「んう・・・?」
「イリ・・・ヤ・・・?」
イリヤが居ない。
あのふわふわしていた六角星も。
黒髪ツインテの人も。
「どこいったの・・・?」
「貴様、戻れなくなるぞ?」
・・・え?
「私はアーチャー。ただの弓兵だ」
「アーチャー・・・?」
「そうだ、夢に出てきていたのも私というわけだ」
「何のために・・・」
「お前をこの世界から遠ざけるためさ」
「・・・魔法のこと?」
「そうだ、お前はもう痛い思いはしたくないのだろう?ならば魔術に深入りしようとは思わないことだな」
「痛い思いはしたくない、だけどそれで誰か悲しむなら甘んじて受け入れれるよ」
「・・・そうか、さすが現代に生きる英雄と言ったところか」
「英雄・・・そうか、あの時消された記憶に有ったんだ、英雄としての私の記憶が」
「だから魔術協会はそれを恐れてお前の英雄としての記憶を同時に消している。だがバックアップのようなもので戻ったみたいだが」
「英雄・・・私の英雄は桜神。何にも屈しない最強の英雄!」
「ふん、そうだな、自らの信仰を力にする神の英雄。アベンジャーとしてのクラスでも異質な物だな」
「ねぇ?アーチャー。あなたでも本当の私を理解出来なかったみたいね」
「あぁ、英雄としてでもお前は異常すぎる。これまでに例が無い存在でしかも現代の英雄となると協会の奴らも黙ってはいられないはずだが」
「そうね・・・アーチャー、イリヤがどこにいるか教えて」
「お前達が通う学校のグラウンド。そこの別世界にお探しの人物はいるさ」
「ありがとうアーチャー。思い出させてくれて」
「俺は戻るぞ、守護者としての事があるからな」
「うん、また会えたら・・・」
赤い外套と纏った人物。
正体はかつて聖杯戦争でサーヴァントとして現れた英雄エミヤ。投影魔法を得意とし、固有結界『無限の剣製』を有する。私はそんなとんでもない英雄に会えた。だったらそれを真似してみよう。投影としての限界を。
創造の理念を鑑定し、基本となる骨子を想定し、構成された材質を複製し、製作に及ぶ技術を模倣し、成長に至る経験に共感し、蓄積された年月を再現する
・・・早くイリヤの所に行かなきゃ。
「ここにイリヤが居るのかな・・・?」
かすかに周囲の魔力がおかしい。
一部濃密な魔力が漏れていてしかもヒビも入ってる。
魔術に携わった者にしか見えないから一般人には見えない。
「スタート・・・、宝具召喚」
私の能力。それはかの有名な英雄王ギルガメッシュには劣るけど一度この目で見た宝具を引き出せる物。王の財宝にまでは届かないけれど別世界に行くぐらいなら!
・・・?
何この魔力。
あまりにもふざけた巨大な魔力が鏡面世界に来た?
「イリヤ!一度引いてちょうだい!」
「え?どうして?凜さん」
「イリヤの所に別世界から誰かが来るわ!魔力的にただの魔術師でもない・・・とりあえず離れてちょうだい!」
「う、うん!ルビー!」
ここが鏡面世界。
元の世界と瓜二つだけど・・・
「ねぇ、あなたはだれ!」
「・・・!」
「答えなさい!あなたみたいな魔術師なんて聞いたことないわ!」
「・・・それよりライダーを倒したのが良いと思うよ?」
そう言った瞬間私の横を誰かが通った。
あの子が持ってる武器・・・
ケルト神話の英雄クー・フーリンの宝具?
「・・・ゲイ・・・ボルグ!」
「あ・・・あぁ・・・」
そう嘆いたライダーは無散し、カードを残していった。
「ランサー、アンインクルード・・・。クラスカード、ライダー回収完了・・・」
「っ!・・・」
「オーホッホッホッ、無様ですわね!遠坂凜!」
「あ、あんたルヴィア!生きてたのね」
「えぇ!あのあとサファイアと再契約するため探したらあの子をマスターにしますとかなんとか・・・!」
「あーはいはい、大体はこっちと一緒ね・・・」
「それはそうとして・・・あなた一体何物ですの?」
「・・・」
「美遊、一応構えておきなさい」
「イリヤも同じく」
「私の正体を知りたいの?ならゲームをしましょう?」
「ゲーム・・・ですって?」
「えぇ、ルールは簡単。私に負けたらいいんです」
「それはどういうことですの?負けるのが条件なら最初から話せばよろしいことでは?」
「ケルト神話の英雄の宝具を持つあなたたちに私はどれだけ善戦出来るかもわかんないの。それにイリヤには結局ばれちゃうから、今この時に大暴れするの!」
そう言った私はすぐさまゲイ=ボルグを解析する。
「トレース・オン」
あの槍を宝具にしたとも言っていい必中のルーンは解析出来なかったけどほとんど同じ構成。どれだけ効くかな?
「複製・・・解析・・・完了。投影『突き穿つ死翔の槍』行け!」
「イリヤ!あの槍から離れて!あんな強力な呪槍耐えれないわ!」
「美遊も続きなさい!鏡面界から脱出しますわよ!」
そう、これで良い。
今放った槍は対軍の槍。
一撃の破壊力は凄まじく、数軍隊を消し飛ばす程の威力がある。それにロックオン機能を備え付けてあり、交わしても地球の裏側に行っても『幾たび躱されようと相手を貫く』という性質を持つから最早この世界から抜ける以外助かる方法はない。
「ね、ねえ、あなた」
「・・・イリヤ」
「私には分かるよ。纏ってる雰囲気をよく知ってるから。だからあの槍を止めて・・・ミヤ」
「投影・・・停止」
そう詠唱するとゲイ=ボルグは消え散った。
「ねえどうしてそんな姿になっちゃったの?どうして・・・ミヤまで巻き込みたくなかったのに!」
「・・・私には理解してくれる人が居なかった。ある英雄と同じで誰にも理解されず、ただ一度の敗走も無かった私には何も残らなかった。現代に生きる英雄と言われた私はもう疲れちゃったんだ」
「・・・あんたミヤって言ったわよね。それは間違いじゃないのかしら?」
「・・・」
「理解してくれる人があなたにはいるでしょう?イリヤっていう怖がりな子が」
「・・・」
「み、ミヤ・・・」
「投影・・・開始」
「っ・・・!」
「・・・もう何も残らない。全てを破壊せんとする私を止めれる人なんて・・・」
詠唱開始、再現率99%、宝具現界
「イリヤ、もう無理だね・・・ここは崩壊するよ、逃げないと・・・」
「死ぬよ」
「美遊!」
「はい、サファイア!」
理解者が居ない私に居場所はあるのかな?
もう戻れないぐらい壊れてしまった私はもうこの世界に要らないんだ。
だったら早く・・・、消えないと・・・
17/1/11
大幅に内容を変更しました。
後々にルート分岐として創作させていただきます。