落ちこぼれの拳士最強と魔弾の姫君 番外編まとめ 作:柳之助@バケつ1~4巻発売中
「貴方があのカレン・オルテンシアですか」
彼は四日目の朝に唐突に話かけてきた。朝起きて姿を消したアサシンと共にトリガー捜索と情報収集に乗り出してすぐのこと。二階の踊り場でのことだった。デフォルトの朝にベージュ色の制服ではなく真紅。それも細部がより凝った風にカスタマイズされたものだった。視界に入れれば思わず離せなくなるような彼は、
「始めまして、レオナルド・B・ハーウェイです」
名乗った。
「……!」
「主殿……?」
その名を聞いて思わず体を強張らせ、背後にアサシンが実体化する。自分を気遣ってくれるのと同時に、レオへの警戒度を上げる。
「あぁ、別に危害を加える気はありません。
「はっ」
背後から白銀の騎士甲冑の青年が歩み出る。
「円卓の騎士が一、ガウェインと申します。この度はセイバーのクラスを以って現界しました。お見知り置きを」
「……」
アサシンがほうけたように口を開けて驚くが、同感だった。レオは己のサーヴァントの真名を呼び、サーヴァントは当然ように真名や出生を明らかにした。あり得ない。聖杯戦争においてサーヴァントの真名は最も重要なことだ。これで勝敗が決まると言っても過言ではない。にも関わらずレオもガウェインも全く躊躇せずにそれらを開帳した。
そして、恐ろしいことにそれを不思議でないと思わせる何かが彼らにはあった。
「……」
彼の笑みは全く揺らがない。
彼の視線も変わらない。間桐慎二のそれよりも遥かに高尚で、それゆえに自分のことを完全に見下した目。まるで道端の犬や猫の死体を見るような哀れみに満ちた瞳で、
「主殿、しっかりしろ」
「……っ、ええ。大丈夫よ」
「そいつは重畳」
気圧されていた自分を庇うように立つアサシンの背を見てなんとか気を奮い立たせる。
「よいサーヴァントですね。主を守護する気概、見事です。ガウェインにも見習わせたい」
「そちらのいかにも血統の良さそうな忠犬にうちの駄犬を見習わせようとは……中々酔狂な人ですね」
「おやおや、駄犬扱いされてますが良いのですか?」
「ははは。……慣れてるからなっ!」
微妙に涙交じりだったが気にしない。
「ではこれで。貴方たちと戦えるのを楽しみにしています」
「失礼。貴方たちが我が主の良き相手であることを願います」
二人の主従は去って行く。
レオ・B・ハーウェイとセイバーガウェイン。真名を明かすような真似は当然不覚でもなんでもない。純粋に己の勝利を疑っていないのだ。
「いるとこにはいるなぁ、あぁいうの。まだ修羅場経験してないからまだまだだけど一皮剥ければ化けるなありゃ」
「……詳しそうね、アサシン」
こぼれた声は随分と疲弊していた。それだけ彼と向き合うのは疲れる。なのにアサシンはまだまだと称するのは正直信じられなかった。
「ああいうのもっとすげぇのが俺の戦友にいたんだよ、っと。まぁそこらへんは後々として、情報収集なりトリガー集め行こうぜ。あと一つ残ってるし、ライダーにしたって昨日若布が無敵艦隊なんてキーワード漏らしてくれたけどそんなこと早々ないんだからさ」
「そう、ね。まさしく幸運というしかない情報だったのだから今日は頑張らないと……とりあえず図書館に行きましょうか」
●
「ははは、遅かったねオルテンシア。僕のサーヴァントに関する情報は全てアリーナに隠させてもらったよ。君みたいな落ちこぼれに見つけることができるかな? はははははは!」
図書館に行けば間桐慎二が現れて、言うだけ言って去って行った。
思わずアサシンと二人無言になる。
少し間が空いて、
「なぁマスター」
「なにかしら?」
「あいつカモだぜ」
「同感ね」
いろいろと理解不能だ。何がしたいのだろうあの若布は。
「情報隠したのは敵ながら天晴だけどなぜそれを態々言いに来たのか謎だな。……あぁ、これはあれだな。頑張って情報漁ったので頑張って追ってきてねっていうツンデレか。こういうのもどこにでもいるなぁ。いや、野郎のツンデレは基本レベル高いんだぜ」
「何の話よ」
「敵の情報だよ。次アリーナで会ったら適当に突っついてやれ、きっと何かこぼすぜ」
何はともあれ――アリーナへ向かうべきだ。
原作うろ覚えで、他の二次見てるので展開が適当だけど気にしない。
これラニとか凛とかまったく絡んでないけどどっち助けるか迷い中。
鯖とかもオリジナルどうしようかなと。
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