20世紀。
皆さんはどうお過ごしであろうか。
目立った世界戦争は無く、日常をただ、退屈に暮らす方もいるかも知れない。
では、私はあえてそんな平和な世界から900年時を進めて話をしてみるとしよう。
29世紀。
といっても世紀という概念は既に失われており、こちらの世界もただ暮らすだけの世界である。
皆さんが知っている世界と違うのは常識である。
25世紀末、小国が大国に戦争を挑んだ。
大国はSFのお馴染みの核兵器を大量に投入して小国を焼き払った。
核兵器は山を削り、平野を沈め、海を干上がらせた。
その他の小国は大国に反発、投入された核兵器も増えていき、地球は荒れた。
大国は戦争に勝ち、世界の全てを手に入れた。
しかし、戦争で80億人の人間は30億人程に減ってしまっていた。
大国は世界の人口が戻るように様々な政策を実施した。
その政策は次々と成功していき、ついには人口が100億人を超えたのであった。
しかし、多すぎる故に食料が足りなくなった。
飢えに飢え、ある考えを持つ者が現れた。
大国は悪だ。
そう考えるものたちである。
その考えを持つ者は”異端者”と呼ばれ、蔑まれたが、人を取り込み、ついには星の半分を制圧する巨大な組織となった。
大国は軍を組織し、これを鎮めようとした。
しかし、異端者たちは勢力を伸ばし続け、大国と真正面から戦える存在へと変貌していった。
大国は軍を強化していき、ついには首都にも出撃志願の窓口を置くようにした。
人々は自衛から、腫れものを潰すために戦うようになった。
そんな世界である。
では、そんな世界の日常を見ていこう。
20世紀、エルサレムがあった場所には大国、『明日開放国』の首都が置かれていた。
都市名、リオデグラード。
都市呼べる範囲は中心のセントラルタワーより5キロの範囲。
それより先には貧困街があり、地下には巨大な食料生産施設がある。
地上はマンションと工場が並び、セントラルタワー近くは繁華街となっており、戦争
の嫌な気分を少しでも紛らわそうとする者たちが通う。
戦争で稼いだ金をこの繁華街で使う、それを政府が税として徴収する。その金を戦争に使い、奪った領地から搾り取って兵隊に給料として払う。
そんな仕組みの世界が29世紀である。
「本日の訓練終わり。解散。」
隊長が言うと、明日解放軍21番隊の隊員全員が着替え室に入り、兵服から私服へと着替えて繁華街に向かう。
そんな生活を繰り返す者の中に、この物語の主人公の男、セロ・リオット・アルガードもいた。
この物語はこの兵士の一生を見る物語でもある。
さあ、私がずっと書きたかった暗い世界です。
暗い世界を読んでいると自分の世界が明るく見えてきます。
では、皆さん、この私のお話、よろしくお願いいたします。