落ちこぼれの拳士最強と魔弾の姫君 番外編まとめ   作:柳之助@バケつ1~4巻発売中

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落ちこぼれの銃使いと出来損ないの怪盗
裏一理「飯喰ってヤって寝て」


「んあ………」

 

 俺、那須蒼一は目が覚めた。

 まず見慣れた天井が目に入り低めの気温を身体が感じる。だが、寒いわけではない。視線を下に向ければ、

 

「……すぅ……すぅ……」

 

 心地よい眠りの中にいる少女が温もりをくれるから。まず目にはいるのは蜂蜜色の長髪。そして、真っ白な肌の裸体。腰辺りからは布団で隠れているものの実に艶やかだ。自分の体に被さるように寝ているから、彼女の身体が俺に押し付けられる。因みに俺も裸。自分の胸板に彼女の胸が押し付けられる光景というのは素晴らしいと思う。結構大きいし。身長自体は低くいんだけど。

 金髪巨乳ロリ。

 誰得だ。

 俺得だ。

 俺にしか得にさせねぇよ。ふと何となく、彼女の背中に左手(右手は彼女の左手と絡まっている)を這わせてみた。 

 

「……ん」

 

 彼女から甘い吐息が漏れる。さらに手を滑らして、髪をかき揚げる。

 

「ん……ぁ……」

 

「………………ふむ」

 

 ………面白いかも。時計を確認してみる。6時少し過ぎたくらい。今日は俺もコイツもやることがあるが、まだ時間はある。

 

「ぺろり」

 

 右肩を舐めてみた。

 

「……んあ」

 

 わずかに身じろぎし、吐息を漏らす。

 

「……れろ」

 

 水音を立てながらさらに舐める。何度も味わってるとはいえ、感じる舌触りは素晴らしい。

 

「……ん、んあぁ……」

  

「……んちゅう」

 

 口をずらし、首もとへ。

 

「ん……ふぁ……」

 

「んちゅぱ……」

 

「ん、ふぁ……んん」

 

 首から肩にかけて舐めまわし、吸いたてる。朝から耳に心地よい甘い吐息を聞くのは最高だ。

 最高だが、

 

「これくらいにしとかないと、歯止めが効かないぞ理子」

 

「……朝かられろれろするそーくんに言われたくないよーだ」

 

 まだ寝ぼけているらしい。理子をどかし、ベットを出る。そこらへん散らばっていた下着を履いて、ズボンを掴む。

 

「えー、そーくん。もうちょっとしようよー」

 

 理子は身体を半分ほと起こして両手をこちらに突き出してくる。

 

「昨日……いや今日もか……とにかくあんだけしただろ」

 

「いーじゃーん」

 

「よくねぇよ……。やることあるだろうが」

 

 ていうか、

 

「いつも言ってるだろうが、俺の前で猫被るの止めろ」

 

「………………」

 

 理子が身体から力を抜き、枕に顔を突っ込む。

 

「……………………ふん」

 

 理子の雰囲気が変わる。甘さは消え、冷たさすら纏う。 口調も変わる。

 

「こういのは嫌いか?」

 

「いいや」

 

 ズボンを履き、ベットに腰掛ける。手で彼女の頭を撫でる。くすぐったそうに理子は首をすくめた。

 

「そういうのは嫌いじゃないけどな、長い付き合いだ。へんな感じするし、それに」

 

「それに?」

 

「俺の前では本当のお前でいてくれよな」

 

「…………」

 

 理子は黙るが、わかる。照れてるのだ。コイツの素は冷静と冷血というのに、ストレートな言葉には弱い。

 

「………まったく、いちいち気障なんだよ。落ちこぼれ」

 

「そんなヤツに惚れたのはどこのどいつだ、出来損ない」

 

 

 

 

 

 

「んー? いや、だから俺今お勤め中だから」

 

 時計の針は数周し、8時を回った。俺は携帯を耳に当てていた。

 

『別にちょっとくらいいいじゃないですか』

 

「まぁ、いいけどさ」

 

 確かに目標の連中はまだこない。久しぶりに妹との会話もいいだろう。

 

『ですから、やっぱり私もそっちに行けばよかったです。……今からでも教授(プロフェシオン)に頼み込めば……』

 

「やめとけやめとけ。今こっちはジャンヌも来てるし、夾竹桃もなんかしてる。その上でお前が来たら……武偵高が大変なことになるだろうが」

 

『兄さん、通ってないじゃないですか』

 

 まぁ、そうだけどさ。俺は学校に行っていない。 理子と一緒に、一軒家を借りている(金は教授持ち)。理子が学校に行っている間は掃除やら料理やら洗濯やらだ。もし履歴書でも書けば職業欄にはこう書く。

 

 秘密結社イ・ウー構成員兼主夫と。

 

 断じて、ニートではない。

 

『でも、普段は何してるんですか? 家事以外』

 

「まぁ、ゲームとか、読書とか、修行とか?」

 

『理子姉さんといるときは?』

 

「ん? そりゃあ、あれだ」

 

 記憶を思い返してみる。

 

「――飯喰ってヤって寝て、飯喰ってヤって寝ての繰り返しだな」

 

 携帯の向こうからバカみたいな叫びが生まれた。

 

「うっせえ。思春期の溢れるパトスを舐めんな」

 

『知りませんよ! ていうか、妹にそんな話をしないでください!』

 

「いいじゃねぇか。お前もいい年頃なんだから彼氏でも作れよ」

 

『……もし本当に私が恋人作ったらどうします?』

 

「んー?」

 

 ちょっと考えてみる。

 そうだな。

 

「とりあえず、俺とバトらせろ。俺を負けさせることができたら交際を考えてやろう」

 

『それ殆ど無理ですよね』

  

 俺に勝ったらではないのがミソだ。

 

 と──銃声が連続して聞こえた。

 

「…………来たか。ほら切るぞ、またな」

 

『あ、ちょっと兄さ……!』

 

 電話を切った。

 銃声やら怒声が聞こえ、それが終わるのを待つ。

 そして、体育倉庫(・・・・)から飛び降りた。

 

「よう」

 

 そこにいた二人に片手を掲げて声を掛ける。その二人は武偵高の制服を着た男女だ。少年は特に特徴はないが纏う雰囲気は形容し難い。少女は背が低く、ピンクの髪をツインテールにしていた。二人は突然現れた俺の姿に目を見開く。

 まあ、分からなくもない。

 

 今の俺の姿はドイツ軍の軍服に顔を隠すお面。軍服はイ・ウーの倉庫から引っ張り出した物。お面はドイツであった魔女に作ってもらった認識阻害のマジックアイテムだ。因みに、狐面。

 

「さてさて、お前ら始めまして。俺の名前は零崎蒼識だ、以後よろしくな」

 

 ”そうしき”ではなくて”あおしき“だ。

 勿論偽名 。二人は訝しげに此方を見てくるが、何も言う気配はない。

 

「んだよ、ダンマリか? いいけどさ」

 

 そうして、俺は軍服の懐に手を突っ込む。そして、取り出したのは銃。

 右手に持つは回転式連発拳銃。

 左手に持つは自動式連発拳銃。

 それが、俺の那須蒼一の得物だ。因みにこれもドイツの魔女に作って貰った。

  

「………っ! 何よ、アンタ!」

 

 そこでようやく二人は反応した。少女は二丁拳銃を構え、少年方も右手に銃を左手にはバタフライナイフを持つ。少し遅いだろう。最初から攻撃してきてくれてもよかったのだか。

 

「ああ? 名前はさっき言っただろ? オルメス、それに遠山の。そうだな……後言うことは」

 

 まあ、あれだ。

 

「ただの最低(マイナス)落ちこぼれ(マイナス)だよ」

 

 過負荷(マイナス)、『反転才覚(リバースプレミアム)

 

 

 

 

 

 

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