塩見周子の青春   作:ミノガ

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塩見周子の青春
1話 現在【1】


とてつもなく大きなドームには、無数のコンサートライトが光の群れを成して揺れていた。

 

ステージに立っているのは346プロのアイドル、塩見周子。

今日は彼女がシンデレラガールとなった記念ライブだ。

 

ライブは終わりが近く、会場の熱気は最高潮に達していた。

誰もかれもがこの記念すべき日を記念すべきものにしようとしているのがわかった。

 

彼女が歌いながら飛び上がるのと同時に演奏が終わる。

いよいよ次が最後の曲だ。

 

「最後にちょっとだけ。」

 

最後の曲が始まる前に彼女がマイクを握って話しはじめた。

 

「あたしは、たくさんの人たちのおかげでここまで来れたから。だから、ファンのみんなには感謝してる。次で最後だけどこれからもアイドルしゅーこをよろしくね!じゃあいくよ!!」

 

その言葉を聴いた観客たちは雄叫びをあげ、より一層の熱気と熱狂が会場に広がった。

そして、演奏が始まった。

 

 

 

ーーーー。。。ーーーー

 

 

 

ライブが終わった後のドームにはあれだけ満ちていた熱気も失せ、どこか寂しさを感じた。

 

俺は会場を出ると、そのまま家路に着いた。

駅へと向かうとちょうど電車がきていたが凄まじく混雑していたので次を待つことにした。

 

上着のポケットから携帯を取り出して電源を入れると、何件かラインがきていた。

ラインを開いて確認すると、一番上にあったのは彼女、塩見周子からだった。

 

『ライブ終わった〜!今日のあたしどーだった?』

 

送信された時間を見る限りライブが終わってすぐに送ってきたようだった。

そっけないかとも思ったが、とりあえず周子には最高だった、とだけ返しておいた。

 

次の電車がきたので俺はそれに乗るとバイブ設定にしていた携帯が震えた。

携帯を取り出してみると周子から返信がきていた。

 

『ありがと〜。でさ、明日のパーティー来れそう?』

 

明日のパーティとは周子の事務所でアイドルの友達やプロデューサー、事務員さんなどだけで内輪に祝賀会をやるらしく、なぜか346プロとは全く関係のない一大学生である俺が誘われた。

 

最初は場違い感がありすぎて気乗りせずに参加を渋っていたら彼女のプロデューサーから直々にお願いされ、仕方なく行くことにした。

 

周子にはいける、と返信しておいた。

ライブやテレビで彼女の顔は見ていたがお互いに面と向かって会うのは半年ぶりになる。

あれだけ参加を渋っていた祝賀会なのにどこか楽しみにしている自分がいた。

 

思えば周子とも長い付き合いになる。

彼女とは京都の高校に通ってた時からの仲だ。

出会ったあの頃は今もこうして連絡を取りあって、しかも仲良くしているなんて夢にも思わなかった。

 

俺たちの出会いは高校一年生の春。入学式の日のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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