規格外たちの間接介入『D×D編』   作:獅狼

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見境のない本能

 

 

行動開始と言う訳で、現在、小猫ちゃんと体育館へ移動中。

 

ただ、俺の手には巨大な純木製武器があるため通常の移動で普通に発見されてしまう。

 

故に、現在飛行中。もろばれだが、先に二本投げていて、葉のなかに隠れているので、唯の遠距離攻撃だと勘違いしてくれれば………あれ?迎撃されんじゃね?

 

もしかしてヤバイかなぁ………

 

仕方がないので枝を折って加工、棒手裏剣に成れば良いけど……

 

体育館に近づいてきたところで、一人の女性が現れた。

 

一本目が爆破される。

木の八割程が消し飛び、残りは衝撃で割れて速度を失い重力に引かれて落ちる。

これはヤバい。次でやられる可能性は二分の一、だが、仮に次がもう一方でも間違えなく着弾前に破壊されるだろう。

うっかりしていた。流石にこんなものが飛んでくれば迎撃に出る。

逃げるもあるが相手は悪魔、魔力で何とかされる

現に爆破された訳だが、その事を忘れていた。

ダメだな、まだ人の常識がある。

人間が常識的とすると悪魔は超常的、魔界(あっち)の住人は非常識。

悪魔は常識を越えた存在で、あっちの人たちはそもそも常識がない。

俺も染まったようで染まってなかったんだな……なんだかとっても嬉しい。

 

っと、そんなことを考えている場合じゃない。

 

『Ⅴth power of Boost』

五回ブーストを

『Transfer』

譲渡する。そして自分に三回ブースト。

息を潜めているのでなるべく音声を抑える。

これって結構不便だよな。

両手に木串のようにした枝を三本ずつ持ち、投擲。

左のが先に、右のが後に続くように投げる。

そして手から離れて数瞬、譲渡した枝に変化が起こる。

 

急速成長。

ただ、枝が大きくなったぐらいだが、葉が出て目立つようになる。

これで居場所がばれるが、少しでも怯んでくれればやりようがある。

太目の枝に左手をかけ、反対の腕で小猫ちゃんを抱き寄せる。

 

少し抵抗されたような気がして勝手にへこんだ。

 

もう一本の木が爆破されて、その直後に葉付きの枝が視界に入ったのか、軽く払われ、その手に串が刺さる。

しかし、流石と言うべきか刺さったのは一本でそれもたいしたことは無い。

なので次の手に出る。

枝を折り、そしてそれは体育館に向かい投げ捨てて、小猫ちゃんをそっと落す。

其処からは急ぎの作業だ。

乗っている木に十回譲渡。

60度くらいの角度で落ちている木の軌道を全力で変える。

無論目指すのは敵の方向。

俺は、自分を二回強化して軌道修正をするために下に向かい跳ぶ。

その先に見えるのは小猫ちゃん。

現在の高度はおよそ10mと少し。

小猫ちゃんを抱いて、枝を拾い壁を左手で殴って減速後、着地。

その直後空に大きな花が咲いた。

 

木の光合成を約千倍にした。

水分が一気に使用されて、乾いた状態で蹴った時に砕いたので、微かに増えた酸素とそれ程多くないが粉塵で爆発を少し大きくしたのだ。

とはいっても目晦まし程度。

更に二回強化をかけてそのまま体育館に飛び込む。

無線で爆発系の魔力を使う女性と相対、退避する。

と連絡したわけだから、きっと応援が来てくれるだろう。

 

ガッ!!

っと、急に蹴られた。そのまま後に倒れそうになり、転がって直ぐに立つ。

「……変態」

目の前に居る小猫ちゃんにいきなり罵倒された。

小猫ちゃんは胸を守るように体を抱いている。

………どうやらまた、身体が勝手に動いていたようだ。

オイ俺、誰でもお構い無しデスか?

軽く、では無く結構落ち込んでいると声がかけられた。

「来たわね、グレモリーの下僕さんたち!まさかあんな方法で来るとは思わなかったけど確り見ていたんだから隠れても無駄よ!!」

別に隠れるつもりは無かった……というと嘘になるが、運良く中に居る奴等の死角に転がり込んだようだ。

俺は敵の姿を隠れながら見る。

小猫ちゃんは堂々と姿を現す……オイ!!

仕方がないので俺も続き、情報から『戦車』一人に『兵士』三人を確認。

『Boost!!』

五回目の強化を掛ける。これで全員同時に相手をしても短時間なら持つだろう。

「……イッセー先輩は『兵士』を、私は『戦車』を潰します」

「OK、強化はいるか?」

「いりません」

即答だった。

そして小猫ちゃんは歩みだす。

それを見て『戦車』のチャイナドレスのおねえちゃんは……中国拳法のような構えを取る。

俺も対象を視界に入れて動きを伺う。

『兵士』は小柄な棍使いの女の子に、小型のチェーンソーを持った笑顔の双子……

まさか、アレを使う人がこっちにも居たとは……いや、アレはチェーンソーとして認められない。

何の抵抗も無く斬鉄するチェーンソーなんかあるもんか!!十速とかありえねえって、なんで動かすだけで金切り音が聞こえて来るんだよ、回転数がおかしいよ!!赤くなるんじゃねえ!!そんなもんで木なんか伐ったら絶対に火が付く!!

 

……何とか相手が動き出す前にトラウマから戻ってこれた。

まあ、戻ってくると同時に明るい声で、解体しまーす♪……止めろよ、無邪気すぎるよ……

そのまま床にチェーンソーを当てながら直進してくる双子

『Explosion!!』

力を安定させて頭を冷やす。

冷静に軌道を読んで、流石に普通のチェ-ンソーでは両断は無理だろうが、明らかに殺す気の軌道を描いて振り上げが来る。

俺は自慢の回避スキルで滑るように射程範囲の外に動いて、片方のチェーンソーの腹を殴りつけて歪ませる。

そのせいで問題が出たのかおかしな音をたてながら回転数が落ちて終(つい)には止まった。

その直後背後からヒュッ!!といった風切り音。

あー…音が攻撃より先に来るって、分かりやすくて良いなぁ……音より攻撃が先だと、死角からの攻撃を教えてくれる事が無いから……

あれ?オカシイなぁ……視界が歪む……

脇腹狙いの棍を避けて掴み取る。

2の五乗倍、32倍は伊達じゃない!!

「ヒャッハァー!!」

その棍を脇のところまで押し込み、無理やり振る。

まさか捕まれると思っていなかった女の子が対応するより早く振ったため、脇辺りを無理やり内側に押し込まれた感覚があっただろう。

俺は女の子を双子の方に半周分の遠心力で投げ捨てる。

そして追撃。飛び込むように走り込んでの左での薙ぎ払い。

しかし、双子が反応して三人ともギリギリ避ける。

 

そして、今の俺には嬉しくないハプニング。

 

気合を入れすぎて起きた風圧で三人の服がスパッと……しかも全員胸元が一番大きく裂け……修正が入る子もいる。

ぬう!?ヤバイ、まただ、身体が……

彼女等の身体を撫で回すというか揉み倒そうとしている!?

 

「小猫ちゃーん!!Help me!!俺の体が勝手にセクハラしようとするんだ!!何とかしてくれぇ!!」

もししてしまったらそのときこそ本当に理性(おれ)のピンチ!!

手足を床に突き刺して動けないようにしているが、なんと言う事か、必死に堪えている俺の意志(りせい)を越える気か!?この本能は!!

しかし、小猫ちゃんはドライだ、

「知りません、こっちは忙しいんです」

バッサリ断られた。

 

ライザーの『兵士』の三人は、体を抱きながら少し後退りする。

そうだよね、急にこんな訳の分からない状態になったら気持ち悪いよね……

ああ、視界が歪む……

その時、

『イッセー、小猫聞こえる?朱乃の準備が整ったわ』

ヒャッハー!!救いの女神ダァ

ん?あの女は退いたのか?そういえば外で爆発音がしないな。

「はい!!むしろ良いタイミングです作戦通りですね?」

『そうよ、お願いね』

俺は小猫ちゃんに視線を送り、小猫ちゃんがそれに応えてそのまま中央口に駆け出す。

「逃げる気!?」

 

俺はその言葉を無視する。振り向きもしない、いや、振り向けない。

 

そして中央口から外に出た直後、閃光が走り、轟音と共に体育館に光…いや、雷の柱が落ちる。

体育館は土台まで消失していた。

「撃破(テイク)♪」

空から朱乃さんの声が聞こえた。振り返ると、美しいが、背筋に冷たいものの走る様な笑みを浮かべた朱乃さんがいた。

『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名『戦車』一名、戦闘不能』

そしてアナウンス。確実に撃破出来た事がわかった。

 

「それじゃあ、次は木場と合流して運動場でしたっけ?」

『そうよ、朱乃の魔力が回復したら私達も前に出るから、それまで宜しくね』

「了解」

その直後、ドォォォンと、近くで爆砕音が聞こえた。

即座にそっちを向くと、小猫ちゃんが少し離れた所で煙を上げながら倒れていた。

「小猫ちゃん!?」

俺は直ぐに近寄り、抱き上げようとして一瞬停止、どこら辺を爆破されたか知らないけど、なんで満遍なく服がぼろぼろに!?

「撃破(テイク)」

声を聞き見上げると、翼を広げて浮遊しているさっき俺の乗ってきた木を爆破した女性が居た。

あの時は時間がなくて考えていなかったが、たしかライザーの『女王』じゃなかったか?

それより小猫ちゃんだ……ッ!!

「ヒール」

小猫ちゃんを治療し始める。俺ごときの魔力では戦場復帰レベルまでの回復は難しそうだがせめて外傷は残らないようにと思い大きな怪我から治していく

魔界の回復魔法ヒール。熟練者ならば、死にかけですら即時先頭復帰が出来るレベルの回復が見込める。

無論、傷を残すなんてことも無い。

だが、俺が出来るのは外傷を治すだけ、体力まで回復させることは出来ない。一通り治したら、懐から出すようにして、アイテム袋から『魔道士のローブ』を取り出して小猫ちゃんに掛ける。

回復中に、互いに謝りあったりしたが、そんなことは今如何でも言い。

確かにこれは命の危険も無いゲームだ、勝負だからこうなる事も何ら可笑しくない。

だが、頭でそう思っても感情ではそうはいかねえ!!

心は熱く、頭は冷たく……悪いですが、俺にはそんな事は出来そうにありません。

「降りて来い!!テメエは俺が直々にぶっ潰す!!」

そう言いながらも、籠手のカウントがMAX50になるのを待つ、22消費してそれから三分、後二十秒。

強化発動中はカウントが増えない、増え辛いということに気付いたのは最近の話。だから待つ。カウントが切れたら不安定な十秒毎のブーストで戦うしかなくなるから……しかし

「イッセー君、祐斗君のもとに急ぎなさい。此処は私が引き受けますから」

その一言を受け、炎を鎮める。消しはしない。

「……そう…ですね……これは部長の人生の掛かった戦、感情で足を引っ張る訳にはいきませんね

……お願いします………これを、少しは力になると思います」

懐から出すようにして同じように、『ムーンオーブ』を取り出して渡す

「月の加護有れ」

『Ⅴth power of Boost!!!』

 

五回強化し、木場の待つ運動場へ駆け出す。

 

その手に今だ瑞々しい木の枝を持って……

 

そして、戦いは序章(オープニング)より中盤(ミドルゲーム)へ……

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