"あ"〜……これからどうすっかなぁ……」

 

艤装の修復を工廠の妖精さんに引渡し入渠ドック(という名のお風呂)に浸かりながらこれからの生き方を考えていた。

演習や出撃を重ねていけば恐らく練度は上がって行くだろうが駆逐艦はどうしても敵との距離が近い艦種だ。

加えてこの世界には轟沈の明確なルールが無く(これを知った時は俺も山本も嫌な汗が止まらなかった)撤退戦まである為、轟沈率がかなり高い艦種なのだ。

じゃあ出撃しないければいいかといえばそういう訳にも行かない。

何せこんな状態でも名目上俺らは軍属なのだから、鎮守府として仕事をしなければ山本は首になり俺達は転属又は解体処分だろう。

 

「はぁ……平和な世界で生きたいな」

 

「そこに私達艦娘の居場所があれば良いのですが」

 

そこで電ちゃんと一緒に仲睦まじく…………って、え?

 

「し、白雪!?どうしてここに?と言うかバスタオルはどうしたんだいっ!?」

 

先程まで天井を見上げていた俺は声のした方へ向き直るが、その名に恥じぬ美しき素肌を目の当たりにし瞬時に視線を逸らす。

 

「どうしてって。私も至近弾を少し貰いましたので修復に来たのと、バスタオルは最後に身体を拭くのに使うので籠に置いてありますが……」

 

「あ……そっか……そうだよね」

 

未だに(自分)の身体ですら直視出来ない俺に他の娘の裸を見て平静を保てるほど強靱な精神力は持ち合わせていないのだ。

そんな俺の様子を見ていた白雪は何かを察したのか途端に右腕で二つの膨らみを覆い隠し、真っ赤な顔で俺を睨みつけた。

 

「ここの鎮守府は特異体が集まる所だと言う事を失念していました……あなたも男性の魂を持つ存在でしたか」

 

「え?いや、それは……っていうか白雪は私達が転生者だって知ってるのかい!?」

 

「……転生者?っていうのは解りませんがここは艦艇の魂を持たぬ者が集まる鎮守府だと聞いています」

 

集まる……って事は更に七世(あんなの)みたいのが増える可能性があるっていうのか……

はぁ……余計に先が思いやられる。

 

「それで、あなたは一体何者なのですか?」

 

「えっ、と……済まないが自分が何者なのか分からないんだ。白雪の話で言うなら特異体なのかも知れないけどね」

 

「そうですか、自身の性別も分からないのですか?」

 

「そうだね、私の中身が男だと思うならそう扱って貰って構わないさ」

 

「……分かりました、それは今後見定めさせて貰います。今は修復を優先するとしましょう」

 

そう言って白雪は隣の湯船へと浸かりほっと一息ついていた。

 

…………あれ?俺は今なんで肯定しなかったんだ?

いや、確かに今の状況的には……ん?別に正直に言っても問題ないような。

う〜む…………分からん。まあ言ってしまったものは仕方ないか。

 

俺は思考を中断させ、別の事を考え始める。

 

 

 

 

「それでは先に上がりますね」

 

「ああ」

 

それから十分しない内に修復を終えた白雪は俺に一声かけると、そのまま風呂場を後にした。

俺ももう直ぐ修復は完了するが、更衣室で白雪と鉢合わせるのは色々と不味いのでもう少しゆっくりしてから上がる事にした。

 

それにしても艦娘の居場所か……。

そもそも平和なら確かに生まれなかったのかも知れない。けど生まれた以上平和になった後も彼女達の居場所は用意するべきだと思うのは、俺が何も知らないガキだからなのだろうか。

いや違う!好きな娘が平和な世界に居場所が無いなんて断じて認められるはずがない。

やはりその為にも俺は強くならないと、沈んでしまっては守りたいものも守れないからな。

 

「っと、そろそろ出るか」

 

思った以上に考えに耽っていたらしい。

更衣室には既に白雪の姿は無く、服を着て髪を乾かしてから廊下へ出ると脛を抱えて蹲る戦艦の姿があった。

 

「ひ……びきぃ……助けて……」

 

「…………入渠ドックならそこにあるよ、それじゃ」

 

俺は自分が出てきた所を指差してその場を後にした。

 

 

 




お風呂回をもっとお風呂回にしたかったorz
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。