私は間違ってたのかな。
美夜を理解してた気になって。
結局美夜の事を全然分かってなくて・・・。
結果的に今の状態。
美夜は自分の力で暴走して。
美遊は先にカード回収にいって。
・・・私には何があったんだろう・・・。
二人とも大事な友達で。
絶対に無くしたくない関係。
美遊は・・・もう着いてるのかな。
・・・美夜と戦ってるのかな。
やだよぉ・・・。
美夜と戦いたくない・・・。
傷つけたくない・・・。
でも止めなきゃ、美夜を救えない・・・。
どうすれば良いの・・・?
「イリヤさん、ここから大量の魔力が漏れてます。おそらくここから鏡面界に干渉出来るはずです」
「うん・・・、ねえルビー。美夜をどうやって止めれば良いのかな・・・」
「美夜さんは、寂しいんじゃないですか?ずっと孤独感が幼いときからあったようですし」
「そっかあ・・・、美夜と一緒に居たのに何一つ理解してなかったもんね、私・・・」
「でも大事な友達であるなら大丈夫ですよ。長く居たんですから、理解できます。必ず」
「うん・・・ありがとうルビー」
ルビーに言われて少し気持ちが落ち着いた。
なんか・・・こうポカポカとしてきて、楽になった感じ?
早く美夜を戻さなきゃ!
「・・・ルビー、ここが鏡面界?」
「はい、そのはずですが・・・」
鏡面界と思ってた風景とは少し違っていた。
辺りには桜の木があり、桜が舞っている。
少し遠くには美遊さんも居た。
だけど怪我をしてるみたいだった。
誰に・・・怪我させられたんだろう・・・?
そう思った自分が怖かった。
「ここは・・・鏡面界とは違うのでしょうか、普段とは違いますね」
「だね・・・、桜の木なんて無かったし」
「少し奥に進んでみませんか?」
「うん、そうしよう」
「・・・なんで、あの子が」
「美遊様、大丈夫ですか!?」
「平気、サファイア。今はルヴィアさんたちが食い止めてるからその間に治療しないと・・・」
「美遊様、誰か来ます」
サファイアがそう言って警戒した。
そこには、よく一緒にいたあの子。
カード回収を一緒にしたり、学校を一緒の過ごした子。
「・・・イリヤスフィール?」
「ごめん。美遊」
「・・・いまさら何し来たの」
「私、ちゃんと考えてなかった。美遊を一人で戦わせて、人任せにして。私は弱虫で、泣き虫で痛いのも嫌だけど・・・、それ以上に友達が苦しんでたり、傷ついたりするのがもっと嫌なの!」
「・・・」
「だから!また一緒に戦いたい!美遊と一緒に!美遊とまた一緒に過ごしたい!」
「・・・うん」
「だから・・・、一人で戦わせてごめんなさい・・・、美遊の事ちゃんと考えずに行動しちゃってごめん・・・」
「・・・うん、私もイリヤ・・・と一緒に戦いたい」
「・・・うん!」
仲直り・・・出来た・・・?
イリヤが友達・・・。
初めての友達が出来たよ・・・お兄ちゃん・・・。
心から信頼出来る友達が・・・。
「美遊、美夜は居るの?ここに」
「いるよ。向こうにいる」
美遊の後ろには。
大きな羽を生やした少女が居た。
まるで桜の木の枝を羽にした翼。
どことなく面影が美夜にそっくりで。
すぐに理解した。
あれが・・・暴走した美夜の姿だと。
「・・・っ」
美夜の姿を見たイリヤは少し顔を歪ませた。
泣きそうにもなってる。
「イリヤ。無理しないで、辛いならまた後日にすれば・・・」
「ネエ、ソコニイルノハダアレ?」
「なっ!?隠密魔法で隠れたはずなのに」
「コソコソト、隠レンボハオ~シマイ!」
そう美夜が言った瞬間。
美夜の手にゲイ=ボルグが出現する。
「コレデ殺ッチャッテモイイケド~、ソレハ面白クナイカラ突キデ相手スルネ!」
「・・・美遊」
「イリヤ、いつでも」
「散弾!一点!」
「セイバー、インストール!」
イリヤが引き付けてる間にセイバーをインストールする。
自分の魔力じゃそこまで持たないかな・・・。
「・・・宝具『永久に閉ざされた理想郷』」
美夜が宝具の名前を口にすると、目の前に鞘が出てきていた。
美夜はそれを手にとると、持っていた剣を納めた。
「美夜・・・?」
「イリヤ、近づいちゃダメ」
「う、うん・・・」
「この宝具はね、持ち主を癒す効果があるんだ~。これがあるかぎり私は正常に戻れる。・・・まぁつかの間の安らぎだけどね」
「美夜・・・もうやめようよ。こんなこと」
「・・・うるさい」
「こんなことしても美夜には意味ない!」
「うるさい!イリヤに何がわかるの!ずっと遠明寺の玩具として使われて!意味も分からない知識を詰め込まれて!挙げ句の果てに?捨てられるこの気持ちが分かるの!?」
「う・・・で、でも!美夜はこんな自分で自滅するようなことして結局意味ないよ!」
「うるさいよ!どうせ生きてたってなんの意味もない!遠明寺の玩具としてしか生きてなかった私が何を想って生きれば良いのか!もうわかんないよ!」
「だったら!一緒に暮らそうよ!ずっと一緒に!美夜と美遊と私で!一緒に寝て遊んでとかの普段の事をすればいいじゃん!」
「・・・遠明寺はね、魔術界じゃ忌ま忌ましく思われてきた災厄の家系だよ。それこそ、はやく滅びないかと言われるぐらいに」
「・・・ぇ?」
「本当だよ、イリヤ。ルヴィアさんたちが警戒する家なんだって」
「非人道的な研究、実験。人の命なんて二の次で、優先なのは如何に優秀なものを創るか」
「・・・美夜はどうしたいの?一緒に前みたいに暮らそうよ」
「暮らしたい・・・でも私はどうやって戻れば良いのかわかんないの・・・」
「イリヤ、セイバーのカードの宝具で消し去れないかな、美夜の暴走部分だけを」
「やろう。可能性があるなら美夜を絶対に救う!」
「・・・うん。ありがとう・・・二人とも・・・」
そう美夜は言うと鞘を離した。
それと同時に暴走している魔力が放出される。
「イリヤ。私は美夜を救うために」
「私も美夜を救うために!」
「「パラレル・インクルード!」」
「美夜!待ってて!すぐに助け出すから!」
「すぐに終わらせる。そんなのすぐに」
二人が叫ぶと同時に円卓のように剣が召喚された。
そして円卓を繋げるように二人は手にしていた剣を上に掲げると、12の剣が共鳴し、魔力砲となって美夜に発射された。
その時の美夜の表情はどこか・・・
幸せそうに笑う表情だった。
「ありがとう・・・二人とも・・・本当に・・・」
「・・・うぅ・・・、美夜は・・・?」
気づいて辺りを見渡すと。
美遊の側に美夜が横に倒れて眠っていた。
助けれたのだ。あの魔力暴走から。
「イリヤ無事?」
「うん、なんともないよ」
「イリヤー!、美遊ー!」
「あ、凜さん、ルヴィアさん」
「もう、心配したわよ、急に美夜がどっか行くんだもの・・・ってそのかんじだといけたみたいね」
「うん、美遊のおかげで助けれたよ」
「ルヴィアさん・・・美夜は大丈夫ですか?」
「ひとまず私の屋敷で寝かせておきますわ。世話は美遊がやりなさい」
「はい、わかりました」
「イリヤ、戻ろう?美夜をこんなとこにおいてたら眼が覚めたときびっくりしそうだし・・・」
「うん、戻ろっか」
どことなく美夜が笑ってる。
そんな気がした。