と言うか、覚えている人って居るのだろうかって人物が登場しました。
と言うわけで弱くてレーティングゲームの続きです。
この状況、
難易度どれくらいと判断できますかね?
原作に比べればイージーなのだろうか………
少し前の話をしよう。
吹き飛ぶ体育館を眺め、小猫ちゃんと次のポイントに移動しようとしたときだ。
俺達は爆撃された。
本能に刻まれた
流れ弾とはいえないレベルで木場との合流に急ぐ俺のそばで爆発が起こる起こる、そしてなぜだか一瞬前に居た場所に雷が落ちたりするもんだから……もう疑心暗鬼ですよ~
残念な事に小猫ちゃんは不意打ちの爆撃で退場してしまったので、一人寂しい行軍になりました。
そしてなぜですか?俺は何か恨まれるような事をしたのでしょうか……
木場がナイト同士のタイマンなのに俺はどうしてポーン二名、ルーク一名、ビショップ二名にナイト一名の計六人と対面どころか囲まれているので?
おお
『いんや、今も見守っているが?なかなか面白い事になってるじゃないか』
……神はいた!!
『ハイネさんハイネさん、この状況を切り抜けるヒントをください!!』
答えは求めない。そこまで頼ろうとすると軟弱モノが!!と言わんばかりに天罰ならぬ王罰が落とされる。文字通り。
『仕方ないなぁ、流石にそこまで弱くなっていて一対六は厳しいだろう。よし、道具袋を使うのだ。中身入れ替えたらきっといいものが出てくる。くじ引き感覚で一個取り出してみろ』
「分かったよ、
まさに天命!!我救いを得たり!!
腰の道具袋に手を突っ込み取り出したのは……
白いパイプに黄色い◇に黒い横線が一本、その下には小さな長方形が付いていて長さは三mを超えるであろう長モノ。
いや、うん。
どっからどう見ても道路標識です。
『うーん、まあ、あたりかな?威力も申し分ないし、叩くべからず屋で物理ダメージ40%カットだし。あーあ、つまんね』
いや、これでどうしろと念のために首を切り落としておこうって?
『分類は槍だから槍として使えば言いと思うが?』
おい馬鹿、こんなもん片手で振り回せるか。
『別に両手使えばいいだろ。それに……』
ヒュゴ!!っと風の動く音が上空から聞こえた。
『誰が馬鹿だって?』
ザクっと地面に何かが刺さる音がして、それと同時に俺は全身から冷や汗を噴出した。
『本当は道具袋に入れておいてやろうかと思ったが気が変わった。良かったな~後少しでも頭が前にあったら即死だったぞ?』
目の前に鉄塊が見えた。否、鉄塊しか見えなかった。
『そいつはレッドクイーン。推進器を積んだ大剣だ、普通の人間が使いこなせないサイズだがお前なら何とか使えるだろうよ……ま、今は無理だろうがな』
すぐさまいったん標識を地面に刺してレッドクイーンを道具袋にしまう。
「さて、死合おうか!!」
先ほどの一言の後、分かりやすい通信断絶の音が聞こえたので話しかけるのは無意味と判断して切り替える。
「え、いや……先ほどのは大丈夫でしたの?」
金髪ドリルのお嬢様が話しかけてきた。
「大丈夫だ、問題ない」
「いや、でも外部からの妨害では…」
「大丈夫だ!!問題ない!!」
探しても無意味どころかもし逆探知とか出来たらこの世界が滅ぶ!!
「今のはアレだ、武器を取り出したら別のが空から降ってきただけだ、だから気にするな、絶対に気にするんじゃぁ無いぞ!!」
標識を地面から抜いて脇に抱えるように構える。
「こいつをただの標識だと勘違いすると痛い目見っからなぁ!!」
と言った感じで現在に至る。
物理が四割減なのは言いのだが、炎やら魔力やらで物理で四人相手にしながらビショップからの援護がなんとも痛い。
以下付けさせないように大きく細かく頑張って標識振り回しているのだが、やっぱり受け止められたり避けられたり間合いに入ってこなかったりで、ただ体力を消耗するだけが少々続き……
「だぁ!!メンドクセエ」
いい加減片手で振り回して懐に入ってきた奴に籠手で迎撃じゃあ辛くなってきたので両手持ちに変更。
『Boost Explosion!!』
たかが二倍だが、普通に考えて二倍は十分すぎる強化だ。
+100%の強化なわけだから、ブレイブハート(TYPE1)を五回連続で掛けるに匹敵する強化なのだから!!
「ダラッシャァァァ!!」
まとわり付く猫っぽい二人を大降りで引かせる。
「まずはお前だ!!」
踏み込み、標識を横薙ぎに振る体制をとる。
「今更そんなの……にゃ!?」
そしてそのまま、パイプのほうで突く。
標識の板で切りつけるような攻撃ばかりをしていたため、そっちが来ると思わせてのフェイントだ。
しかも俺はただ突き出しただけではない。
槍投げ。完全に次を考えない、全力の投擲だ。
一度下がって避けた後に懐に潜り込もうと考えていたのだろう。
だが残念!!
そして見事に標識はその腹に突き刺さり(たぶん)ミィは光になって消えた。
そして標識はその数メートル先に突き刺さって動きをとめた。
『ライザー様のポーン一名リタイア』
「よし、まずは一りいぐぁ!!」
そしてお約束と入れるようにもう一人からの攻撃が直撃して地面を転がる事になった。
マジでヤベエ。
なんだよこれ、RPGみたいな状況じゃねえか。酷い事に敵の人数制限無しのな!!
味方は敵一人との戦闘に集中しててこっちに全く手を貸してくれねえ……
「ほらどうした、隙だらけだぞ!!」
「グゥ……ッ!!」
追撃をくらった。一人減っても相手は五人、一対一で戦ってくれるはずは無い。
一人非戦闘員だって言っているけどいつ参戦するかもわからねえ。
だがしかし、あいにく今は回復アイテムが……ん?もしかしたらある…か?
道具袋に手を突っ込み、回復アイテムを探す。
あくまで感で掴むと言った感じなため、不確かではあるが、あの人たちの作品だ、念じれば出てきたりするに違いない!!
《妖精の粉》《暗黒まんじゅう》《胃薬》《クロロフォルム》
駄目だ、回復に使えねえ!!
《けむし団子》
回復アイテム……なんだけどなぁ……ちょっと食べる勇気が……
この選択、明確な悪意を感じる。
「チクショウ!!」
回復アイテムは諦めて防具を取り出す。
ジュラルミンの盾、これなら大体の攻撃は防げる。
……上手くガードできればだけどな………
右に盾を装備して堅実な戦いを目指す。
しかし、道具袋をあさっている時間がいけなかった。
結果として俺は『二手』遅れた、挟撃…そしてその後ろからも攻めてきている。
二段構えの挟撃だ。第一波をつぶしても第二波ではさまれる、片側を潰しても反対側に押し込まれる。
そうすれば残った一人、または二人が攻撃を受け止めて動きの止まった俺の無防備な背中を刺す事になるだろう。
詰んだか?
「せいっ!!」
『ライザー様のナイト、一名リタイア』
覚悟を決めたところで木場がナイトを倒して駆けつけてくれた。
こっちのポーンに斬りかかってからリタイア聞こえたってことは切り捨ててきたと言うことかな?
残心があまい!!と言いたいが助かったぜ。
「ごめんね、少してこずったよ」
「一対一でてこずる相手を六人も俺に任せるな!!」
半分を木場が受けてくれたので、もう半分を全力で迎撃する。
あいての攻撃にあわせて拳をねじりこみ、さらに一歩踏み込んでさらに拳を振りぬく。
拳に確かに届いた骨を軋ませる手応えを確認し、顔面を焼かれた。
「アッツァァァァ!!」
「ライザー様のポーン、一名リタイア」
確かに続く二人目は意識にあったが、まさかの
「大丈夫かい?」
大丈夫なわけが無い。木場が魔剣で火を消してくれた、絶妙な加減で顔が凍りつくような事はなかったが、顔を焼かれて無事なわけが無い。
「くっそ、後少しでも目を庇うのが遅かったら眼球焼けて失明するところだった!!」
「でもすごいじゃないか、もう二人も撃破してるんだよ」
「うっせ、お前と違ってこっちは満身創痍だよ」
ブーストは一度に二回しか使えず、ボディーに数発良いのを貰っていて、終いにはさっきの顔面を焼かれると言う……悪魔になっての強化を無視すると死んでお釣りが来る、特に最後の。
「くっそ、なんだかブーストでの体力の消耗が一回二回のくせにやたらとでけえ。悪いがもしかしたらここらで俺はギブアップかもな。そのときは後を頼むぞ」
「いやいや、ちょっと待ってくれないかい?なんでそんなに今から死ぬような事を言っているのかな」
引きつった顔で木場がそう言う。
とはいっても背を合わせるような形で立っているいるわけで、実際にその顔が見えると言うわけではないのだが……
「いや、な……流石にこんだけ不安定な上体だといつ機能停止することやら……」
『……気付いていたのか』
「え?マジで!!」
「どうかしたのかい!?」
「……マジでいつ機能停止するか分からん状態らしい……本格的にのんびりしてられなく成ったぞ………っ!!」
無理を承知で草さん仕込の緩急をつける体術で一歩踏み込む。
零から八拾。本物は零から壱百弐拾と言うふざけた加速で相手の視界から消え去るが、俺にはこれが限界。
しかも翌日の全身筋肉痛を覚悟してだ。
強化がまだ活きていたので追加使用はせずにできる限り体術で乗り切る。
速度で直撃を避けられるのを考慮してナイトは狙わない。
防御強化で耐えられるのを避けるためルークも狙わない。
ビショップは遠すぎるので届かない。
故にポーンを減らす。
地面を踏み締め、反力を拳へ伝え、拳を突き入れる。
殴り倒すでも殴り飛ばすでもなく殴り通す。
捻りも加えてこの一撃で落とすために一撃入魂。
そして手応え。
同時に胸の奥からえもいわれぬ不快感が広がる。
そしてなぜだか脳裏を駆け巡る後悔。
「壊すなら物理的じゃなくて性的がよかった………!!」
と言う思い。
理性ではなく本能からの叫び。
そして思う。自分の大罪は消えた訳では無かったと、ただ隠れていただけであると!!
(だが今は出てくるな!!)
夢に比べても相当安定していたはずなのに此処に来て今更動き出すな!!
余計な事を考えるな、目の前の敵に集中しろ!!
そう、目の前にはルークが居るんだ、攻防が高いのが特徴だから油断は出来ない。
どうやってfss……じゃなくてどうやって倒すか……木場はポーンとナイトに善戦中だから、こっちでルークとビショップ二人をひきつけておく必要がある。
とはいってもビショップ一人は少々焦った顔をしながらも観戦モード。
参戦する気は無いようだ。
ならば俺はお前を狙う!!
すぐさま地面に突き刺さった標識を回収して一人後ろに居るお嬢様ビショップに向かって投げつける。
「させるか!!」
しかしそれはルークによって横から蹴り飛ばされ、全く違った方向へ飛んでいってしまった。
「貴様の今までの行動から御し易い相手から順番に狙っていると想定した。
そして慎重なのもな!!さっきからこちらのビショップの位置を確認しながら戦っているのは分かっているぞ」
ッチ!!
「なぜ俺がそっちを狙うと分かった……」
「隙をうかがっている臨戦態勢の者より観戦を決め込んでいる方を、急に参戦されると言った事態を防ぐため、だろ?」
正解だ……
「その通りだ、良く分かったな……」
「経験と言う奴だよ」
確かにそうだと言いたいところだが、そんなに分かりやすかったか………経験の数じゃ負けてるかもしれないけど、質で負けているつもりは無いんだが……
「ちょっと俺、ピンチみたいだから形振りかまわず行かせて貰うぞ!!」
左の拳を握らず構える。
理由は単純だ、便利な武器を使わないわけが無い。
武器とは爪だ。
龍の爪、と言うよりも籠手はちゃんと爪のごとく先端は鋭くて人が引っかく時のような爪が剥がれる心配など無く、よっぽどな力を掛けない限り指が反対に曲がる事もない。
「女の子に傷をつけるのは趣味じゃねえが、勝てる勝負を棄てる事を許してくれない師匠が見ているもんでな!!俺は死力を尽くして勝ちに行かせて貰うぜ!!」
そう言いつつ初激は右のジャブ。防がせておいて死角から爪を振る。
「削り殺してやるッ!!」
スプーンですくう様に手を振るう。
腹に当たれば腹を抉り、腕で防げば腕を削る。
しかし、最初の思惑とは違い、右のパンチは受け止められ、そのまま脚が飛んでくる。
(脚が長いせいでこっちの手が届かない!?)
即座に
俺を穿とうとする脚だ。
出方をうかがいながらガードを削ろうとしていたため左手は容易に状況を変えられた。
(本来はスリスリしたいところだが………勿体ねぇ!!)
脚が伸びきった所で掴み取る。勿論、蹴りは避けてだ。
あんな台詞を言い放った奴がまさかカウンターにあわせてくるとは思わなかったのだろう。
俺は爪を食い込ませて持ち上げ、叩きつける。
叩きつける、叩きつける。何度も地面に、最後は武器のようにして着物を着たビショップに叩きつける。
ライザーとは違って生贄と割り切って攻撃……出来るんだろうけど流石に、仲間が武器として自分に向かって振られれば驚いて迎撃に移れずそのまま人剣によるぶん殴りが決まる。
そのまま纏めて投げ飛ばし、標識を回収して「念のため首をはねて確実なる安心という形にしておくか……」と言わんばかりに振り下ろしたところ、当たる直前でルークとビショップは消えた。
『ライザー様のルーク一名、ビショップ一名リタイア』
よし、終わった、後は……
《over limit……
なん……だと!?
左手から籠手が解けるように消えた。
そして途端に体が重くなる。
地面に膝を突き、頭を垂れるような格好で何とか体を支える。
「かは…なんだこの疲労は……まるでフルマラソンを完走したときのような……それよりもだ!!ドライグ、おい聞こえているのか!!」
『―――』
反応が無い、黙っているという訳ではなく、本当に反応が無い。
機能停止……不安定状態が続いた結果と言うわけか?
「何だこれは……眠い?まるで泥沼に引き摺り込まれるかのような睡魔だと!?」
無理やり覚醒を促そうと体内の魔力を……
「魔力が……感じられないだと……しかもそれだけじゃない、感覚がだんだん鈍く……なんなんだこれは!!」
筋肉が緩む、体が地に落ちる。
手を動かそうとするが、微動だにしない。
視界が暗くなる、まぶたが落ちてきた。
木場が叫びながら揺さぶってくるが口も動かない。
何故だか体温が下がるのが解った。
さっきまで五月蝿かった心音が小さくなって………
『ん?冬眠しちまったか………爬虫類の籠手に潜って繋がりすぎた弊害か?
もしくは武器と同調しすぎて飲まれたか………なんにせよ生き物を封印したような武器には注意が必要かな』
遠くで聞こえるハイネさんの声だけがやけにはっきりと聞こえた。
そんなわけでイッセー君リタイア!!
目が覚めるのはパーティーの日ですかね。
原作では左手をプレゼントしたけどこの話ではどうなるのでしょう(イイ笑顔)