私は最初はただの女の子だった。
何の力も持たないただの人間だった。
でもある日を境に強大な力を持った。
それは季節神と言われる日本神話の神の力。
『桜神』と呼ばれたその神は北斗神話の最高神トールとも並ぶ信仰を持ち、四季節の『春』を司ると言われている。
また桜神の使いと言われる【遠明寺】と言われる家系はごく稀に桜神の力を持つ。
それが発現する時期は不明で、家系の者にも分からない。
遠明寺家で生まれた少女は生まれつきの天才だった。
武道や武術をすぐに習得し、弓道や銃術などの遠距離武器も軽々と習得した。
それは多少の心得があれば誰でも出来るが、驚きなのがこれらを小学1年生の時に全て習得してしまった事。
それにより遠明寺家は少女に全てを詰め込もうとした。
しかし小学生の女の子にそんなことをすればすぐに精神が壊れる。
遠明寺家はそれに気づけず少女の精神をどんどん蝕んでいった。
最終的に少女は壊れ、表面上は普通の女の子だが、裏では喜怒哀楽を感じない壊れた女の子となった。
遠明寺家は「秀才や天才でも壊れたモノは要らない」と言い、少女は捨てられた。
そして少女は衛宮切嗣に拾われた。
幸い、アイリスフィールが実の娘のように可愛がり少女は段々と心を開き、精神も少しずつ治っていった。
しかしそこで大きな事がおきた。
魔術協会の者がクラスカード回収に来てイリヤと接触した。
その時に忘れられていた遠明寺家の記憶が蘇った。
少女は元々破滅の道に進んでいたのを逸れていただけ。
遠明寺家の記憶によりまた、精神不安定となり魔力を制御出来ずに暴走した。
破滅から逸れていた少女はまた破滅の道に進んで行った、強い闇に飲まれた少女を救う光はとても近くにあるはずなのに・・・。
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「・・・イリヤ」
「・・・なんでミヤが魔法の世界に・・・」
「イリヤさん?さっきのミヤさん?とかいう人とどういう関係なんですか?」
「小さい頃から一緒に住んでて、姉妹みたいな感じかな・・・。でも時々、反応が変だったり、目の色が違ったりしてたような・・・」
「目の色が違う・・・魔法の影響かしら?」
「わかりません・・・、でも一つ言えるのはミヤはもうここに帰ってこないと思います」
「・・・どうしてかしら?一緒に住んでるならここに帰ってくるんじゃないの?」
「昔から一緒に居たから大体わかるんです、もう帰って来ないんだなって」
あの時のミヤはどこか悲しそうな、寂しそうな感じがした。それと同時に私の知らないミヤがとても怖くて話せなかった・・・。
「それだとミヤさんを学校で観察出来ませんねー、さすがの私もその場に居ない人を観察するのは無理ですし」
「とりあえず今日はここまで!明日にまた話し合うわよ!」
そうして今日の会議が終わった。
「桜、居る?」
「お呼びくだされば、どこにでも」
「感知不可能の霊体の状態でイリヤと居てあげて、なにかあったら嫌だから・・・」
「ミヤ様は変わりましたね」
「・・・え?」
「昔のミヤ様は友人など持たず、感情移入もしない冷徹なお方でした。でも今はイリヤ様を心配しておられます。それはミヤ様の中で大切な存在だからなのでしょう?」
「・・・そう・・・なの、かな」
「ええ、イリヤ様が危険に合うのが嫌なのでしょう、魔法に触って危険に合ってほしくないと思っておいでなのですから」
「桜も大切。イリヤも大切。でも自分がわかんないの・・・、自分は要らないって思えば思うほど段々と自分が壊れちゃいそうで・・・」
「ミヤ様は一度考え直してみてください。私はミヤ様をとても尊敬していますし、同時にずっと私の主で居てほしいのです、イリヤ様も同様にミヤ様を大事にしておられますよ」
「・・・うん、ありがとう桜。・・・イリヤのとこ行っておいで、私は大丈夫だから・・・」
自分が段々と壊れて行くのがわかる・・・
どんどん自分じゃないものに呑まれそうなのも・・・
誰かぁ・・・助けてよ・・・
ここから助けて・・・
「イリヤー?・・・っと珍しいな寝てるなんて」
「あぁ、うん昨日いろいろあってね・・・」
「ふーん?それとミヤはどこだ?」
「ミヤは先に行っててって言ってたから先に来たんだ」
「・・・もうHR始まるぞ?まだ来ないのおかしいだろ」
「・・・うん」
「はーい!みなさん、おっはようエブリワン!・・・ってことで転校生を紹介しまーす!」
そう先生が言った転校生はとても昨日の子と似ていた。
かなり・・・いや本人と言っていいぐらいに。
「美遊・エーデルフェルトと言います」
「美遊ちゃんはフィンランドからの帰国子女です!みんな聞きたいことあるでしょうが授業の後にね?」
「あの・・・先生、私の席はどこでしょうか」
「あっと!忘れてた!適当にイリヤちゃんの後ろでいいかしら?」
「はい構いません」
先生、なんで私の後ろなのー!
ていうか、どうしよう後ろに美遊さんが居るから緊張する・・・
「み、美遊さんよろしく・・・」
「・・・」
うわー!無視されたー!やっぱ顔に出てたのかなあ・・・
(昨日の子このクラスだって聞いたけど・・・居ない)
「いやー、美遊さんが転校生で来るとは!よくある魔法少女での展開ですねー!」
「ルビーちょうとうるさい」
「えー、だって暇なんですよー?ずっと鞄の中にいるって」
「そうですよ、姉さんはもうすこし落ち着いてください」
そう嗜めるように言ってきたのはルビーの色違い的な六角星。
「自己紹介が遅れました。私はサファイアと申します。姉さんと同時に製作されましたが順番は姉さんのが早いです」
「そうですよー!サファイアちゃんは自慢の妹です!」
「それより姉さん、クラスカードについてはもう?」
「へっ?クラスカードって?」
初耳。ていうかサファイアのがしっかりしてるからサファイアが姉ぽい・・・
「姉さん説明してないんですか・・・」
「ア、アハハー、ソンナダイジナコトワスレテナイデスヨー」
「クラスカードについては姉さんから聞いてください。それと美遊様と共同しての回収をお願い「サファイア、あまり外にでないで、目立つ」・・・わかりました」
そういうとサファイアは美遊の所にもどっていった。
それと同時に裏で災厄に蝕まれかけている人物がひっそりと騒動を起こそうとしていた。