光の巨人と九人の女神   作:日々野未来

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第1話『鉄の魔獣』Cパート

 そして翌日、あのまま夕飯をご馳走になり、話し込み、そのままお泊まりに突入、朝食、更には昼食のお弁当まで作ってもらい、一緒に学校へ向かう。

「まさか三食お世話になるなんて」

「いつも一人分やから作りがいがあったわ」

 自分だけで食べるものよりも誰かに食べてもらえるものの方が断然やる気が出る。

「それにしても暑いな~保冷剤入れておいてよかった」

 外はとても暑く、保冷剤がなければ中身が腐ってしまいそうだった、そのため、希もススムもブレザーを脱いでいた。

「だけど天気予報の気温と合ってないなこの暑さ、明らかに初夏の気温だよ」

 だが、天気予報で紹介された気温とは違う、20度前半と過ごしやすい数値だったのに、実際は30度近く、もしくはそれ以上の暑さを感じていた、それから学校に到着したが、なぜか慌ただしかった。

「なんか騒がしいなぁ」

「そうだね、何かあったのかな?」

 校門を潜り、どこが騒がしいのか分かった、グラウンドだ、二人はきになりグラウンドの方へ行ってみると絵里の姿があり、話し掛ける。

「エリチどないしたんの?」

「あ、希、それにハヤタくん、それが………サッカー部が朝練終わって水を飲もうとしたら、水道から熱湯が出てきて火傷しちゃったのよ」

「水道から熱湯!?」

 お湯が出るのはあり得なくはないが、火傷するぐらいの熱湯はあり得ない。

「なんかまた暑くなった気がする」

「そうね、ホント真夏日みたい、天気予報じゃそんなこと言ってなかったのに」

 この急激な気温の上昇、ただ事ではないと感じられた、何か原因がある、 ススムは状況を確認しようと本部と連絡を取り、この異常な気温の上昇、水道水が熱湯に変わる現象は音ノ木坂エリア以外でも発生していることが分かった。

 

 

 

 異常な気温の上昇、熱中症対策がまだされていなかったため、体育の実技の授業や運動系の部活動は中止となった、無論、アイドル研究部も。

 

 

 

「暑いわね………」

 学校が終わり、にこ、絵里、希、そしてススムは秋葉原の街を歩いていた。

「で、なんでアンタまで付いてくるのよ?」

「街の様子見たかったからね」

 こんな異常事態だ、他の地域の様子も気になるため、三人に付いてきたのだ。

「それにしてもいいの?ご馳走になっちゃって」

 絵里達の手には冷たい飲み物が入ったストローが刺さるプラスチックのカップが握られていた、買ったのはススムだ。

「いいよいいよ、一応働いてるし、バイトじゃなくて本業でね」

「もう働いてるとなると将来性はあるわよね、貯金とか」

「そうね、将来安心じゃないのかしら?」

「将来って………」

「え?もしかしてススムくんはうちとは学生時代だけの付き合いだと思っとるの?うち悲しいな~」

 もちろん本気でそんな事は思っていないが、からかってみたくなったのだ、どんな反応するかを見たくて。

「そ、そんなことないよ! 学生時代だけじゃなくて未来永劫一緒にいたいよ僕は!」

 素直な反応、素直過ぎてからかった本人が恥ずかしくなってしまった、まるで。

「プロポーズの台詞みたいね」

「ぷ、プロ!?」

「こんな大衆の目の前で、何言ってるのよまったく」

 呆れるにこと面白がる絵里、からかった希とからかわれたススムは顔を赤くした。

「ごめんススムくん」

「こっちこそ先走りすぎてごめん」

 互いに謝るしかなかった。

「ん?なんか人が集まってるわね」

 宛てもなく歩いていると人々が集まり、ざわついていた、学校でも同じような光景見たな、と思いながら近付き、人々が見てるものを見て唖然とした。

「川が」

「沸騰してる」

「ハラショー………」

 なんと、川が沸騰していたのだ、水道水が熱湯に変わるぐらいだ、川が沸騰してもおかしくないだろうが、これも立派な異常事態。

「温泉が沸いた、なんてことないか」

「こんな都会のど真ん中よ、そんなわけないじゃない」

「だって日本の名物って温泉、怪獣、ウルトラマンってよく…………じ、地震!?」

 そこにまた、突然、地震が発生、それも揺れはだんだん強くなり、立っていられないほど激しくなる。

「川が!」

 揺れが強くなればなるほど川が沸騰、泡が絶え間なく噴き出していく、その最中、ススムのポケットの中のPDIが鳴り響き、取り出してカバーを開く。

「巨大な熱源反応が地下から上昇してる!」

「それってどういう意味よ~!?」

 意味が分からないにこ、だが、すぐに意味が分かることになる、道路に赤い光が漏れ出す亀裂が走ると地割れが発生、周囲のビルを巻き込んでいくと砂塵が噴き上がり、地割れの中から巨大な影が姿を現した。

「か、怪獣!」

 そう、怪獣、怪獣が出現したのだ、黒い皮膚に、背中には巨大な背鰭が並び、頭には後ろ向きに黄色く輝く角が伸びた怪獣が地底から出現、天に向かって巨大な咆哮を上げ、轟かせる。

「か、怪獣だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

「逃げろぉぉぉぉぉぉお!!!!!!」

 怪獣の出現により、人々は一斉に逃げ出し、警報が響き渡る。

「あの怪獣、まさか!」

 怪獣の姿に見覚えがあるススム、すぐに調べようとしたが逃げ惑う人々とぶつかり、それどころではなく。

「エリチ! にこっち!」

 希達はその人々に巻き込まれ、流されてしまう。

「希ちゃん! みんな!」

 ススムもまたその波に流されてしまい、散り散りとなってしまう。

「くっそ! 怪獣出現! 奴はデマーガです!」

 

 

 

 ススムからの通信を受け、タケルは急いでススムが口にした『デマーガ』を検索した。

「出ました! 八世紀に書記された書物、日本太平風土記に記載がある鉄の魔獣です!」

 タケルはスクリーンにその『日本太平風土記』のデータを表示、『デマーガ』について書き記されたページが開かれるが読みにくかった、だが、一人だけすらすら読めるものがいた。

「天が妖光をまといし時、地を燃やす荒ぶる神、天目亜牙(デマーガ)目覚めん、太平の世を焔と共に滅ぼさん、これにはそう書かれています」

 メガネを掛け、髪の毛を束ねた女性隊員、『ハヤタ・ツカサ』、ススムの姉であり、考古学者、長女のレナ譲りの操縦技術を持ち、その腕前でGUTSのエースパイロットとなった。

「分析の結果、体の約79パーセントが熔けた鉄でできている事が判明、都内で起きてる異常気温はコイツが地底にいたからか」

 この魔獣を分析、その結果を報告するのは分析や整備を担当する男性隊員『ミズノ・タクマ』。

「熔けた鉄って、滅茶苦茶熱そうだな」

 その分析結果を聞き、いち早く感想を溢すのは、大柄の男性隊員『オオガワラ・サトシ』、TPC航空隊のトップガンで、その技術をシンジョウに見込まれ、GUTSへ入隊するも、操縦技術以外はからっきしで、射撃技術は残念だったが、シンジョウの指導により改善、今ではシンジョウに並ぶ射撃手となった、師匠ともどもよく撃墜される。

「秋葉原は音ノ木坂の近く、まさか」

 ミズノはデマーガが出現した原因に心当たりがあった、その心当たりを口にしようとしたが。

「まだ調査を始めたばかりだ、そう結論を急ぐな」

 ムナカタがチアキの時と同じように止めた、結論には材料が足りなすぎた。

「怪獣出現によりビートル隊が緊急出動、避難誘導と迎撃を行っています」

 スクリーンに暴れる『熔鉄怪獣デマーガ』をスペースシャトルのような形をした、青い模様が入り、主翼と尾翼の先端にロケットブースターが取り付けられた戦闘機『ゼットビートル』がレーザー光線で攻撃していた。『VTL(ビートル)隊』とはGUTSとは別に発足された特捜チームであり、GUTSとは違うのは各国に拠点を置いていること。

「リーダー」

 ムナカタを呼び掛けるシンジョウ、その呼び掛けに頷くムナカタは口を開いた。

「都市防衛指令発令、怪獣の進行を食い止める、GUTS、出動!」

 ムナカタの作戦司令室に指令が響く、その指令に「了解」と返す隊員達はタケルとチアキを残し、作戦司令室を後にした。

 

 

 

 ゼットビートルの攻撃を受けるデマーガだが、熔けた鉄でできた体を貫くことはできず、進行は止められずにいた。

「こっちです! 早く避難して下さい!」

 地上ではススムが避難誘導を行い、人々を正しい方向へと誘導していた。

「ススムくん!」

 そこに、VTLのロゴが入ったジャケットを羽織る、特徴的ながらがら声の中年の男性隊員が声を掛けてきた、VTL隊の隊員『渋川一徹』、何かとススムと縁があり、度々任務や事件で出会い、情報を交換したりしている。

「渋川さん!」

「その格好………ススムくん、音ノ木坂学院に入ったのかい?」

「知っているんですか?」

「俺の姪っ子が入っててな………そんなことよりも、こっちの避難状況は?」

「やっと落ち着いて誘導に従ってくれています」

「そうか、ここは俺に任せてススムくんは逃げ遅れた人がいないか確認してくれ」

「了解!」

 GUTSの方が立場は上だが、渋川は年上でTPCの大先輩となる、ススムは彼の指示に従い、怪獣がいる方へと走る、その時、デマーガの背鰭が赤く輝き、喉に赤い光が浮かび上がる、そして、口を開くと朱色に光る熱線を放射、ゼットビートルの右翼に直撃してしまう。

「だ、脱出~!」

 コックピットの天井が吹き飛び、パイロットは機体から脱出、ゼットビートルは墜落、爆発する。

「くっそ………俺がもっと若けりゃあんな怪獣………お、来たか!」

 そんなこと呟いていると彼方から飛んで来る二つの影が見えた、黄色いボディに、二つ並ぶ尾翼に「1」のロゴが入る、海洋生物のイカを模したような小型戦闘機と、黒いボディに黄色いラインが流れ、コックピットの上部に「2」のロゴが入る尾翼が立つ、ザリガニを連想させる形をした中型戦闘機だった、GUTSの主力戦闘機『ガッツウイング1号』と『ガッツウイング2号』だ。

「デマーガ確認!」

 ガッツウイング1号にはインカムと小型カメラが取り付けられた白いGUTSメットを被るオオガワラとシンジョウの師弟コンビが搭乗、高速戦闘機であるため先行してデマーガの姿をいち早く確認していた。

「よし、攻撃を開始する、ミズノ隊員、どこを攻撃すればいい?」

 ガッツウイング2号に乗るムナカタ、隣の席に座るミズノに問い掛ける。

「熱源と神経が頭部の角に集中しています、そこを攻撃すれば!」

「角ね、よぉし!」

 ガッツウイング2号の操縦席に座るツカサは操縦桿のトリガーを引き、機首に装備されたスパル砲から緑色の超光子レーザービームを発射、デマーガの角に命中させると、デマーガは動きを止めて悲鳴を上げた、ミズノの分析通り、角が弱点のようだ。

「発射!」

 オオガワラもトリガーを引き、ガッツウイング1号の機首に装備されたニードルレーザー砲から発射されるレーザービームで連続で攻撃を行う。

「市民の避難が完了したらデキサスビームで止めを刺す」

 段取りを伝えるムナカタ、上手く行けばこれで終わる、そう思われたが、デマーガは背中の背鰭から無数の火炎弾を発射してきた、その光景はまさに、動く火山だった。

「くっ!」

 火炎弾を避けていくガッツウイング1号、ガッツウイング2号は後退してデマーガから離れる、2号の機動力ではあの弾幕を掻い潜れないと悟り。火炎弾はすぐに引力に引かれて地上に落下、街を炎上させていく。

「ドジってもうたな………」

 火炎弾により、廃墟と化する街の中、希は絵里とにことはぐれ、避難する途中、瓦礫の下敷きとなり、身動きが取れなくなってしまっていた。

「エリチとにこっち、ちゃんと避難したかな?」

 二人の安否が気になる希、この状況で助かる見込みはない、二人だけでも、そして、μ'sのみんなだけでも無事にいて欲しい、強く願った。

(ススムくん………みんなのこと、守ってね)

 そして、そんなみんなを守ってと頼み、目を瞑ろうとしたその時。

「希ちゃん! 大丈夫!?」

 すぐに目を開けた、目の前にはなんと、ススムがいたのだから。

「ススムくんどうして!?」

「逃げ遅れた人がいないか確認してたらそこで希ちゃんが、待ってて、すぐ助けるから!」

 ススムは希の自由を奪っている巨大な鉄骨を掴み、持ち上げようとするが。

「そんな無茶や! ススムくんは他に逃げ遅れた人を助けに行って!」

 こんな鉄骨、一人で動かせるわけがない、希は逃げるように促すが。

「嫌だ!」

 ススムは拒否した、力強く。

「僕はあの時、芭羅慈遺跡で死にかけた、だけど、僕は希ちゃんのおかげで助かったんだ」

「うちの、おかげ?」

「うん、だから、今度は!」

 力を込めると人の手では動かなそうな巨大な鉄骨が少し浮き、ブレザーの内側が光り輝き、その光が浮かび上がっていた。

「僕が希ちゃんを助けるんだ、僕が希ちゃんを、守るんだぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」

 内側から放たれる輝きが増したその時、なんと、ススムは巨大な鉄骨を持ち上げて放り投げたのだ、その馬鹿力に唖然とする希と、呼吸を整えるススム。

「だから、何かあったら僕を頼って、僕を呼んで」

 しゃがんで微笑むススムは希に手を差し出した、その手を取る希はススムと共に立ち上がる。

「ススムくん………ありがとう」

「どういたしまして、立てる?」

「うん、大丈夫や」

「早くここから逃げよう、ビートル隊の人と会うまでは付いていくから」

 ススムは希を連れてその場から離れようとした時、爆発音が響いた、空を見上げると炎上しながら墜落するガッツウイング1号が通り過ぎるのが見えた、デマーガの火炎弾が命中してしまったのだ、その火炎弾によりゼットビートルも全機撃墜されていた。

「オオガワラ!」

「だ、脱出!」

 そんなやり取りがGUTSメットに内臓されたスピーカーから流れる、乗っていたオオガワラとシンジョウは脱出した。

「グオォォォォォォォオ!!!!!!」

 デマーガはまた熔鉄熱線を発射、ガッツウイング2号を撃墜しようとする、辛くも避けるが機動力は高くないため、パイロットの腕がよくてもいつまでも持つものではない、そして、限界が来る、熔鉄熱線がガッツウイング2号の下部を霞め、小さな爆発が起こる。

「冷却ファン停止!」

「一度着陸するんだ!」

「了解!」

 ガッツウイング2号はその場から離脱、別の場所に着陸させた、自分を止めるものがいなくなったデマーガは熔鉄熱線、火炎弾を乱射して破壊の限りを尽くす、この世を焔と共に滅ぼすべく、その炎の中を駆け抜ける煤だらけとなるススムと希、デマーガの火炎弾が近くに落下して爆発、足を止めてしまう。

「お、驚いた………」

 驚いただけならすぐに走れる、だが、デマーガの凶悪な目が二人を捉え、背鰭を発光させ、喉にその輝きが集結していく。

「まずい!」

 それを見たススムはすぐにでもこの場から離れようとしたが遅く、デマーガの口から熔鉄熱線が放たれ、その禍々しい輝きは一刻と迫る、これはもうダメだ、そう思った時、輝きに向かってススムが駆け出した、好きな人が消え去る所なんて見たくないと希は目を瞑った。

 

 

 

「ティガァァァァァァァァァア!!!!!!」

 

 

 

 爆発音が響いた、だが、来るであろう地獄の熱さがいつまで経っても来ない、それほど一瞬で終わってしまったのか、恐る恐る目を開けてみた、そこに広がるのは。

「光………」

 光だった、光を体に纏い、両腕を広げる巨人の姿があった、巨人はそのまま立ち上がると両腕を大きく回し、両手を拳にし、右腕を天高く突き上げ、左腕を曲げて拳を横顔向けたポーズを取ると、纏った光は消えていき、赤と紫、銀色の体に、二つの金色のラインが走る銀色のプロテクターを付けていた、そして腕を降ろして振り向くと乳白色の眼で希を見つめ、胸に輝く青いクリスタルを見せた。

「ウルトラマン、ティガ…………!」

 そう、彼こそが芭羅慈遺跡に現れ、この地球を、人々を守り続けてきた光の巨人『ウルトラマンティガ・マルチタイプ』だ。

「まさか、ススムくん、なの?」

 この場にいないもう一人の少年、あり得ないと思いつつもその考えに至り、希は問う、その問いにティガはゆっくりと頷いた、そこに、デマーガの咆哮が轟き、前を向いた、デマーガは咆哮を上げて威嚇するが、ティガにその威嚇は通用することなく、ティガは右手を伸ばし、拳にした左手を引く構えを取る。

「グオォォォォォォォオ!!!!!!」

 その構えを敵意を見せ付けられたと感じたデマーガは駆け出し、ティガに襲い掛かる、そしてティガはデマーガを迎え撃ち、まず始めに水平チョップを決め、右手を振り降ろしてまたチョップを叩き込んだ。

『ハッ! ハッ! タァァァァァァア!!』

 そこに、両手を交互に突き出して連続パンチ、それから左足を軸にしてスピンキックとコンボを決めていく。

『ッ! チャーッ!』

 連続攻撃で怯んだデマーガ、その角に渾身の逆水平チョップ、ウルトラブレーンチョップを炸裂、だが、デマーガはその炸裂する右腕に噛み付いて受け止めてしまう。

『グウゥゥゥゥゥゥウ!?』

 噛み付かれた激痛で悲鳴を上げるティガ、ティガは右腕を大きく振るい、デマーガを振り払おうとする、時折チョップを打ち込んだりし、ようやく振り払い、側転して離れるのだが、尻尾を横顔に打ち付けられてしまう。

『フッ!?』

 デマーガが熔鉄熱線を放とうとしている、避けようとしたがすぐに考えを改め、両腕を広げて熔鉄熱線を胸で受けた。

「今のなんで避けなかったの?」

 不思議がるツカサ、今の攻撃は避けられたはず、そう思っているとティガが後ろを気にしている素振りを見せる。

「後ろに誰かいるんじゃ………隊長!」

「ツカサはデ・ラ・ムでティガの後方へ、そこにいると思われる市民を保護するんだ」

「了解!」

 ムナカタの指示でツカサはガッツウイング2号に格納されていた黒と黄色の配色がされ、後方に二つのアンテナが立ち、ルーフ上部に高出力レーザー砲、デグナー砲を装備した特殊四輪駆動車『デ・ラ・ム』に乗り、ティガの後方を目指した。

『ハッ! ハッ!』

 ティガは水平チョップを繰り出す動作を行い、青白い手裏剣光線、ハンドスラッシュを二発発射するが効かず、プロテクターを光らせ、その光を両手に纏って振るい放つカッター光線のティガスライサーを発射するがデマーガの鋼鉄の皮膚の前に砕けてしまう。

(うちがいるから動けないんや)

 それは分かっている、だが、下手に動くと返ってティガの邪魔になる可能性もあるため、動けないでいた、そこに、デマーガを攻撃する別のレーザーがあった。

「よし命中!」

 その方向には二つの砲口が備わる『XX(ダブルエックス)バズーカ』を持つオオガワラと、二つの銃口が並ぶ大型レーザーガン『DUNKショットIV』を持つシンジョウがいた。

「もう一発お見舞いしてやれオオガワラ!」

「了解!」

 XXバズーカの引き金を引き、二つの砲口から光弾を連続で発射、DUNKショットIVもマシンガンのようにレーザーを交互に連続発射し、デマーガを攻撃する。

「冷却ファン復旧!」

「離陸してティガを、ススムを援護する!」

 ガッツウイング2号も機能が回復、ミズノの操縦により前線に復帰、スパル砲でデマーガの角を狙う、自分を攻撃するガッツウイング2号を熔鉄熱線を放つ、ミズノは機体を傾けて攻撃を回避、その横を通り過ぎる。

「見えた!」

 デ・ラ・ムに乗るツカサも目的地に到着、急ブレーキを掛けて止めると車から降りる。

「そこの子~だいじょ………キャッ!」

 駆け寄るツカサだが瓦礫に躓いて転んでしまい、GUTSメットが転がる。

「イタタタタ………また転んじゃった………」

 起き上がるツカサ、逆に心配してしまう。

「もしかして、ツカサさん?」

 そんな転んだ様子を見て希は誰か気付いた。

「え?まさか、希ちゃん!?」

 そしてツカサも気付いた、ススムが転校した学校に希がいるのは知っていたが、やはり驚いてしまう。

「そんなことよりも早く車に乗って! ここから離れるわよ!」

 ここはツカサの指示に従い、デ・ラ・ムの後部座席に乗り込み、再び運転席に座るツカサはアクセルを踏んでデ・ラ・ムを走らせ、Uターン、その場から離れる。

「ススムくん」

 後ろを向く希、ティガの後ろ姿を見えなくなるまで見つめた。

「ギュアァァァァァン!」

 ガッツウイング2号が射程圏内から出てしまい、改めてティガの方を向いた、その瞬間、額のティガクリスタルが紫色に輝くと両腕を額の前で交差する。

『ン~………………ハッ!!』

 声を出すティガ、そこに、熔鉄熱線が発射されると同時に両腕を振り降ろし、体から赤を無くして紫と銀色だけの姿となると素早くその場から飛び立ち、熔鉄熱線を躱した、ティガは状況に応じて三つのタイプで戦う、基本形態のマルチタイプ、そして、スピードに優れた『スカイタイプ』に、後ろの希達が保護されたことにより自由を得たティガは大空を飛び回り、デマーガの熔鉄熱線を避けていくと急降下。

『タァァァァァァア!』

 猛スピードから放つティガ・スカイキックを炸裂、デマーガの頭部に直撃させると反転、再び大空へと舞い上がり、またまたティガ・スカイキックを炸裂して直撃、反転して今度は着地、同時にまたタイプチェンジ、今度は紫ではなく赤と銀色の姿、凄まじい怪力を炸裂する『パワータイプ』となり、構えも拳となる。

『チャッ!』

 駆け出すティガ、拳を突き出して重い一撃をデマーガに食らわし、突進してくるデマーガをサイドステップで避け、同時に拳を振り降ろして叩き付け、振り向いて構え、向かってくるデマーガに交互にパンチを打ち込み、三発目のパンチは斜め上に突き出して顎に食らわせ、打ち上げるとタックルして右肩で担ぎ上げて前に落とし、起き上がるデマーガの首を掴んで背負い投げ、地面に叩き付けると後ろを向いてまた背負い投げ、そして、三度目の背負い投げを炸裂すると立ち上がり、デマーガの足の前に移動、その両足を掴んで横に振るい、体を回転させ、勢い付いたところで手を離してデマーガを投げ飛ばした。

『ッ!』

 すると、胸のクリスタル、カラータイマーがエネルギーが残り僅かだと報せるため、赤く点滅を始める。

「デキサスビームスタンバイ」

「了解! デキサスビームスタンバイ!」

 ガッツウイング2号の機体中央部分から機首がスライドして展開、内部に隠されていたハイパーレールガンが露となる。

「エネルギーチャージ完了!」

 砲口に黄色い光が灯る、それを見たティガはデマーガの頭を掴み、動きを封じる。

「今だ!」

「デキサスビーム、発射!」

 ハイパーレールガンから黄色く輝くデキサスビームが発射、デマーガの頭部に直撃、爆発して火花が噴き出すとティガは離れ、両手を振り降ろし、掌に赤い光が集結、大きく上向きに回していくと胸の前で赤い光を球状に圧縮する。

『ハァァァァァ………チャーッ!!!!!!』

 その赤い光球を右手で突き出し、パワータイプの必殺技、デラシウム光流を発射、デマーガに直撃すると大きな爆発を起こし、火花が大きく散り、ゆっくりと後ろへ倒れるとデマーガは大爆発した。

「よし!」

 ティガの勝利にガッツポーズをするオオガワラ、シンジョウは笑みを浮かべる。

「やりましたね隊長」

「ああ」

 ミズノとムナカタもティガの勝利に喜んだ。

『チャッ!』

 勝利を収めたティガは両手を挙げ、その場から飛び立ち、大空へと飛び去っていく、その姿を見つめる希、その姿が見えなくなるまでいつまでも見つめ続けた。




『日本の名物って温泉、怪獣、ウルトラマン』…もちろん台詞の由来は科学特捜隊のパティ隊員の台詞、日本に休暇に来ていたにも関わらず、ザンボラー出現、仕事をするはめに……防衛チームの宿命?

『熔鉄怪獣デマーガ』…八世紀に書記された書物に記録がある鉄の魔獣、今回は悪役として登場させました、弱点は神経が集中する角、口から熔鉄熱線、背中から火炎弾を放つ。

『日本太平風土記』…八世紀に書記された書物、デマーガなど、沢山の妖怪や魔獣が記録されている、その妖怪や魔獣らを倒したのが光の巨人と記されているため、大昔にもウルトラマンが現れたのではないなも推測されている。

『VTL隊』…GUTSやスーパーGUTSとは別に設立された特捜チーム、主にパトロール活動を積極的に行い、街の人々に親しまれている、主力はゼットビートル、科学特捜隊のジェットビートルをベースに開発されたライドメカ。

『渋川一徹』…VTL隊日本支部の隊員、ススムとは窮地の仲で、ススムがティガだと知る一人、原作では夢野ナオミの叔父だが、こちらでは……

『ウルトラマンティガ』…超古代から蘇った光の巨人、初代ウルトラマンなどのウルトラ兄弟とは違うウルトラマン、ススムが変身し、状況に合わせて三つのタイプにチェンジする。

『ハヤタ・ツカサ』…GUTSのエースパイロット、考古学者でもある、よく転ぶ、もちろんモデルは劇場版ウルトラマンXに出てきた玉城ツカサ、ススムの姉である。

『ムナカタ・セイイチ』…現GUTSの隊長、冷静な判断力と行動力で、自らも前線に出る、酒が飲めない。

『シンジョウ・テツオ』…GUTSの副隊長、射撃の名手で元宇宙飛行士だが、昔はとある隊員と組んでよく墜落していたため、『墜落コンビ』の汚名が付いた。

『オオガワラ・サトシ』…現GUTSのパイロット、TPC航空隊のトップガンだったのをシンジョウに引き抜かれた、その事から師弟関係が結ばれ、射撃の腕も上達するが師匠が師匠なら弟子も弟子、よく落ちる。モデルはウルトラマンガイアの大河原隊員。

『ミズノ・タクマ』…現GUTSの科学分析担当、ライドメカの操縦技術や身体能力も高く、現場でも活躍する。もちろん平成ウルトラセブンのミズノ隊員まんま。

『山岸タケル&松戸チアキ』…現GUTSのオペレーターコンビ、もちろんウルトラマンXのXioのあのコンビがetc…歌が上手い、そのため、スクールアイドルにも感心があるため、ススムが羨ましい模様。

『DUNKショットIV』…DUNKショットIIIの銃口が三つになったレーザーガン、マシンガンのようにレーザーを連続発射する。

 今回の設定はこのような感じです、漏れはないはず、多分、気になったら質問して下さい、因みに、ガタノゾーアとは戦っています、大怪獣バトルNEOのティガみたいな感じです。
 新天地での新たな活動、これからもよろしくお願いします、次回はススムがティガになった過去話を予定しています。
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