あの後、深夜営業もしている店にベビーグッズを買いに駆け込みにいった両親を放置して睡眠………
翌日にアーシアを呼び、危機管理講座を開いたが……比喩をそのままの意味で受け取ったりで話がループして三周目でバッサリ、いい加減に止めてその後、30分掛けて漸く結論にたどり着けた。
それでも、ちゃんと伝えられたのか不安なのだが………
そしてその直後、我が家に訪問してきたの部長の一言
「行くわよ。宿泊できる準備をしなさい」
もちろん聞いたさ、いったい何処へ行くのかとね。
部長は笑顔で返してくれたよ。
「修行をしに、山へ行くわよ」ってね。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ふい~~」
俺は何故か自分よりも遥かに体積、質量共に大きい荷物を背負い、登山をしている。
何処からか一般登山客の放った声の木霊が聞こえてくる。
なんだ、別に秘境とかって訳じゃないんだ……
冒頭であった様に部長に連れられてみんなで山に修行に来たのだ。
しかし、もっと早く言って欲しかった。
今朝、突然俺の家に来て俺とアーシアに身支度させて…他のみんなは既に集まっていた。
そして魔法陣でこの山のふもとに転移して、目的地への移動中というわけだ。
いやーレベル上がっていて良かった。とは言っても高々2レベル…1.5倍にも満たない程度だ。
なのになんで楽そうかって?
装備って………便利だよね
「イッセー、装備は外しておきなさい。修行中は装備禁止、
Oh………
そういうわけで装備を外す命が下されました……
荷物が……重いです……
何故か自分より少し少ない荷物を背負った木場に俺の数倍の荷物を背負った小猫ちゃんが先へ進んで行く。
木場は途中で山菜を摘んできていてそれでも涼しい顔だ。ちゃんと鍛えているおかげだろう。
俺ほど急激に能力上昇はしないがその代わり、安定している。
一度10レベル超えたのに無茶したせいか、レベル1に戻ってしまった俺とは大違いだ。
しかし………何時見てもその小柄な身体でその大きさの荷物だと……重心がずれ過ぎて大変じゃないかい?小猫ちゃん……
その後、そこそこの時間を掛けながらも普通の登山よりは確かに早く進み目的地である別荘に到着した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
木造の別荘…グレモリー家の所有物らしいが、結構豪華な所だな。
普段は魔力で風景に隠れて、人前に現れない仕組みな別荘らしく…今日は使用するために姿を現している。
基本、何でもありだな、魔力……
まあ、灰根さんとか防人さんも術式組めば基本何でも出来るとか言ってたしね……
そして中に入ると木の香りが……建ってそう時間が経っていないのか、そう使用していないのか……それとも、これも魔力のおかげか………
いったん荷物をリビングにおいて、女性陣は動きやすい服に着替えるために二階へ
「僕も着替えてくるね」と木場が青色のジャージを持って1回浴槽へ「覗かないでね」などとふざけた事を冗談っぽく言ってきたので「除くぞ」と言い返す。
その一言で何故か理解できたようでそのまま着替えに行った。
俺は空いている部屋で着替え、軽くストレッチを行って待機……装備を応用した着替えは早くて楽だ。
どんな着替え方かって?気にすんな。
そして全員リビングへ集結。
「さっそく外で修行開始よ」
部長の一言で皆動き出す。
☆First Training【Sword】With Kiba
俺はまず木場と木刀で打ち合っている。
やっぱり剣は苦手だ……
振ることは出来ても力を上手く乗せることが出来ない。
踏み込みその力を剣まで上手く伝えられないのだ…
コンパクトな太刀筋で何とか拮抗しているがさすが『騎士(ナイト)』というべきか…避けて流してでちっとも入らない。
こっちはいっぱいいっぱいなのにむこうは余裕そうだ。
ふと、阿呑さんの剛剣を思い出した。防ぐ事はもちろん、受け流す事も出来ない。
受け流したければ魔剣良綱クラスの剣が必要だ。
もちろん受ける側の技量もかなり要る。
あれはふざけているとしか言えない。
剣を殆んど水平にして受け流しをしたのにその剣を折られるとか………正面から受けた人は剣ごと叩ききられるという……
そして、防人さんもふざけた柔剣使いだ、小さい振りで攻撃したはずが大振りにさせられて姿勢を崩した所をバッサリ。
何が起きたかも解らない。
彼らに比べればやりやすいがやっぱり剣技は技術の差が大きくて遊ばれている感が有る。
木場は技術もあるが速度があるので今の俺程度の速さなら技が出てから対応されてしまっている。
一文字スラッシュとか使えれば良いんだけど……
SPが数値で見れなくても残念なのが感覚で何となく解ってしまう俺が悲しい……
この後魔力の使い方とか教えてもらえるそうなのでここでは使う訳にはいられないのだ。
しかし…この木刀もある意味スゲー…ATK1の武器なんか有ったんだ……ッハ!!
しまった、これに武器上達屋入れておけば今の時点で3~5は上がっていたんじゃないか!?
チクショウ!!!
今、後悔。仕方ないので身体の使い方の練習もする。
阿呑さんの言っていた【脱力】も試してみる。
こんな風に剣を振るうのも……振るうのも………
あれ?こんな感じで武器を使ったこと自体無い?
良く考えてみるとこんな平和的な武器を使った修行とか初めてじゃないか!?
(!!…イッセー君の速度が上がった!?)
あ、これ結構良いわ~今度【脱力】意識して殴る練習やろっと…
基本力を抜いた状態で木刀を振るい、要所で力を瞬発的に入れる。
無駄に力を入れるときに比べ微かに全体の速度も上がり急に加速をしたりする不規則な攻撃が出来て楽しいが、技術が足りずに力を抜いている時に打ち合ってしまい、木刀が弾かれる回数が増えてしまった。やっぱり難しいな……
「中々やるね、イッセー君……でもまだまだだ!!」
この野郎!!どうせお前と違って俺に剣の才能は……!!
★Second Training【Magic】With Akeno
「魔力は身体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです。」
朱乃さんが丁寧に説明してくれるのを聞きながら試す。
今までは血流をそのまま外にな考えで使っていた。
するとあら不思議、なんか少しだけ燃費がよくなったような気がする。
といっても今まで使ったことが無い使い方だから良く分からないんだけどね。
それで手のひらに魔力の塊を作る練習…出来そうで中々出来ない…
「できました!」
なに!?
アーシアの手の中には緑色の淡い光を放つ魔力塊が…
「あらあら、やっぱりアーシアちゃんには魔力の才能があるのかもしれませんわね」
ぬう…
どうも俺のは丸く固まってくれないのだ…イメージ…
小型の、魔拳ビッグバンで出るあの力場をイメージして集める…
結果、魔力球はできた。
直径は2~3mmアーシアのはソフトボール大だからとんでもない差だ……レベルが上がれば俺だって……
SP7→5
「では、次はその魔力を炎や水、雷などに変化させます。これはイメージからも生み出すこともできますが、初心者は実際の物を魔力で動かす方が上手くいくでしょう」
朱乃さんは水の入ったペットボトルに魔力を送る。
すると、ザシュッと言ったような感じに水が鋭い棘のようになって内側からペットボトルを貫いた。
「アーシアちゃんは次にこれに挑戦です。
イッセーくんは……」
「あ、俺は一応攻撃なら青赤緑に星魔法の一段階が使えます」
一発使えば現状だと魔力足りなくなりますけど。とは言わない。
「と、言われてもそれがどんな魔法なのかわからないのだけど…」
「氷、炎、風、そして……レーザー?ビーム?まあ、よく分からない光の何かです」
「でもやっぱりイッセーくんはまだ満足に魔力を集中させれていないので引き続き集中させる練習です」
「はぁ~放出は楽なのに…」
先に言ったモノは塊になって十秒経たず霧散してしまったのだ……
この後魔力切れまで頑張って漸く直径5mmまでにできた。
維持できた時間は一分十三秒
SP5→0
そして、
三つ目のは小猫ちゃんとの組み手
四つ目は部長監修の体力強化トレーニング
小猫ちゃんは小柄だから結構振り回された。
あの身体で腕力があって防御力も有るとか酷い話だ。
それに俺は敵でもない女の子は殴れません!!
でも、まだまだだね、小猫ちゃん。
攻撃を受け流される程度ならばかげた腕力でも対処の使用がある。
知っているか?防御しても受け流そうとしてもそれを無視して殴り飛ばされる。
殴られた時に後ろに跳んでダメージを減らそうとしてもそれでも十二分にダメージが入って、的中(クリティカル)入れたはずが殴ったこっちが痛いほどの逝かれた防御力。
そんな時、如何思うか分かるかい?絶望どころか素直に自分の死を思うんだ。
仕舞いには、生きる道を探す事を諦めるんだぜ?だって、拳圧で地面削ったりする相手と如何戦えと?
大きく避けないと身体が削ぎ落とされるぜ!!
それにしても部長が意外とスパルタな事に驚いた。
岩を背負わせその上に座って山登りさせるとか…転んだら俺死ぬよね?最低でも骨とか砕けて重症だよね…
でもそういう考えは一切浮かびませんでした。美人とこんな訓練しているんだ、文句なんて出ない。
つまり、もしこれが野郎(きば)だったら文句を普通に言っていると言う事だ。
だってよ、腕立て伏せしている俺の上に部長が乗るのなら許すよ?もし木場だったら始末するよ?
ただでさえ、最近学校の女子の間で俺と木場の掛け算が流行ってしまっているという状況なのだから!!!
それに、本物の地獄の訓練を超えたことの有る俺からすればまだまだやっていけるレベルだ!!
だってさ、ノルマ達成できないと致死的なんだもん。
筋トレ用の装置が一定回数できないと身体捻じ切られるようなものだったり、走りこみは後から溶岩。
戦闘訓練は実戦形式少しだけ格下と壱対九十九。
無論相手は本気(マジ)だ。本気で、殺す気で来る。
HAHAHAHAHAそして死んでも完全に持って行かれる前に蘇生されるんだ……
『相棒……』
なに!?聞いていたのか、ドライグ!!
『何でか、今お前が思い出していたであろう事が現れたスクリーンに映されていた。歴代赤龍帝とよく分からないやつらも一緒に見ていたぞ?変にハイテンションで』
な、なんだってぇぇぇ!?
イッセー「俺には108個のトラウマが有る!!」
ドライグ『強く、生きろよ……』