『幻覚宇宙人メトロン星人』『暗殺宇宙人ナックル星人』『悪質宇宙人メフィラス星人』『用心棒怪獣ブラックキング』『一角超獣バキシム』登場
ある日の超常現象研究会の部室、その日はなぜかカーテンが開いているため、陽の光で明るかった。
「UFOを見たぁ?」
「ま、私じゃないけどね」
そんな話をススムに振ったのはにこだった、そこには希と絵里もおり、諸事情で生徒会室が使えないため、ここで生徒会の仕事を片付けていた。
「見たのはうちの妹、帰る途中にある森の近くで見たって昨日言ってたのよ」
「にこっちの家の近くの森ってことは公園の隣にあるあの噂の?」
「噂?」
その単語を聞き、興味を示す絵里、どんな噂だろうかと待っていると。
「あの幽霊が出るって森やよね?」
希が噂の内容を言った瞬間、ガタッと大きな物音が響いた、その方向を向くとそこにいたはずの絵里の姿はなく、机がガタガタと揺れていた。
「お化けなんて居ないわ、お化けなんて認められないわ」
机の下に絵里がおり、ものすごく震えていた。
「エリチ、お化けとか幽霊苦手やから、それに暗いところも」
「あ、だからオカルトグッズに布掛けてあるんだ」
部屋に飾られていたオカルトグッズは見えないように布が掛けられ、そして、カーテンは開けられている、それらの理由に納得するススム。
「アイドル研究部の部室じゃ他の子もおるから捗らなそうやし、うちらが関係してるとしたらここしかなかったんよ」
「だけど幽霊って聞いただけでこんなになるなんて過剰じゃない?」
絵里の反応がオーバー過ぎると呆れるにこ。
「そうでもないよ、シンジョウ副隊長もホラー苦手だから」
「そうなん?」
「うん、昔遊園地に連れていってもらった時、お化け屋敷に入ってすぐに悲鳴上げて、妹のマユミさんがすごく笑ってたよ」
あの二枚目にそんな弱点があるなんて、だが、あのルックスで彼女居ない歴が年齢と比例している、世の中何が弱点なんて分かったものではない。
「ススムって弱点とかあるの?」
「それを本人に言わせるの?」
「まぁ、希が弱点なのは分かりきってるから、他は?」
「弱点か………あ」
思い当たる弱点があった模様。
「弱点って言うか………なんと言うか、親戚の子かな?」
「親戚?」
「うん、ダイゴ兄さんの妹なんだけど、同い年で、よく一緒に遊んだんだ、穂乃果ちゃんみたいな子で、昔はよく振り回されたよ」
穂乃果みたいな人間がそんな沢山いて堪るものか、と思いながらも興味深そうに聞く二人。
「まぁ、そんな性格だからか、すごいリーダーシップで、今じゃスクールアイドルやってるよ」
「スクールアイドル!?もしかしてかなり有名所じゃない!?」
ススムと同い年という事はスクールアイドルブームの立役者となった有名所の可能性がある、人気No.1のA-RISEのように。
「ん?確かススムくんの一番上のお姉さんの旦那さんの苗字って確か………」
何か思い出す希、だが、最初の話と大分逸れてしまっているため、元に戻した。
「話を戻すけど、幽霊が出る森って?」
「続けるの!?」
ようやく正気に戻った絵里は椅子に座っていたのだが、話を戻してしまったため、また顔が青ざめる、クールでカッコいいと巷で有名だが、その面影はどこにもない、ポンコツとなっていた。
「絵里ちゃんもちゅかちゅて怖いんでちゅかぁ?」
そんな絵里を煽るにこ、その煽りに引っ掛かった絵里は顔を青くしたままキリッとする。
「そ、そんなことないわ、このかしこいかわいいエリーチカって言われた私がそんな噂話に、第一、幽霊なんているわけないじゃないの、ねぇハヤタくん?」
科学万能なGUTSに入っているススムに話を振った、幽霊なんて非科学的なもの、即座に否定してくれるはず。
「実は幽霊ってプラズマエネルギーの塊だから、プラズマエネルギーが濃くなると目に見えるようになるんだ、それが人魂って言われてる奴、それで個々によるけど思念が強いと生前の姿を見せたり、時には実体化したりすることも」
科学的に証明できてしまった、その話を聞いた絵里は素晴らしい笑顔で固まっていた。
「このポンコツーチカは放っといて話の続きしよっか?」
残念な親友を放置し、話を続けた。
「それで、その森はさる高貴な方のお墓という言い伝えがあってなぁ、江戸時代から入らずの森と言われていて、入ると誰も出られなくなるって噂があるんや」
希はインターネットでその例の森の航空写真を検索してパソコンの画面に出す。
「誰も出られなくなるって、百メートルもない森だけど?」
「そうなんだけど、昔、中学生が肝試しした時に白い服の女の幽霊を見たって大騒ぎになったこともあったのよ、それで余計に噂が根付いたのよ」
そんな訳ありの森の近くでUFOを目撃した、特捜チームの性分と好奇心によりとても気になる。
「よし、うちらで調べてみよっか?」
「言うと思った、いいよ、僕も気になったし」
先に希に言われてしまった、ダメと言っても聞かないのは分かっているので一緒に調べることに決めた。
「私が話を振ったわけだし、私も一緒に行くわ」
にこも同行を決めた、自分の妹の目撃情報で動くのだ、自分も行かないわけにはいかない。
「エリチは………」
「わ、悪いわね、今度の休みは亜里沙と買い物に行くことになってるのよ、残念だわ、幽霊を見ることができないなんて」
強がる絵里だが、内心では安心しているのが分かる、幽霊と聞いただけであんな風になるのだ、連れて行かない方がいい。
「当日はうちら三人やね」
「その方が寧ろいいんじゃない?動きやすそうだし、ねぇ?」
ススムに振るにこ、もし本当に何かあってもにこや希の前ならティガに変身することができるのでかえって好都合だった。
そして調査当日、入らずの森は都会の中にあるため、高層ビルが立ち並ぶ景色が見え、その規模の小ささが伺える。
「ここが例の森か」
ガッツハイパーにカートリッジを装填すると上着の内側に隠れた肩掛けのホルスターにしまい、外から見えないようにする。
「そういやぁススムくん、ここ、行政の再開発地域やけど、GUTSが入っても大丈夫なん?」
ここで気にかかった事を尋ねた、行政が管理している土地なため、GUTSやTPCの機関が勝手に入って調べたりしてら何かと面倒なのではないかと。
「そこは大丈夫、本部に調査の許可を取ってもらったから」
「さすがGUTSね」
「まぁ許可が取れなくても怖いもの見たさで勝手に入った高校生演じるから大丈夫」
「結構強引ね」
にこの強引という言葉に頷く希。
「ホンマ、ススムくんって強引なんよ、昨日だって今日の調査があるって言ってるのに強引に………」
「それ以上言ったらはっ倒すわよ」
なんの話か分かったにこはすぐに止めた、惚気なんて聞きたくないので。
「さ、入ってみよっか?」
三人は森に立ち入ろうとした、その時。
「あなた方、何をしているのですか?」
いきなり見付かった、と思い振り向くとそこにいたのはなんと海未だった。
「海未!?なんでここに?」
「家の用事で出掛ける途中であなた方を見掛けて、ここは立ち入り禁止のはずですが?」
海未にこれから行う事を説明した。
「そうでしたか、許可を得ているなら止めませんが、危険だと感じたらすぐに引き返すように、頼みましたよススム先輩」
「………あ、うん、もちろん」
何か考えていたのか、返事に遅れるススム、話し終えると海未はその場を後にした。
「まさかこんな所で海未に会うなんてって、二人ともどうかした?」
ススムだけならず希も難しい顔をしていた。
「今の海未ちゃん、なんか変だったような………」
「うん、僕も思った」
「何が変なの?」
分かっていたらそんな難しい顔はしない、だが、なぜか違和感を感じていた、するとまた。
「おーい! 希ちゃ~ん! にこちゃ~ん! ハヤタ先輩~!」
今度はなんと、穂乃果が現れた。
「今度は穂乃果ちゃんか」
「今度は?」
前に海未がやって来た事を話す希達だが、穂乃果は首を傾げた。
「あれ?でも確か海未ちゃん、今日は作詞するからって部屋に閉じ籠ってるはずだよ?」
気分転換に散歩にでも出掛けていたのだろうか、いろいろ疑問に残る。
「穂乃果はなんでここにいるのよ?」
「お客さんにほむまん届けてたんだ、その帰り、それでみんなは?」
実家が和菓子屋の穂乃果、その配達を手伝っていたのだ、今度は穂乃果が尋ね、希は自分達の目的を話した。
「なんか面白そう! 穂乃果もいい?」
危険、と言うには情報が少なすぎる、情報が少ないからこそ危険なこともあるが、行政には許可は取ってあるものも表向きは怖いもの見たさで勝手に入ってきた高校生、もしもの時変身できないからなんて事は言えないため、他に断る理由が見付からなかった。
「しゃあない、ええよ、穂乃果ちゃんを超常現象研究会の特別隊員に任命しよう」
「やったー! ありがとう希隊長!」
ノリノリな希と穂乃果、にことススムはしょうがない、と思い軽く笑い、それから四人はロープを越えて入らずの森へと足を踏み入れた。
(あれ?海未ちゃんって僕のこと名前で呼んでたっけ?)
ここで一つ、違和感の理由が分かった。
「さぁて、お手並み拝見といこうか、ススム先輩」
森に入った四人、森の中はさすがに薄暗かった。
「えー!?絵里ちゃんお化けが嫌いなの!?」
「そうなのよ、この前幽霊って言っただけで机の下に隠れて、ガクガク震えてたのよ」
思い出すと笑いを禁じ得なかった、最後まで強がっていたが、怖いのが丸分かりで、挙げ句、言い訳までして。
「思い出すとあの時の絵里、可愛かったわね」
「せやなぁ、なんか守ってあげたい?みたいな」
「そうそう、そういうのがギャップ萌えって奴ね」
「想像してみたら絵里ちゃんの涙目、可愛いかも」
子供のようにお化けを怖がる絵里の姿を想像したら抱き締めたくなってしまった、そんな話を横から聞いて苦笑するススム、希にはそんなことないんだろうなと、お化けとかが怖かったらこんな調査は行わないだろう。
「残念だったわね、希が怖がって涙目になるようなシチュエーションはそんなないわよ」
「人の心読まないでよ希ちゃん、涙目な希ちゃんは何度か見たことあるけど………」
一体どんな時だと尋ねようとしたがすぐに口を閉じた、これも惚気に繋がると気付いたため、暗い部屋の中で何をしているのやらか。
「なんか霧が濃くなってきたわね」
すると、濃霧が漂い始め、視界が悪くなってきた。
「霧が濃くてなんも映らないわね」
撮影係のにこ、ビデオカメラで撮影するがこの霧のせいでまともな撮影ができていなかった。
「ススムくん、何か反応ある?」
「この森、地磁気が乱れてるみたいだね………ん?」
「どないしたんの?」
「この森の地下には空洞がいくつもあるみたい、まるでこれ、四世紀頃の古墳みたい」
PDIのセンサーにより、この森の地下が古墳のような空洞になっていることが判明した、つまり、幽霊の目撃もあながち嘘ではないようだ。
「古墳ってことは高貴な方のお墓って言うのも嘘じゃなさそうやな」
今まで目撃された幽霊もその高貴な方の残留思念なのかもしれない。
「それにどうやらここ、プラズマエネルギーが濃いみたいだから、それもあって幽霊の目撃情報があるのかも」
幽霊の目撃証言も嘘ではないと考えるススム、これはもっと調査を進めるべきだと考えた。
「こんな所に侵入者か」
「妙な噂があるってのに物好きな奴らだな、イッチョ遊んでやるか、空間幻惑装置を起動させるんだ、人間狩りの始まりだ」
「あれ?PDIが」
バチッと音を立ててPDIのモニターが真っ暗になった。
「壊れたの?」
「ちゃんと整備はしてるよ?」
PDIを再起動させようとするがうんともすんとも言わなかった。
「みんな前!」
驚いた声を上げる穂乃果、前を向くとサングラスを掛け、黒服を着た二人の怪しげな男と、白い体に、赤い球体が身体中に埋め込まれ、腰に巻かれたベルトに銃が刺さったホルスターをぶら下げた宇宙人が姿を現した。
「う、宇宙人!?」
「の幽霊!?」
最後の穂乃果の発言に希達だけならず、宇宙人達もずっこけた。
「幽霊じゃねーよ! 人を勝手に殺すな!」
文句を言う宇宙人、完全に乗り突っ込みだ。
「暗殺宇宙人ナックル星人…………」
「何?侵略宇宙人?」
「うん、残虐で極悪非道、昔、ウルトラマンも負けたことがある宇宙人だよ」
アーカイブドキュメントも見ないでこの『暗殺宇宙人ナックル星人』の情報を述べるススム、かなり有名のようだ。
「そう、俺様はウルトラマンを負かしたことがあるナックル星人の同族、ナグスだ、覚えなくていい、なんせお前らはここで死ぬんだからな!」
ホルスターから銃を抜くと後ろの黒服宇宙人達と一緒に銃の引き金を引き、光線を一斉に発射、このままではと思われたがススムもホルスターからガッツハイパーを抜いて引き金を引いた、レーザーが発射される、と思いきや、発射されたのはバリアだった、ススムは希達を攻撃から守れるようにガッツハイパーにバリアを発生させるバリアカートリッジを装填していたのだ、そのバリアで光線は弾かれた。
「てめえGUTSだったのか」
ガッツハイパーを見て判断するナックル星人の『ナグス』、相手が特捜チームだと分かりなおさら逃がすわけにはいかなくなった。
(ここで変身するわけには)
希とにこだけならまだしも穂乃果もいる、それに相手はウルトラマンを倒したこともあるナックル星人、厳しい戦いになるのは明らか、仮にティガになったとしても敵うかどうか、微妙だ。
「さあどうする?戦うか?GUTSの隊員さんよ」
挑発してくるナグス、だが、もう答えは決まっている。
「ここは一先ず」
「総員退避や~!」
四人は一斉にナグス達から逃げ始め、霧の中へと消えた、外に出てしまえば迂闊なことはできないはずだと考えたのだが、ナグス達は怪しげな笑みをこぼしていた。
「追ってこない?」
ナグス達が追ってこないのとに疑問に思うススム、その時、火花が散って足を止めた。
「やあ、また会ったな」
なんと、目の前にナグス達の姿があったのだ、瞬間移動でもしたのだろうか、相手は宇宙人なためあり得なくはない、それだと自分達に逃げ場はないが、なぜ、最初から使わなかったのか。
「こっちだ!」
考えるよりも先に行動、ススムは別方向へ走るように促し、希達を連れて逃げ、再び霧の中へと消える。
霧を抜けたススム達、だが、まだ森の中、そこにまたもやナグス達が現れる。
「また!?どうなってるのよ!?」
「穂乃果に聞かれても分からないよ!」
やはり先回りされる、瞬間移動能力があるならばすぐに使って目の前に現れればいいはず、まるで遊ばれているようだった。
「まさか、遊ばれてる?」
「ようやく気付いたか、そうさ、てめえらは俺様達のハンティングゲームのターゲットなんだよ」
そう、ナグス達はススム達を標的にしたハンティングを楽しんでいたのだ、だからすぐに殺そうとはしなかったのだが、先回りされているのはそれだけではないようだ。
「昔はムザン星人と楽しんだな」
「ムザン星人………!」
その名を聞くと目を見開くススム。
「十年前、アイツと双子のガキをターゲットにしたハンティングを楽しんでたんだが、俺様の宇宙船が事故っちまって出遅れちまったんだよな、だけどムザンの野郎、ターゲット殺したのはいいが、この星でウルトラマンにやられちまって、勝ち逃げされちまったんだよな、あーあ、アイツとのゲーム楽しかったんだけどなぁ」
残念そうなナグス、だが、話していることはとても残酷なことなのは分かった、だが一人だけ、違う感情を持ち合わせているものがいた。
「黙れ」
静かな口調で、それも短く一言を口にするススム。
「あ?なんか言ったか?」
「黙れって言ったんだよ!」
ススムはカートリッジを装填し直してガッツハイパーの引き金を引いた、今度はバリアではない、レーザーだった、ナグスもまさか射たれるとは思っておらず、咄嗟に避けたため、当たらずに済んだ。
「おいおい、何キレてるんだよ、瞳孔開いてるぜ?」
瞳孔は開き、怒りを露にするススム、こんな彼は初めて見たと思う希。
「うるさい、黙れよ」
口調すらも変わっているススムは問答無用で引き金を引いていくためナグス達は木の陰に隠れてやり過ごす。
「ちょっとススムくんやり過ぎなんじゃ」
「そ、そうよ、ほら、にっこにっこにーって」
行動が過激過ぎるため止めに入る希とにこ、ススムもふと我に戻り、落ち着きを取り戻すが呼吸は荒かった、とても頭に血が上っているのが伺えた。
「ススムだって?」
名前を聞いたナグスは何か納得した様子。
「そうか! てめえがムザン星人を殺った! なるほどな、だからそんなにキレやがったのか」
「ハヤタ先輩が?」
なぜススムなのかちんぷんかんぷんな穂乃果、話を聞き、希とにこはススムのその過去に何も言えなかった。
「ここでてめえを殺れば俺はアイツに勝ち逃げできる! その命、貰うぜ!」
銃を向けるナグス、ススムはガッツハイパーを構えるがバリアカートリッジを外した事を思い出し、後悔する、また自分は命を弄ぶ凶悪な宇宙人から何も守れないのかと。
『諦めるな!』
そんな言葉が聞こえた気がした、そして、目の前に何かが落下したのか、砂塵でその何かは見えないが衝撃により、ナグス達は吹き飛ばされた。
「何が起きてるの!?」
「分からんけど今は逃げよう!」
今の冷静さを欠いたススムは頼りにならない、希達はどさくさに紛れて逃げ出した。
「待ちやがれ!」
自分達を阻む何かが消え、ナグス達はススム達を探すべく駆け出した。
「危ねぇ危ねぇ、危うく穂乃果に危ない目に遭わせるところだった、さすが俺、カッケェなぁ~」