光の巨人と九人の女神   作:日々野未来

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第5話『入らずの森』Cパート

 ティガ達の前に現れた銀色のウルトラマン、銀色のウルトラマンはゆっくりと立ち上がると振り向くと同時に右手を振るい、矢じり状の金色の光弾を放ち、バキシムを攻撃、怯ませた。

『君は一体………』

 問い掛けるティガ、銀色のウルトラマンはゆっくりと顔だけを向ける。

『ネクサス』

 繋がり、それを意味する言葉を発した、『ウルトラマンネクサス』、それが彼の名前だった。

『女神を守る青い流星さ』

 どこかで聞いた事があるようなフレーズ、だが、ティガは聞いた事がないためピンと来なかった。

『ここは俺に任せな、先輩』

 拳を向けて構えるネクサスは走り出す、バキシムはそのネクサスにロケット弾を乱射するが、ネクサスはその弾幕を駆け抜けていき、高くジャンプ、バキシムの頭を掴んでから背後に降り立つ、バキシムは振り向くと同時に裏拳で殴り掛かるが、ネクサスはそれを受け止め、がら空きとなった懐にキックを打ち込むと掴んでいた腕を振り上げ、その中を潜り抜けさせてから腕を振り降ろして投げ飛ばし、地面に叩き付ける、まるで、合気道の回転投げのように。

「ッ! 今の………」

 今の動きに見覚えがある穂乃果、もし、ティガのようにあのウルトラマンも人間が変身しているならと穂乃果は考えた。

『ヘアッ!』

 立ち上がるバキシムに上段回し蹴りを食らわし、着地すると回転、向き直ってすぐにキックを懐に打ち込み、突き出した足を降ろしてすぐに逆の足を突き出して連続でキックを決めていき、一度距離を取り構えた。

「ギュアァァァァァン!!!!」

 バキシムは両手のバルカン砲を乱射、ネクサスはそれを掌を突き出し、波紋が広がる青い円形のバリヤーを発生させて防ぐ、するとバキシムの背後に異次元空間へのゲートが開く、振り向いたバキシムはその中へロケット弾を連続発射、そこに、ネクサスの背中が爆発する、後ろを向くとそこには異次元空間へのゲートが開いていた、バキシムはこのゲートにロケット弾を放ち、別のゲートを潜り抜けさせることにより、別の場所にいながらも攻撃を確実に当てることができたのだ。

『ウオォォォォォ………!』

 前のめりに倒れ、膝を付くネクサスは顔を上げると目の前にいたはずのバキシムがいない、居場所に気付き、振り向くのだがロケット弾の乱射により動きが封じられる、バキシムがネクサスの背後のゲートを使い、移動したのだ、バキシムは駆け出すと怯んだネクサスの頭を右手で殴り、吹き飛ばしてしまう、起き上がろうとするが背中を踏みつけ、地面にひれ伏させてしまう。

『ネクサス!』

 ティガは飛び上がり、マルチキックを炸裂、今度こそバキシムに直撃、バキシムは吹き飛び、それを隙に起き上がったネクサスは横へ飛び込んで離れ、着地したティガの前で止まり振り返る。

『サンキュー先輩、だけど、ここからは俺のステージだぜ?』

 礼は言うが手出し無用と遠回しに言うと立ち上がるネクサス、右腕を胸のクリスタルの『エナジーコア』に近付けると、装備された手甲型アイテム『アームドネクサス』と共に輝き、その輝きは全身に広がり、空間が波のように揺らぎ、その中で姿を変える。

『青い………ウルトラマン』

 ネクサスが青い流星と言った意味が分かった、体は青く染まり、その中に銀色のラインが流れていた、そして、右腕のアームドネクサスも形状が変わり、『アローアームドネクサス』となっていた、ティガのタイプチェンジとは違う能力だと分かった、その姿からは銀色の姿の時よりも力を感じていた、まるで、幼少(アンファンス)から青年(ジュネッス)へと成長するかのように。

『さぁ、撃ち抜くぜ』

 親指を立て、人差し指と伸ばし、指鉄砲を作り、バキシムに向けて軽く上に動かす、その挑発染みた仕草にバキシムは乗り、バキシクラッシャーを放とうとする、だが、ネクサスは避けようとせず、下を向いてその場に立ち尽くす。

「危ない!」

 思わず叫ぶ穂乃果だが、ネクサスは動こうとはしない、そして、バキシムはバキシクラッシャーを発射、このままではまた直撃してしまう、と思われたがネクサスは顔を上げてアローアームドネクサスから光の剣シュトロームソードを発生させると同時に右腕を振り上げることにより光線を弾いたのだ。

「やっぱり………そうなんだ」

 ネクサスの一連の動きにより、予想が確信へと変わっていく穂乃果、すると、ネクサスは駆け出して高く飛び上がり、キックを炸裂し横切るとバキシムの肩から火花が散り、キックのポーズのまま着地しスライディング、回転して方向転換すると左腕のアームドネクサスをタッチしてから右腕を振るい、矢じり状の金色の光弾、パーティクルフェザーを発射、怯ませると飛び上がりまたパーティクルフェザーを放ち、続けてパンチも炸裂する。

『速い!』

 やはりティガのタイプチェンジとは違っていた、銀色の『アンファンス』は基本形態だが、『ジュネッスブルー』になることにより真の力を解放しているのだ。

『シェアッ!』

 バキシムの腕を掴むとバキシムを宙へと投げ飛ばし、落ちてきた所をスピンキックを炸裂して遠くへと蹴り飛ばす。

『ハッ! ハァァァァァ…………!』

 右腕を胸に近付けると、エナジーコアが輝き、コアの形をした金色の矢がアローアームドネクサスに装備され、右腕を伸ばし、バキシムに狙いを定めると左手を弓を引くように動かす、それに伴い、光の矢から七色の光が放たれる。

『シェアァァァァァァア!!!!!!』

 左手を思い切り引くと右腕から光の矢、アローレイ・シュトロームが発射される、光の矢は勢いよく飛んでいき、起き上がったバキシムは異次元空間へ逃げる間もなく真っ二つに貫かれ、全身が青白く発光して倒れると大爆発、光の粒子となって消滅した。

「よし!」

 誰か察し始めた穂乃果はネクサスの勝利に喜んだ、ネクサスは光の矢を消滅させるとその場から飛び立とうとした。

『待って! 君は………』

 ティガが呼び止めるとネクサスは振り返る。

『ここで話さなくてもまた近いうちに会えるぜ、先輩』

 多く語ることなく、その場から飛び立とうとしたが、また振り返った。

『それと、穂乃果を守ってくれてサンキューな』

 最後に礼を言い残し、飛び立つと青い軌跡を残しながら空の彼方へと消えていった。

『穂乃果ちゃんの知り合い?』

 最後にまた疑問を残し、ティガはそれを考えながらその場から姿を消した。

 

 

 

「希ちゃ~ん! にこちゃ~ん!」

 戦いが終わり、穂乃果は渋川に連れられ、希達と合流していた。

「穂乃果ちゃん! 無事やったんやね!」

「うん、ススムくんのおかげでね」

「ススムくん?」

 穂乃果の呼び方が変わっているのに気付くにこ、希も少し不思議そうな顔をしていた。

「希ちゃんの彼氏さんだし、いいかなって」

 本人も気にしないはずだろう。

「そろそろ戻ってくるんじゃないかな?ほら」

 渋川が振り向いた、森の中から手を振りながら走ってくるススムが見えた。

「おーい!」

「お帰りススムくん、お疲れさんやね」

「どうやら頭は冷えてるようね」

 それを聞いて苦笑するススムは一言詫びた。

「ごめんね、心配掛けて、それに、危険な目にも遭わせて」

「ホントよ、それに、これからあんたのことからかいにくいじゃないの、何でキレるか分からないし」

「そんなキレないよ、たまにだよたまに」

 そのたまにが怖いのだが。

「そうだ、渋川さん、この森の中で玉響姫って刻まれた石碑を見付けたんです」

「玉響姫?」

「玉響姫やって!?」

 その名前を聞き驚く希、やっぱりと思うススム。

「何よそのたまなんとかって」

「玉響姫って言うのはすんごい霊能力者で、絶世の美女と言われた人なんや、だけど、文献とかには記録は残っとるけど、実在した証拠がなくて幻の人物って言われとったけど」

「この森の地下の古墳に玉響姫って刻まれた石碑、つまり、この森は玉響姫の古墳なのかもしれない!」

 歴史的発見にテンションが上がるススムと希。

「そうなると開発も見直しだな、そんな歴史的な発見、無視することはできないな、よし、本部にこの事報告しよう」

「僕も報告しないと」

 後日、入らずの森の開発は中止となり、専門家による調査が行われることが決定した。

「俺はもうちょい現場調査しなきゃなんねーから、ススムくん、後はよろしくな」

「了解」

「じゃあ、あばよ!」

 渋川は他のVTL隊の隊員と合流し、調査に参加した。

「そういえば希ちゃん達、どうやって脱出したの?」

「希のスピリチュアルパワーのおかげよ」

「スピリチュアルパワー?」

「ただの勘やよ、勘、なんとなく思っただけやよ」

 希の勘のすごさを知るススム、芭羅慈遺跡を見付けたその勘は健在だった。

「それにしてもあの海未に似た男の娘、どこに行ったのかしら?」

「海未ちゃんに似た!?」

 その話に食い付く穂乃果、心当たりがあるようだ。

「どういうこと?」

「ほら、穂乃果ちゃんに会う前、海未ちゃんに会ったやん?あの海未ちゃん、本物じゃなかったんや」

「あー………やっぱり、なんとなく分かってた、呼び方が違ってたし」

 ススムもここで疑問が解消された、やはり呼び方は重要なようだ。

「その子が森の中に入ってうちらを見付けたのは良かったんやけど、やっぱり出られなくてなぁ」

「自分で失敗したってかなり動揺してたわよ、自分はアルケミースターズなのにって」

「アルケミースターズなの!?」

 その時の様子を話していると。

「ホント海未ちゃんに似て抜けてるな~あの子は」

 穂乃果がまるで知ってるような口振りで呟いた。

「その子のこと知っとるの?」

「うん、えっと………ん?」

 ポケットからブーブーと音が響く、穂乃果はそこから携帯を取り出した。

「あー! そうだった! お使いの途中だったーっ!」

 親からの頼み事をすっかりと忘れていた穂乃果は慌てる。

「この話はまた今度ね! じゃあまた学校ね!」

 穂乃果は駆け足でその場を後にした。

「穂乃果の知り合いってことは海未と無関係ってわけじゃなさそうね」

「そやね」

 一体、あの海未に似た少年は何者だったのだろうか。

 

 

 

「申し訳ねぇドン・ノストラ! 俺がチマチマやってたせいで!」

「まぁよい、あの森の調査は済んだからな」

 あの逃げ去った宇宙船の中、そこにナグスが、マントを羽織った青い目の黒い体をした宇宙人に謝罪をしていた、かつて、地球侵略のために飛来した『悪質宇宙人メフィラス星人』の同族『ドン・ノストラ』だった。

「調査?」

「ええ、あの森から微量に観測されるエネルギー、その正体が分かったのです」

 説明するのは赤い長い頭をし、水色の体に、両手が鋏のような形状をした宇宙人、『幻惑宇宙人メトロン星人』の『タルデ』だ。

「ああ、あのエネルギーの正体、まさかあのような存在とは」

「ですがドン・ノストラ、あの存在は我々にとって諸刃の剣、下手すれば我々も破滅に」

「だが、我々がこの星を侵略したらあの存在は無視できない、ならば、ウルトラマンに倒しておいてもらうと言うのも手だ」

「なるほど、消耗した所を攻撃するというわけだな」

「ああ、利用しようではないか、我々、ノイエETFの野望のために!」

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