てはどうぞ。
寒い。さむい。SAMUI。
昇降口で雪ノ下を待っているのだがなかなか出てこない。由比ヶ浜と分かれてから10分ほど経っている。それほど広い学校でもないのにそんなに時間がかかるわけがないだろう。頼むから俺が凍死する前に雪ノ下には来てもらはないと困る。
「無理だ、死ぬ」
「貴方、こんなところで1人でなにをぼそぼそつぶやいているの?通報するわよ?」
後ろから急に声をかけられた。雪ノ下だ。
わかってはいたがなんというキレのいいジャブを打ってくるのだろう。出会い頭に人の心をここまで痛めつけることができるのは彼女しかいないのではないか。あ、いやこいつの姉とか出会い頭に死にそうになるわ、さすが姉妹。よくにてらっしゃることで。
「おい、通報はやめろ。お前のこと待ってたんだが寒くて死にそうだっただけだ」
「あら、そうなの。それは悪いことをしたわね、謝るわ」
謝っているのにこの態度、さすがである。
「お前に話がある。でも寒くて死にそうだからあったか〜いマッカンあるところに行こう」
「貴方と話すのは構わないのだけれど、それじゃ私の飲むものがないじゃない。それに時間もかかるかもしれない。行くなら喫茶店に行きましょう」
なんの話かは察してくれたようだ。
つか、さすがお嬢様、舌が肥えてらっしゃる。しかしここは譲るわけにはいかない。なぜなら俺はマッカンが飲みたいのだ。あと、喫茶店は高い。
「なぁ雪ノ下、話はそんなにかからないかもしれな「サイゼでもいいわよ」そうしよう!!」
「貴方って、ほんとにわかりやすいのね」
額に手を当ててため息をつく雪ノ下。見慣れた光景だ。
ていうか、雪ノ下に従わないとあとが怖いからなんだけどね!テヘッ!
とにもかくにも俺たちはサイゼに向かうことにした。
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「ねぇ、糖尿谷くん。貴方って自分の体のこと考えたことあるの?」
口を開いたと思えばこれである。俺になんの文句があるというのだ。
「どういう意味だ」
「糖尿病になるとか考えないのかと聞いているのよ」
ちらっと雪ノ下が俺の手元を見る。そこにはガムシロップとミルクの容器が大量に転がっている。まぁ、他人から見れば異常だな。
「心配するな、ちゃんと考えている。それに俺の人生は苦いから甘いのと中和するんだ」
「なにを言っているのかしらこの男は」
と、ため息。
「なんだよ、文句あるか?」
「珍しく貴方の心配をしてあげてるのよ、察しなさい」
やばい、珍しい言葉をかけられて顔が赤くなってしまった。これでは顔が上げられない。
「どうしたの?あたま、大丈夫?」
「安心しろたった今、大丈夫になった」
「?」
一気に冷めてしまった、さすが雪ノ下だ
というかこのままじゃいつまで経っても話が始められない。なのでここは強引に話を始めさせてもらうとしよう。
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「さて、話を始めようぜ雪ノ下」
「ええ、そうね」
「まず、問題点をまとめよう。とりあえずそこがわからないとなにも始まらないしな。まず一点、奉仕部のことだ。俺たちはこのままでいいのか、ということ。果たして今の奉仕部は本物の関係なのかって感じか」
雪ノ下は俯いてしまった。始めからきつすぎたか?
「…続けてちょうだい」
「わかった」
「そして2点目、雪ノ下雪乃についてだ。ただし、これは自分で解決する。そうだな?」
「ええ…」
やばい、雪ノ下が少し泣きそうだ。
「でも俺はお前にいつか助けて、という依頼を受けてる。だから俺はお前をできる限り導いてやる。それでいいな?」
すると、雪ノ下が潤んだ瞳をこちらに向けて
「ありがとう」
と言ってきた。
やめろよ、可愛いんだよ。
まじ雪ノ下さん童貞ブレーカー。ど、童貞ちゃうわ!
「とにかくだ、この問題は根本的な解決をするためには雪ノ下が1番頑張らなければならない。それは理解していてほしい」
「もちろんわかっているわ」
さすが雪ノ下だ。物分かりが大変よろしい。この分だと、話し合いもそう長くはかからないだろう。
そう思いながら話を続けた。
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ふと、時計を見ると短針が9と10の間に刺し迫ろうかとしていた。
「雪ノ下、時間大丈夫か?」
「大丈夫よ」
確かにこいつを襲おうとしたものは合気道でメタメタにされその後、毒舌という名の凶器でメタメタにされて心身ともにやられるだろ。しかし、それでも心配だ。
「やけに言い切るな。本当に大丈夫なのか?」
「ええ、だって送ってくれるのでしょう?」
知らぬ間に時間外労働することになってました!さすが八幡、社畜の鑑!
しかしここは断るわけにはいかないだろう。
「そうだな、でも早く帰るに越したことはないだろ。早く帰ろうぜ」
とりあえず、会計を済ませ外に出るとしようか。
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さっむい!2月も終わりとはいえさすがにこの時間帯ともなると制服だけでは心もとない。どうしたものかと思っていると、自販機を見つけた。
迷うことのない手つきでマッカンを購入。これで頑張れそうだ…
「比企谷くん本当に糖尿病になるわよ…」
「雪ノ下、お前も飲んでみろ。病みつきになるぞ」
雪ノ下にマッカンを差し出すものの顔を赤くして逃げられてしまった。
なんだ、そんなに嫌いかマッカン。千葉県民なのにけしからんな!
まぁ、人間苦手なものも1つや2つはあるだろう。仕方ないな。
「雪ノ下にも苦手なものくらいあるよな」
「聞き捨てならないわね。私に苦手なものなんてないわ。それ、寄越しなさい」
とか言いつつ俺の手からマッカンを奪い取った。寄越しなさいって言うなら渡されるまで待てよ、と思う。ジャイアンかお前は。
「ほら比企谷くん見なさい。ちゃんと飲めたわ!」
飲めたくらいでなぜドヤ顔。負けず嫌いのん怖いわぁ…
「つーかお前、全部飲んだの?俺の分は?」
「あ。あゝ、あああああ///」
いきなり雪ノ下がショートした。なんだこいつ。
「比企谷くん全て忘れなさい!いいわね!さもないと強姦の罪であなたを警察に突き出すわ!」
ザワザワ
「忘れる!忘れるから大声で強姦とかいうのわやめろ〜!」
とりあえず走って逃げました、まる。
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気がつけばそこは雪ノ下のマンションだった。走ったから気づかなかったがもうついてたんだな。
「おい雪ノ下ついたぞ」
「………」
雪ノ下が死んでいた。
体力ないの忘れてました。ごめんなさい。
とりあえずベンチに座らせて水を買うことにした。
「大丈夫か?」
「なんとかね…貴方がいきなり手を引いて走るのが悪いと思うのだけれど」
「しかたねーだろ!あれはお前が悪い!」
「反省はしているわ、ただこのままじゃ家に帰ってから何も出来そうもないわね」
本当にそうかもしれない。目の前の雪ノ下は顔は真っ青、体は小刻みに揺れている。相当きつかったのだろう。
「どうする?」
「そうね…」
「比企谷くん。今日はうちに泊まって私の手伝いをしなさい」
小飯は遠いようだった。
読みづらくてごめんなさい
読んでくれた方、ありがとうございます。