閑話?この頃、あの人達は……
「フゥ……まさか、あんなに人が脆いとはな……」
恒例の王+四魔神の会議が始まり、初めに灰根がため息をついた。
「…イッセーのときは俺がちょっと改造したから……」
平然と、非常識なことを口走る防人。
「まあ、イッセー君は身体に何かの魂らしき物を宿していましたからね、人外前提の鍛え方でしたから」
ニコニコしながらパッと見、彼女が持っていても違和感の無い小型の愛銃――可変型仮想砲塔式の化物銃――を簡易的な整備をしている。
見た目は隠し持てるサイズの癖に、実際はただの核であり引き金。変形し最低限必要な形を取った後、其処から仮想砲塔を伸ばし銃身とする。サイズは様々。空間圧縮して弾をしまってあるマガジンも『アイテム袋』に入れている為、見た目は手ぶらなのに、即座に砲台になれるビックリ人g…魔神だ。
「しかしなぁ……まさか修行開始三日目にして臨死体験が二桁とか……加減が難しいよなぁ……」
灰根がそう言う。そして全員、それに同意をする。
「だから、良識人の一人に一定レベルまで預ける事になってしまった」
「うむ」
そもそもの当事者阿呑が同意する。
「つまりは、暇になってしまったと」
「…実は俺も、設計終わって、基本弟子で足りる」
「私は何時もの教室くらいね」
要するに皆時間があると……良し!!
「そうだ、いい機会だから、一誠のところに遊びに行こう……」
その時、キュピーンっと目の輝く者が一人……防人だ。
「…中々に面白そうな物がある様子、データ収集の装備を用意する。
連れ帰るのはどうか?」
語尾にキリッが付きそうな勢いでそう言う。
「駄目に決まっているだろうがド阿呆。ちゃんと同意を得たならば短期間許可する」
完全に否定していない。
同意させれば拉致も許可するといっているようなものだ。
「私も、イッセー君の状態が気になります、もしもの時はシッカリ、調ky……教育して差し上げるとしましょう」
うふふふふ……と見るものによっては寒気を感じるような笑みをこぼす。
「クハハハハ、楽しみだぁ」
そもそも反対する訳の無さそうな阿呑。
「まあ、人間界は楽しみですね、私は娯楽(ぶんか)を楽しみたいですね」
というよりも、そんな面白そうな事、反対する者が居る筈も無かった。
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某市長室……
「市長、対立者からの妨害……それ以前に、対立者が当時の想定より大幅に少なく、逆に支持者が多いため予定よりも計画が進んでいます」
ビシッ!!としたスーツで身を固めた男―森沢―が眼前に座る、正しく山のような男―市長―に報告する。
「なるほど、分かった、ならば手の開いた信頼できるものに国会へ進出する準備をさせろ、計画の完遂までに行えば良い」
その声は威厳に溢れていた。普段は此処まで力の篭った話し方をしないが、重要な話し合いの場においては炙り出しをする為に時折行っている。
そして、本日も掛かったようだ。
「了解しました。それと、鼠の処理は何時もどおり『ミルたん』に任せますね」
森沢は視線だけを天井に向ける。そして片手で高速で文字を打ち、どこかに連絡をする。
「任せた、我は予定通り政府の狗との会談だ、車の手配をしろ」
「御意に」
その直後、少々離れた所から悲鳴が聞こえた。
「市長、護衛は……」
「貴様が付いて来い、一番適任だ」
「はい、ちょうど指示も終わりました、では行きましょうか」
動き出した市長の前を行き扉を開ける。その一連の動作にも隙は見えない。
「……森沢」
「はい、なんでしょうか」
「新人に混ざっていた子羊(スパイ)は?」
「末端の部署にしました、たいした情報には触れません」
「うむ、では行くぞ」
この後、市長さんは順調に支持を集めて数年後には国会議員、更に数年後には内閣総理大臣になった。
先を考えた政策ながらも、直ぐに見える結果もあり、反対意見も出たところから(自然に、もしくは物理的に)無くなっていくと言う政治を行い、有能な人材はどんなものであろうとしっかり教育(悪く言うと洗脳)して後継者を大量生産した。
そんな、名前の分からない一人の市長の物語……
続く…はずが無い。