落ちこぼれの拳士最強と魔弾の姫君 番外編まとめ   作:柳之助@バケつ1~4巻発売中

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最近感想での蒼一に対する殺意がすごい

いいぞもっとやれ(


第一桜「きゃーーー☆」

 用務員室を後にして教室へと向かう。授業の時間まではあと二分程度だが、一階分上に上がるだけなので少し小走りにすれば十分間に合うだろう。昇降口を通り過ぎ、階段へと体を向けて、

 

 空から肉塊が降って来た。

 

「!?」

 

「きゃーーー☆」

 

 階段から降って来たのはおそらくは女だった。落ちてきた勢いのままに体を押し潰され廊下に倒れこむ。その時思い切り頭を打ったが、しかしそれが気にならないくらいに

 ――柔らかい。

 あとでかい。

 何がとは言わないがしかし大きい。喧嘩売ってんのかとか思わずガン飛ばしたくなるレベル。私の果たして何倍か。巨乳というか爆乳というかむしろ魔乳の領域。桜や先ほどのジナコも大きかったがレベルが違う……!

 しかし顔を胸に押し潰されて息が続かない。一体この世に胸で窒息するなどという死因があるのか。男ならば喜ぶのがいるかもしれないが、生憎そんな趣味はない。自身を押し倒す体を押しのけようとして、

 

「あんっ……そこは……」

 

 発情されていた。勘弁してほしい。艶めかしいピンク声を上げる女は声を上げるだけど退こうとしない。どころかさらにピンクをまき散らしながら体を揺らしている。感触だけは確かに気持ちいいといえるものだが、さすがに生命の危機。

 そして生死の境目に体が勝手に動いた。

 比較的自由だった右足を振り上げて、思い切り振り下ろす。その反動で生まれた衝撃を腰から腕へと伝導させ、

 

「ふんっ!」

 

「きゃあ!?」

 

 腰に押し付けた手のひらから衝撃を打ち込んで無理やりに退かす。

 

「あいたた……寸勁、ですか? また珍しい……」

 

 なにやら女の感想が聞こえてきたが無視だ。息を吸う。酸素が取り込まれ体の中に染み渡って来る。微妙に頭が痛いので酸欠になりかけていた。何度かせき込みながらも、深呼吸を何度かしてようやく落ち着いた。まったく、こういうのは自分の役割じゃない。こうやってひどい目にあって喜ぶのは()で――、

 

「あの、大丈夫でしたか?」

 

「ごほっ……えぇ、まぁなんとか……」

 

 掛けられた声に顔を上げれば一見しては見覚えのない――しかし何故か知っているような――顔だった。東洋風の僧服、頭部は顔だけを露出して髪は全く出ていない。だが下半身に関しては通常のソレよりもカスタマイズされていて両腰に深いスリットが入っていて、艶めかしい足がのぞいている。動きやすさを追求した結果だろう。

 なんだこのコスプレぽい恰好は。

 腹が立つことに違和感がないのだが。

 装飾が少ない分体のラインが浮き彫りになっているあら目の毒だ。

 

「大丈夫ですか? おや、貴方は……」

 

「……藤村先生ですか」

 

 見てすぐピンと来なかったのは納得だ。このエロ尼僧は今朝赴任してきたばかりの教師の藤村大河だ。なにやら名前に激しい違和感を覚えるが、そう名乗った以上はそれが名前なのだろう。見ての通りの美貌なので男子や、それに一部の女子も随分と黄色い声を上げていた。

 特に慎二などは頬を赤らめていた。

 ちなみそれをレオはいい笑顔でビデオカメラで録画していた。

 データは既にもらったので慎二を弄るネタが増えた。

 一限目にあった英語の授業はいかにもアジアンな外見からはそうできないほどにレベルの高く、解りやすい授業だった。赴任一日目にして生徒からの人気は高いだろう。

 だがそれでも――

 

「まったく、そんなだらしのない肉をぶら下げているからみっともなく階段を転がるんですよ先生? 少しは慎みというのを持ったらどうですか?」

 

「あらあらごめんさい。私、オルテンシアさんのように貧相な体つきではないので、ほら、主に胸の辺りが? ついそれのせいでバランスを崩してしまいましたわ。」

 

「ふふふ」

 

「おほほ」

 

 ――一目見た瞬間から絶対的に気に入らなかった。

 もうその存在全てが。どうしてと言われると自分でも嫌悪感の根源が解らない。それでも、見ていてこの女とは絶対的に相容れないということが理解できる。

 そしてそれは彼女も同じだった。

 こちらを見る彼女は菩薩のように優しく微笑んでいるが、目は笑っていない。 

 できることならば互いに毒舌をぶつけ合うような展開になっていたが。

 

「では私は授業があるので」

 

「えぇ、学業頑張ってください」

 

 別れる。

 お互い、言外に授業を損なってでもお前と付き合うつもりはないという意思表示だ。

 真の毒舌とは一見して毒舌に見えないものである。

 微笑みを浮かべ合い藤村は廊下の先へ、私は階段の上に上がって――

 階段の踊り場にレオがいた。

 

「――」

 

 なにやらゴミを見るような目つきだった。

 手にはビデオカメラを構えていた。

 

「――」

 

「オルテンシアさん……やはり貴女はち――」

 

「フィッシュ!」

 

「とわぁ!?」

 

 白衣の下に隠していた赤い長い布でレオを捕獲しようとしたが避けられた。そのことに何やら違和感を覚えたが、

 

「それを渡してもらいましょうか? 青少年の溢れるリビドーを解消するのならあの淫乱教師でどうぞ。私を使うのは許しません」

 

「ははは、どちらも趣味じゃないので。一つくらい貴女の弱みを握っておきたいと常々思ってましたから……っと!」

 

 台詞の間に飛ばした布はまたしても避けられた。カメラだけでも捕まえられたらいいのだが、

 

「ははは! 焦る貴方も珍しい!」

 

 いい笑顔で走り去っていく。つい最近転向してきたあの少年が外国人のよしみで面倒を見ていたら愉悦に目覚めたのはよかったが、私にまで被害が出るのは困る。寧ろふんじばって、屋上から吊るして『私は欲望が抑えきれず盗撮しました』という札を掲げてやる……!

 

「オルテンシアさん、オーラがやばいです!」

 

 やかましい。

 逃げ去ったレオは既に二階へとたどり着いていた。人気はなく響くのは二人分の足音のみ。私は二階に上がった時には既にレオは教室の前に。勝ったという笑みがあり、

 

「甘い」

 

 八極拳が歩法、活歩を以て間合いを詰めた。

 

「ホントにシスターですか貴方は!?」

 

 一足飛びで間合いを詰めた私に驚き教室へと飛び込むレオ。言っておくが自分は紛れもなくシスターだし、私の功夫なんていうのは素人に毛が生えた程度。数歩分を一歩に縮める程度で練度はかなり低い。それでも先行したレオの背中へと布を飛ばして――

 

「おいお前ら何やってるんだ、うるさいんだよ――うわぁ!?」

 

「おや」

 

「あらら」

 

 直前で避けたレオの代わりに文句を言ってきた慎二に布が巻き付いた。 

 そのまま全身巻かれ簀巻き状態になる。

 

「……」

 

「……」

 

「レオ」

 

「イエスユアハイネス」

 

 この王様ノリノリである。王様はお前だろうとかいう突っ込みがどこからか来た気がするが無視をしてレオは簀巻きになったシンジを取り始めた。

 

「ほがぁー! ふぁなふぇぇー!」

 

「何言っているか解りませんね、日本語でお願いします」

 

「ほらほら、頑張ってくださいシンジ。日本人なら日本人らしく解りやすい日本語でお願いします!」

 

「ふぉうふぁあほひふは!」

 

 うむ――実に愉☆悦。

 

 

 

 




月の愉悦部。
部長カレン
副部長レオ

現在二名。

被害者
シンジ。一番被害にあう
ユリウス。後始末担当

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