説教が終わって、状況説明して、助けに行きたいといってまた説教。
その途中からの話。
「あー部長?アーシアから神器抜き出される前に行きたいんですけど…」
「…どういうこと?」
怒っている顔ながらしっかり聞いてくれるやさしい部長。
「アーシアの話から普通癒しの力は悪魔、堕天使には効かないけどアーシアの神器の癒しの力は効く、そして堕天使レイナーレはアーシアの神器は希少でそれが必要だといった、そしてアーシアで何らかの儀式を行うとか…完全に神器の摘出でしょ?人間にしか所有者が現れないとはいってもその所有者から奪っちゃえばいいんですから。癒してくれるのはいいけどそこに感情は不要、なら力だけ取り出してしまおうって考えですね」
「……確かにそうでしょうね、でもそれなら尚更危ないわ」
「更に言うなら、俺の神器は危ないものだと堕天使上層が判断して殺害…それこそ抜き出して保存すれば良いのでは?これ、確かに強力だから、条件はわからないけど能力の倍化を何度か行ってくれるんですよね、……ん?なんだこの文様……ダメだ中途半端で解らない……蛇?」
その瞬間、部長は驚愕の表情で言った。
「!!………まさか、『
「『
小猫ちゃんや木場もビックリしているが俺には良くわからない。
「神をも殺せるという『神滅具(ロンギヌス)』の一つ……
言い伝え通りなら十秒ごとに持ち主の力を二倍にしていく能力よ」
「でも、なんだか中途半端な覚醒してるんですが…何とかなりません?」
「神器は持ち主の想いの力で動き出すのよ」
「…なんとも難しいですが…やってみます…ちょっとおかしくなりますが冷静に対処してやってください」
自分の記憶(トラウマ)に埋没し、一番力が欲しかった瞬間を探す。
最初の御褒美付きの無理難題?違う。
終われば休憩できる訓練…違う。
地獄巡り?違う。
違う、これも違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う…あったッ!!
…ハハッ変わらんな俺、やっぱり、理不尽な目にあっている女の子の救出か…
確か攻めてきた別魔界の下っ端が偶然、非戦闘員の居る城下町に数人入ってきたんだったよな…
マジでガラの悪い……完全賊みたいなやつ等だったもんだから……
この事件のせいでレベル100になっても帰らなかったんだよな…
あの時は、灰根さんたちが魔王を即効で伸して駆けつけてくれて何とかなったけど、あの時の無念といったら…比べるのもいけないけどあの時は状況が今より絶望的だったからな…
思い出し、同調(トレース)し………今回のことも被せる。
自然とくやし涙が流れ、力を渇望する…
「さあ、俺の想いに応えろ!!『
『Dragon booster!!』
ゴッ!!っと『
『Dragon booster second Liberation!!』
更に赤いオーラが増し籠手が形状を変え、大きくなる。手の甲にあった宝玉がもう一つ、腕に出現した。
「ん?やりすぎた…か?」
使い方が明確になったのは良いが…やりすぎたか?
あ、まだ涙とまらねえ…
「ちょっと、どうしたの?そんなに涙流して…」
「確かに、尋常じゃない。それに…」
「……かなり、悔しそうです。」
「ああ、ちょっとね…」
空を仰ぐように上を向き涙をこらえる。
あーダメだ、情緒不安定…おかしいなぁ…確か、アーシア救いに行く行かないって話じゃなかったっけ?
こら、木場、キミも苦労してたんだね見たいな顔して肩に手を置いて頷いているんじゃない!!
小猫ちゃんも小猫ちゃんで珍しく…ってか自分は始めてみるけどそんな顔して心配しないで!!
部長も!!やめてよ、なんか凄い居た堪れない雰囲気になっちゃうから!!
やめてーーーー!!!!
この後、朱乃さんが来るまでこの居た堪れないは続いた。
「それで、部長、行っちゃっていいんですか?」
「ええ、私たちは別行動するけどね。イッセーはプロモーションって知ってる?」
「はい、ポーンの昇進。敵陣最奥でキング以外の駒になれるあれですね」
「知っているならいいわ。教会を私たちにとっての敵陣地として認めるわ解るわね?」
「了解。あ、部長。いらないと想いますけど…要らないでしょうけど、これ持っていってください、魔法とかを強化してくれるモノです。魔力流せば使えるんで。また此処で集合した時にこれについて話します。お気を付けてください。
……
木場、小猫ちゃん。じゃ、行ってくるわ」
二人に一つずつ渡して、魔方陣で転移するのを見届け、装備を確認しながら席を立つ
「僕も行くよ、神父や教会の連中は好きじゃないんだ、むしろ憎いほどにね」
「おいおい、アーシアは純粋で良い子なんだから嫌わないでやってくれよ」
「ハハハ、イッセー君がそう言うならそうなんだろうね」
「ほら、部長達に渡したものの力と速さバージョンだ。おまえにはこれがいいだろ?別に遣わなくても良いがな保険だ。」
「うん、ありがとう」
そこで、小柄な少女が前に来る。
「……私も行きます」
「……小猫ちゃん?大丈夫だよ?」
「……心配です」
……まさか…
「小猫ちゃん?その心配、さっきのと関係ないよね?違うよね?」
肩を掴み、目線を確り合わせて尋ねる。
「………」
無言のまま視線を外す小猫ちゃん。
「うぉぉぉぉおぉい!!!小猫チャァン!!否定してぇぇぇ!!」
まあ、最終的にグッダグダに成ったけど俺たちは三人で教会へ歩き出した。
◇◆◇◆◇◆
日も暮れた頃、俺と木場、小猫ちゃんの三人は教会の見える位置で作戦を練っていた。
木場の持ってきた教会見取り図をみながらだ。
「聖堂の他には宿舎。怪しいのは聖堂だろうね」
「そうだな、宿舎で儀式とかやるのはおかしいな」
「それにね、この手の『はぐれ悪魔祓い』の組織は決まって聖堂に細工を施しているんだ。聖堂の地下で怪しげな儀式をすることで自己満足や神への冒瀆に酔いしれているんだ」
ああ、そういうこと。
「入り口から聖堂までは一直線だね、問題は聖堂の中、地下への入り口を探す事と待ち受けているであろう刺客の対処だね」
刺客…
「おそらく俺が戦ったフリードとか言う奴だな」
「どうしてそう思うんだい?」
「アイツはイカレてるからな儀式とか真面目にやる奴じゃない、戦闘でも結構遊びが入るから不意討ち受けても直ぐには殺されないだろう」
「それは何と言うか……一番イヤな正確だけど今の状況だと如何なんだろう…」
「実力は在るから鬱陶しいんだよ、変に攻撃が浅かったりすると切れて一気に殺そうともするから注意しろ。
でもあの手の奴は不利になると逃げる。もっと殺したいからと言う理由で無駄に引き際を弁えている」
「あーあれだね、ゲームや漫画でパワーアップして何回も出てくるような…」
「あれ?知ってるのか、木場…」
「キミは僕をどんな奴だと思っているんだい?」
「女に困らないイケメン王子、だから家にいる時間の方が少なくて一人でやるようなものは殆んど知らないんじゃないかな~なんて…」
「ひどいなぁ~」
緊張がいい位にほぐれた所で、
「じゃあ、こっちはアーシアが危ないわけだし、最初っから全力だやっぱり俺が使用限界まで使うよ」
木場にブレイブハートとスピードアップを五回ずつ、一気にかけて、小猫ちゃんには全部を五回分一気にかけた。
「あれ?なんか差を感じるんだけど…」
「気のせいだ。小猫ちゃん、体力と魔力以外は二倍に成った訳だけど不調は出てないかい?」
「……大丈夫です。直ぐに慣れれそうです」
「あれ?おかしいなぁ~」
「木場は速度が売りなんだろ?力も強くなってるし問題ないだろ。ほら、急がないと…これ徐々にもとに戻るんだから」
「それなら急がないとね」
「木場、見つけたら即座に先手行ってくれ、どうせ祭壇付近に入り口が在るだろうから。余裕があれば聞けば良い」
「わかった」
「小猫ちゃんも相手が俺たちから離れた所にそこらのもの投げつけてやって」
「……わかりました」
聖堂まで一気に走りぬける。
そして聖堂の扉、木場に留め金近くをまとめて切ってもらい俺と小猫ちゃんが扉を中に向かい思いっきりぶっ飛ばした。
扉が異常なまでに飛び、十字架に貼り付けられた顔の削られた聖人像の両脇に突き刺さる。
「あれ?大抵祭壇付近に居そうなもんなんだけどな…」
パチパチパチ、と手を叩く音が響き渡る。
柱の物陰から神父らしき人影が現れる。
そいつの顔が見えた瞬間、残像拳スタンバイ
「お久しぶりぃ!!再会だねぇ!!感動的だねぇ!!!!前はよくもやってくれましたねぇクソ悪魔クゥン!!」
例の柄と拳銃を取り出し光の刃を出現させる。
――残像拳!!
「イッセー君!?」
「……」
「ヒャッハー!!飛んで火に入る何とやらとはこの事ですかぁ?」
正面に飛び込んだ俺に対し少年神父…フリードは銃を連射する。
弾の当たった俺は消え、その左に現れ、打たれ消え、右に出る…
「これは一体如何言う事でございますか!?なんで当たんねぇンだよ!!おとなしく当たりやガァ!」
背中に抉り込む様にアッパー
「木場ァ!!」
「了解!!」
空中に撥ね上げられたフリードに木場が追撃にかかる
「ふっざけんじゃねえぞ!!てめぇ!!」
結構なダメージ受けて、空中で体勢が崩れているにもかかわらず木場の剣を光の剣で受け止める、そして互いを弾いて距離が開いた所に小猫ちゃんの長椅子投擲。
「しゃらくせぇ!!」
飛んできた長椅子を切り落として着地する。
しかしそこにはすでに俺と木場が目前まで近付いている。
「わぁーお。これはもしかしてピンチですか!?俺的に悪魔に殺されるのは勘弁ですねぇ~!!と、言うことでぇここは退散しまぁす!!」
丸い何かを取り出し地面に叩きつける。するとそれは強力な光で目を潰してくる。
迫っていた俺と木場はもろに受け、一時的に視力がなくなる。
「っと、そこのクソ悪魔…イッセー君だっけ?てめぇ絶対殺すから、俺のこと殴った挙句無視したクソ悪魔は絶対に許さないよ?んじゃ」
小猫ちゃんが椅子を投げたのだろうか、最後の方が早口になり、何かの破砕音が聞こえた。
「エスポワール」
時間がないので即座に視力喪失の状態異常を治す。木場の位置を把握してもう一度。
「イッセー君、今何を…」
「後で皆揃ってから言うよ。」
祭壇を調べ、めんどくさくなり、殴り飛ばす。
「よし、階段発見だ。行くぞ」
「結構滅茶苦茶だね、イッセー君」
「……涙腺…大丈夫ですか?」
「小猫ちゃん、まだ引っ張っちゃう?もう大丈夫だって!!」
「……さっきまで涙目でした」
あ、こら。