規格外たちの間接介入『D×D編』   作:獅狼

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遭遇

初契約の次の日の夜、今度はSP0で帰りの転移魔方陣が発動しないなんて事が無い様にすると決めて、依頼者のもとへとんだ。

 

部屋からするにマンション。

 

……

………

 

 

・・・現実逃避はよそう。

正面に居た依頼者は筋骨隆々な巨漢、しかもゴスロリ衣装を着た。

 

筋骨隆々な巨漢なだけなら阿呑さんで慣れているが・・・・流石にこれは無い。

 

ゴスロリがぴっちぴちだ。

いまにも弾け飛びそう。

かの者の目はすさまじい殺意を向けているかのようで、それで居ながら純粋無垢な輝きを放つと言う異常さ。

そして頭部には猫耳・・・何たる・・・・・何たる漢女(オトメ)・・・・!!

純粋さを持っているからこそそう言える。

しかし・・・・しかしだ。

その瞳の放つ輝きは純粋無垢にもかかわらず、体から滲み出るオーラが歴戦の猛者。

まるで世紀末覇者のようだ。

なんだコイツは、阿呑さんがにこやかに戦闘を行っているときと同じ威圧感を常時放つ・・・だと!?

だめだ、勝てる気がしない。

多分コイツ、素手で堕天使を一方的に殴り殺せる。

光の槍とか、筋肉に阻まれて通らねえよ・・・

「グ、グレモリーの眷属悪魔。しょ、召喚に応じ参上いたしました。な、何か御用でしょうか」

渇(カッ)!!とそんな効果音を間違えなく鳴らしながら、漢の目が光る。

こ、こいつ・・・魔人クラスの闘気を・・・・!!

ヤバイ、殺(ヤ)られる!?

無意識に神器(セイクリッド・ギア)を発動し宝玉にⅠの文字を浮かべていた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

漢が、ゆっくり、口を開く・・・

「そうだにょ。お願いがあって、悪魔さんを呼んだにょ」

 

・・・・・

 

野太い声で、理解を超えた不可解な喋り方で謎の言語が飛び出す。

あれ?「然り、願いが有り、我は汝(なれ)を喚んだ」とかじゃないの?

 

「ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ」

真(ま)鋒(ほう)消(しょう)汝(じょ)?真(本物の)鋒(ほこさき)、消す、汝を?

消されるんですか!?鉾で消されるんですか!?

「異世界に行ってください」

そうすれば、満足に戦える人が居るよ、きっと。

 

――いっせー は こんらん している。

 

「それはもう試したにょ」

「試したんかい!!」

ダメだ、彼がいった世界には彼を満足させれる使い手が居なかったのか・・・

「でも無理だったにょ。ミルたんに魔法の力をくれるものはなかったにょ」

真崩?真の崩壊?つまりは極みの力か?つまり極みまで殴り合える好敵手に出会えなかったのか?

 

――いっせー の こんらん は まだ おわらない

 

「もう、こうなったら宿敵の悪魔さんに頼み込むしかないにょ」

な・・・に?悪魔が・・・宿敵・・・・だと!?

殺されるッ!?

――この時、籠手の宝玉にはⅩⅣと記されていた。

「悪魔さんッッ!!」

漢…ミルたんの発する声がアパートの一室全体を震わせる。

咆哮!?こいつ、魔狼(ルゥ・ガルゥ)の亜種だったのか?

もしくは轟竜!?

「ミルたんにファンタジーなパワーをくださいにょぉぉぉぉッ!!!!!」

おまえのその咆哮は十分、ファンタジーな力を持っているぞ?

良し、少し復活。

――この時、籠手の宝玉にはⅩⅩ

「ミルたん!!落ち着いて!!俺でよければ相談に乗るから!!」

 

とりあえず、この巨漢を大人しくさせて話を聞かなければなるまい・・・

ミルたんは涙を拭うと、強面に満面の笑みを浮かべる・・・・その歯を剥き出しての笑顔は狩ってやると言う殺意を感じるほどの笑顔であった。

「じゃあ、一緒に『魔法少女ミルキースパイラス7オルタナティブ』を見るにょ。そこから始まる魔法もあるにょ」

俺の長い夜(戦い)が、始まった。

 

解放された時、満身創痍で、走る事は出来なかった。

――この時には籠手の宝玉のカウントは、L・・・50で停止していた。これ以上は体力が持たないと判断したのだろう。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

次の日、表向きの部活が終わり、家路についていた。

 

今日、部長は俺の昨日の仕事のアンケートを見て、微妙な表情を浮かべていた。

契約は破談したが、アンケートで最大級の賛辞を貰ったからだ。

 

頑張ってあれの力を昇華させる方法を・・・・・阿呑さんが居れば!!

 

 

アニメは面白かった。しかし何故だ?なぜ変態にあたる?

今の俺は紳士的なはず・・・去年と違い、紳士的なはず!!

 

あの爽やかイケメン王子木場は美人のお姉さんに呼ばれる率が相当高いそうじゃないか。

チクショウ!!いったい、そんな契約取ってんだあの野郎!!

羨ましいぞコンチクショウ!!

見事に完全消失させて証拠もくそも無い完全犯罪を行ってやろうかァ!!

 

・・・・・・ダメだ、これやると部長達が悲しむ・・・クソぅ・・・

 

「はわぅ!」

突然後方から声が・・・

それと同時にボスンと路面に何かが転がる音がする。

振り向くとそこにはシスターが転がっていた。

手を大きく広げ、顔面から地面に突っ伏している。

なんとも間抜けな転び方だ、そして痛そうだ。

「………だ、大丈夫…かい?」

シスターに近寄り、起き上がれるよう手を差し出した。

「あうぅ。なんで転んでしまうんでしょうか……ああ、すみません。ありがとうございますぅぅ」

声からして若い・・・同年齢くらいの女の子か?

 

手を引いて起き上がらせる。

ふわっ、と風でシスターのヴェールが飛ぶ。

俺は即座にそれを取ってシスターのほうを見ると束ねていただろう金色の長髪がこぼれ、広がっていた。ストレートのブロンドが夕日に照らされ綺麗にキラキラと光っていた。

そして、その素顔はグリーンの双眸があまりに綺麗で純粋だ。

金髪緑眼の美少女は、一緒にしたくないがミルたんのような純粋な輝き・・・あるものを信じて疑わないような瞳だ。

しかし・・・・

「あ、あの………どうしたんです…か……?」

訝しげな表情で俺の顔を覗き込んでくる・・・・

「あっ…ご、ゴメン。えっと・・・その・・・」

言葉が続かない。

やめてくれ、そんな無垢な瞳を向けないでくれ。

俺の理想の女の子(金髪美少女版)を体現したような女の子で、俺のトラウマと変態で付かれきった心を・・・ヨゴレきった心を浄化するような純粋な瞳で覗き込まないでくれ・・・

 

惚れてしまうだろ!?

 

やべえ、どうしよう・・・疲れ切った心に入ってくる・・・!!沁みこんでくルゥゥゥゥ!!

 

 

は、話を何か言わないとやられる!!

旅行鞄が視線に映る。手に持っているヴェールを思い出す。

「こ、これ、かかかか風に飛ばされないように気を付けるんだぞ?」

さっき取ったヴェールを渡す。

やっべ、挙動不審じゃん・・・

「りょ、旅行?」

シスターは首を横に振る。

「いえ、違うんです。実はこの街の教会に今日赴任する事になりまして………あなたもこの町の方のですね。これからよろしくお願いします」

ペコリと頭を下げる彼女。

・・・さっき一瞬、目に曇りが・・・何か有ったなこりゃ。

この町の教会?あそこって・・・・ん?

「この町に来てから困っていたんです。その……私って、日本語上手く喋れないので……道に迷ったんですけど、道行く人皆さん言葉が通じなくて……」

困惑顔でシスターは胸元で手を合わせる。

だから、背もこっちが高くて仕方ないかもだけど上目を使うやめて!!浄化されちゃうから!!

ってかこのシスター日本語喋れないのか・・・

悪魔の言語の特典は便利だな。

一番馴染みのある言語に自動変換とか便利だな~

読めないけど話せる。さらになんとか、拙い読み方でも流暢になるのか授業中皆に驚かれてな・・・・

そんなことは今どうでも良いか。

「この町の教会と言うと・・・ああ、知っているな。案内しようか?」

「ほ、本当ですか!あ、ありがとうございますぅぅ!これも主のお導きのおかげですね!」

涙目で俺に微笑むシスター・・・本当にかわいい、なにこの子、お持ち帰りしたい。

しかし、胸元の十字架(ロザリオ)に最大級の拒絶反応が・・・ダークロザリオなら苦手どころか強化になるんだけど・・・

やっぱり悪魔だと苦手なんだな。

シスターとも本来出会わず、喋ってはいけない関係なんだが・・・困った女の子を放ってはおけない。

こうして、俺は美少女シスターを連れて教会へ移動を始めた。

 

その途中で公園の前を通っていると・・・

 

「うわぁぁぁぁん」

子供の泣き声、でも母親が居るし大丈夫だろう。転んだだけのようだし。

しかし、後ろに居たシスターは突然公園へ足を向ける。

おいおい・・・

シスターは泣いている子供のそばへ近寄り。

「大丈夫?男の子ならこのぐらいの怪我で泣いてはダメですよ」

頭をやさしく撫でながら語りかけるシスター。

言葉は通じていないだろうがその表情はやさしさに満ち溢れていた。

そしてシスターはその手のひらを子供の怪我を負った膝にかざし。

次の瞬間、淡い緑色の光がシスターの手から発せられ、子供の膝を照らす。

魔力・・・ではないな・・・彼女は悪魔ではない。

ならば思い当たるは・・・神器(セイクリッド・ギア)

 

何時の間にやら子供の怪我は一切残っていなかった。

子供のお母さんはきょとんとしている。まあ、信じがたい現象が起きたらこうなるか・・・

「はい、傷はなくなりましたよ。もう大丈夫」

シスターは子供の頭を人撫でし、俺のほうへ顔を向ける。

「すみません。つい」

舌を出して小さく笑う。

 

きょとんとしていたお母さんは頭を垂れると、子を連れその場をそそくさと去ってしまった。

「ありがとう!お姉ちゃん!」

そのまま同時通訳をしてあげると彼女は嬉しそうに微笑んだ。

「・・・深くは聞かないがその力・・・」

「はい、治癒の力です。神様から頂いた物なんですよ」

微笑む彼女だがどこか寂しげだ。

なんか、苦労をしている影が見えた気がする。

さっきの僅かな曇りも神器が原因か・・・

 

会話はそこで途切れ、再び教会へ向かい歩き出す。

公園から数分。古ぼけた教会が見えた。

遠めに見て建物に灯りが在るので人は居るようだがどうも違和感が在る。

 

少し進むと、ぞくり、と悪寒が走る。やはり、敵地であり、天敵といっていただけ在る。体が逃げたがる、拒否する拒絶する。

「あ、ここです!良かったぁ」

地図の書かれたメモと照らし合わせ安堵の息を吐(つ)く。

さて、じゃあ俺は早急に退散しますか。

あーあ、すっごい好みなんだけどな。

ま、リアス先輩も居るから、仕方ないで諦めるか。

なんか、悪魔に成ってから急に好みな、ストライクゾーン打ち抜く女の子とよく会うな~

理性の磨り減りも尋常じゃあないけど・・・

「じゃ、俺はこれで」

「待ってください!」

呼び止められてしまった・・・

「私をここまで連れてきてもらったお礼を教会で・・・」

「あーゴメンね、用事が有るんだ」

「・・・でもそれでは」

うーん・・・

「俺は兵藤一誠。周りからはイッセーと呼ばれている。イッセーと呼んでくれていい。君は?」

俺が名乗ると、シスターは笑顔で答えてくれる。

「私はアーシア・アルジェントと言います!アーシアと呼んでください!」

「じゃ、シスター・アーシア。また会えたら良いね」

出来れば敵ではない形で。

「はい!イッセーさん、必ずまたお会いしましょう!」

ペコリと頭を下げるアーシア。

俺も手を振って別れを告げるが、彼女は俺が見えなくなるまでずっと見守っていてくれた。

本当にいい子だ。

 

 

ああ、お持ち帰りしたい。

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