OVER SHADOW !   作:みころ(鹿)

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本体の更新さん「キラークイーン!!キラークイーンは既にその16000字の入ったファイルに触れている!!!」

作者「そのファイルに近寄るなぁぁっぁぁっぁ!!!」
ドオォォムム

スャァ(:3[※※]͟͟͞͞ =:・*・バビュー――ーン



某幽霊少女「三転ちゃぁぁぁっぁん!!!」


むごい…申し訳ない。



 10 友達の作り方 

・・・

 

 

…サンコは呟く。

 

 

「親の気持ちねぇ…」

 

 

ルプスレギナがサナを引きずって行ったのを見送った後、サンコは一人、射撃場のベンチに座っていた。

そしていつも一緒にいたサナがいない寂しさをしみじみと感じながら、ゆっくりと「サナについて」考え事をしていた。

 

 

…数分前、サンコはサナに自分から離れて、ルプスレギナとシズの三人で風呂に入ってくるように命令した。

目的はチームメンバーの連携を高める為…作戦を円滑に進めるためだ。

 

…いや…それには語弊がある。

 

確かに仲間として仲を深める。それもしてもらいたい。

 

 

だがそれ以上にサンコはサナに「友達を作ってほしかった」。

 

 

サナは欠落している。

それはこれからゆっくりと埋めていくつもりだし、特に心配はしていない。

 

だがその為には「常識」という要因が必要になってくる。

 

例えばサナは自分と話すときに躊躇なんてしない…しかし自分以外と会話する時「戸惑う」ことがある。それは常識が無い、ということが起因している。

 

人間であるならば、親との会話や友達などとの会話などの「経験」でそういった物が培われる。

しかしサンコとの主従関係の会話などそれの足しに等ならないし、サナに他の関わりのある者はいない。

 

つまりサナには…「常識を教えてくれる」友達が必要なのだ。

 

…もちろんただ友達として楽しんでもらえればそれもいいが、流石にそれはサナにはまだ早いような気がしないでもなかった。

 

 

――だが、今のサンコにはそれよりも問題があった。

 

 

「でも…なぁ」

 

 

サンコは首を傾げる。

 

 

「なんで…」

 

 

…確かにサンコはサナの為に考え、実行した。

 

 

ただその時、サンコはサナの事を「想った」のだ。

 

 

…つまりなんというか、その決定には「愛」があった。

 

ルプスレギナにサナを頼んだ時、気づけばサナを見ていたサンコの口元は緩み、微笑んでいた。

そして自分で言うのも何だか気恥ずかしいが、サナへの優しさというか…大切にしなければという想いが溢れ出た。

幸せになってほしいという希望が強く光り、それで驚くべきことに「心の穴」が一瞬だけ「満たされた」気がした。

 

 

「親の気持ち…?…いや、解んねぇな…」

 

 

サンコは親になったことは無い。

だからこの気持ちが「ただの愛着」か「親心」なのか解らない。

…それに穴が一瞬埋まった気がしたのも気になる。

 

ならもしかすると…自分の「穴」もサナへの「愛」で埋まるのかもしれない…。

 

 

 

サンコはそこまで考えると、フッと考えるのをやめた。

 

 

 

「…んー…」

 

 

そしてこの静かな空間で今までの考えたことをまとめ始めた。

 

だが――

 

「…まだ、かな……」

 

――結論は出さなくていいと、結論付けた。

 

もしサンコの穴がサナへの親心で埋まるのであれば、即刻そのための行動を起こすべきなのかもしれない。

 

 

だが無理に結論を急ぐ必要もない。

 

 

これは元々これからの旅の中で考えておこうと思っていたことだし、まだ判断材料も揃っていない。

 

…慎重になるべきだ。

愛娘のことでもあるのだから。

 

 

「それに今は…これがあるからな!」

 

 

サンコは身体の中に手を突っ込むとから銃を取り出す。

ずっと影の液体の中に入っていた銃はひんやりと冷たくなっていた。

 

とはいえ中で濡れる訳ではないので、弾薬が湿るということは無い。

…もし銃の輸送になったら便利だろう。

 

というか本当に何個か持って行こうか、アイテムボックスもあるが実験も兼ねて「足元」に入れておくのも悪くないかもしれない。

 

 

「まぁ今は撃つ練習をしよ」

 

 

サンコは考えることが多いなと苦笑すると立ち上がる。

そして銃を構えながら、意気揚々と射撃場の扉を開けたのだった。

 

 

 

・・・

 

 

 

ナザリック地下大墳墓には「風呂」がある。

 

第九階層のプライベートエリアにあるそれは、クオリティが異常に高い。

かつて凝り性なギルドメンバー達は最高の風呂を目指し…事実、最高の美を極めた最高の風呂を創り出した。

 

 

――しかし無意味である。

 

 

そもそも風呂というものは…人間が体についた汚れや汗を洗い流す為に用いる手法である。

 

 

しかしナザリックに人間などいない…つまり「使用する者」がほとんどいない。

宝の持ち腐れ…いや、骨折り損のくたびれもうけと言ったところだろうか。

 

確かに風呂に入って手に入れることのできる効果…ボーナスは多少あるのだ。

しかし最高級の温泉のため得られるボーナスは他に比べると大きいが、時間がかかることと微々たるボーナスのためにその長い時間をかけることは余り効率的とは言えない。

 

 

――しかしそれ以外に、実に効果的な風呂の「利用方法」があるのだ。

 

 

それは「社交場」としての利用方法。

…裸の付き合いというやつである。

 

 

 

・・・

 

 

 

「サナちゃん~!こっちっすよ~!」

 

「…こっち」

 

「…」

 

 

ナザリック第9階層、射撃場から風呂までの廊下をルプスレギナ、シズ、サナの三人は進んでいた。

その様は仲の良い姉妹か…はたまた飼い犬に強引に連れられる主人の様でもあった。

 

実際サンコに命令された後、ルプスレギナは軽くだが抵抗するサナを、にこやかな笑顔を浮かべながら引きずっていった。

 

まぁサナも今は、その抵抗も諦め先行するルプスレギナとシズについて行っていた。

 

 

(なぜ主はあのような命令を…?)

 

 

歩きながらサナは考える。

 

数刻前、射撃場でのブリーフィングの後にサンコはサナに、ルプスレギナ達と風呂に入ってくるようにと命令された。

 

…訳が分からない。

 

否、連携が重要だという会話の直後だから仲を深めるため…というのは可能性として理解している。

サナが解らないのは「その先」だ。

 

(何だったのだろう…主のあの表情は)

 

ルプスレギナとサナに命令する際、サンコは今までに見せたことがない「笑顔」を見せた。

何だかその笑みはとても落ち着いていて…とても満ち足りていた。

 

なぜあのような表情を見せたのだろう。

なぜ自分にそれが向けられたのだろう。

 

 

――何をどうやったら()()()()()()()が出来るのだろう?

 

 

(今日の私は本当におかしい…)

 

 

どうにもいつもに比べ考えすぎている節がある。それで命令に支障がでたらどうするのだ。

知らない事への疑問など必要がないはずなのに。

 

サナはそんな自分の瑕疵を責めながら、ルプスレギナとシズの足取りに意識を戻した。

 

そして周りに視線を向けてみる。

 

ルプスレギナの足取りは軽やか、シズはトテトテという歩幅が短い歩き方。

共通しているのは足音をほとんどさせないこと。

 

ルプスレギナはどこかに楽しいものがないかと常にセンサーを張り巡らし、シズは前だけを見据えて歩いている。

 

 

そしてそれについていく黒い服を着た自分。

歩幅は普通、歩き方も普通。

だがこの場に居なれない異物感だけが出ていた。

 

…正直目立つ。

 

 

それに一般メイドの往来が多い廊下のようで、視線も集まりやすい。

かなり注目されているのが解る。

 

サナは別にそれに羞恥などは感じないが、それでも人目にさらされること自体あまり慣れないことなのでどういう表情をしていいか解らず、顔を伏せていた。

 

 

――と、サナの鼻孔に微かな硫黄の臭いがした。

 

 

サナが顔を上げると既にルプスレギナとシズは立ち止まっており、振り返ってサナの到着を待っていた。

サナは少し急ぎ足になると、二人に追いつく。

 

「ここがお風呂っす!」

 

「…ここ」

 

二人は同じ方向を指さす。

そしてサナもその先を見ると、そこには「ゆ」と書かれた暖簾がかかっていた。

 

「…」

 

硫黄の臭いも中からしており、この中が風呂なのだと強調していた。

サナは少しだけ不安に駆られながら、暖簾を見つめた。

 

…その様子をルプスレギナはニヤニヤとしながら見る。

そして笑顔を貼り付けると暖簾を押した。

 

「いくっすよ~」

 

そして中に入る。

 

 

シズも無言でそれに続いた。

 

 

残されたサナは覚悟を決めると、ルプスレギナと同じように暖簾を押して中に入ったのだった。

 

 

・・・

 

 

中に入ると「男」と「女」それぞれ青と赤に色分けされた暖簾があった。

 

女と書かれた暖簾の前でルプスレギナが手招きをしており、サナは誘導に沿って暖簾の中に入った。

 

中は更衣室になっており、着替えに必要な充分な広さが確保されていた。

籠置きの棚が二列配置され、その合間なりで着脱するようだ。

鏡やドライヤー、バスローブなどが完備され、タオルなども最高級の物が用意されていた。

 

そして列の奥の方にはシズがいた。

…既にシズは服を脱ぎ始めており、手に付けていたガントレットが鳴らすカチャカチャという音がしていた。

 

サナは脱いでいるシズに近づいていくと、邪魔にならない範囲で左隣に立った。

そしてとりあえず真似をしようと服を脱ごうとする。

 

…と自分が今まで服を脱いだことがないことに気がついた。

 

脱ぐ必要が無かったから当たり前と言えば当たり前だが、サナは脱ごうとして固まってしまう。この服の脱ぎ方をサナは知らなかった。

 

「あれ、サナちゃん服の脱ぎ方わかんないっすか?」

 

気づけば右隣に立っていたルプスレギナが立っていた。

手には籠を持っているあたりここで脱ぐつもりらしい。

 

「手伝ったほうがいいっすか?」

 

ルプスレギナは珍しく顔に笑顔を貼り付けてはおらず、代わりに「理解した顔」というか「なるほど」といった納得の顔をしていた。

 

「…(こくり)」

 

サナ自身困っていたので、素直に頷いた。

 

「んじゃ脱がすっすよー」

 

するとルプスレギナの笑みはもどり、サナに飛びかかってきた。

サナは抵抗せずにそれを受け入れる。

 

…まず腰に差さっていた野太刀を取られた。

次に背中の結び目を迅雷の速さでほどかれ、上着がはらりと落ちた。

そしてスカートを脱がされ、中に着ていたドロワも脱がされた。

 

ここまで僅か三十秒…それだけでサナは下着姿にされた。

 

「…なんか…こう…ムラムラっと!」

 

ルプスレギナは呟きと共にブラのホックを外した。

すると支えられていたサナの乳は抑えがなくなり大きく跳ねた。

 

…その乳は豊満であった。

 

「おおー!ソリュシャンと同じ…いやそれ以上…?」

 

ルプスレギナはサナの乳をマジマジと見ると、喜ぶ。

サナはそれに自覚はしていないが少しだけ羞恥を感じ、腕で隠した。

 

「ああ…エデン…」

 

ルプスレギナは本気で悔しそうな顔をすると、サナのパンツに手をかけた。

そして一気におろす。

 

サナが足を上げ、ルプスレギナがパンツを脱がすと、サナは全裸になった…なれた。

 

「あぁそれとここが脱いだ服を入れておく籠で、こっちがタオルの入れてある籠っすよー。それと中に入る前にタオルは必ず持って行くっす!」

 

ルプスレギナは特に何のリアクションもせず、目の間の棚の中にある上の籠と下の籠を順に指さした。

 

サナは頷くと下の籠を引き出す。

 

中には見るからに柔らかいタオルが何枚か入っており、洗剤か何か花のいい匂いがしていた。

サナはそれを掴んで取り出すと、手に持った。

 

そして次は何をすればいいかと、ルプスレギナを見た。

 

しかしルプスレギナももう脱ぎ始めていた、とても何か聞ける感じでは無いのをサナは悟る。

 

 

「…」

 

 

ならばとサナは、右隣のシズの方向に振り返る。

 

「…?」

 

シズは服を脱ぎ終えており、服を畳んで籠の中に入れていた。

そしてサナの視線に気がつくと、一度手を止めてサナを見つめ返した。

 

普通ならばそこで「次はどうすればいい」と尋ねればいい。

しかしサナにはそれが思いつかない…どう尋ねていいか解らなかったのだ。

 

だからサナは困ったような視線をシズに送ることしか出来なかった。

 

…それでもルプスレギナならば、その視線の意味に気づき何かしら対応できたのかもそれない。

だが相手は感情の解らない人形。シズにはその視線の意味は理解できなかったようだ。

 

結果、暫く二人は見つめあうことになった。

 

「あれ?どうしたんすか二人共」

 

とルプスレギナはもう既に服を脱ぎ切っており、タオルを持っていた。

そして見つめあう二人を見つけると不思議そうな声を出した。

 

…それが合図となり二人の時間は動き始め、お互い視線を逸らした。

 

シズはまた服を畳み始め、サナは顔を伏せた。

 

「ん…あー…え?…おー…」

 

ルプスレギナは何が起こったか納得したような納得していないかのような困惑した素振りを見せると唸った。

 

「…」

 

「ん?なんすかサナちゃん」

 

今ルプスレギナはフリーだと思ったサナは再び困惑の視線を向けた。

ルプスレギナもそれに気がつき、小首を傾げた。

 

そして視線の意味を理解すると風呂場への扉を指さした。

 

「…あー…タオルを持ったらもう風呂に入っていいんっすよ?」

 

「…(こくり)」

 

サナは頷くと、改めてタオルを持って風呂場への扉に向かう。

それにルプスレギナもついていった。

 

そしてサナがガラス扉をガラリと開けると中の様子が見て取れた。

 

 

中には「芸術」があった。

 

 

ローマ式風呂の落ち着きある荘厳さ。

ジャングルの中にある秘湯。

洞窟内には妖しい光を放つロウソクがいくつも浮かべられた温泉が。

美肌効果のある濃厚な硫黄の臭いを放つ白濁した露天風呂。

かと思えば普通の銭湯のような場所もあった。

 

様々な温泉の種類があり、それぞれが個性を主張する。

 

入った者の視界には浮かんでは消える泡沫か、はたまた大河のごとき大祭に映るだろう。

美醜入り混じったそれは完成された芸術であることは確かであった。

 

 

…だが残念なことにサナにその芸術の良さは解らない。

 

 

「…」

 

 

サナはキョロキョロと辺りを見回すと次に何をすべきかを探す。

結果、扉の隣にあった鏡の前のプラスチック製の椅子に座ったシズを見つけた。

 

とりあえず座るのかとサナもそれを真似て、手近にあった椅子の一つに座った。

 

そしてシズの動向に注意を払う。

…真似するために。

 

 

シズはサナの視線など気にせずまず左手で石鹸を取った。

そして右手でシャワーの栓を開くと髪を濡らし、手に慣らした石鹸で頭を指で洗い始めた。

 

なるほど、ああすればいいのか。

サナはシズと同じように置いてあった石鹸を左手で取ろうと――

 

「待つっす」

 

――立っていたルプスレギナにガシッと止められた。

 

「…?」

 

「大方シズちゃんの真似でもしようとしたんでしょうけど、シズちゃんは特殊っす…真似したら髪が痛んじゃうっすよ?」

 

「…髪が痛む?」

 

「そうっす、バサバサのエダエダっすよ!シズちゃんはそうならないから良いっすけど、女の子なら気にしないとダメっすね!」

 

「…」

 

サナは理解しこくりと頷くと、再び困っている視線をルプスレギナに向ける。

――ただ、今度は言葉つきで。

 

「じゃあどうすればいい?」

 

その反応にルプスレギナは少し驚き、だがおくびにも出さずに笑顔を貼り付けると、今まで持っていたそれをサナに見せた。

 

「まずはブラシっす!…やるっすね」

 

「…(こくり)」

 

サナはルプスレギナの見せた茶毛のブラシを見ると何をするか察しプラスチックの椅子に座りなおした。

ルプスレギナはサナの背中に回ると、髪を手に取りブラシを構えた。

 

「うわーサラサラっすね!」

 

サナの艶やかな髪にブラシが入り、特に抵抗もなく梳かれていく。

初めての感覚にサナは緊張しながら、終わるのを待った。

 

「はい、少しとかすだけで良いっす」

 

ブラシは割と早く終わり、ルプスレギナはブラシを鏡の前に置いた。

そしてシャワーの栓を開け、シャワーヘッドを手に当てて温度を測り始めた。

 

「うん、サナちゃん目を閉じてほしいっす」

 

「…」

 

サナは指示に従い目を閉じる。

ルプスレギナはそれを確認すると水圧を弱め、サナの髪を濡らし始めた。

 

サナは始め、当たる温水に驚き不安になった。

しかしすぐに浸透してくる暖かさに緊張は弛緩し、心地よさすら感じ始めた。

 

「濡れ残りは…ないっすね、じゃあ次はシャンプーっす」

 

ルプスレギナは一度シャンプーヘッドを置くとシャンプーと書かれたボトルを手に取った。

そしてノズル部分をプッシュして泡を適量右手に出した。

それにお湯を少し混ぜるとサナの頭に乗せた。

 

「目に染みると痛いっす、ぎゅっと閉じてるっすよ?」

 

「…」

 

そして指の腹を使って、頭の地肌をマッサージするように洗い始めた。

 

 

シャワーと違い今度は直接的な刺激がサナの頭の上を這いずり回る。

だがそれは決して不快な物ではなく、適度な刺激と圧迫感で逆に快感を得られた。

 

まだ人に触れられることに慣れていないサナでもそれは同じだったようだ。

モジモジと膝を動かしながら、じっと終わるのを待っていた。

 

 

…暫くルプスレギナの洗いは続いた。

全ての指がせわしなく動き、まだ洗っていない場所が無いかくまなく探していく。

 

そして大体一分程でその手を離した。

 

「まだ目は開けちゃダメっすよ~」

 

ルプスレギナは言い聞かせると再びシャワーヘッドを右手で掴み、栓を開けた。

そして左手でマッサージしながら、出てきた温水でサナの頭に付いたシャンプーを落としていった。

 

白いシャンプー色に染まった液体がサナの身体を伝い、排水溝に流れていく。

そしてルプスレギナは泡が完全に流れ落ちたのを確認すると、シャワーの栓を閉じた。

 

「はい、目開けていいっすよー」

 

「…」

 

サナは目を開ける。

…顔が濡れているのが気にかかり手で払った。

 

「あサナちゃん、ちょっと待つっすよ?」

 

「…?」

 

と、ルプスレギナが何か思い出したかのように更衣室の扉に走って行った。

サナはそれを見送り、おとなしく椅子で待っていることにした。

 

とはいえ何もすることが無いので右隣のシズの様子を確認することにした。

 

…何やらスポンジのような物で体を擦っていた。

泡立っているということは、泡でもって身体を洗っているという事なのだろう。

 

 

サナは理解すると頭の中に留めておく。

 

 

「お待たせっす!」

 

 

そして丁度良くルプスレギナも帰ってきた。

手には乾燥したタオルを持っており、相変わらずの笑顔を貼り付けていた。

 

「水を切るっすね!」

 

そしてサナの髪を一房取ると、握るように水気を吸っていった。

ルプスレギナは辛抱強く、一房一房丁寧に水を切っていく。

 

そして全て終えると、満足という風に頷いた。

 

「髪は終わりっす、次は身体っすよ」

 

「あ…」

 

「ん?」

 

特に何も言わずに手伝おうとしていたルプスレギナは、サナのぽつりとした呟きに反応して止まった。

そしてサナは次の言葉を繋いだ。

 

「…自分で…できる…?」

 

「疑問形っすね…解ったっす。見てるから一度自分でやってみるのがいいっす!」

 

「…(こくり)」

 

ルプスレギナは頷くと、半歩下がった。

サナも頷き返すと、はじめてのからだあらいを始めた

 

 

まずサナはスポンジを手に取る。

 

次にボディーソープと書かれたボトルを掴むと、そのノズルの先をスポンジに向けた。

そして泡をつけようとノズル部分を押した。

…だが押す力が強すぎたようで、噴出した泡が身体にかかってしまう。

サナはぎこちない動きでスポンジを使って泡をすくうと、泡立てた。

 

「…」

 

そしてこれまたぎこちない動きで体を洗い始めた。

擦ったり拭ったり…かなり雑に洗う。

それに動きにも迷いがあり、遅々として進まなかった。

 

「…!」

 

やはりというか、サナは慣れない洗いでスポンジを落としてしまう。

サナはそれに気がつくと足元のスポンジを拾おうとした。

 

――しかしそれより先にルプスレギナに拾われてしまう。

 

 

「…なにを」

 

「全然ダメっすね。時間がかかりすぎっす…身体冷えちゃうっすよ?」

 

 

ルプスレギナはやれやれといった顔をすると、サナの背中の後ろに座った。

どうやら痺れを切らし、当初の予定通りにサナの身体を洗うことにしたようだ。

 

「…」

 

サナは少し悔しく思いながら、素直に身を任せることにした。

 

「それじゃ行くっすよ」

 

サナの背中にスポンジが押し当てられる。

行き場を失った泡がサナの背中を滴り落ちていった。

 

「…!」

 

ルプスレギナの洗い方はサナの雑な洗い方とは大きく違っていた。

きめ細やかに、そして丁寧に、傷をつけないように…サナの雑な洗い方とは根本的に違っていた。

 

 

そして洗いながら声をかけてきた。

 

 

「どうっすかー良いっすかー」

 

「良い…?」

 

「ん?気持ちいいかどうかってことっすよー」

 

 

ルプスレギナはニコニコとしており、特別な意図は感じられない…つまり社交辞令のようなものだろう。

…だがサナにはその社交辞令の「中身」が解らなかった。

 

 

「気持ちいい…?」

 

「そうっすよー」

 

「なんで…?」

 

「ん、なんでって…身体を洗われたら気持ちいいもんっすよ?」

 

「…」

 

 

ルプスレギナの回答に、サナは少し黙り考え込む。

 

…確かにサナは背中に「何か」感じていない訳では無い。

しかしそれがルプスレギナの言う「気持ちいい」なのかを判断することは出来なかった。

 

 

「…そもそも、気持ちいいって何?」

 

「うーん、それは難しい質問っすねー…好きなことをしてる時に感じるもの…っすかねー?」

 

「…じゃあ好きって何?」

 

「はっはー、無限ループって奴っすね」

 

「…」

 

 

サナが再び黙り、目を閉じた。

ルプスレギナはそんなサナの様子に本当に不思議そうな顔をした。

 

サナは目を閉じ、考え始める。

瞼の裏の漆黒に身を委ね、ゆっくりと思考をまとめていく。

やがて暖かい水が流れていく感覚と、背中が洗われていく感覚のみになる。

実に考えるのに最適で、はっきりとした環境。

 

半ば瞑想状態のようになりながらサナは覚醒のように感覚が鋭敏になっていくのを感じた。

視覚は無いが、聴覚や嗅覚といった感覚が鋭くなり見なくても周りの状態が解るぐらいの領域にサナは踏み込んでいた。

 

――だから「奇襲」には弱い。

 

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

 

ぞわり。

 

耳元で囁かれたそれにサナは本能的な恐怖を感じると、瞬間的に目を開け意識を覚醒させた。

そして殺意を放ち、いつでも攻撃できるようしながら振り返った。

 

 

「ん?サナちゃん怖い顔してどうしたんすか?」

 

 

しかしそこには相変わらずニコニコと笑うルプスレギナしかいなかった。

他には誰もおらず、先程の声とルプスレギナでは声の低さも声音も何もかも違った。

…シズも距離的に不可能だし…他の第三者がいるとは思えない。

 

 

「ほら、背中は終わったっすよー」

 

 

そんなサナの困惑の中、ルプスレギナはそれに気がつかないかのように振るまい、背中洗いが終了したことを告げた。

そして一際ニヤリと笑う。

 

「次は…ここっす!」

 

「ひゃあ!?」

 

瞬間ルプスレギナが体を密着させた。

背中に柔らかいものが押し当てられると同時に、サナの脇の下に手が差し入れられた。

 

そして思いっきり胸を揉んでいた。

 

「サナちゃん良い声出すっすねー」

 

「…な、何をっ…?」

 

混乱と、初めて胸を揉まれるという感覚にサナは思ったより大きな声を出してしまった。

サナは顔に血液が集中するのを感じ、更に混乱していくのを感じた。

 

「何って身体を洗ってるんすよー…もしかして、感じちゃってるんすか?」

 

「そ、そんなことは…ひっ…」

 

サナが喋っている最中にルプスレギナは手を動かす。

思わず声が漏れてしまい、サナは口を手で覆った。

 

「んんwここがええのんか?お?」

 

「ひっ…ふぇ…」

 

「…あー…何かマジっぽくてネタにならないっすねー……はい、終わりっす」

 

「はっー…はっー…」

 

そしてルプスレギナは暫く前面を洗った後、サナから手を離した。

ずっと弄られていたサナは荒くなった息を整え、涙目でサナを睨んだ。

 

その様子にルプスレギナは更に笑みを深めた。

 

「…(キッ)」

 

「いやー…軽いスキンシップじゃないっすか!」

 

「…相手が嫌がるのはスキンシップじゃない」

 

「お、シズちゃんもやるっすか?」

 

「…言葉の意味理解してる?」

 

そしてそれを見かねてか今まで黙っていた、シズが混ざってくる。

だが身体は洗い終わっているらしく、タオルを片手に立ち上がっていた。

 

「…それじゃあ先に行ってる」

 

「あ、ちょっと待ってほしいっす」

 

「…何?」

 

そして先に風呂に入りに行こうとするシズをルプスレギナが呼び止める。

シズは振り返ると相変わらずの無表情を向けた。

…ルプスレギナはシャワーヘッドでサナの身体の泡を流しながら、答えた。

 

「サナちゃんも一緒に連れていってほしいんすよ。私も身体洗ってから追いつくっすから」

 

「…そういうことなら」

 

「はいサナちゃん。終わりっすよー、お風呂楽しんでくださいっすねー」

 

シャワーの栓が閉まり、サナの身体が洗い終わる。

引き締まった肢体は心なしか、更に滑らかになっており、艶やかさも増しているような気がした。

 

「…」

 

サナはルプスレギナに若干「何か」思いながら、立ち上がる。

その何かをサナは一度忘れると、もう歩き始めていたシズに追いつくべく歩き始めた。

 

「…」

 

「…」

 

お互い無言で、風呂場特有のペタペタという音を出しながら歩く。

とても友人とは言えない距離、それに他人ような雰囲気が濃く流れ出ていった。

…逆に二人とも目を合わせようとしなかったのかもしれなかった。

 

「…こっち」

 

ただでさえ広い風呂。

シズはどこに行くかは解らないが、かなりの距離を歩く。

湯気が充満しているため寒くはないが、視界は悪く、サナには前を歩くシズの背中ぐらいしか見えなかった。

 

「…!」

 

――そしてその湯気がにわかに晴れる。

 

「…ここ」

 

そこは露天風呂になっていた。

岩で作られた露天、そこからは湯気が立ち昇り、竹製の囲いの外には竹藪が広がっていた。

ここだけ夜なのかは解らないが空には満点の星空が広がっており、明るさを補うためにぼんやりとした灯篭が幾個も乱立していた。

 

――幻想的な光景だ

 

「…」

 

シズはそこに迷わず踏み入り、露天に入った。

静かな入水、水音も波紋もほぼ立てずにシズは肩まで浸かった。

そしてタオルを畳んで、頭の上に乗せた。

 

「……」

 

サナもそれを真似し、音を立てずに風呂に浸かる。

そしてタオルを畳むと頭に乗せた。

 

「…」

 

肌に刺激は無い。

だがじんわりとした、骨に染みるような「暖かさ」という「刺激」がサナの身を包んだ。

とはいえ痛みだとかそういった類の刺激では無く、快楽とか安息といった類の刺激を感じていた。

 

サナは気が緩んでしまうような、そんな不安に駆られて呼吸を一瞬止めた。

…そうすることでサナは気の引き締めに成功する。

 

「…」

 

「…」

 

そして呼吸を安定させるとシズを見た。

 

シズは目を閉じており、とても落ち着いていた。

座禅…のような形で湯底に座っており、意識とか、そういった物は一切感じられなかった。

それに呼吸による肩の上下、そしてそのような体の動きが一切感じられずまるで人形のようであった。

 

「…」

 

「…」

 

暫く沈黙は続いた。

露天がコポコポと湧く音と、たまに吹く風によって竹藪がガサガサと鳴る乾燥した音だけが聴覚に響く。

 

別にお互いのことが嫌いなわけではない。

二人とも作戦遂行に相互の信頼関係が必要だということは理解しているし、特に嫌いになる理由もない。

 

ただ――お互い、距離を測りかねてる…それだけな気がした。

 

それにお互い積極的に友達を作るようなタイプじゃない。

かたや興味が無く、かたや方法が解らない…これもそれだけのことなのだが。

 

…そしてそういう意味でサンコは名采配をしたと言える。

 

そう、三人の中には「相手の気持ちを考慮しない快楽主義者」もとい「相手の事が気遣える友達造りの天才」のルプスレギナがいる。

つまり奥手な二人の仲を取り持つのにルプスレギナは必要…いや最適な人物なのだ。

 

全体としてのバランスしか説明しなかったサンコが「これ」を図ったかは解らないが、こちらの目標の「結果」はどうあれ「計算式」は完璧なものを用意したと言えるだろう。

つまり捕らぬ狸の皮算用にはならない…いや、そんな保証はどこにもないが、最高の猟師を用意できたという訳だ。

 

 

――そしてそんなルプスレギナが、シズが座る縁の背後の湯気からひょっこりと出てきた。

 

 

「おお!露天風呂!!」

 

 

そして開口一番ルプスレギナは露天風呂の幻想的な雰囲気に眉根を上げて驚き、笑った。

それから離れて座るサナとシズを確認すると、少し不満気にまた笑い、自分もお湯に浸かるべく近づいて来た。

 

「お待たせっす!」

 

そしてザブンと風呂の中に飛び込んだ。

水柱が立ち、水飛沫がサナとシズの頭に降り注いだ。

 

二人は特にリアクションも無く、あまんじてこれを被る。

そして水面から出てくるルプスレギナを待った。

 

 

「ぷはー」

 

 

それからすぐにルプスレギナが水面から顔を出した。

そして毛の濡れた犬よろしく、身震いして髪の毛から水気を飛ばした。

それがまたサナとシズにかかるが、また二人ともノーリアクションでこれを受けた。

 

そしてそんな事を気にもせず、タオルを肩に引っ提げてルプスレギナは温泉の中に仁王立ちした。

 

…ポタポタと雫を垂らしながらルプスレギナは偽の星空を見上げていた。

擬似的に造られたはずの星空は空間でも弄ってるのか、本当に遠くにあるように見え本来の美しさを存分に再現していた。

 

そしてルプスレギナはどうやら竹藪の先に見える月を見ているらしい。

月に魅せられたルプスレギナはぼんやりとその瞳に白月を映し、子供の様なあどけない顔を見せていた。

 

 

――しかし我に返ると、また笑顔を貼り付けた。

 

 

そしてグリンと首から振り返るとサナを見る。

サナは嫌な予感を感じながら、ルプスレギナを見返した。

 

「サーナちゃん!!」

 

「ッ!?」

 

そして大体サナとシズの合間に佇んでいたルプスレギナの姿が、サナの視界から一瞬で掻き消えた。

しかしサナも戦士職のレベル80…その反射速度は弾丸を容易く斬れるほどであり、そのレベルに及ばぬルプスレギナがただ立ち回りだけでサナの視界から外れる事など叶わないはずだ――

 

――それこそ瞬間移動でも使わない限り。

 

ルプスレギナの身体が消え、それに驚いたサナが中腰まで立ち上がる。

 

 

それをサナの胸元に瞬きの内に現れたルプスレギナが抱き着き、押し倒した。

 

 

胸に顔が押し付けられ、サナは後頭部から着水した。

そして完全に沈む前に止まる。

 

「何を…!?」

 

「むはー!これはごはん何杯でもイケルっす!」

 

ルプスレギナはサナの胸に顔を押し当てたまま、頬ずりした。

そして至福といった表情を浮かべると、サナの胸の柔らかさを楽しんでいた。

 

…サナは慌てつつ体制を立て直し、上体を起こした。

それでもなお、胸に抱き着いて離れないルプスレギナにサナは狼狽した表情を見せると、強引にルプスレギナの頭を引っ掴み、引きはがした。

 

「…ふんッ!」

 

「――!?――私のエデンが!?」

 

それでもなお抱き着こうとしてくるルプスレギナを、サナは体術で弾き飛ばす。

掌底突きをまともに喰らったルプスレギナはシズの方まで軽く吹き飛び――

 

――また消える。

 

「もー!痛いっすよサナちゃん!」

 

「…」

 

そして今度はサナの後ろに立ち、脇の下から手を入れて胸を揉んでいた。

しかし落ち着いていたからかサナも「どこに現れたか」は解る。

…どうやって移動したかは解らないが。

 

「やめて…」

 

そしてルプスレギナの手を払うと、胸を押さえて数歩距離を取った。

その様子にルプスレギナは手を挙げると、謝った。

 

「ありゃ、ごめんなさいっす。ついついもみもみ」

 

「…」

 

「あ、ごめんなさい本当にごめんなさいっす」

 

サナの咎めるような視線にルプスレギナは頭を下げた。

…笑いながらだが。

 

「そ・れ・で!」

 

そしてルプスレギナはすぐに頭を上げて、サナに笑いかけた。

サナはその切り替えの速さに…唖然としながら話を聞くことにした。

 

「女子会するっす!」

 

「は?」

 

「ほら行くっすよー」

 

「ちょっと…」

 

そしてルプスレギナはサナの背中を持つと、シズの方に押していった。

サナも動揺しつつ、押されるがままシズの方に歩かされる。

 

そしてシズの前に来ると、肩に手を置かれストンと座らせられた。

シズも今はもう目を開けており、その静かな瞳を目の前に座るサナに向けていた。

 

「…」

 

「…」

 

「じゃあ女子会やるッす!」

 

そしてルプスレギナはハイテンションのまま、サナと同じようにシズの前に座った。

…するとサナとシズ、ルプスレギナでの奇妙なトライアングルができた。

会話するのに最適な形といっても過言でもないこの形は、これから始まる女子会には一番良いのかも――

 

「そもそも…なんで女子会を…?」

 

――しかし、サナがごく当たり前の質問をした。

 

サナにとって、主であるサンコの命令は「風呂に入り親睦を深める」こと。

では「なぜ」女子会をしなければならないのだろう。サナにはそれが解らなかった。

 

 

「もうサナちゃんったら、仲良くなるにはお喋りが一番何っすよ?」

 

「それは――」

 

 

――それは、なぜ?

 

今回ルプスレギナ達と風呂に一緒に来たのは連携を高める為…つまり仲良くなるため。

そのための女子会、そこまではいい。

だがサナには「そもそも」の理屈が解らなかった。

 

何故、女子会というモノの本質が「会話」にあるというのなら、その「会話」というものをすればなぜ仲良くなれるのだ?

 

…ルプスレギナがそう言うのならそれはきっと正しいのだろう。

だが、そのプロセスがサナには解らない。

会話をすると仲良くなる…という理屈がサナには経験として理解できないのだ。

 

 

「――っ…」

 

 

しかしサナはそれを言う前に口を噤んだ。

 

何故か。

それはそもそもサナには「仲が良い」とは何かが解らなかったからだ。

 

…いやそれは違う。

 

 

正しく言えば――サナには「全て」が解らない、だろう。

 

 

そして「仲が良い」ということが解らない、それが前提としてある以上その質問をすることには意味が無い。例えその答えを聞いても理解ができないだろうから。

 

それにそもそも「全て」が解らないというのであれば、延々に質問と答えを繰り返すことになるかもしれない。また新たな疑問が生まれてしまう。

 

だからサナは口を噤んだ。

 

 

「?」

 

 

サナが急に口を噤んだことにルプスレギナは首を傾げる。

だが大して疑問には思わなかったようで、すぐに笑顔に戻ると会話を続けた。

 

 

「じゃあまず自己紹介するっす!」

 

「…なぜ?」

 

 

だが今度はルプスレギナの発言にサナが尋ねるのではなく、シズが尋ねた。

今まで口を閉ざしていた彼女が何故今の質問に疑問を持ったかはサナには解らないが、特に口出しはせず、見守ることにした。

 

…シズの質問はまだ続く。

 

「…お互いの名前くらい知ってる。…ならなぜ自己紹介をする必要がある?」

 

そこまで来て初めてサナはシズの質問の意図を悟った。

いくらサナでもこの二人の名前くらい知っているし、なぜ今更自己紹介をするのかは甚だ疑問ではある。

 

だがルプスレギナはこれ以上ない程の笑顔…いやドヤ顔で人差し指を立てる。

そして教師然、指を振ってシズの質問に答えた。

 

 

「ちっちっちっ…シズちゃん、解ってないっすね。別に自己紹介って名前を紹介するだけじゃないんすよ?」

 

「…?」

 

「自己紹介では自分の名前だけじゃなく、趣味とか好きなものとかの紹介も出来るんすよ。つまり自分はこういう人間だと説明する訳っすね。」

 

「…それで?」

 

「そして相手のことが解ると会話がし易く…いや、解らないと仲睦まじい会話なんてできないんすよ。…だから会話の前に自己紹介することは必須なんっす!」

 

「…」

 

「納得したっすか?」

 

「…納得」

 

 

ルプスレギナの思いのほか真面目な回答に、シズは不満気にだが頷いた。

そして聞いていたサナも口には出さないが納得していた。

 

と、ルプスレギナがこちらに視線を向けた。

 

そしてウィンクした。

…どうやらサナも疑問に思っていた事を見抜いていたらしい。

 

 

「それじゃあ自己紹介するっすよ!まず私から」

 

 

そしてすぐに切り替えると早速自己紹介を始めた。

 

「私の名前はルプスレギナ!名座陸高校に通う女の子!姉妹のシズと一緒に通ってるの!最近転校してきたサナちゃんが大変で――」

 

「――…ルプー、それ違う」

 

「ばれたか…」

 

「…後喋り方」

 

「おっとっす!じゃあ真面目にやるっすよ!名前はルプスレギナ・ベータ。好きな物はチョコレート!」

 

「…なお犬には与えてはいけない」

 

「私狼っすよシズちゃん!?…あ、後人狼っす。趣味は処刑!以上!!」

 

 

と、とても騒がしくルプスレギナの自己紹介が終わる。

サナはルプスレギナとシズのコントのような会話に再び疑問に思いながら、解ったと頷いた。

 

「次シズちゃんお願いするっす!」

 

そしてルプスレギナは次にシズを指さした。

どうやら次に自己紹介をするのはシズのようだ。

 

シズも頷くと、自己紹介を始める。

 

「…名前はシズ・デルタ…種族は自動人形…好きな物は銃…」

 

そしてそこで言葉が止まり、シズは考え込んだ。

それからすぐに口を開く。

 

「…趣味は…銃の整備……ルプーとは姉妹…あ…」

 

そして何かに気がついたかのようにサナを見た。

サナも何ごとかと見返す。

 

「それと…私の事は、シズ…と呼び捨てにして構わない」

 

「シズ…?」

 

「…そのかわりサナと、呼び捨ててもいいかしら?」

 

「えぇ…よろしくシズ」

 

「…(こくり)」

 

シズは満足げに頷き、自分の自己紹介は終わりだと目を閉じた。

サナは少し心の片隅に何か感じながら、これからはシズを呼び捨てていいのだと記憶した。

 

…そしてにわかにシズへの親近感が湧いてくるのを感じた。

サナはルプスレギナの言っていた効果を実感し、今のサナならシズに喋りかける事もできるかもしれないと思っていた。

 

――だがルプスレギナが黙っていなかった。

 

「シズちゃんだけズルいっす!私もサナちゃんの可愛い声で呼ばれたいっす!」

 

主にダダをこねる意味で。

温泉の水をパシャパシャ飛ばす形でダダをこねる…そして飛んだ水がサナとシズにかかる。

本日三度目の事態に、慣れつつある二人はまたもノーリアクションであった。

 

「ほら復唱…アンッ、ルプスレギナさん素敵ッ…っすよ!」

 

「…」

 

「…」

 

余りのくだらなさにサナとシズは無表情になり、口を閉じた。

流石にふざけすぎたとルプスレギナは反省し、真面目な笑顔になった。

 

「いや…ルプーって呼んでくれないっすか?」

 

「…サナ。ルプーも呼び捨てで構わないわ」

 

「解った、シズ。よろしく、ルプスレギナ」

 

「解せぬ…私の主張は無視っすか?」

 

流石のルプスレギナもこれには堪えたようで、しょんぼりと項垂れた。

…だがすぐに笑顔に戻ると、サナを向いた。

 

「んじゃ次サナちゃんっすね!…出来るっすか?」

 

「できる…」

 

この空間に慣れてきていたサナは、即答する。

そしてサナは先程の二人…いやルプスレギナは参考にならなかったからシズの自己紹介を参考に…だが、まだ不安げに口を開く。

 

「名前はサナ・リムファティック…趣味は…主に仕える事…?」

 

「いやサナちゃんそれはダメっすよ。当たり前の事は趣味じゃないっす…呼吸が趣味の人いるっすか?」

 

「…ない」

 

「え?」

 

「趣味なんて無かった…」

 

サナは自分の無趣味に気づき、茫然とした。

だがルプスレギナは特に驚きもせず頷いた…まるで予想通りだと言わんばかりに。

…だが表面は心配気に…サナを気遣った。

 

「…」

 

「えーと…サナちゃん。無理はしなくてもいいんっすよ?…そうっすね…じゃあ私が質問するんでそれに答えてもらえるっすか?答えれなかった答えなくて良いっすから」

 

ルプスレギナの提案に、何をしていいか解らなくなったサナは頷いた。

 

 

「趣味は?」

 

「…ない」

 

「好きな物は?」

 

「…解らない」

 

「あぁはいはい。種族は?」

 

「液体粘状の影」

 

「…それってサンコ様と同じっすよね?」

 

「…えぇ」

 

「スリーサイズは…でかい、言語不要!」

 

サナはため息をつくと満足げなルプスレギナを睨んだ。

 

「自己紹介は終わり?」

 

「そうっすね…お疲れ様っす」

 

 

・・・

 

 

「それで女子会って具体的にどうするの?」

 

「…確かに」

 

自己紹介から数刻後…三人は暫くの間温泉を楽しんでいた。

そしてゆっくりと話し合いを再開した。

 

「ふっふっふっ…それはっすね…」

 

「それは?」

 

「私にも解らないっす!」

 

「…それは主催者としてどうなの?」

 

…温泉の効果か、はたまた暫く一緒にいたからか。

サナと二人の合間の空気は大分軟化しており、楽し気な空気というか…会話が出来るまで雰囲気は改善されていた。

 

「女子会は女の子達の戦争…一言で表すことなんて出来ないっす!…あえて言うなら…足の引っ張り合い?」

 

「足を引っ張るの…?」

 

「あぁ違うんすよサナちゃん、足を引っ張るってのは立場的に言うかっていうか…」

 

「…?」

 

「いや、サナちゃんはもう解らなくて良いっす!解らなくて首傾げるサナちゃんくぁいい!!」

 

「…ルプー、そういう趣味だったの?」

 

「ガチではない」

 

「…うわ……」

 

「どういうこと…?」

 

「…サナは解らなくていい…ただルプスレギナがおかしいというだけ」

 

「解った」

 

「サナちゃん聞き分け良すぎィ!?あとシズちゃん私の事を悪く言うのはそこまでっすよ!」

 

ルプスレギナはオーバーリアクションに、驚愕する。

…サナとシズはもはやそれにも慣れつつ、だが冷たし気にではなく暖かく頷いた。

三人の中にはもはや他人の冷たさも無く、友人の暖かさが流れていた。

 

そしてルプスレギナはにわかに笑顔に戻ると、再び口を開いた。

 

「そういえばサナちゃん」

 

ルプスレギナは言いながらサナに笑顔を向ける。

そして笑顔を保ったまま尋ねた。

 

「サナちゃんって液体粘状の影何すよね?」

 

「?…えぇ」

 

何だ、そんなことかとサナは疑問に思いながら頷く。

そしてそれだけかと困惑の視線を送った。

だがルプスレギナは妖しげな笑みでそのまま質問を続けた。

 

「それってサンコ様と同じ?」

 

「えぇ」

 

「でもサンコ様って…ドロドロしてるっすよね?」

 

サンコの容姿…それは足元に落ちる影が屹立し、雫を垂らすそれだ。

確かにドロドロとしているのは言う通り。

 

――そして同じ液体粘状の影であるサナとはかなり違う。

 

「じゃあサナちゃんは…なんでドロドロしてないんすか?」

 

サナの身体は人のそれと酷似している。

柔らかな肌と、形ある骨格。見かけでは程よく肉がついており、美しい顔立ちをしている。

…サンコのように滴ったり、形を崩したりしたことが無いのだ。

 

そんなルプスレギナの純粋な質問にサナは答える。

 

「…それは私が戦士だから」

 

「ん?どういうことっすか?」

 

サナは思案顔になり、目を伏せると、ゆっくりと言葉を紡ぐ。

そしてルプスレギナは興味津々とサナの言葉に耳を傾けていた。

 

 

「私も液体粘状の影…でも…主の方が上位種というか」

 

 

サナは所謂「脳筋」というヤツだ。

そのため「液体粘状の影であって液体粘状の影ではない」シモベとなった。

 

ようするに…例えば、サンコなどは実に液体粘状の影らしい。

全ての特徴を持ったオールマイティだ。応用が利く。

種族としての強みを持っている…いや、種族としての高みに立っているというべきだろう。

 

対してサナはその反対。

液体粘状の影の「戦闘に特化した特徴」のみを伸ばしたスペシャル。

戦士故に潜入は出来ぬ。

戦士故に形は変えられぬ。

 

戦闘しかできぬ――故に、戦士。不完全だからこそ完成された殺戮マシーンがそこにはあった。そして恐らくそれは本来の液体粘状の影の姿ではない。

 

 

「――ってことなんだけど…」

 

 

サナはそれを掻い摘んでルプスレギナに説明する。

今まで聞いていたルプスレギナは腕を組むと、目を閉じ頷いていた。

 

「…」

 

「ルプスレギナ…?」

 

「…ハッ…眠くて…」

 

…どうやらサナの拙い説明を聞くうちに睡魔に襲われたらしい…暖かい温泉の中という環境というのもそれに拍車をかけているのだろう。

ルプスレギナは首を起こすと伸びをした。

 

「ルプスレギナ、聞いてなかったの?」

 

「あー…ごめんなさいっす」

 

「ならもう一度」

 

「勘弁っす…」

 

これ以上眠くなってはあ敵わんと、ルプスレギナは寝ぼけ眼を擦り断る。

だが今まで口を閉じていたシズが口を開いた。

 

「…つまりサナは形を変えられないという事……!」

 

「なるほどシズちゃん、天才っすか!?」

 

「私の説明の通りじゃ…?」

 

…サナの説明は粗雑。それを読解するのは至難の業…。

ルプスレギナが天才と言うのも、冗談では無かった。

 

「うん、サナちゃんは私達ともっと喋った方が良いっすよ?」

 

「…それが良い」

 

「?…解った」

 

サナは良く解らないまま、ただ頷いた。

…皮肉なのだが。

 

「それじゃあサナちゃん、もっとお話しするっすよ!何か話題をば!!」

 

そしてルプスレギナはオーバーリアクションにカモンカモンとサナを煽る。

だがそれはサナにとって困難であるというか。

 

「何を言えばいい?」

 

お話をするためのお話の経験が足りない…という状況がサナには発生していた。

ルプスレギナは出鼻を挫かれ、少しションボリし…思案顔になった。

 

「何をって…例えば…気になる事とかっすかね?」

 

「なるほど…?」

 

例えばルプスレギナはサナの、サンコとの違いについてを話題にした。

サナはなるほどと理解し、頷いた。

 

そして話題作りの為にルプスレギナを観察する。

 

…褐色の肌に赤い髪。

光の無い黄色の眼。常に貼り付けた笑顔。

そして髪の合間から見える――

 

「!?」

 

――獣耳があった。

 

「その耳は?」

 

サナは絶好の話題と判断。

ルプスレギナにその話題を振る。

 

「あー、聞いちゃうっすよねコレ」

 

ルプスレギナは頭に手をやると、触る。

すると獣耳がピクピクと動き、毛が揺れた。

 

「これは狼の耳っす」

 

「それは見たら解る」

 

今まで伏せていたのか、今ではルプスレギナの狼耳はピーンと立っており、自我でもあるのか勝手に動いていた。

そして耳も濡れているため、毛が纏まっていた。

毛色は髪と同じで赤く、真ん中だけ白くなっていた。

 

 

…そしてそんな視線に気がついたルプスレギナは笑うと、自分の獣耳を指さし尋ねる。

 

 

「これは下駄箱ですか?」

 

「…いいえ、ダニエルです」

 

「ルプスレギナの耳では…?」

 

 

コントに対するサナの回答にルプスレギナは頷き、次に自分の「耳」を指さした。

 

 

「これはダニエルですか?」

 

「…いいえ、下駄箱です」

 

「ルプスレギナの耳では…あ!?」

 

 

サナは気づいてしまう…ルプスレギナに耳が四つあr――

 

 

「サナちゃん、気がついてはいけない事もあるっす!多分聴覚が便利になるってだけっすよ、それが人狼っす!!」

 

 

サナが禁忌に触れてしまいそうになるのをルプスレギナは必死に止める…流石に笑顔でこの事態に対処するのはルプスレギナでも不可能であったようだ。

 

「人狼…恐ろしい種族」

 

サナはしみじみ頷くと気がつきかけたことを努めて忘れる。

ルプスレギナも落ち着くと空を見上げ、一度この話題は途切れてしまう。

 

強い風が吹き、火照った身体を程よく冷やした。

 

 

「ふぅ…」

 

 

話の種火であるルプスレギナが溜息を吐き、黙る。

そして話題の種など持たない残り二人も黙った。

 

 

…暫く静寂が続いた。

 

だが決して無音という訳じゃない。

温泉が湧くコポコポという音。風によって揺れる竹林のガサガサという摩擦音。

それだけじゃない。お湯が巡る音や、灯篭の火が揺れ動く音。

 

…静かというのにも種類があり、これは耳に心地よい静けさだった。

そしてこれを乱すものは風情が無いと言われるのだ。

 

 

三人は一様に夜空を見上げ、温泉の暖かさを楽しんでいた。

静寂を耳で感じながら、お互いの時間を過ごす。

とてもゆっくりとした…満ち足りた空間に三人はいた。

 

 

――そして再び風が一際大きく吹いた後、ルプスレギナが呟いた。

 

 

「…というか、こうやって仲良くお喋りするのが女子会だと思うんすよね」

 

吹かれて飛んだ髪がなびき、またお湯に戻る。

ルプスレギナの呟きに二人は頷いた。

 

 

「…なるほど」

 

「!…仲良く」

 

 

シズは飽くまで無表情に頷く。

だがサナは「解らない事」を思い出し、頷いた。

そしてそれを知らなければ主の命令を遂行できないとも感じていた。

 

故に尋ねる事にした。

…自分から「尋ねる方法」はまだ解らないから単刀直入に。

 

 

「質問があるの」

 

「おおう…突然っすね」

 

「何?サナ」

 

サナの真剣な顔に、ルプスレギナとシズはいつもと変わらない表情で、だが聞く姿勢はちゃんと身体を向けた。

 

そしてサナは唾を飲み込むと、ゆっくりと、だがはっきりと質問を始めた。

 

「私は…私には仲が良いということが解らない」

 

「…はーん」

 

「…」

 

二人は静かに聞いてくれている。

サナはそれを確認し、安心すると次の言葉を発する。

 

「何を持って仲が良いということになる?仲が良くなるとどうなる?」

 

サナは握り拳を作ると、胸に押し当てた。

 

…一概にはそこに心というものがあるらしい。

そして友達というものに心というものが必要というのも知っていた。

 

 

 

「友達とはなに?」

 

 

 

サナは尋ねる。

 

本来要らなかったそれを。

解るために、作るために。

 

――それが必要だから。

 

主の命令ではあるにしろ、自分の知らない事に対してサナは興味を抱いているといっても過言ではなかった。

自覚こそしなくても尋ねるからには僅かでも命令以外の余地が入り込む隙間があるはずなのだから。

 

 

…最初に答えたのはルプスレギナだった。

 

 

「そんなもの解らないわ」

 

 

その言葉には笑顔など無かった。

無表情な素…その顔は憂いすら帯びており目を伏せていた。

…影を纏っていた。

 

サナはそれを鋭敏に感じ取り、驚き…話を聞くことにした。

 

 

「そもそも友達なんていうもの口約束みたいなものよ。不確かで曖昧。友達だと思っていたものが敵だったなんてことはよくある話だわ」

 

「…じゃあ…!?」

 

「でも無い訳じゃない」

 

 

驚き尋ねるサナに、ルプスレギナは影が差したままフッと笑った。

 

 

「不確かで曖昧。えぇ、友情なんて幻のようなものよ…でもね、無いわけじゃないの。思い込みじゃない、確かで明瞭。触れることすらできる友情があるの」

 

「…それはどうやったら?」

 

「さぁ?解らないわ」

 

 

ルプスレギナは溜息を吐きながら首を傾げた。

それに唖然とするサナにルプスレギナは笑いかけた。

 

 

「でもこれから一緒に探していく、というのも悪くないかもしれないわね。シズとは姉妹の仲だし…サナも興味あるでしょう?」

 

「!…えぇ」

 

サナは力強く頷いた。

ルプスレギナのその申し出はサナとしても願ったり叶ったりだ。

 

…ルプスレギナは伏目がちに思案する。

そして笑みを浮かべた。

 

「…あぁゴメンナサイ。友達とは何かという質問だったわね…違う話にしちゃったわ」

 

軽く頭を下げるルプスレギナにサナは気にすることは無いと頷いた。

ルプスレギナは頭を上げると、改めて答えた。

 

 

「友達っていうのは――一緒に居て楽しい人っすよ!」

 

 

ルプスレギナはもう元の明るい笑顔に戻っていた。

影はもう感じられず、貼り付けたような笑みに戻っていた。

…では先程の「アレ」は素だろうか?

 

「解ったっすか?」

 

「…解った」

 

 

とはいえサナは少しだけ常識を知る。

 

 

友達とは一緒にいて楽しい人。

 

それが正しいかはサナには判断できない。

だが、何かサナは解った気がした。

それが何かもサナには解らないが「自分が何をすべきか解った」ような気がした。

 

…主の命令の意味も。

 

 

「サナちゃん、そろそろのぼせ…はしないっすけど出るっすよ?」

 

「解った」

 

「シズちゃんも」

 

「…ん」

 

 

そしてサナは立ち上がると、ルプスレギナとシズに付いていく。

これから更衣室向かい、服を着て主の元に戻ろう。

 

…相談してみようか。

いや、それこそ不敬だ。

 

 

忘れてはいけない。私は「刃」。

それだけは変わらない…だけど。

 

 

 

(それ以外の場所でならいいだろうか?)

 

 

 

サナは一人で頷くと、ルプスレギナとシズに続き霧の中に入って行ったのだった。

 

 

 




ガチャ

サナ「主、ただいま帰りました」

サンコ「おーお帰りサナー…湯気出てるねぇー」

サナ「!?これは失礼を…時に主」

サンコ「何ぃー?」

サナ「一緒にお風呂などいかがでしょうか?」

サンコ「!?」

…この後めちゃくちゃ断った。
今回前書き後書きでセリフ多いな…後書きは時間が足りなかったからぶち込んだだけだけど…。
ではではー

※2017/05/12改めてみたらかなり酷かったのでかなり変えました。
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