ONE-PUNCH-MAN 一撃男と愛娘のユメ物語   作:叶夢望

3 / 23
ジェノス登場回です。ユメの見せ場を作りたかったのでオリジナル怪人を出しました。申し訳ないです。
戦闘シーンは自信がなかったですので、何かおかしい表現があれば何でも申してください。その他以外の事でもかまいませんので感想にてお願いします。


三撃目 蚊と一撃男と二撃娘とサイボーグ

ユメは台所の前に踏み台を置き、それを踏んで料理を作っていた。家事のほとんどはユメが担当する事になっており、亡きサクラの料理のレシピが綴られたノートをユメは睨みながら料理に奮闘しており、サイタマは家庭栽培や家の掃除まれにユメの料理の手伝いを担当していてベランダにミニトマトやネギなど素人でも作れる野菜を育てていた。

 

何故そんな切羽詰まった生活をしているのかというと、かつてサイタマがフリーターだった頃そこそこ貯めていたお金とサクラもかつてパート主婦だったのでそのお金を貯金していた。その貯金をどうにか切り盛りして彼らは今日という日を強く生きなければならなかったのだ。

 

どうにかしてヒーローとして名をあげてお金を手に入れないといけないが、彼らはヒーローになったらお金が貰えるという事実を知らず、勝手にヒーローとして街を護ったり怪人を倒したりしたら感謝状と金一封が手に入ると思い込んでいるようだった。

 

「ユメ、ちょっと水もらうぞ」

「ん、いいよパパ」

 

サイタマはジョウロに水を溜めて野菜に水を注ぎ、早く育てと願いを込めつつ、野菜は元気に育っていくのをサイタマは温かい目で見守っていた。すると、一匹の蚊がサイタマの血を吸いにサイタマの左手の甲にとまった。サイタマは左手を動かさずに右手で左手の甲を叩いたが、蚊はスルリと右手の僅かな隙間から抜け出していた。

 

「・・・」

 

サイタマは無表情になり、飛んでいる蚊を目で追いかけ隙を探り、両手でパンッと両手を合わせるように叩くが、それでも蚊はサイタマの攻撃を避けまだ生きていた。サイタマの強みはどんな敵でも本気でいけば一撃で倒せるのだが、ただ唯一の弱点はその攻撃が当たらなければその拳は無意味となるのだ。

サイタマはムキになり、何度も何度も両手を合わせるように叩き、逃げ回る蚊を攻撃しまくったが、蚊のスピードと小さい的だからなのかなかなか倒せず、蚊は何処かに逃げていったのだ。

 

「ぷっ、パパださっ」

 

蚊を退治出来ない父親を目にした娘は満面の笑みを浮かべ、父親を罵倒する。娘にバカにされた父親は頭に血が上り、イライラと眉間にシワを寄せて怒った顔を浮かべたサイタマはブチ切れた。

 

「くそ!逃がした!蚊めぇ~!!!(怒)」

 

サイタマの宣言にユメはあとげない表情で微笑みを浮かべ、適当に相槌を打ちテレビのチャンネルを変えると臨時ニュースが流れていた。どうやらサイタマ達が住んでいるZ市に怪人が現れたのだ。その怪人は蚊の女王であり蚊を多数街に放り出し、人や動物の血を吸い上げていきやがてはミイラになるというニュースであった。蚊に詳しい専門家らしきカーフェチ博士はその蚊の怪人は新種であり、その怪人がどのように生息し、どんな行動をするか分からないそうだ。

 

「えらいせんせーでも分かんないんだ」

「コイツ何しに来たんだよ・・・バカか?」

 

テレビのニュースに相槌を打ちながらユメ、サイタマの順に感想を述べつつ、サクラの仏壇に今日も頑張るよとサクラに伝えると、サイタマと格闘していた蚊が出現し、サイタマはキレて虫退治スプレーを持ちその蚊を追いかけて自宅の玄関の扉を開き、その蚊のもとへと急いだのを見たユメは面白そうだからとサイタマに着いていった。

 

一方、Z市のとある街にて怪人である人型をしたモスキート娘が多数の蚊に付近の人や動物の血を吸って吸って吸いまくったのだ。その血を自分の養分として吸い上げる事によって力が強まっていくはずだが、その血の質が物足りないのか満足していない様子だった。

 

「ぷはぁ~・・・ねぇ、あなた。ものスゴく飲み足りないわよ。どうしてくれるの?」

 

モスキート娘はチラリと誰も居ないはずの場所に視線を移した。するとその場に大勢の蚊が一斉に集まり、何やら人の形をした怪人が現れた。その者はモスキート娘の夫であり、名をつけるのならばモスキート夫であろう。両者の見た目は蚊だと分かるような格好をしている。頭には蚊のような頭部が生えていて、背には蚊のような羽が生えていて、脚は蚊の脚であるという蚊そのものであった。

 

「地球を根絶やしした後は他の惑星に行けばよかろう」

 

モスキート夫は苦虫を噛み潰すような表情を浮かべキョロキョロと辺りを見渡すが、近くには人や動物が居ない事の苛立ちに舌打ちを打つしかないのだ。

しばらく散策すると数匹の蚊が消滅した事に気づいたモスキート娘と夫は攻撃されたと警戒し辺りを探るとそこには多数の蚊で覆い被さった人影が見えたのだ。

 

「お前らがこの蚊の原因か?なるほど、こんな不可解な集団をお前らが信号のようなものを送り命令していたのか?ならばその主人であろうお前達を排除したらこの目障りな虫共は居なくなるのか?」

「ふん!あなたこそ目障りよ!いけ!蚊達よ!吸いなさい!全部吸ってもいいわよ!」

 

モスキート娘とモスキート夫は多数の蚊に命令し、謎の人影に向かって多数の蚊は血を吸いに突進してくるが、謎の人影はいきなり爆発のような攻撃を放ち、謎の人影に刃向かってくる蚊を全て焼却した。

 

「なっ!!?」「ほぅ・・・」

 

モスキート娘は驚いた表情を浮かべ、モスキート夫は興味津々に謎の人影を観察した。その謎の人影は姿を現し、その人物の名はジェノスであり全身武器だらけのサイボーグの青年であり、金髪で白目の部分が黒くなっていて目の色は金色であった。

 

「お前達を排除する」

 

ジェノスは両脚を屈ませ一気に二匹の怪人へと前へとその場で飛び上がり、両手のを二匹の怪人に向け、手の平から炎の渦を放出させた。

 

「あっついわね!」「我々をなめるなよ」

 

モスキート娘とモスキート夫はジェノスの攻撃を難なく避けて、二匹の怪人はジェノスを挟み撃ちにする為左右に散らばり同時に頭にある針で攻撃を試みた。

 

「焼却!」

 

ジェノスは両腕を左右に広げ手の平から炎の渦を放出し、二人はヒラリとジェノスの攻撃を躱し、モスキート娘はジェノスの左腕をモスキート夫はジェノスの右脚めがけて突進し、それらの部品をとる事に成功した。

 

「ふふふ!やったわ!・・・なに!?」

「我々の脚が!無くなっているぞ!」

 

しかしモスキート娘とモスキート夫の下半身はジェノスの素早い攻撃により破壊され太股から上の身体のみしか存在しなかったのだ。

 

「「きっさまぁー!!」」

 

モスキート娘とモスキート夫は身体をフルフルと震わせるほど激怒し、憎きサイボーグに大量の蚊を呼び寄せようと身の回りにいる蚊を集合させていた。その蚊が多すぎて黒いモヤのような雲が出来上がるほどの大量の蚊を呼び寄せていた。

その間、遠くから何やらキャッキャッと子供のようなはしゃぎ声が聞こえたのでジェノスはその声の方向へと鋭い視線を向けた。

 

そこには無地の白いTシャツと黒の短パンを履いたハゲた青年がドタバタと走り、その青年の肩に両手で掴まりフンワリと身体を浮かばせてピンク色のフリルがついたワンピースを着た幼い少女らしき人物達が現れていた。どうやら彼らはサイタマの血を吸った蚊を追いかけて怪人付近までやったきたが、ジェノスにとっては避難が遅れた人々でしかなかった。

 

「だー!さっきの蚊逃がしたじゃねえか!ユメ!自分で走れよ!」

「えー!?ヤダー!わたし空飛べないからこのままがいいのー!だからパパ飛べ!」

「俺飛べねーよ!てゆーかムリな事言うな!」

 

二人の会話を耳にしたジェノスは一般の親子連れなのかと彼らを心配し、速やかに避難しろと訴えかけるも彼らは怪人の騒ぎを耳にして急ぎ駆けつけたというのだ。

 

「ダメだ!お前達は邪魔だ!ひっこんでろ!」とジェノスは必死に訴えかけるも、サイタマとユメは空に浮かぶ黒いモヤのような雲が気になっており興味津々のようだった。

 

「うわぁ、なんか蠢いてる・・・きもぉ」

「うへぇ~、あれ一匹一匹倒すの面倒くさいね?パパ」

「だから俺がアイツらを倒す。だから避難しろ」

 

ジェノスの身体は左脚と右腕しか攻撃手段が存在しないのでサイタマとユメは任せろと自信満々な様子でジェノスに要求した。だけどジェノスのダメの一点張りという繰り返された会話はモスキート娘とモスキート夫による大量の蚊の一斉突撃命令により中断され、黒い塊となった蚊は三人に襲いかかったのだ。

 

「焼却!!」

 

ジェノスは思い切って右腕に装備してある大爆発を起こす武器を展開し、蚊を街付近を半径五百メートルごと燃やし尽くしたのだ。住民達はすでに避難しているか死亡しているのでその場付近には人が存在しないだろうがやりすぎだろう。

 

「半径五百メートルに生体反応なし、か。人が居なかったから思いきりやれる事が出来た・・・しまった!先ほどの親子連れが!」

 

ジェノスによる爆撃に巻き込まれたであろう親子連れの生体反応が感知されていなかったが、彼らは生きていた。少し時を遡ろう、ユメは爆発する前にサイタマが「娘可愛がりシリーズ!ものすごく高い高い!」と上空千メートルは超えるくらいユメを空に放り出して、ユメはキャッキャッと無邪気な笑みを浮かべ楽しんでいたのだが、サイタマは逃げ切れなかったので服がボロボロとなり全裸になったが傷一つついていなかった。

 

「オーライオーライ!」

 

全裸になったサイタマは上空から落ちていくユメをキャッチし、楽しかったもう一回と強請るユメに呆れ顔のサイタマの姿を見たジェノスは戦慄した。

 

「お、お前達は一体・・・」

「ん?見たまんま親子だけど?それよりもさっきのアレスゴいな?ユメ」

「うん!炎がぶぁってなってどっかーんってなって面白かった!アレが本当の蚊取り線香、なんちゃって!でへへ~」

「お?線香と閃光をかけたのか?上手いなユメ」

 

サイタマは身体に抱きつくユメの頭を優しく撫でて、ユメは気持ちよさそうに目をトロンとさせ笑みを堪えきれないのか擽ったそうに笑い声をもらしていく。そんな姿を呆然と立ち尽くしたジェノスは無言のまま驚きを隠せない表情を浮かべるしかなかった。

しかし、そんなヒマはなかった。モスキート娘とモスキート夫は全身を真っ赤にさせ、協力な力を手にした。蚊により血を貰った彼らは敵無しの状態となり、拳を一振りする事でその辺の建物は簡単に壊れる状態となっていた。そしてモスキート娘とモスキート夫は猛スピードでジェノスへと突進し、殴る刺すと交互に息が合ったコンビネーションでジェノスの部品を少しずつ少しずつ削り取っていく。

 

「あははっ!次は頭を削りましょう!あなた!」

「うむ、恨みを晴らさないとな」

 

ジェノスはボロボロとなり戦う手段をほぼ無くしてしまった。唯一攻撃手段はあるが、それをやってしまうとジェノスの命が無くなってしまう。だけどやらねばならなかったのだ自爆という捨て身の攻撃でだ。

 

(すみません博士、オレはここまでのようです)

 

ジェノスの腹部に光が灯っていた。それは自爆の合図であり、全てを無くす覚悟のモノであった。しかし、その覚悟はジェノスにとって奇妙な親子連れにより失う事となったのだ。

 

パンッという音と共にサイタマの手の平がモスキート娘の顔に一撃叩き建物の壁に叩きつけられ、ドンッという音と共にユメの両手の手の平による攻撃でモスキート夫の腹部に二撃叩き地面に潰されながら二匹の怪人は木っ端みじんとなっていた。 

 

「蚊、うぜぇ」とサイタマが呑気に語り

「パパの血を吸ったらどうなるんだろう?」とユメは呑気な事を言っている姿はまるで何事も無かった様子だ。

 

「ーーーな!!?」

 

ただの親子連れなはずの一般人がやった光景を目の辺りにしたジェノスは驚いた表情を浮かべていた。彼らの名前を聞かずにはいられなかったのだ。

 

「え?オレ?サイタマだけど。で、コイツはオレの娘のユメだ」

「よろしくね!おにーさんのお名前は?」

「ジェノスだ・・・それよりも弟子にしていただきたい!あなた達の弟子に!」

 

ジェノスはある理由で力を欲していた。だから強い二人の弟子になれば強くなれるだろう。自分が手こずった蚊の怪人をいともあっさり倒した彼らならばおのずと力がつくのだろう。ジェノスは自分の未来に一筋の希望が見え始め、彼らの後ろぐらい護れる強さを目標とし、彼らはジェノスを適当にあしらって自宅へと戻っていったのであった。




ユメはサイタマより強くありません。
更に言うとユメは弱点だらけであり、本気をだせればどんな敵でも二撃いれれば無効化もしくは破壊します。
ユメはまだ幼いのでいろいろと弱点を増やすと思いますので、ユメが最強ヒーローとなる日は多分ないかもです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。