光の巨人と九人の女神   作:日々野未来

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第2話『光を継ぐもの』Bパート

「ゴルザだけじゃなくてメルバも現れるなんて」

 伝説の怪獣、それも滅亡の前兆として現れた、ツカサは不安となる、この世界がどうなるか。

「大丈夫よ、この地球にはGUTSがいるわ、それにお父さんも」

「お父さん?」

「ええ、この地球に何かあれば必ず帰ってきてくれるわ、必ずね」

 空を見上げるアキコ、この大空の向こうに三人の父親がいる、地球を、家族を愛した父親が。

「お父さん、どんな人だった?」

 ツカサやススムが物心が付いた時にはハヤタはこの地球にはおらず、任務で宇宙にいた、レナは数年間はハヤタと共に暮らしていた、ハヤタが任務に就いたのはETFとの大戦の後、TDFがTPCとなってからだ。

「とても素敵な人よ、地球を、宇宙を愛した人、どんなに強大な敵にも勇敢に立ち向かった、私にとって、お父さんはウルトラマンみたいな人よ」

 とても嬉しそうに話すアキコ、だが、どこか寂しそうだった、寂しくないわけがない、愛するものが近くにいないのだから。

「だからススムにはお父さんみたいな人になって欲しいわ」

 父親『進(シン)』のようになって欲しい、だから『進(ススム)』と名付けたのだ。

「だけど、程遠いんじゃないの?ススム、細かいことねちねち言ってくるから」

「細かいこと?」

「そうよ、古代のトンカチ落としたからって………あ」

 ツカサはすぐに口を抑えた、だが、もう遅かった。

「ツカサ、あれほど気を付けなさいって言ってるのにあなたはまた」

 ツカサの転び癖にはアキコも困っていた、こればかりはツカサが悪いとしか言えなかったが、ススムにもやはり広い心を持って欲しい。

「ツカサも反省してるから許してあげて、ね?」

 声を掛けるアキコ、だが、ススムはボーっとしていた、芭羅慈遺跡を見つめて。

「ススム?どうしたの?」

「っ! あ、ごめん、ボーっとしてた」

 気が付くとすぐに謝るススム、その反応にアキコは不思議を感じた、なんとなくだが、ハヤタと似たな雰囲気を感じられた。

「なんか最近芭羅慈遺跡見てるとボーっとしてるわよねススム、どうかしたの?」

「えっとね、希ちゃんが芭羅慈遺跡があることに気付いてたな~って」

「希ちゃんってあの希ちゃん?」

 頷くススム、希はあの時、芭羅慈遺跡の存在を確かに感じていた、現に希が気に掛かっていた山から遺跡が発見された。

「偶然じゃないの?」

「偶然じゃないと思う、僕もこの古代のトンカチを手にしたら芭羅慈遺跡を感じたんだ、それに、希ちゃん、不思議な子だし、可愛いし」

 最後の一言はいらないだろう、そう思い、ツカサはニヤニヤしながら口を開く。

「ススム、希ちゃんのことホント好きだね、告白できなかったのに」

 その言葉は深く胸に突き刺さった、別れの間際、自分はなんも告げれず、別れてしまった、とても後悔していた。

「そんなに後悔するなら言っちゃえばよかったのに、言わないで後悔するなら言ってから後悔した方がよかったわよ?そんなの、絶対に寂しいじゃない」

 分かっている、だが、勇気が出なかった、答えを聞く勇気ではない、別れの間際、口ではああ言っていたが、本当は再会できるか分からない事に怯えていた。

「そうね、確かに寂しいわね、だけど、ススムの気持ちも分からなくないわ、お母さんもお父さんとまたいつ会えるか分からないもの、もしかしたらお墓の中にいるかもしれないし」

 縁起でもないことを言わないで欲しい、だが、あり得なくない。

「だけどね、お母さんは信じてるの、お父さんとはまた会えるって、会えないかもしれないなんてただの可能性の話、信じるのは人の自由、可能性に信じる事は止められないわ」

 可能性が低いから信じない、それはただの数字から出る確率、信じるは心からするもの、アキコは信じていた、ハヤタとまた会えることに。

「だからススム、あなたも信じるのよ、希ちゃんとまた会えることを、信じる心の強さが不可能を可能にするんだから」

 微笑むアキコ、ススムは今はただ頷くしかなかった。

「ハヤタ博士!」

「どうかしたのですか渋川さん?」

 そこに青いユニフォームを着たTPC隊員がやって来た、それもなんと、現在はVTL隊の隊員である渋川だった、TPC警務局から護衛として派遣されたのだ、因みに、やって来た時期は希が引っ越した後、入れ替わりである。

「遺跡を掘り起こしていたら穴が空いている所を発見しました! そこから中に入れそうです!」

「なんですって?すぐに行くわ」

 アキコ達は渋川に連れられ、芭羅慈遺跡へと向かった。

「ん?」

 その最中、ススムが持つ古代のトンカチの欠けた部分が光ったような気がした。

 

 

 

 その頃、太平洋上で二機のガッツウイング1号とガッツウイング2号がメルバと空中戦を繰り広げていた。

「クエェェェェン!」

 咆哮を上げ、赤く輝く目からオレンジ色の破壊光線、メルバニックレイを連続で発射、それをガッツウイング1号は避け、レーザーで攻撃するが、反撃も虚しく、メルバも旋回して避けてしまった。

「なんて速い奴なんだ!」

 二機のガッツウイング1号にはダイゴとレナが搭乗、ダイゴはメルバの飛行速度に驚愕していた。

「速さで勝とうとするな、1号で誘導、2号はタイミングで攻撃するんだ」

 ガッツウイング2号に乗るムナカタの指示が飛ぶ、2号のパイロットはシンジョウが務め、もちろんホリイが分析に付いていた。

「了解!」

 レナはメルバの上を取り、レーザーを連続で発射、メルバは滑るようにして横に移動し、攻撃を回避、海面にレーザーが直撃、その高温により蒸発、爆発し、水飛沫が舞う。

「今だ」

 ガッツウイング2号からレーザービームが発射される、緑の閃光は見事、メルバに命中するが、メルバはすぐに体勢を立て直し、日本に向かって飛行を続ける。

「どうしても日本に行きたいらしいな」

 デキサスビームを先ほどの要領で食らわしてやろうと考えるシンジョウ、そこに、ヤズミから通信が入る。

「ヤズミです、大変な事が分かりました!」

「どうした?」

「詳しく計算したところ、メルバの目的地が秋田県芭羅慈村と判明しました!」

 メルバは自身の伝説が残された村に向かっていたのだ。

「芭羅慈村、いや、芭羅慈遺跡に何があるというんだ」

 ムナカタはすぐにメルバの目的が芭羅慈遺跡だと分かり、考え始める、芭羅慈遺跡に隠された秘密を。

「メルバが芭羅慈村に向かっている………まさか!」

 ダイゴは気付いた、メルバが芭羅慈村に向かっているという事は同じように芭羅慈村に伝説が残るあの怪獣も向かっているのではないかということに。

 

 

 

 芭羅慈遺跡では、アキコ達は壁に空いた穴の前に来ていた。

「確かに入れそうね」

「今その準備を進めています」

 入るにしても準備は必要、準備ができるまでは中に入れない。

「…………」

 段取りを話し合うアキコ達、その横でススムは芭羅慈遺跡を見つめていた、そして、何かに引き寄せられるかのようにゆっくりと歩き出し、そして、次第に駆け足となっていく。

「ススム待ちなさい! 危ないわよ!」

 ツカサが止めるもススムは聞かず、芭羅慈遺跡の中へと入ってしまった。

「お母さん! ススムが遺跡の中に入っちゃった!」

「なんですって!?」

 何があるか分からないのだ、危険である。

「早くススムくんを連れ戻しましょう!」

「そうね、渋川さん、付いてきてもらってよろしいでしょうか?」

「もちろん!」

 アキコは渋川と共にススムを連れ戻すべく、芭羅慈遺跡へと入った。

「ハヤタ博士は!?」

 そこに、通信担当の調査隊員がやって来た、それはとても慌てた様子だった。

「どうしたんだ!?」

「GUTSからの通信です! この村に!」

 

 

 

 芭羅慈遺跡の中を駆け抜けていくススム、目の前にある道を突き進んでいくと大きな空間に入った、光など届いていないはず、それにも関わらずその空間の中は明るく、全体を見渡せた。

「アレは………」

 ススムはそこであるものを見付けた、見付けるとゆっくりと歩き、それに向かっていく。

「この遺跡の中にこんな空間が………」

 遅れてアキコと渋川も到着、ススムを見付けるのだが、同時にそれも見付けた。

「あ、アレは!」

「う、ウルトラマンだ!」

 アキコ達はそれを、下半身が埋まり、上半身だけが飛び出した巨人の石像を見て呟いた、その石像の姿はウルトラマンそのもの、アキコ自身、研究を進めていて初めてだった、こんなはっきりとしたウルトラマンの石像を出会うのは、以前、自分は出動していなかったが、中近東の砂漠にある幻の町『バラージ』で町の人々が『ノアの神』として祭っていた石像があった、それはウルトラマンそっくりだったと言われているが、その石像は等身大だった、だが、今目の前にある石像は違う、実物大の大きさ、埋まっているであろう下半身も合わせたら50メートル近くはあるはずだ。

「古の巨人………ティガ、古文書に描かれていた姿と同じだわ」

「アレが芭羅慈村に伝わる巨人………」

 GUTSに報告した時に見せたのはゴルザとメルバの絵だけだったが、古文書にはちゃんと巨人の姿も描かれていた、その絵とこの石像の姿、瓜二つ、アキコはこの石像こそが巨人ティガだと確信した。

「…………やっぱり、見たことがあるわ」

「見たことがある?」

 そして、その姿を昔、見たことがあった気がした、かつて地球を守ったウルトラ兄弟に照らし合わせている訳ではない、あの石像の巨人自体を見たことがあるような気がしていたが、今はススムを連れ戻さなくてはと思い、ススムのもとへ向かおうとしたその時、突然、地震が起き、芭羅慈遺跡は大きく揺れた、外で何が起きたのかを、渋川はすぐにタバコの箱のような通信機を取り出し、ビニールテープのようなカバーをスライドさせて口元に当てて外と連絡を取る。

「どうした!?」

「そ、外に怪獣が! ゴルザが出現しました!」

「ゴルザが………!」

 アキコも気付いた、ゴルザが現れた理由を、ゴルザは自分達の障害となる巨人を葬るため、芭羅慈遺跡にやって来たのだ、そしてメルバも、芭羅慈遺跡に向かっていると考えられた。

「早くススムくんを連れ戻しましょう、ここは危険です」

「そうね」

 二人はススムを連れ、避難しようと考えた、すると、芭羅慈遺跡は爆発音と共に大きく揺れた、怪獣の光線が芭羅慈遺跡に直撃したのだ。

 

 

 

「ガゴォォォォォォオ!」

 『超古代怪獣ゴルザ』は額から超音波光線を放ち、芭羅慈遺跡を攻撃、外壁を覆う山を吹き飛ばし、芭羅慈遺跡が露となっていくが、同時に外壁も爆発して吹き飛んでいく。

「間に合わなかったか!」

 そこに、ダイゴが乗るガッツウイング1号が到着する、メルバはレナ達に任せて自分が先行したが間に合わず、ゴルザの進撃を許してしまった。

「攻撃開始します!」

 ダイゴはゴルザを食い止めようと攻撃を開始する、だが、ゴルザにレーザービームは効かず、ゴルザは構わず進行、超音波光線で芭羅慈遺跡を破壊していき、そして、その筋肉質な腕を芭羅慈遺跡に振り下ろした。

 

 

 

 内部では壁や天井に亀裂が走り、いつ崩れるか分からない、早くススムを連れ戻さなくてはと思うのだが、ススムは構わず、石像のもとへ向かっていく。

「ススム!」

 駆け出そうとしたその時、天井がとうとう崩落、アキコはススムのもとへ向かおうとするが、渋川が止める。

「危険ですハヤタ博士!」

 瓦礫はアキコがいる所にも降り注ぎ、渋川が引っ張り、連れ出した、そして、崩れる瓦礫により、巨人がいた間に続く道は塞がれてしまった。

 

 

 

「君が僕を呼んだのか?」

 来た道を塞がれた事に焦ることなく、石像に向かって問い掛けるススム、そう、ススムは誰かに呼ばれた気がして芭羅慈遺跡の中へ入ったのだ。

「なんで僕を呼んだの?なんで僕なの?」

 問い掛けるが、石像なため、巨人は何も答えることはなかった、はずだった、するた、巨人は答えるかのように額を光らせた。

「僕に何を求めているんだ?」

 ススムは考えるのではなく感じようと目を瞑る、そして、驚いたように目を開けた。

「僕が君に?僕がウルトラマンに?」

 まさか自分が巨人に、ウルトラマンに選ばれたことに驚いた、だが、なぜ自分なのか分からず、乗り気にはなれなかった。

「僕には無理だよ、勇気が出せなかった、最初で最後かもしれないのに、僕にはそんな勇気ないよ」

 希の事を引きずるススム、その後悔が余計にウルトラマンに選ばれる資格がないと思い込ませてしまった。

「………父さんだったら、父さんだったらどうしてたんだろう」

 自分の父親はこの時、どうしていただろうか、父親はウルトラマンに選ばれたことを受け入れたのだろうか。

 

 

 

「クエェェェェン!」

「メルバだと!?」

 そこに、メルバが飛来、メルバニックレイでゴルザと共に芭羅慈遺跡を破壊し始める。

「ごめん! 抑えきれなかった!」

 続いて、レナ達も到着、攻撃を行うが、二大怪獣は構わず芭羅慈遺跡を破壊していく。

「レナ聞こえる!?」

 すると、アキコの声が響く、渋川の通信機を借りて話し掛けてきたのだ。

「お母さん!?今いそが」

「ススムがまだ遺跡のなかにいるのよ!」

 それを聞いたレナ達は騒然とした、あの破壊されていく遺跡の中にまだ人が、それも自分達がよく知る人物の弟がいることに。

「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!」

 ダイゴはに我慢できず突撃、無茶だと言われてもダイゴは攻撃をやめず、ゴルザの超音波光線は掻い潜るが、メルバのメルバニックレイは避けきれなかった。

「ダイゴーッ!」

 レナが叫ぶ、墜落する中、ダイゴは脱出のため、レバーを引くが作動しなかった、被弾した事により故障してしまったのだ、もうダメだ、そう思ったその時、目の前に眩い光が広がった。

 

 

 

 少し前、崩壊する芭羅慈遺跡の中でススムは迷っていた、自分にウルトラマンを受け入れる資格はあるのか、別の人がなるべきではないのかと。

「僕は………」

 その時、天井が崩れ、その巨大な瓦礫がススムに向かって落ちていく、もうダメだ、ススムもまたそう感じると、時間がゆっくりとなる感覚に見舞われる、走馬灯みたいなものか、今までの出来事が頭に過っていく、短い人生だった、父親に会うことなく死んでいくのか、そして、一緒に星空を眺めた時に見た笑顔を思い出した。

(希ちゃん……!)

 短くも、色濃く残る希との思い出、自分はそれほど彼女の事が好きになっていたのか改めて気付いた、こんな死の間際となってようやく分かった、自分の気持ちが。

(僕は希ちゃんにまた会いたい、いや、また会える、そう信じる! だから、だから!)

 ススムは見上げた、落ちてくる瓦礫を真っ直ぐ見つめる、その瞳には光が宿っていた、そして、握っていた古代のトンカチも光を宿し、巨人の石像の額と胸もそれに伴い、強く輝く。

「こんなところで死んで、堪るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

 その勢いに任せ、右腕を振り上げた瞬間、古代のトンカチが砕けた、その中から金色と白銀のアイテム『スパークレンス』が出てきたその瞬間、カバーが展開、中に収められた水晶から薄紫の光が解放され、眩い光が広がると落ちてくる瓦礫はその光に粉々に吹き飛び、ススムも、巨人の石像も包み込むのだった。

 

 

 

「あ、アレは………!」

 失意の中、避難するアキコ達、そこで渋川は気付く、墜落するガッツウイング1号の先に光が広がるのが、そして、その光が人の形となっていに、ガッツウイング1号を受け止める光景を目の当たりにした。

「光の………巨人」

 ツカサは静かに呟いた、アレを表すにはその言葉が相応しい。

「リーダー、もしかしてアレは!」

 シンジョウの問いに頷くムナカタ、確信した、あの巨人の正体を、巨人から光が失われていき、赤と紫、銀色の体を露にする。

「ウルトラマン」

 ダイゴは巨人をそう呼んだ、幾度もなく、地球を悪の魔の手から救ってきた勇者達の名前を。

「っ! やっぱりあのウルトラマン!」

 アキコは思い出した、自分はあのウルトラマンと出会った事があることに、まだ自分が科学特捜隊の隊員だった時、ハヤタと一緒にだ。

「ウルトラマン、ティガ」

 レナは巨人にそう名付けた、芭羅慈村に伝わる伝説に記された巨人ティガと、ウルトラマンを繋ぎ合わせ。

 ティガはしゃがんでガッツウイング1号を地上に下ろした、すると、後ろから二つの咆哮が聞こえ、立ち上がり、振り向く、その先にはゴルザとメルバが並んで立っており、敵意を剥き出しにしていた、自分達が恐れていた巨人が復活したのだから。

『ハッ!』

 構えるティガ、先に襲い掛かったのはゴルザだった、ゴルザは肉弾戦を仕掛けようと突撃してくるが、ティガはすれ違いざまに水平チョップを炸裂、それをもろに食らったゴルザは火花を上げながら後退りすると、ティガはゴルザに連続で打撃を打ち込んでいき、攻め立てていく。

「クアァァァァァン!」

 追い詰められていくゴルザ、メルバは助けようとメルバニックレイを乱射していくが、ティガはそれに気付き、側転を連続で行って避けていく、その流れ弾がゴルザに直撃してしまった。

「グオォォォォォオ!」

 それに怒るゴルザ、メルバに向けて超音波光線を放つが、身軽なメルバに命中することなく、飛んで避けられる。

『ン~………ハッ!』

 そこでティガはマルチタイプからパワータイプへとチェンジ、この時、姿が変わるウルトラマンが初めて確認された。

「色が変わった!」

 今までにない能力に驚くホリイ、ゴルザは超音波光線を放つがそれを掌から発生させるバリヤーで弾くと、ティガは拳を向けて駆け出し、ゴルザに力強いパンチやキックを浴びせていく、そのパワーは一目瞭然、マルチタイプとは比べ物にはならないほど、だが、後方から迫り来るメルバの光線に気付くも避けれず、背中に命中してしまう。

「避けれなかった!?」

 先ほどあんな機敏に避けていたにも関わらず、ティガはあの攻撃を避けれなかった、パワータイプは力は強いが、逆に素早さが低下してしまうため、身軽でスピードがあるメルバを相手にするには不向きだった。

「リーダー!」

「我々がメルバを引き付け、ウルトラマンを援護する!」

「了解!」

 その指示を待っていましたと言わんばかりのやる気に満ちた答えが返ってくる、GUTSはメルバに攻撃、避けられるも標的をガッツウイングに変えて攻撃してくる、ティガがゴルザを退くまででいい、GUTSがメルバの相手となることにした。

『タァーッ!』

 メルバの攻撃がなくなり、ティガは集中してゴルザの相手をする、アッパーがゴルザの顎を打ち上げ、ヘッドロックを掛けられ、しめつけられると頭に何度もパンチを食らっていき、フラフラな状態となるとヘッドロックを解除、だが、今度はゴルザにしがみつき、両手をしっかり掴むと腕に力を入れてゴルザの腰を締め上げる、ウルトラバックブリーカーを炸裂、めきめきという鈍い音が響き渡り、ゴルザは口を開けながら苦しむ、そして、解放するとゴルザを持ち上げて遠くへ投げ飛ばした、ここで止め、と思われたがメルバの光線の流れ弾がダイゴのガッツウイング1号に向かって飛んでいく、これは危ない、ティガは飛び込んでガッツウイング1号の壁となり、流れ弾からダイゴを守るも、その隙にゴルザは地面を掘り、地底へ逃げようとする、追い掛けようとするが胸のカラータイマーが点滅を始めた。

「カラータイマーが!」

 活動限界時間が近い、そのため、ティガはゴルザを追うのを断念、今度はスカイタイプへチェンジすると高く飛び上がり、ティガ・スカイキックを炸裂、メルバを地上に叩き落とした。

「す、すごい飛躍力」

 メルバを近付けさせまいと高い高度で戦っていた、それにも関わらずティガはたった一回のジャンプでメルバがいる高度に到達した飛躍力に驚愕した。

『ハァァァァ………チャッ!!!!!!』

 立ち上がるメルバ、着地したティガはすぐさま両腕を広げて光を走らせると頭上高く掲げ、掌の間に光を集結、降ろすと水平チョップを繰り出すように右手を振るい、光の矢、スカイタイプの必殺技のランバルト光弾を炸裂、瞬時にメルバに行き届き、その胸を射抜き、メルバは爆発四散した。

「よしっ!」

 ティガの、ウルトラマンの勝利に喜ぶシンジョウとホリイだが。

「まだ終わっていない! 遺跡に閉じ込められたススム少年の救助だ!」

 ムナカタはすぐにススムの救助を行おうと着陸を命じる、だが、ティガの姿が薄くなっていき、紫色の光が残る、残された光は地上に降り、消えるとそこにはなんと、横たわるススムの姿があった。

「なんやって!?そんなアホな!」

 信じられなかった、今の光景が表すのはつまり、今まで戦っていたのはあの十歳にも満たない幼い少年となる。

「ススムが、ウルトラマンに」

 その事実はレナを、ツカサを、渋川も驚かせたが、アキコは冷静だった。

「あなたがティガだったのね、ススム」

 まるで、ススムがティガだったと知ってるかのような口振りのアキコ、目を閉じると思い浮かぶのは成長したススムの姿と、共にいる紫色の長い髪の少女、その少女が誰なのかも分かった気がした。

「希ちゃん………」

 スパークレンスを握り、眠るススムは寝言で希の名を口にした、人が人を思いし時、その思いが内に眠る光を呼び覚まし、大異変からこの世を守るべく、巨人ティガ蘇らん、ススムの希を思う気持ちが力となり、内に眠る光を解放させたのだ、誰よりも強い光を、その光により融合を果たし、巨人を、ティガを蘇らせた。

「ハヤタさん」

 アキコはススムに、夫の姿を重ねるのだった。




『スパークレンス』…古代のトンカチの中に封印されていた変身アイテム、ススムの希を思う強い気持ちが内に眠る光を呼び覚まし、その力を解放させ、ススムをウルトラマンティガへと変身させた。

『超古代怪獣ゴルザ』…モンゴルに初めて姿を現した怪獣、大地を揺るがす怪獣とも言われ、デキサスビームも効かない体を持つが、劣勢となる逃げ出す。あの後、強化されたファイヤーゴルザと霧門岳で激突することになる。

『超古代竜メルバ』…イースター島の崖の中に眠っていた怪獣、空を切り裂く怪獣と呼ばれ、大空を飛び回るがスカイタイプの飛躍力と機敏さには敵わず、ランバルト光弾を受けて撃破された。
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