カタフラクトを乗り回す主人公が居ないから私が乗り回す為のIS 作:銭湯妖精 島風
千冬さんとの親睦を深めた後、私は寮の鍵を貰い部屋に大きい荷物を置き、ボストンバッグに必要最低限の衣類や物を詰めて、寮を後にする
外出届と外泊届を提出し、IS学園を離れ公共機関を乗り継ぎ生まれ故郷に辿り着く
懐かしい気持ちになりながら歩いていると、やはり変わった場所も多くあり少しだけ寂しさを感じてしまう
そんなこんな歩いていると、見慣れた彼の家に辿り着く
十数年振りの織斑家への訪問なので一度深呼吸をして、インターホンのボタンを押す
「はい」
数秒して一夏の声がインターホンから聞こえたので
「織斑一夏さん宅は此処で間違いないでしょうか?」
とりあえず仕事含みの訪問の為、一応は敬語で尋ねる
「え?あー・・・そうですけど、なんですか?」
少し戸惑っている様で曖昧な言葉で尋ねてくる
「IS管理局から派遣された貴方の身辺警護を担当する者です、色々と説明したいので中に入れて貰えますか?」
「は、はぁ・・・今鍵を開けます、どうぞ」
曖昧な言葉と共に玄関が開き数年振りの一夏を眼にし、門を抜け彼の前に移動すると、彼は少し驚いた表情をする
「あ、あんた」
「なにかな?織斑一夏、前に見た時より間抜けな表情だぞ?」
彼の胸を軽く手の平で押して道を開け、中に入り靴を脱いで揃え脇に寄せてから家に上がり込みリビングに入る
「あ、ちょっ勝手に何で入ってるんだよ、あんた」
呆けていた一夏が正気になり私を追ってリビングに入ってくる
そんな彼を見据え
「ソファは、あの頃のまま・・・流石にテレビは変わっているか・・・だが窓から見える風景は、あの日と同じに見える。なぁ一夏、君は あの日の約束を覚えているかな?」
ボストンバッグを床に置き、彼に尋ねる
「え?約束?あんた とか?」
「あぁ」
彼は物凄く戸惑っている様で、ワタワタした後に腕組みをして考え始める
「うーん・・・あんた、やっぱり何処で会った事が有るんだよな?何処だ?」
降参とばかりに両手を上げで一夏は私に尋ねてくる
「まぁ十数年振りだから仕方ないかもな、ならば名乗ろうか。私の名前はツェツィーリエ・M・ヒュームレイ、君にはエリと名乗った方が分かりやすいか?」
「ツェツィーリエ・・・エリ・・・お前、エリなのか!?あのエリか?!」
私の言葉に一夏は目を見開き、凄く驚いた表情で聞き返してくる
「あぁ、エリだよ。久しぶり一夏、また会えたね」
「あぁ久しぶりエリ、本当に久しぶりだな」
一夏は物凄く嬉しそうにそう言う
そんなこんな一夏が飲み物を用意してくれて、2人でソファに座り雑談をする
「にしても、災難だったね?」
「あー、本当に災難だよ、なんで俺なんだ」
ガックリと肩を落とす彼の肩をポンポンと叩き慰め
「さっきも言ったけど私はIS管理局から君の身辺警護の任を賜って来たんだ、だから君は私が守るから安心して欲しい」
「エリ・・・ありがとう」
彼の気が少しは紛れた様なので良かったと考え
「この辺りは随分と変わってしまったね、少し寂しさを感じるよ」
「でも、これから暫くは一緒にIS学園に通うんだろ?なら、また色々一夏にやろうぜ?」
苦笑する私に一夏は、1番最初に私を誘ってくれた あの日と同じ笑みを浮かべて そう言う
「・・・ありがとう、一夏」
私は、やっぱりこの笑顔が好きで、守りたいと感じる
だから私は再び決意する一夏を必ず守ると
私が勝手にそんな事を考えていると
「ボストンバッグを持ってるって事は、今日戻ってきたのか?」
「ん?あぁうん、まぁね。千冬さんにも会ってきたよ」
そう言い、私は荷物の中から寮の鍵と寮の規則が書かれている紙を取り出し
「とりあえず、これが寮の鍵と規則とか書かれてる紙。ちゃんと読む様に」
彼に渡すと微妙な表情になり
「確か部屋の都合が付かないから暫く家から通うって聞いたんだけど?」
「安全面を考慮して無理矢理調整して貰った、と聞いている」
一夏は私の説明に、そう言う物かと納得してくれた様で、ふーんと頷いた
それから私達なお互いの空白を埋める様に様々な話をした、小学校に上がってからの話、IS管理局に両親が転職した話、私がカタフラクトのパイロットを目指している事を話した
話に夢中になっていると、窓の外は真っ暗になっていた
「・・・しまった、話に夢中になり過ぎた」
私としては挨拶と少し話をしてIS管理局の日本支部に行きスレイプニールの試作追加装備を受領する予定だったのだが、少しばかり手遅れっぽい
「今日は泊まってけよエリ、まだ話足りないし」
「・・・そう、だね。お言葉に甘えるよ一夏、ありがとう」
少しドキッとした気がしたが私の気の所為だろう多分
そんな訳で一夏の好意に甘え、織斑邸に一晩泊まる事になった
テキパキと家事をこなす一夏は宛ら主夫で、謎の洗練さが見えて驚いた
一夏の作った夕飯に再び驚いたのは言うまでも無く、私より上手く出来ていて、密かに敗北を味わったのは秘密だ
夕飯後、私達は再び夜が更けるまで話をした
私が引っ越した後、千冬さんの勧めで剣道を始めた事、その道場の娘と友達になり剣道で切磋琢磨した事、その娘の姉は篠ノ之博士であり、千冬さんとは親友である事、ISが世に出て要人保護の為に一家は この街を離れる事を余儀無くされてしまい彼女は転校して行った事、入れ代わりに入って来た転入生と友達になった事
本当に様々な事を話た
本当はIS学園には行きたくない
何で自分が
そんな愚痴も一夏は吐き出してくれた
私には彼の愚痴を聴くぐらいしか出来なかった
だが、必ず守る。命に代えても必ず守る
そして支えようと心に誓った
今回は少し短めですね、すみません
一応、原作沿いにして行く予定ですが、ちょいちょい改変して行くつもりです
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