現在私たちは、部屋で今回のカードについてと起きた事を話し合っています。
「イリヤ、あんた何か知らないの?ミヤって子の情報とか」
「私もよく分からないの・・・、ミヤがあんな様子になったの最近だから・・・」
「凜さん、ミヤさんについては置いておきましょう、それより今回イリヤさんに起きたあの姿。あれについて少し推測を立てました」
「ルビー、それはどういうものなの?」
「はい、元々クラスカードは英霊の力の一端を移しとった物です。なので対応されているクラスの英霊の力を引き出す事が出来るのですが、今回イリヤさんに起きたのはまったくもって検討もつきません。しかしあの身体能力や剣術を見ると英霊の力と言っていいでしょう」
「じゃあ、私はその英霊ぽくなったって事?」
「多分そうだと思います。おそらく発動した者に英霊を卸す・・・要は自分自身が擬似英霊となるのだと思われます」
「なるほどね・・・イリヤ、あの時の記憶あるかしら?」
「ううん、あるのはセイバーのクラスカードが落ちて来た部分だけ。それ以外記憶が無くなってるよ」
「とりあえすルビーはクラスカードについてもっと詳しく解析してちょうだい。イリヤはしばらく戦闘は無理ね、魔力がほとんど枯渇してるもの、魔法は使えないわ」
「わかりました、凜さん」
しばらく戦わなくて良いんだ。
あんな怖いこともうやらなくて・・・
(イリヤ・・・もしかして戦うことに恐怖してるのかしら、些か顔色が優れてないわ・・・)
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うぅ、頭が変な感じする・・・
意識がしっかり保てない・・・
そこに誰が居て何を喋っているのかさえ分からない・・・
あぁ・・・もう呑まれちゃうんだな、自分自身の闇に。
「ミヤ様!大丈夫ですか!?」
「さ、さく、ら・・・あな、たは・・・イリ・・・ヤの所・・・に」
「・・・っ!・・・わかり・・・ました・・・」
そう、これでいい。
人知れず誰にも気づかれずに死ぬ。
それが一番良かったんだ。
死ぬなら見つからない鏡面界かな・・・
もうすぐ私は神秘の塊になる。
災厄振り撒く遠明寺家最悪の桜神に。
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「イリヤさん、よく警戒してくださいね、相手は暗殺に長けています、油断すると危ないですよ」
「わかってるよルビー」
今回のカードはアサシン。
隠密行動に優れ、暗殺能力が高いクラス。
ルビーに言われた通り警戒して探してるけど・・・
こんな所に居るのかな・・・?
ガササ・・・、ガサササ!・・・
「んぅ?今あそこに何か通ったような・・・」
そう言った瞬間首に何か刺さった。
かすり傷だったけどとても鋭利なナイフ。
ナイフ。鋭い、ナイフ・・・。
血が流れるナイフ・・・。
「まずいわ・・・、包囲されたわ!」
「一端撤退しましょう、分が悪いですわ!、美遊撤退しますわよ!」
「イリヤも早く!」
「う、うん!」
早く撤退しなきゃ!
でも全然足に力が入らない・・・
う、動けないよ・・・
「イリヤ!あんたなんで動かないのよ!?」
「凜さん、足が・・・動かない・・・」
(まさか神経毒?麻痺させるタイプなら・・・)
「美遊!イリヤをおぶってちょうだい!、あのままだと・・・!」
そう言ってみんなが戻ってこようとした。
しかし私の周りにはナイフで固められた包囲網。
逃げれないんだ、もうここで死んじゃうんだ・・・
嫌だよ・・・死にたくないよ・・・。
「凜さん、ルヴィアさん、美遊さん、誰か助けて・・・」
そう叫んで目をつぶった。
もう助からないけど誰かに助けてほしかった。
「桜天刀流【桜吹雪】、桜よ舞い散れ!・・・、大丈夫ですか?イリヤ様」
誰かが私を呼んでいた。
どこか暖かくて優しい声。
「・・・ぅう?」
目を開けると。
そこには狐がいた。
キャスターの時助けてくれたあの時の狐さんが。
そして周りには塵となったアサシンだったもの。
「私・・・死んでない・・・の?」
「はい、しっかりと生きておられますよ」
「あんたあの時の狐じゃないの!?」
「・・・えぇ、今回はお話ししたい事がありまして・・・」
「話したいこと?」
「とりあえずここから出ましょう、カードは回収してあるので」
そう狐さんは言って、鏡面界から脱出した。
それにしても話したいことってなんだろう?
「今からお話しするのは実話であることを承知の上でお聞きください」
「わかったわ」
「うん」
「まず私は桜と言います、種族は霊狐ですね」
霊狐・・・自然魔法動物で今は実在してないって言われてるけど・・・まだ居たのね。
「あんたは誰の命令で動いてたわけ?」
とりあえず誰の指示で動いてたか聞かなくちゃね。
それで誰か大体は絞り込める。
「はい、それはあなた方も知る人物で私の主人でもあります。その名は遠明寺 美夜・・・、二十六代目遠明寺当主でもあります」
「遠明寺ですって・・・」
「遠明寺って何?」
「はい、遠明寺家は代々桜神に仕えし家系です。しかしごく稀に桜神の力を持つ者が生まれます。そういう者達を先祖返りと呼びますね」
「じゃあ、ミヤはその先祖返り?って者なの?」
「そうですね、美夜様は先祖返りでもありましたが、それ以前に天才児でしたね・・・、剣道・弓道・柔道・空手・銃術など様々な技術を戦闘という才能に生かされ、勉学にも発揮されました。それを良いことに遠明寺家は美夜様にありとあらゆる知識・技術を詰め込もうとしました」
「待って頂戴、その美夜って子は何でも出来たの?」
「はい、知るかぎりの技術は全て持っているかと。肉弾戦の技術も身についています」
「それを行った年齢は?」
「小学1年生までに全て身につけたようです。私も詳しい時期はわかりませんが・・・」
「小学1年の女の子にそんなことすればいつか精神が壊れるわ、あまりにも過酷で非道だもの」
小学1年なんてまだまだ精神も未熟で、成長期でもある。
だけどそんな馬鹿みたいなことすれば誰でも壊れるはずよ・・・。
「ミヤは・・・今どこにいるの?」
「今回はそれでお話しがあったのです」
「え?」
「私の主人を、美夜様を助けてください・・・」
「ちょ、ちょっと待って!ミヤは大丈夫なんじゃ・・・」
「いいえ、美夜様は今は自我がないと思われます。自分自身に呑まれてしまったので・・・」
「・・・うそ・・・」
「落ち着きなさいイリヤ。まだ死んだわけじゃない・・・。ねえ桜、美夜は言えば暴走してるってことでしょ?」
「そうですね」
「でもそれが現実に起きていないってことは鏡面界辺りね、あそこならいくら暴れても現実には影響がないもの」
「美夜様の場所は分かります、魔力の糸のようなものが流れているのでそれを辿れば着けるはずです」
「イリヤ、桜、私一回席外すわ、ルヴィアに話さないといけないもの」
これは一度頭で整理するための口実でもあった。
遠明寺家・・・魔術協会も警戒する聖杯戦争の参加経験家系で秀才レベルの魔術師を多く輩出しているが、裏の方とも繋がりの噂がたっていたりする。
美夜がそこでおそらく狂うほどの教育を受けたのね・・・。
だから精神が壊れていたのね、あの時感じた違和感もそれってことか・・・。
多分あの子はとても死を求めているはず。
そういう経験をした子は自殺が多かった。
残るクラスカードもバーサーカーだけ。
鏡面界の反応も一箇所だけ、つまりそこに美夜も居るはず。
でも、イリヤが果して美夜と対峙して戦えるか・・・
あの子は美夜を心配してるから傷つける事はしない。
となると実力行使は出来ない。
・・・一度ルヴィアに相談してみようかしら。
なんだか腹が立つけど。あんなのに話すのが。
「・・・ねぇルヴィア居る?」
「なんですの、遠坂凜」
「すこし話したいことがあるの」
「・・・わかりましたわ」
遠明寺なんて久しぶりに聞いたわね・・・
もう聞くことないと思ってたし。
「それで?何の話があるんですの?」
「今からクラスカードの事も含めて話すわ」
「遠明寺家を知ってるわね?魔術協会が警戒してる魔術家系」
「ええ、もちろん知っていますわ」
「美夜がその遠明寺家の子だということが分かったわ」
「なんです・・・って・・・」
そりゃ仕方ないわよね、エーデルフェルト家もある意味警戒しないと駄目なんだから。
「そしてその本人は現在暴走状態になってると思うわ。原因は過去の記憶によって引き起こされたらしいわ」
「その美夜という子は今どちらに?」
「鏡面界最後の場所。つまりバーサーカーと一緒の場所にいるわ」
「・・・」
これは確実。
鏡面界の調査もしてもらったけど反応が無かった。
つまり最後の場所に美夜が居る。
元々バーサーカーがいたはずだから隠れてそうだけど
「美遊たちにバーサーカーと暴走状態の相手をさせるっていうんですの?無理ですわただえさえバーサーカーだけでも倒せるか怪しいというのに・・・」
「ええ、だからこれはお願いよ。」
「美夜を一緒に救うのを手伝って・・・」
「・・・わかりましたわ・・・、美遊にもそう説明しますわ。また詳しいことは改めて聞きに行きますわ」
「ほんと!?ありがとう!」
「あーも!私にはこういう雰囲気は似合わないんですの!ひら話終わったら早く帰りなさい!」
「ええ、また」
「ええ、また明日ですわ」
美夜、待っててちょうだい。
遠明寺なんて関係ない。
あなたのことが何故だかほって置けない。
だから意地でも救うわ。