光の巨人と九人の女神   作:日々野未来

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第7話『共闘ーユナイテッド・フロントー』Cパート

「嫌な予感がする」

「いきなり何を言い出すのですか希」

 スピリチュアルなパワーなのか、希が何かよからぬ事が起きるのではないかと予知した。

「分からへん、けど」

「希ちゃんがそう言うと妙に説得力あるんだよね」

 その言葉を真に受ける穂乃果、海未は信じていない様子だったが。

「ん?アレ、海斗くんとことりちゃん?」

 海斗がことりを抱き抱て走り去る姿を目撃した。

「あの子達は、あんな堂々と」

 呆れる海未だが、後から付いてくる物を見たら固まった。

「今のって」

「ちょいヤバいな~」

「ちょいどころではありませんよ! 追い掛けますよ!」

 バグバズンブルードを見た海未は慌てて追い掛けた。

「ちょっと待って海未ちゃん!」

「そやそや! ススムくんに電話させて!」

 二人の呼び止めに応じる事なく、海未は海斗とことりを追ってどんどん前へと進んでしまうため、二人も追い掛けないわけにいかなくなってしまった。

 

 

 

 走っていると郊外の丘に到着、振り向くと振り切ったのが分かり安心する。

「海斗くん海斗くん」

「なんだよこと………」

 ようやく今の状況に気が付き、耳まで真っ赤になり、ことりを降ろした。

「残念」

「………っ! アイツら! 隠れろ!」

 海斗はことりと一緒に茂みに隠れ、少し頭を出して丘の下を覗くと何体ものバグバズンブルードが群れを作っていた。

「おいおい、まさか俺達、奴らの巣に逃げ込んじまったのかよ」

「それって袋の鼠じゃ………」

 唖然とする二人、そこに、地響きが響き渡り、地底から形状は刺々しく、毒々しい色をしたバグバズンの尻尾が飛び出す、すると、口が開き、何本もの触手が伸ばされ、バグバズンブルードを捕らえると自身の口に引きずり込んでいく。

「もしかして、食べてるの?」

「ああ………どーやら奴らは子供じゃなくて兵隊みたいだな、そうか、奴らは人間を食べて、人間を食べた自分達を女王に食わせてたのか」

 下手したら自分もあの中にいたかもしれないと思うと顔が青ざめてくる、見ててもよろしくない光景なのだ、無理もない。

(なんとかしてことりを逃がさねーと)

 これでは戦えない、と思っていると後ろから迫る気配に気付き、振り向くが殴り飛ばされてしまう。

「海斗くん!」

 その背後にはバグバズンブルードが迫っており、このままではことりが危ない、と思われたその時、バグバズンブルードの頭が深く凹み、動きを止めると海斗はすぐに立て直してバグバズンブルードを蹴り飛ばした。

「頭凹んでるよ、姉ちゃんどんだけ思い切りやってるんだよ?」

「相手が妖怪や魔族なら容赦はしなくていいと思いまして」

 現れたのは穂乃果と希を置いてきた海未だった、落ちていた木の棒をバグバズンブルードの頭に思い切り振り下ろしたのだ、怪獣の頭が凹むほどの力をどこに隠していたのだろうか。

「泡まで吹いてるよ」

「致命傷だなこりゃ」

 放置していればいずれ息絶える、GUTSかVTL隊に入ったら活躍しそうだ。

「早くここから離れましょう」

 適当な所で海未をことりに任せ、自分はバグバズンの女王を倒そうと考えるのだが、尻尾が地底に潜り、地面が割れ、地底から赤黒くて毒々しい体色をし、両手が鎌となったバグバズンの変異体にしてその頂点に立つ『インセクトタイプビースト・バグバズングローラー』が姿を現す。

「ボスのお出ましかよ!」

 食事を終えたが、まだ空腹らしく、真っ先に三人に迫り来る、あの巨体だ、すぐに距離を詰められてしまう、そこでバグバズングローラーと向き合う。

「海斗! 何しているんですか!?」

「早く逃げよう!」

 二人は呼び掛けると振り返る海斗、その顔は笑顔だが、その目には力強さが宿っていた、何かを決意した目だ。

「さっきも言ったろ?女神を守るのが俺の役目だって、だから、ことりも、姉ちゃんも、俺が守る!」

 エボルトラスターを取り出すと鞘を握り、鞘から剣を抜き、天高く振り上げるとエボルトラスターが光り輝き、光の柱がそびえ立つ。

「ギュイィィィィィィィン!!!!!?」

 その光に吹き飛ばされるバグバズングローラー、海未とことりはその光景に呆然としており、次第に、その輝きは薄れていき、その中に巨大な人影が浮かび上がり、輝きが完全に消え、ネクサス・アンファンスが姿を現した。

「海斗が…………ウルトラマン!?」

「海斗くんが!」

 気を失ってしまっていたがあの温かさは覚えている、ことりは海斗が最後まで自分を守るために戦ってくれていた事を知った。

『シェアッ!』

 起き上がるバグバズングローラー、ネクサスは駆け出して立ち向かうと、鎌による斬撃を繰り出されてしまう、だが、ネクサスはその振り下ろされた鎌を両手で受け止めた、つまり、白刃取りである。

『こんなの姉ちゃんのに比べたら遅いぜ』

 右足を突き出して蹴り飛ばすとパーティクルフェザーを発射、怯ませると駆け出して突貫、鎌が横に振るわれるが飛び込んで避け前転すると同時にジュネッスブルーへと変わり、起き上がると同時に飛び上がり、上段回し蹴りを繰り出して後ろから側頭部にヒットさせて横に倒し、追撃を仕掛ける、と思いきやネクサスはバク転をして距離を取る、近付けばバグバズングローラーの尻尾が噛み付いてくる、以前のバグバズンとの戦いが教訓となっていた、噛み付き攻撃ができなくなったため、仕方なく立ち上がるバグバズングローラーだが、そのおかげでネクサスは再度接近する。

『シェアァァァァァァア!!!!』

 拳にエネルギーを集結させて放つジェネレードナックルを炸裂、拳はバグバズングローラーの鳩尾に打ち込まれ、吹き飛び掛けるが踏ん張る、だが、もう一発、更にもう一発と打ち込まれ、とうとうバグバズングローラーは吹き飛んだ。

『ことりや姉ちゃんを傷付けたんだ、まだ終わらないぜ』

 今の拳はことりの分、そして次に放たれるのは海未の分、そして次は、餌にされた人々の分と、拳の重さは増していたのだ、ゆっくりと起き上がるバグバズングローラー、かなりのダメージを食らったようだ、ネクサスはクロスレイ・シュトロームを放とうとエネルギーを溜め始めた。

『これで終わりだ!』

 エネルギーがスパーク、腕を十字に組もうとしたその時、夕焼けの空に暗雲が広がった、それに気付いたネクサスは腕を止めてしまう。

 

 

 

「闇………」

 その光景を見た希はふと呟くと、その闇は忽ち広がり、ネクサスとバグバズングローラーを包んでしまい、闇が消えるとその場から二体の姿は消えてしまった。

「消えちゃった………」

 唖然とする穂乃果、希は険しい顔をしていた、嫌な予感の強さが更に増していた。

 

 

 

「海未ちゃん」

「大丈夫です、きっと」

 闇に閉じ込められたことりと海未、その中は赤い空に覆われ、紫色の毒々しい大地が広がっていた。その大地の上で動揺するネクサスと活気付くバグバズングローラーが対峙していた。

『ヘアッ!』

 構え直し、パーティクルフェザーを発射するが、なんと、バグバズングローラーはそれを避けてしまう、先ほどまで鈍い動きをしていたにも関わらず、この俊敏な動き、この空間の作用によるものなのか、ネクサス自身にも影響が及び始めていた。

『グッ!?』

 膝を付くネクサス、肩が上下していた、そこにバグバズングローラーが突進してくる、両手の鎌で首を挟まれ、無理やり立ち上がらされるネクサス、その鎌を振りほどこうとするが、この闇の空間『ダークフィールド』により強化されたバグバズングローラーの力の前にはびくともせず、横へ投げられてしまうが、体を丸めて回転、着地すると前転もし、衝撃を受け流し、振り返ると同時にエネルギーをスパーク、両腕を十字に組んでクロスレイ・シュトロームを発射、バグバズングローラーに浴びせるのだが、光線を食らってもなお、バグバズングローラーは倒れなかった、ただでさえバグバズンの強化変異体で皮膚の強度も上がり、ダークフィールドの作用で強化されているのだ、効かない可能性が高かった。

『クロスレイ・シュトロームが効かねぇ、だと………』

 唖然とするネクサス、その背中から火花が噴き出し、前のめりに倒れ込んだ、振り向くとその先には甲殻類を思わせる青い甲羅に身を包んだ、サソリのような長い尻尾を生やした『クラスシアンタイプビースト・グランテラ』が立っており、その腹は展開、六つの気門が露となっており、尻尾の先端の気門も輝き出す。

『ッ! シェアッ!』

 それを見たネクサスはすぐに飛び立つと気門から光弾が一斉に発射、躱した、と思いきや光弾は追尾、追い掛けてくる。

「海斗………」

 心配そうに見つめる海未、すると、地面が何度も揺れる。

「こっちに近付いてくる!」

 バグバズングローラーが二人に迫っていたのだ。

『姉ちゃん! ことり!』

 すぐに降り立とうとしたが、この光弾に追尾されたまま降りたら二人に危害を加えてしまう、その一瞬により動きが鈍り、光弾の直撃を受けてしまい、毒々しい大地に墜落してしまった。

「海斗くん!」

 泣きそうな声で叫ぶことり、起き上がろうとするがグランテラはネクサスの腹を蹴り上げ、吹き飛ぶとコアゲージが点滅を始める。

『くっそ………早くなんとかしねーと………』

 二人に迫るバグバズングローラー、すると、グランテラは二人の方向を向き、腹の甲羅を展開、気門を露とする。

『まずい!』

 ネクサスは駆け出すと二人の前に立ち、両腕を広げた瞬間、光弾が発射、ネクサスは背中に光弾を受け、痛々しい悲鳴を上げるが、そこから動かず、光弾を背中で浴び続ける。

 

 

 

 ダークフィールドの外では、希と穂乃果が戸惑っている所にシャーロックが停まり、ススムが降りてきた。

「ススムくん! どないしてここに?」

「ことりちゃんの携帯のGPSを頼りに来たんだけど、途中で消えちゃって」

 その話を聞いて二人はあの闇の中にことり、それに海未もいたのだと気付き、ここで起きた事をススムに説明した。

「バグバズンとネクサスが………」

「結界のようなもんかもしれへん、やけどあの感じ、いいもんやないのは確かや」

 何者かの手によってネクサスは罠に嵌められてしまったのだと考えられた、そこに、ガッツウイング1号と2号が到着、PDIに通信が入り、それに出る。

「ススムか!?謎のエネルギーの反応が確認されてここに来たんだが!?」

 シンジョウだ、2号にオオガワラとミズノと乗り、1号にはツカサが乗っていた、ススムが事情を話すとミズノがすぐに分析を始める。

「どうやら特殊な位相空間が展開されているようだ、それもマイナスエネルギーで構成された空間が」

 その分析結果にますます罠であることが濃厚になってきた。

「突入方法は?」

「今のところは………もっとデータがあれば」

 悔しがるミズノ、仕方がないが。

(どうすれば、どうすればあの中に入って海未ちゃんとことりちゃん、海斗くんを助けられるんだ………)

 ススムは考える、ダークフィールドへの突入方法を、だが、ティガに変身した所でどうとなる問題でもない。

 

 

 

『海斗! もういいです! もういいですから!』

 

 

 

「ッ!」

 頭の中に声が響いた、海未の声だ。

 

 

 

『このままじゃ海斗くんが死んじゃう!』

 

 

 

 次はことりの声、なぜ二人の声が聞こえたのかと疑問に思うと懐から温もりを感じた、その正体がすぐに分かった、スパークレンスだ、スパークレンスを取り出すとカバーの部分が輝いていた。

「人が人を思いし時、その思いが内に眠る光を呼び覚ます………」

 芭羅慈遺跡の碑文を思い出すススム、そう、スパークレンスは海未とことりの海斗を思う気持ちに反応していたのだ。

「連れていってくれるのか?」

 なんとなく、スパークレンスが自分が行きたい場所へ連れていってくれると思えた、ススムは決意するのだが、そこに、タケルから通信が入る。

「大変です! 五十川市に別のスペースビーストが出現しました!」

 その報告により、スパークレンスを振り上げるのを躊躇するススムだったが。

「ススムはこの場に残って待機」

 シンジョウはススムにその場に待機するように命じた。

「ですが!」

「命令だ、五十川市に現れた奴は任せろ、ツカサ、五十川市に向かうぞ!」

「了解!」

 シンジョウの命令により、ガッツウイングは五十川市へと急行した。

「シンジョウ副隊長………」

 シンジョウの指示の意図を理解したススムは改めて決意、スパークレンスを振り上げようとしたが。

「だったら」

「うちらの思いも込めるね」

 穂乃果と希がススムのスパークレンスを握る手に自分達の手を重ねてきた。

「穂乃果ちゃん………希ちゃん………」

「私も、海未ちゃんとことりちゃん、海斗くんを思う気持ちは誰にも負けないよ」

「うちも、μ'sのみんなを思う気持ちは負けへんよ」

 自分なんかよりも頼りになる思いだ、この二人の思いも重なれば、確実にスパークレンスが導いてくれるはずと感じ、三人は集中、自分達の思いをスパークレンスに込める。

「行くよ!」

「いつでもいいよ!」

「いっくで~!」

 その気持ちが頂点に達した時、スパークレンスのカバーが展開すると同時に。

「「「ティガァァァァァァァァァア!!!!!!」」」

 その名前を叫び、スパークレンスから広がる眩しい光に包まれ、その光が消えると三人の姿はなかった。

 

 

 

 ダークフィールド内、グランテラの攻撃を受け続けるネクサスは膝を付いてしまう、背中からは煙が上がっており、コアゲージの点滅の速度が速まってくる。

『絶対………守るんだ………絶対に………』

 だが、もう戦える力は残っていない、この場に留まるのがやっとだった。

「海斗くん………もういい、もういいんだよ」

 その姿にことりは声を震わせる、だが、どんなに言っても海斗がそこから動くことがないのはよく分かる、海未に至っては自分の弟だからだ、だが、だからこそどうなるか分かってしまい、自分達ではどうすることもできない、その情けなさに悔しがった。

「ギュゥゥゥゥンン!」

 バグバズングローラーの鳴き声が響いた、振り向くとそこには鎌を大きく振り上げるバグバズングローラーの姿、その姿はまるで死神だった、あの鎌で切り裂かれてしまう、そんな光景なんて見たくない、二人は目を強く瞑った。

 

 

 

『諦めるな!』

 

 

 

「「『ッ!』」」

 頭の中に声が響いた、どこかで聞いたことがある声、その時、光が降り立ち、バグバズングローラーを吹き飛ばし、グランテラと激突して倒れ込んだ。

『まさか………』

 振り向くネクサス、そこで光が消え、そこに立っていたのは、世界を闇から救い、光を取り戻した英雄、ウルトラマンティガの姿だった、うっすらと金色の光を纏っていたがすぐに消えると同時に振り向くティガ・マルチタイプ、すると、カラータイマーから二つの光が飛び出し、地面に降り立つと、そこから出てきたのは。

「海未ちゃ~ん! ことりちゃ~ん!」

 穂乃果と希だった。

「穂乃果!?」

「希ちゃんまで!」

「みんな無事そうで何よりやん」

 なぜ二人がティガのカラータイマーから出てきたのか、訳が分からず、きょとんとしていた。

『ハッ!』

 指を伸ばした状態でティガクリスタルの前で腕を交差するティガ、腕を降ろすとそこから光が放たれ、ネクサスのコアゲージに注がれ、点滅が止まり、青へと戻る。

『力が戻った!』

『まだ戦えるよね?』

 自分で回復させておいて当たり前な事を尋ねるティガは手を差し伸べる。

『もちろん!』

 その手を掴んで立ち上がるネクサス。

『さぁて、アイツらをぶっ潰す前にこの空間をどうにかしねーと、ここは陰気臭くてやりずらい』

 そう言うとネクサスは両腕のアームドネクサスを重ね、輝かせると右腕を横に回し、拳を頭上高く突き上げると光線・フェーズシフトウェーブが放たれ、上空で花火のように光が弾け、金色の光が辺りに散ると、ダークフィールドの空がオーロラが揺らめく青空へと変わり、紫色の大地も明るい赤土の大地へと変わっていく。

「キレ~イ」

 ネクサスが作り出した空間はとても美しかった、ダークフィールドが闇ならばネクサスが作り出した空間『メタフィールド』は光、ネクサスの力を強化させる空間だった。

『さぁ、行くぜ!』

『チェッ!』

 構えるネクサスとティガ、起き上がるバグバズングローラーとグランテラは駆け出し、自分達も走り出した、激突寸前、ネクサスはスライディングして二体の間を通り抜け翻弄、ティガはその隙にグランテラに掴み掛かり、立ち上がったネクサスはバグバズングローラーの背中に飛び蹴りを食らわせる、これにより対戦カードは決まる。

「頑張れーティガ!」

「ファイトだよ海斗くん!」

 応援を始める希と穂乃果、二人はネクサスの正体を知っている、いろいろ疑問に思うが、今は、二大ウルトラマンの勝利を願い、自分達も応援する。

「海斗くん頑張ってー!」

「頑張って下さい! 海斗!」

 声援を受け、ネクサスのテンションが上がってきた、歴代のウルトラマン達もこの声援を受けて戦ってきた、そう思うと赤く、熱いものが込み上げてくる。

『シェアッ!』

 アームドネクサスを光らせ、パーティクルフェザーを撃ち込むと、グランテラを押さえ付けていたティガはハイキックを放ち、後退りさせるとハンドスラッシュを放ち、バグバズングローラーに命中させる。

「ギュイィィィィィン!」

 蹴り飛ばされたグランテラは尻尾の気門から光弾を発射、ティガは瞬時に反応し、再びハンドスラッシュを放ち相殺、すぐさまゼペリオン光輪を発射するのだが、グランテラの恐ろしく硬い甲羅の前には粉々に砕け散ってしまう。

『ン~………ハッ!』

 そこでティガはパワータイプにチェンジ、肉弾戦を仕掛ける。グランテラはそれに対抗、鋏を振り下ろしてくるが、それを受け止めるとパンチを打ち込み、横に逸れると裏拳を叩き込み、背後に立つとグランテラはその長い尻尾を伸ばし、それを振るって攻撃してくる。

『今だ!』

 ティガはその尻尾を掴むと思い切り引っ張り、グランテラを転倒させるとネクサスはバグバズングローラーを蹴り飛ばし、シュトロームソードを出してそのグランテラの尻尾を切り落とした。

『ハッ! ハァァァァ………タァーッ!』

 残った尻尾はティガがデラシウム光流で破壊、背後から怒り狂ったグランテラが襲い掛かるが、ティガは前に屈む、そこにネクサスがその背中に手を付いて飛び上がり、キックを浴びせる、対戦カードが変わった。

『今度は俺が相手だぜ!』

 両手を広げてパーティクルフェザーよりも強力なネオパーティクルフェザーを発射、同時に駆け出し、光線が直撃、続けてパンチを打ち込み、連続でダメージを与えるとグランテラは反撃に両手から光弾を発射、だが、その動きを読んでいたネクサスは瞬時に飛び上がり、グランテラの頭上を越えて後ろに降り立つと背後からしがみついて持ち上げ、回転して倒れ、グランテラを自身の体重で押し潰す。

『ヘアッ!』

 起き上がると同時に腕を振るうグランテラ、だが、ネクサスはバク転して避ける。怒るグランテラは腹の気門から光弾を連続発射、ネクサスはサークルシールドを展開して防ぎ、そのエネルギーがアームドネクサスに流れ込んでいく。

『ハァァァァ…………シェアァァァア!!』

 アームドネクサスに流れ込んだエネルギーを光弾にして撃ち返す、ナックレイ・ジェネレードを繰り出し、グランテラの腹に命中、気門が潰れた。

『グッ!』

 バグバズングローラーが両手の鎌でティガを挟み込もうとするが、ティガはそれを掴んで受け止め、ローキックで怯ませ、力が弱まった所を右手を放し、その右手の拳を突き上げ、バグバズングローラーの左手の鎌を粉砕、もう片方の鎌を掴むと膝蹴りでへし折る。

『タァァァァーッ!!!!』

 強烈なアッパーが炸裂、バグバズングローラーの顎を打ち上げると両手で持ち上げ飛行機投げ、ネクサスもグランテラを投げ、距離を離し、バク転、側転して後退、ティガはマルチタイプに戻る。

『これで!』

『フィニッシュだ!』

 ネクサスは光の矢をアローアームドネクサスにセット、左手を引き、バグバズングローラーに狙いを定めると、ティガは両手を広げ、光を発生させ、カラータイマーに集結させていき、L字に組むとアローレイ・シュトロームとゼペリオン光線が同時に発射。アローレイ・シュトロームはバグバズングローラーを貫き、ゼペリオン光線はグランテラの腹を貫き、ゆっくりと後ろへ倒れ、爆発四散、青い光が舞った。

「勝った………ウルトラマンが勝ったよ!」

 ウルトラマンの勝利に喜ぶ穂乃果達、それと共にメタフィールドは消滅、夕焼けの空の下へと戻るとネクサスはコアゲージから光を放ち、その場から姿を消し、残った光が地上に降り、中から海斗が現れる。

「海斗」

「海斗くん」

 海未とことりは海斗に向かって駆け出す、海斗はゆっくりと歩き、二人と対面する。

「まったくあなたは、こういう大事なことは穂乃果にしか話さないんですから」

「本当だよ、もっと頼って欲しいなー」

 海斗の事を受け入れる二人、穂乃果の言った通りだ、二人が海斗を拒絶するなんて絶対にあり得ない。嬉しくて抱き付きそうになるがことりもいるため恥ずかしくて海未の方だけに行ってしまいそうになるが、二人から海斗を抱き締めた。

「ありがとう海斗くん、守ってくれて」

「よく頑張りましたよ、海斗」

「姉ちゃん………ことり………」

 海斗はそのまま身を任せ、二人の温もりに包まれる。

「穂乃果ちゃんはいかんでええの?」

「そうだね、私も行こうかな」

 穂乃果も駆け出し、三人に抱き付いた、バランスを崩しそうになるな持ち直して穂乃果を受け止めた。

「穂乃果ったら、危ないじゃないですか」

「だって、仲間外れは嫌だもん」

「そうだね、四人一緒がいいもんね」

 幼馴染というのはいいな、と思いながら四人のもとに歩み寄る希。そこでティガも紫色の光を残してその場から姿を消し、希の前に降り、ススムが姿を現した。

「ハヤタ先輩!?」

 海斗がネクサスなため、ティガも誰かが変身していると予想していたが、まさか、こんな身近な人物がティガだとは思ってもみなかった。

「お疲れ様や、ススムくん」

「今回は希ちゃんと穂乃果ちゃんがいなかったら危なかったかも、僕だけじゃあの中には入れなかったもん」

「そういえばなんでススム先輩、あの中に入れたの?」

 疑問をぶつける海斗、ススムは説明した。

「多分だけど、スパークレンスがあの空間の中にいた海未ちゃんとことりちゃんの思いに反応したからかもしれない」

「私達の、ですか?」

「うん、人が人を思う気持ちが内に眠る光を呼び覚ます、だからティガが復活できた、そして、希ちゃんと穂乃果ちゃんの二人を思う気持ちが重なって、スパークレンスが僕達を導いてくれたんだと思う」

 スパークレンスを見るススム、仮説ではあるが、それ以外は考えられなかった、だから、海斗を救えたのは海未とことりのおかげでもある。

「ねぇ希ちゃん、なんとなくだけど、ススムくんがスパークレンスを開いた後、私達、ティガの中にいたよね?」

「うん、一瞬やったけど覚えとる、あの時と同じや、七年前と」

 一瞬だけだったが、二人もティガに変身していた、だが、あれが初めてではない、七年前も、多くの子供達の思いによりティガは復活した、その時、子供達はティガの中におり、ティガとなって強大な闇と戦った、二人はあれが夢ではなかったのだと確信した。そこに、PDIに通信が入る。

「こちらシンジョウ、スペースビーストは撃破したぜ」

「こっちも終わりました、お疲れ様です」

「おう、お疲れな」

 シンジョウ達の方も終わり、これでこの事件も終息のだった。

 

 

 

「待ちやがれ!」

 とある路地裏、モンスターキャッチャーを付けたバグバズンブルードを渋川が追い掛けていた。

「これで鬼ごっこも終わりだな」

 行き止まりに追い込んだ渋川はスーパーガンリボルバーを構えたその時、青い光が降り立ち、バグバズンブルードを押し潰した。

「何?」

 見上げる渋川、そこにいたのは黒と銀色のプロテクターを身に付けた、青い体を持つウルトラマンだった。

「青い………ウルトラマン」

 ネクサスではないのはすぐに分かった、青いウルトラマンはバグバズンブルードを押し潰した拳を上げて立ち上がると、すぐに姿を消した。

「またウルトラマンだなんて、地球は一体、どうなっちまうんだ?」

 不安そうに呟く渋川、そこに風が吹く、嫌な風だ、まるで、嵐が起きる事を知らせているようだった。

 

 

 

       To be continued...




ようやく海斗くん登場編完結!次回は『僕らのデート、君とのデート』をお送りしまーす(光の力、お借りしまーす風)。
最後に何か出てきましたが、もちろんあれです、ティガ、ダイナ出てくるんですから、TDGは抑えておきたい、あわよくばコスモスもなんて考えたり、コスモスは未定ですが、TDGAの揃い踏みは確定です。

『青いウルトラマン』…今まで確認されたことがない光の巨人、目的、出身、何もかも不明ではあるが、各地でスペースビーストや怪獣と戦っている所を目撃されているため、敵ではないことが推測される、地球の敵ではないことが。
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