ONE-PUNCH-MAN 一撃男と愛娘のユメ物語   作:叶夢望

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音速のソニックとユメが戦う回です。


七撃目 忍者と好奇心旺盛な二撃娘

音速のソニックは目の前に居る大興奮の小さい女の子ユメにたじろんでいた。ユメが先ほど戦いたいと言っていたが、まだ幼い少女に大人であるソニックが手を上げる訳がない。

そのユメは目の前にいるソニックに忍者だから何か術を見せろと永遠に要求しながら忍装束のズボンを掴みグイグイと引っ張っていくので苛立ちを覚えるソニックはサイタマをヘッドハンマーの一味の生き残りかと思いクナイをサイタマの目にめがけて誰の目にでも見えないほど素早く投げた。しかし、サイタマはそのクナイを普通に手で止めた。

 

「んだよ、目つき悪いなお前」

「・・・お前のボスはどうした?名は忘れたが、頭や身体がデカいハゲのヤツだ」

「あん?俺はその一味じゃねぇよ。それとデカいハゲは全裸で吹き飛ばされたぞ?ユメのせいで」

「でへへ~、褒められちゃった~」

 

ユメは大好きな父親に褒められて嬉しいのか無邪気に笑みを浮かべデレデレと照れていて、サイタマはユメの笑顔につられ笑みを浮かべてユメの頭をそっと撫でていた。その隙にソニックは刀をサイタマの目に向けて素早くて誰にでも見えないはずのスピードで投げ飛ばしたが、サイタマは普通に手で止めた。

 

「おいコラ!こっちには子供がいるんだぞ!さっきから危ないモン投げ飛ばすなよ!危ねーなオイ!」

「そうだよ!こんなかっこいいクナイとか刀とか盗っちゃうぞ!いいの!?次は手裏剣お願いね!忍者セットが欲しいから!その次は煙幕が出る玉でその次は術が書いてある巻物ね!」

「おいユメ!何注文してんだよ!」

 

ユメは目を輝かせ忍者の尊敬の眼差しをソニックに向けるがソニックはそんな事気にせずサイタマに本当にハンマーヘッド一味ではないかと再び問うがもちろんサイタマは首を横に振り否定の意を表していた。

 

「嘘つけ!スキンヘッドじゃないか!その頭はヤツの一味の象徴じゃないか!」

「そーだそーだ!忍者の言う通りだ!髪の毛一本くらい生やしてから物を言えー!」

 

ユメはいつの間にかソニックの傍に立ち、サイタマに向かい頬を膨らませ怒鳴っていたが、サイタマは怒ってユメをいつもの擽りのお仕置きし、ユメは無邪気な笑みを浮かべ笑い声を出していた。

 

「俺だよ俺!割と活躍してんだろ!?それにユメも連れ出しているから普通に目立つだろ!」

「お前なんか知らん、お前達は初めて見た」

「・・あ、そうすか」

 

サイタマは非常に落ち込んだ。娘の人気はフケガオやマルゴリの一件以来テレビやネットで知られ、桜色のバトルスーツを着た少女のヒーローがいるという噂が流れているが、その影に自分が着ている黄色のバトルスーツの男の情報が一切無い事に絶望していた。

 

「お前がデカいハゲの一味かどうかはどうでもいい。俺の二度も技を防いだ事が問題だ。俺の速度に追いつけるなんて許されない。だからお前を倒す」

 

ソニックは様々な特訓を身体を追い込み素早い速度を持った事が自慢であり、その速度を嘲笑うかのように見切ったサイタマが許せなかった。

 

「えー・・・面倒くせぇなぁ。ユメ、思いきりあの忍者と遊んでもらえ。多分そこそこ速いから追いかけっこ出来るぞ」

 

一方サイタマは正直ソニックと戦う気も興味も無かったので憧れの忍者と戦いたいのかソワソワとして落ち着かないユメに忍者との戦いを了承してあげた。

その忍者と戦えるとユメは「ホント!?パパ!よぉし!遊ぼー!忍者!」と無邪気な笑みを浮かべ鼻息を荒くし興奮して頬を赤くしつつソニックへと歩みよっていった。

 

「・・・ふん、幼気な少女がどうなってもいいのか?この悪党め」

「俺達はヒーローだ!趣味で、だけど!」

 

サイタマの怒鳴りを気にせず残像をいくつも残すほどスピードを用いてサイタマ付近を移動していくソニックは彼らの言葉を信じず、まずは悪党らしきサイタマへと攻撃しようとした・・はずだが。思わぬ体験をソニックはしてまった。

 

「待て待てー!あはははっ!捕まえたぁ!忍者捕まえた!パパー!忍者捕まえたよー!」

 

ソニックの腰に抱きつく無邪気な笑みを浮かべるユメにソニックは戦慄した。残像をいくつも作るほどのスピードに人の目が追いつける訳も無いし、触るという行為すらも不可能に近いはずだった。なのに幼い少女が難なくそれに追いつき更にはその標的を捉えるという行為をやってしまったのだからソニックはひっつくユメを何とか振り払い、更にスピードを上げソニックの移動速度は音速を超えて残像を増やすもユメはまたもソニックの腰にしがみつくように抱きついてきたのだ。

 

「忍者!変わり身の術は!?変わり身の術やってよぉー!丸太になるヤツ!ねぇねぇ!」

「空蝉の術なぞ必要無い!アレは見た目より面倒くさいんだぞ!わざわざ丸太を用意して敵の近くに置かないといけないんだぞ!それよりいい加減離れろ!この!」

 

術の注文するユメをよそにソニックは自身の身体を回転しながらユメを無理矢理離れさせようとするがユメはソニックがお気に入りとなりベッタリと身体をひっつかせていた。ユメの弱点の一つとして相手が悪党でもその人が面白くて気に入ってしまったらその者に懐いてしまうからどう抵抗しようともなかなか離れないのだ。

 

「ユメのヤツ、すんげーはしゃいでるなぁ・・あの忍者可哀想に・・・あのユメのはしゃぎようからして少なくても一時間はどんなに抵抗しようと離れないんだろうなぁ」

 

サイタマの呟き通りソニックは素早い速度でユメを振り解こうとするもユメはソニックの腰にベッタリと身体をひっつかせ全然離れなかった。そしてその一時間半後ようやくユメの抱きつきから解放されたソニックはゼェゼェと呼吸が困難になっているのか息を切らして全身から汗が噴き出して湯気が出るほど疲れ切っていたのだ。

 

「俺の名前は音速のソニック!用心棒からあらゆる任務を全うする忍者だ!俺は更に特訓し、お前達を倒すまで諦めない!だから名だけ教えて貰おうか!?」

 

ソニックは疲労により身体を震わせ意気揚々とした自己紹介をし、サイタマとユメも自己紹介をするもソニックは不敵な笑みを浮かべて自分の方が実力が上だと勝ち誇った顔をしていた。

 

「次会った時がお前達の最期だ!覚えておけよ!」

 

ソニックは音速を超えたスピードで彼らの前に消え去り、付近のアジトへと向かい走り去ったが、先ほどのユメとの戦闘で少しの距離しか走れない疲労が溜まっていたのだ。

 

「はぁっはぁっ、クソッ!あんのクソガキが!何が術を見せろだ!何が追いかけっこだ!ふざけやがって!」

 

ソニックは近くの大きな木に寄り添うように座り、一息をつくように深く深呼吸して怒りによる興奮を抑え、目を深く閉じて先ほどのユメとの戦闘を思い出すように脳裏でユメの防衛策を練っていた。

 

(・・・何かオモチャとなる武器でもヤツに見せびらかしてその隙に首にでも手刀の攻撃で気絶させるか?)

 

相手が子供だからこその策を講じるソニックは早速行動した。懐を探るが余計な物を持ってなくて近くにあった前々から作っておいた洞窟のアジトへと向かい道具の整理をしていた。ソニックはあらゆる事態を想定し全ての市のどこかに小さいアジトを作り武器や衣装などをそのアジトに詰め込んだのである。

今いるF市アジトには刀や手裏剣クナイなどの忍者が使う武器がズラリと並び、ソニックはそれらを視線に流しある小さい布で巻かれた玉を見つけた。

 

「・・・煙幕玉か?あまりにも煙いので封印した失敗作だな」

 

ソニックの強みは音速を超えるスピードを出す事であり、それを出すには呼吸が必要不可欠であった。しかし今ソニックが手に持っている煙幕玉の煙幕が範囲が広すぎてそこまで息が続かないのだ。続けてソニックは近くにあった木箱に手を伸ばし、巻物のような物を手にしてそれを眺めるように読んだ。

 

「・・・ふむ、カエルとかナメクジとかヘビの落書きだな。口寄せ用の巻物と嘘を言えばいいか」

 

いつ用意したか分からないかつ何の役にも立たない巻物も手にしたソニックは、更に木箱の中に手を突っ込み竹を手にした。

 

「水遁用の竹だな、池や川などに潜る時息が続くように竹で呼吸が出来るヤツだな。これも使わなくて全然役に立たなかったな・・・よし、この三つで大丈夫だろう」

 

ユメをおびき寄せる道具を懐に入れたソニックは顎に手を添えて考える動作をした。もしもこの三つの道具でユメをおびき寄せなかったらと思うとまた一時間ほどユメがひっつく恐れがあるのでソニックはある提案が浮かんだ。

 

「・・・火遁の術を一応覚えておくべきか?」

 

ユメは術に興味津々なので術を見せたら絶対に隙が出来るだろうからソニックは火遁の術を会得しようと火や油を使い火遁の術を会得しようとしていたのであった。

 

一方、Z市のサイタマ家に帰ってきたサイタマとユメはリビングに向かいジェノスに音速のソニックについて話していた。ジェノスが言うには音速のソニックという頭痛がするような名前に覚えがないようだった。

 

「ていうか何でお前がいんだよ?師弟関係じゃねぇだろ?ジェノス」

 

サイタマは呆れた表情を浮かべユメが注いでくれた温かいお茶を啜り、ジェノスの師匠になるのが嫌らしくジェノスと他人関係を言い渡すがユメだけは違っていた。

 

「え?じゃあわたしが師匠だったらいいんじゃないの?パパはジェノスくんの先生じゃないのなら関係無いよ?だからジェノスくんの事悪く言わないで」

「師匠!ありがとうございます!オレなんかの師匠になっていただき感謝いたします!」

ユメは頬を膨らませて怒っている表情を浮かべつつジェノスは正式にユメとの師弟関係を結ばれた事に敬意を表した。一方ジェノスと師弟関係を快く思っていないサイタマは怒ったユメを何とか慰めつつ、自分の重大な問題を抱えている事に不満を覚えていた。

 

「先生ほどの強さをもってしてもその問題は解決出来ないのですか!?」

 

ジェノスはサイタマに何とか自分の先生として認めてもらえるように力を使って協力しようと手伝いますというジェノスの発言はサイタマによって砕かれていた。

 

「オレは知名度が低すぎだ!!誰もオレの事知らねぇだろ!?子連れでヒーローやってんのに目立たないんだぞ!」

 

サイタマの説明にジェノスは確かにと相槌を打った。ハンマーヘッドとその仲間達はどうやら無免ライダーにより滅ぼされたとニュースが流れていてサイタマやユメの名が報じられていなかったのだ。

ジェノスはまさかとは思った。サイタマとユメはヒーロー名簿に登録して無いのか?と。そのジェノスの考えは正しくあり、サイタマとユメはヒーロー名簿に登録していないのでヒーローとして人々に記憶されないのだろう。

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