ゲッコウガに変身する少年に祝福を!   作:ガンダムラザーニャ

3 / 6


こんにちは、ガンダムラザーニャです。

今回は長めの話になりましたがどうぞ最後までお楽しみください。

それでは始まります。


初めてのクエスト

 

 

 

 

 

 

「我が名はめぐみんっ!最強の攻撃魔法『爆裂魔法』を極めし『アークウィザード』ですっ!!さあ、この私とパーティを組んでくださいっ!」

 

夜浪の目の前にいる女の子『めぐみん』が叫んでいる。しかし、夜浪はその状況に対して頭を抱えることしかできなかった。なぜなら、めぐみんの仕草といいしゃべり方といいイタイ子にしか見えなかったからである。

 

「ちょっと、聞いているのですか!?」

 

「・・・逆に聞くけど、何で俺とパーティを組めと?さっきも言ったけど俺は初心者なんだけど?君は『アークウィザード』で『爆裂魔法』を極めてるんだろ?」

 

夜浪はジト目になりながらめぐみんに聞く。『爆裂魔法』とやらを極めているんならそれだけレベルは高いだろうし、初心者である夜浪とパーティを組むとなるとレベルに差がありすぎて話にならないのがオチなのに。すると、めぐみんは顔を真っ赤にして眼をそらしながらもじもじと話す。

 

「え!?それは、その・・・ほらさっきお腹空いているところをご飯をめぐんでくれたこともありますし・・・そ、そのお礼としてあなたにクエストのやり方を教えようかなあ・・・なんて・・・。」

 

「へえ・・・。」

 

他にも何かありそうだとは思ったが、これ以上は面倒だなと思い夜浪はめぐみんのパーティの参加を受け入れる。

 

「あー、わかりました組みますよ!ならとりあえず聞きたいことがあるけど良いか?」

 

「組んでくれるのですか!?それで、聞きたいこととは?」

 

「ああ、この冒険者カードについてなんだけど・・・。」

 

夜浪は自分の冒険者カードを出してめぐみんに様々な質問をし、めぐみんが答える。詰まる所、クエストを受けるごとに冒険者カードにポイントが貯まり、その貯まったポイント分消費することで新しいスキルが手に入るようだった。

 

「へえ、そうなんだ・・・。色々便利だなあこれ。そうだ、この『変化』っていうスキルについて何か知ってることない?」

 

「『変化』ですか・・・うーん、あまり『爆裂魔法』以外のことは知らないですが・・・。」

 

(知らないのかよっ!?)

 

「まあ、頭の中で何かを強く思えばその何かに姿を変えることができるんじゃないですかね?」

 

(そして適当だなオイっ!)

 

夜浪は心の中でずっこける。しかし、めぐみんはそんなことも知らず勢いよく立ち上がり夜浪の腕をつかみギルドの受付へと向かう。

 

「さあ、早速クエストに参加して我が『爆裂魔法』を見せて差し上げましょう・・・ふっふっふっ・・・!」

 

「・・・この先大丈夫か、俺?」

 

早速不安を抱いた夜浪だがとりあえずめぐみんとクエストを受けることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

討伐クエスト『ジャイアントトード5匹を討伐せよ!』

 

ジャイアントトード、簡単な話だと大きなカエルらしい。なんでも、最近子供や老人がその被害に遭っているとのことである。そういうことで、夜浪とめぐみんは『ジャイアントトード』が生息しているとされている平原にやってきた。ちなみに、めぐみんは『アクセル』を出てからずっと興奮している状態だった。それだけ『爆裂魔法』とやらに自信があるのだろうと夜浪は思った。その時にめぐみんが夜浪に声を掛ける。

 

「ヤナミさん、あれを見てください。」

 

「・・・どれだよ・・・ってでかっ!?」

 

めぐみんが指をさした方向を見てみるとそこには巨大なカエルが目の前に居座っていた。

 

「あれが『ジァイアントトード』です・・・。まだこちらに気づいていないようです。ヤナミさん、少し離れてもらっていいですか?」

 

「・・・何かする気か?」

 

めぐみんは何も答えなかった。しかし、めぐみんの周りの空気が変わる。そして、手に持っている杖をジァイアントトードに向ける。

 

「黒より黒く、闇より暗き漆黒に。我が真紅の混交に望み給う。隔世の時来たれり、無謬の境界に落ちし理、むぎょうの歪みと成りて現出せよ!踊れ、踊れ、踊れ!我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶものなき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!」

 

めぐみんが呪文を唱えるとジャイアントトードの周りの空気が歪みはじめ所々星々を思わせるような光が現れ始める。そしてめぐみんは仕上げと言わんばかりに左目の眼帯を外し、両目を見開く。

 

(この子ちゃんと目見えてたのかよっ!?というかあの眼帯は飾りかよ!?)

 

「これが人類最大の威力の攻撃手段っ!!これこそが究極の攻撃魔法っ!!『エクスプロージョン』!!!」

 

めぐみんがそう唱えるとジャイアントトードが見えなくなるほどの光を発し、強烈な爆音と爆風が巻き上がり、ジャイアントトードを跡形もなく消し飛ばす。夜浪はその衝撃に耐えられず吹き飛ばされてしまう。

 

「くっ・・・!いきなりクライマックスな魔法の使うのかよ、これが『爆裂魔法』ってやつなのか!?」

 

めぐみんはそれに対し夜浪に目を向けながら親指を立てる。その時の顔は誇らしげだった。

 

「そう、これが!いや、これこそがっ!!『爆裂魔法』ですっ!!」

 

そんな感じのイタイ発言をした瞬間、草原の中から大量のジャイアントトードが現れ向かってきた。どうやら先ほどのめぐみんの『爆裂魔法』で起きてしまったようだった。

 

「おいおい・・・、大量だぞ。めぐみん、ここは俺が一つにまとまるようひきつけるから『爆裂魔法』をしてくれ!・・・めぐみん?」

 

夜浪は返事のないめぐみんを見た、そして驚いた。なぜなら前のめりになって倒れていたからだ。

 

「・・・おい、めぐみん?」

 

「・・・『爆裂魔法』は最強にして強力、それゆえに膨大な魔力を必要とします・・・。つまり今ので全魔力を使ってしまったのでもう一歩も動けません。ですのでおんぶしてもらっても良いですか?」

 

「他の魔法を習得するって選択肢なかったのかよ!?」

 

これはひどいと夜浪は思った。しかし、そうこうしている間にジャイアントトードが近づいてくる。それも、倒れてしまっためぐみんに。

 

「くそっ!意外にも早く近づいてる・・・!めぐみんを助け出さないと・・・。」

 

夜浪はめぐみんのもとへ走った。しかし、距離的にめぐみんにたどり着くのはジャイアントトードだった。

 

(おいおい、いきなりパーティーを失うなんて御免だぞ!?どうすればいいんだよ・・・。あ、確か俺には『変化』のスキルがあったな。)

 

夜浪はそう思い、『変化』を発動させようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、その瞬間世界が止まった。

 

「なんだよこれは?」

 

そう言って夜浪は周りを見回す。やはり止まっていた。ジャイアントトードも、めぐみんも、風に揺れる草原も、何もかもが止まっていた。まるで自分以外の時間が止まったように。

 

「申し訳ありません、夜浪様が私が渡した特典を使われようとしていたので説明をさせてもらおうかと。」

 

後ろから声が聞こえたので夜浪は後ろを振り返る。するとそこには夜浪をこの世界に転生させた女神、エリスが立っていた。

 

「あんたか、女神さま。」

 

「はい。その特典『変化』はある特定のものになら姿を変えることができるのですよ。」

 

「特定のもの?なんだよそれは?」

 

「あなた様が一度願ったものに姿を変え、その能力を使役することですがこれには注意点があるのです・・・。」

 

「・・・?」

 

夜浪は疑問に思った。『変化』で姿を変えてその能力を使えるのに何か問題でもあるのかと思ったからだ。そしてエリスの口からこのようなことが言われる。

 

「その願ったもの以外には『変化』ができないようになっているのです・・・。」

 

「・・・はい?」

 

「だから、一度願ったものにしかなれないのですよ。でも、ちゃんと元の姿には戻れるのですよ!?」

 

「・・・まじかよ。」

 

夜浪は肩を落とした。つまり一度変身したら元に戻る以外は他のものに変身できないということなのだから。

 

「・・・えーと、確か一度願ったものなら何でもなれるんだったな・・・。」

 

「は、はい・・・申し訳ありません・・・。」

 

「別に謝らなくてもいいよ女神さま。もともと俺があんたに選んでほしいって言って選んでもらったもんだからな。」

 

「で、ですが・・・。」

 

うろたえるエリスに夜浪は笑いながら言う。それも、自分にいい考えがあると言いたげに。

 

「それに、俺はもう何に『変化』するのかを決めたからな」

 

そう言って夜浪はエリスに背を向けてまるで忍術を使うかのように両手を構える。すると、夜浪の周りに大量の水が巻き上がる。それを見たエリスは安心したかのようにほほ笑む。

 

「・・・そうですか。それなら一安心ですね。それでは、異世界での生活をお楽しみください、夜浪様。」

 

エリスはそう言って光り出し、そして時は動き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方めぐみんは倒れている状況で目の前に確実に近づいているジャイアントトードを呆然と見ていた。

 

「うう、まさか先ほどの『爆裂魔法』でこんなにも出てくるとか予想外です・・・。あ、でもジャイアントトードって近くで見たらこんなにも大きいのですね・・・。」

 

もはやあと一歩近づいたら即口の中に入れられるような距離で悠然としているめぐみん。しかし、身動きが取れない状態では何もできないし内心今から自分がジャイアントトードに食われると知ると恐怖していた。

 

(・・・ヤナミさんは大丈夫、かな?でも、私もまだ死にたくないしできれば助けてほしいですね・・・。)

 

そんなことを考えている時にジャイアントトードは飛んできて大きな口を開けめぐみんを食べようとする。

 

(できれば、まだ『爆裂魔法』を極めたかったですね・・・。)

 

食われる覚悟をしためぐみんはそっと目を閉じる。まるで目の前の現実を受け入れるように。

 

その時だった。めぐみんとジャイアントトードの間に水でできた手裏剣のようなものがものすごい勢いで通り抜けジャイアントトードは大きくのけぞりめぐみんとの距離を離す。

 

「い、今のは一体・・・?」

 

めぐみんは何が起こったのかと思い手裏剣が飛んできた方向を見る。ちょうど、夜浪が走ってきた方向だった。しかし、めぐみんの目に映ったのは夜浪の姿ではなく、忍者のようなカエルの姿だった。そして、そのカエルは上空へ飛ぶように飛び、めぐみんの前に立つ。

 

「まさか・・・ヤナミさん・・・?」

 

カエルはめぐみんを見る。すると、どこか安堵したような表情に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






いかがでしたか?

よろしければ感想をお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。