修行二日目
起きたら筋肉痛。
悪魔は元々夜の住人だから夜には夜の練習があるとのことだ。
そして夜のは昼の数倍の練習量だったという罠?
いやぁ…酷い酷い。でもおかげでレベル3になりました。
そして現在、二日目の午前中は勉強会。
リビングで集まって俺とアーシアに悪魔の知識を教えるとの事。
なじみがある様でない悪魔の名前や昔あった事件など、主に悪魔の歴史的なことだ。
まあ、基本神話と似通っているから良いんだけど……細かいなぁ……基本的に似てはいる物の所々違って困る。
そしてある程度教えてもらった所で、木場が問題を出してくる。
「僕等の仇敵。神が率いる天使の最高位の名称は?
更にそのメンバーは?」
「『熾天使(セラフ)』そして、ラファエルにミカエル、ガブリエルにウリエル」
「正解」
とまあ、あの魔神と魔王様に合ってから有名どころの名前だけは良く分かっている。
だって、そんな感じの名前のヤツも複数いた、うん多数居たんだ。
しかし、大分、神話とは違う所があって混乱する。なんでルシファーが魔王?堕天使が居るならそっちじゃね?
堕天使の中枢組織の名前が『神の子を見張る者』と書いて『グリゴリ』そしてこの『神の子』は
そして《見守る》では無く《見張る》だ。これだけでも天使ではないことが解るが、彼らは組織だって
そして、有益な
しかしだ、確かに俺は殺された、アーシアも酷い目にあった。
ああいう輩は情けも容赦もしないが……あの世界での経験のお陰で種族で相手を見ることが無い。俺は個人、組織の最小単位で判断する。
だってさ、同じ種族でも個性って、有るもんな……
あのヤサグレペンギンの中に一匹だけ通常存在しない色で個性的なのが居たりするもんな……
もしかしたら堕天使トップのアザゼルが意外と良心的な中々に面白いオッサンだったりするかもしれない。
それにしてもな~
あれ?俺ってもしかして毒されている?
そして、アーシアによる【
ノリで俺が拍手をしてアーシアが赤面すると言う相変らず可愛い反応をしてくれた。
「えっとですね…私が以前…こちらに来る前に属していた所では、二種類の方法がありました」
「二種類?」
俺が軽くそうこぼす、アーシアはそれに応えるように繋げる。
………よかった、たった二種類?ッて感情が乗らなくて………
「一つはテレビや映画でもある悪魔祓いです。神父様が聖書の一説を読み、聖水を使い、人々の体に入り込んだ悪魔を追い払う《表のエクソシスト》です。そして《裏》が悪魔の皆さんにとって驚異と成っているものです」
ああ、そういう意味で二種類ね……
その後の部長の補足により驚異は神、それに従う天使の持つ光の力、堕天使も光の力を持ち、その祝福を受けた悪魔祓いのやつらは身体能力まで上がり、光の力を持って私達を滅ぼしに来るとの事。
確かに、光は、怖いよね、視界が一色で埋まるんだ、そして体全体が焼かれて………
ああ、思い出したくも無い………
なんか最近過去を思い出す頻度が高い気がする………
そしてアーシアがバッグよりなにやら色々取り出した。
「聖水や聖書の特徴を教えます。まずは聖水。悪魔が触れると大変な事になります」
「そうね、アーシアも触れちゃダメよ。お肌が大変な事になるわ」
部長が軽い感じで言うが、アーシアならうっかり触りかねないので危険だ。
人間、長年染み付いた習慣は無意識で行いかねないからな……
そしてアーシアは部長の言葉でショックを受けている。
「作り方も後でお教えします。役に立つかどうか解りませんけどいくつか製法があるんです」
お、良いねぇじゃあその聖なる力とやらを蒸留した物を用意しますか、対悪魔用に。
「次は聖書です。小さい頃から毎日読んでいました。今は一説でも読むと頭痛がすさまじいので困っています」
この一言に悪魔だもんね、みたいなことを皆していって再び涙目のアーシア、可愛いなぁ~
この一説は私の好きな部分なんです…あぅ!……ああ、主よ…あう!!って変なコンボに入り始めたアーシアに一言
「アーシア、俺は聖書の内容なんざ知らないが日本のサブカルチャーは凄いぞ?心に響く言葉がいっぱいだ。今度教えてあげるよ」
そして、こうして午前の勉強会を終え午後の修行へ……
その前に…
「そういえばアーシアって、十字架とかも持ってるんだよな?それって悪魔にはどんな感じ?」
「致命的ね、触ると大変よ。まるで焼けた鉄を持っているようにねそれに触っている場所だけじゃなくてね、光の力や聖なる力は悪魔にとって毒と一緒なの」
部長が応えてくれる。うん、やっぱり危険なのね……
「つまり皮膚吸収の毒みたいなもんですか…手に取るだけで次第に全身に?」
「あうぅぅぅ……結局聖書以外は直接持つことも叶わないんですね………」
アーシアェ………うん。
「アーシア、手を出せ」
「はい?」
その手の上に十字架(ロザリオ)…ただし属性は反転してほどほどの禍々しいオーラを放つ反十字架(ダークロザリオ)を乗せようとする。
「待ちなさい、それはなに?」
見た目は違えど十字架なのを警戒したのか部長が止める。
……ああ、そうかこのオーラはこっちの人には感じ辛いか……薄いしね…
「大丈夫ですよ、これはダークロザリオ(防人(たくみ)の特別デザイン)って言いまして高貴な悪魔が身につける秘宝(シンボル)でして、とは言っても実際はこれから溢れる魔力で持ち主を強化してくれる素敵アイテムです。まあ、下位が持っていても上に奪われてしまうことが多いらしいんですけど………
これは俺の先生の御手製で神の加護ならず魔王の加護が掛かっています。」
そう言って十字架に装飾の付いた無駄に芸術性の高い物をアーシアの手に置く。
「神じゃなくて魔王由来で悪いけどこの十字架なら問題なく触れる。
それどころか首に掛けて置けば全体的に能力が数倍に引き上げられるかもしれない。まあ、ダメージをこいつが少し減らしてくれると思えば良い。お守りだと思ってくれ」
「………」
あれ?ダメだった?
「あり…がとう…ございます…」
ちょ、オイ、泣くなぁぁ!!いや泣いていないけど!!
何これ?失敗したの?それとも嬉し泣き寸前!?
何かを堪えるアーシア、その近くでわたわたしている俺、それを見て微笑ましそうにする部長。
相変らずほぼ表情の変化が無い小猫ちゃんに相変らずあらあら、うふふな朱乃さん
そして笑顔な木場。
俺が何をした!!