落ちこぼれの拳士最強と魔弾の姫君 番外編まとめ   作:柳之助@バケつ1~4巻発売中

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アサシン被ってるので、マイルーム外でアサシン同時に出てる時は蒼一は蒼一で固定します。
ユリウスのアサシンがいないときはアサシンて呼びますが。


第四十海「読めたぜ魔拳士」

 

 一日ぶりに訪れたアリーナは一昨日敵アサシンによって蒼一が一撃を喰らった場所だ。それによって決戦前に敗北する可能性もあったが、しかし彼は完全に回復しきっている。少し進み、二日探索が遅れた分エネミーを多く倒し経験値を稼いでいるが、それまでと遜色ない。どころか調子がいいように見える。

 

「そりゃあもちろん。今俺は召喚されて以来絶好調だぜ」

 

「ならばもう倒れないでほしいわね。攻撃を喰らう度に瀕死になられたらお手上げよ」

 

「ま、そこらへんは安心してくれ」

 

 自信があるのか笑い、

 

「――ほう、吠えたな」

 

 ダンッっという衝撃音と共にアリーナが震え衝撃が背後から蒼一を貫いた。

 

「アサシン!」

 

「――言ったろ、安心してくれって」

 

「――カッ」

 

 確かに蒼一には一昨日と変わらない一撃が撃ち込まれていた。直前に聞こえたアサシンの声は奇襲の証。しかしそれでも蒼一は口の端から血を一筋流しているものの、以前のように致命的なダメージには至っていない。

 その背には鮮やかな蒼い光が。そしてその肘は背後に射出された態勢であり、背後には僅かな血痕が。蒼一の物ではない。

 

心意(インカーネイト)、『明鏡止蒼』。それに同じ一撃は二度も効かない。それが牽制なら猶更だ」

 

「解るか!」

 

「当然だ。殺意も殺気も十分すぎるけど、些か作業染みてる。そこらへん俺には解るぜ」

 

「カカッ! さすがだな。二の打ち要らずの名は返上せねば」

 

 見えない気配が小さな音と共に飛び退いた。そして現れたのはユリウス。隠蔽用のコードキャストでも使っていたのだろうか突然の出現。彼の横に見えないアサシンもいるのだろう。気配が消失しているアサシンはともかく、ユリウスから発せられる気配は相も変わらず冷たく鋭い。

 

「……まさかあの状態から復帰するとはな」

 

「カカカーーッッ! いいやユリウスよ、わしはそうであろうと予測しておったぞ? あれだけの武人、直に拳を交えねば惜しいというものよ!」

 

「そりゃ光栄だな。ついでにネタばらしもさせてもらおうか。お前のその隠形、陰陽太極の中国拳法、それによる気功術。周囲の気との同調による天地合一――お前の真名、どっかの拳法家だな!」

 

 蒼一の指摘と共に端末が音を鳴らす。今の言葉が正解だっただろうから、マトリクスが取得されたのだろう。しかし今それを確認する暇はない。

 

「カカ! 見事違いない! そしてわしも貴様の名が見えてきたぞ。わしと同等の拳士、歴史を紐解いてもそうはおるまい。よいのぅ、己と同等の武人を打ち倒すことこそが武人の誉よ。どうだユリウス、お主も滾らぬか?」

 

「俺に戦いを愉しむ趣味は無い。全て仕事だ。……アサシン」

 

「応とも」

 

「カレン」

 

「えぇ好きにしなさい」

 

 私にはあのアサシンの動きは見えないし感じることはできない。それでも蒼一は何かしら気づいているのだろう。暗殺者としてではなく拳士として武人として。修道女である私には解らない何かが。だからこそ私は指示の全てを放棄し、彼に任せる。

 それくらいには彼のことを信じている。

 調子に乗るので絶対言わないけど。

 

「――極めて諒解!」

 

「さて、どこから壊したものやら」

 

 蒼一は私とユリウスのちょうど中間地点まで行き止まる。アサシンを捕捉できない以上はカウンターか震脚のような無差別攻撃になるはずだ。先ほど好きにやれと言った以上は魔力を送ることにためらいはない。事前にそう決めていたから最初の一撃に蒼一は対応していたのだ。

 身構えた停滞はわずか数秒。

 

 予備動作なく蒼一が右へとハイキックを放った。

 

「!」

 

 驚愕はユリウスだった。初めて見る純粋な驚き。しかしそれは私も同じだ。アサシンの隠形は健在であり、破っていない。にも関わらず蒼一が放った当てずっぽうにも見えるハイキックは何かに激突したような音と振動を発生させていた。

 蒼一が跳んだ。同時にアリーナを揺るがす轟音。おそらくはアサシンの震脚。それで放たれたのがなんだったのかはわからないが蒼一は把握していたらしい。おそらくはアサシンの突き出された腕か足を起点にして宙返りで大きく跳躍。数歩分距離を空け、

 

「ハァ!」

 

「ヌゥン!」

 

 踏み込みと共に背中を向けた体当たり。肩や背中、脇、腰といった部位を用いたそれらの動きは蒼一の一人芝居にも見えるがしかしそうではないことを衝撃と轟音が物語っている。蒼一が飛び退き、こちらへと帰ってくる。

 

「カカカカ! 驚けユリウス、やつはわしの圏境を見破っているぞ!」

 

「馬鹿な、在りえん」

 

「おうさ、見破ったわけじゃねぇ。まだスキルか宝具かも判断しきれないしな。ただまぁタネは解ったんだ。ならどうにもなるんだよ」

 

 そう言った瞬間に蒼一の姿が一瞬ブレた。瞬きすればまた戻ったが、

 

「アサシン」

 

「うむ。お主には掴めんか。なるほどのぅ、そういうことか。確かに破られたわけじゃないらしい! カカッ」

 

「……どういうこと、説明」

 

「ういすっ。さっき言ったろ、こいつの隠形は気功術による天地合一。つまりは周囲に自分の気配を紛らわしてる。スキルか宝具からは置いておいて、その種さえ解れば似たようなことはできる。今のユリウスみたいに細部をぼやけさせて動きを読めなくさせたりな。カレンにはパスつながってるから意味ないけど」

 

 名付けて蒼刀・錻『霞隠れ』。

 

「そしてその発勁に短打、鉄山靠は紛れもなく八極拳。ガキの頃中国でそっくりの達人と立ち会ったことがあるぜ。その上に『二の打ち要らず』の言葉、宝具かスキルになるほどの圏境――読めたぜ魔拳士、その真名!」

 

「抜かせ! それはこちらのセリフよ。あぁ、わしも昔立ち会ったあの人外を思い出さずにはいられんわ拳士最強よ!」

 

 アリーナに甲高い音が続けて二つ同時になった。私とユリウス、互いの端末から長く響くシステム音はマトリクスが完全取得された証。驚くことにこの二人はこれだけの短い攻防だけで互いの真名を把握していたのだ。

 

「俺もあいつも剣士でも弓兵でも槍兵でも騎乗者でも魔術師でも狂戦士でも暗殺者でもない拳士ってことだよ。多分今回きりだけの棚ぼただぜ。俺ら以外に武威だけで英霊まで駆け上がった武人とかそういはないだろ」

 

「然り。人の身で限界まで至ったのがそうおられても困るわ。なぁユリウスよ、今回ばかりは暗殺などと生易しいことは言ってられぬぞ! なによりわしが己を押さえられん! わしの破壊と奴の守護、どちらが上か比べたいものよ!」

 

 アサシンの姿は見えないままだが、しかしその哄笑には抑えきれていない、いや抑える気がない歓喜が。それにユリウスは顔を僅か顔を顰め、

 

「引くぞアサシン。なんであろうとこれ以上の戦闘は不要だ」

 

「カカッ。応とも期待しているぞ我が主。そしてさらばだ」

 

「ハッ、俺もできればお前さんとはガチでやり合いたいねぇ。その隠形も取っ払ってよォ」

 

「やってみるがいい」

 

 その言葉と共にユリウスは姿を消し、同時にアサシンもアリーナから消えた。あの二人の殺気は正直疲れるので、少し安心する。

 

「大丈夫かカレン。そんな無茶な魔力使ったつもりはないんだが」

 

「えぇ、大丈夫よこれくらいならね。それよりもあのアサシンの真名、戻ったら詳しく説明しなさいよ」

 

「応。んじゃあまずはトリガーだな」

 

 言葉に頷いて、

 

「それに保健室で吊るしてあるシオンと桜の様子も見に行きましょう」

 

「愉悦怖い」

 

 

 

 

 





もうすぐCCC近いですねぇ。
CCCと言えばSG。
SGといえばあのCG。

こうカレンのSG画像書いてくれる猛者は居ないすかね。
こう、背中と足強調の振り向いてる感じで。所々包帯巻かれて血が滲んでいるような。
激しく見たい。

蒼一はもう真。漢の背中イメージで(

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