未来へのフリューゲル   作:マアア

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入院から無事退院できたので初投稿です。

追記
8月26日に微修正。
最初の方の文が初期案と混ざっており若干変な文章になっていたため訂正しました。


プロローグⅤ

 二課に泊まった次の日、検査を一通り終えた後に昨日の様に呼び出しが掛かった。だが、向かう先は了子さんの部屋ではなくガラス張りの窓から個室が見える一室。個室には四角い白だけの簡素な壁紙と、中央には椅子があり、それには四肢を拘束するための器具が取り付けられている。簡単に部屋の事を言い表すのであれば、尋問部屋等の言葉が近いだろう。そして、そんな部屋の椅子には一人の女の人、天羽奏が拘束された様子で座っていた。

 

『おい! 離しやがれッ! アタシに、アタシに力をよこせぇぇええええッ!』

 

「……アレって昨日からずっと?」

 

「う、うん、そうみたい」

 

 私の疑問に翼が身を竦ませ、後ろから抱き着くようにしながらそう答える。窓越しだしそう怯えなくてもいいと思うんだけどな。と、思わなくもないけれど、まあ別に問題はないしいいかとされるがままの状態で、同じ部屋に座っている了子さんへと視線を向ける。

 

「……さーて、準備は完了ね」

 

 部屋に置かれていた機器を弄りながらそう呟き、了子さんはマイクのスイッチを入れる。

 

「テステス、マイクテス。……よし、準備は完了したわ、弦十郎君」

 

「ああ、わかった」

 

 了子さんの言葉に答えて、その部屋に一人の男が入り、奏の正面に立つ。赤い髪を逆立て、後ろに流したその人はこの場にいる奏以外の誰もが知っている人だ。

 

『アンタは…?』

 

『俺は風鳴弦十郎。此処、特異災害対策機動部二課のトップを勤めている』

 

『ハッ! 漸くトップ様のお出ましかいッ! いいか、アタシの用件は変わらねぇ。アタシにノイズをぶっ潰せる力、絶対的な力を寄越せッ!』

 

 奏の言い分を聞きながら、セキュリティガードに資料を渡されて読んだ風鳴司令は何を思ったのか、膝を曲げて、奏の肩に手を置いた。

 

『天羽奏君、君の事故は災難だったろう。だがもういい、君は十分頑張った筈だ、後は俺達大人に任せてゆっくり―――』

 

『眠てぇこと言ってんじゃねえぞオッサンッ! アタシはノイズをこの手でぶちのめすためにここに来たッ! 仇を討つためにここに来てんだよ……いいから力を寄越せッ!』

 

 諭すような風鳴司令の言葉に対して、奏は苛立ちを顕にしてそう返す。ピクリ、と伸ばした腕を止めた風鳴司令は腕をおろす。そして、ジッと奏を見つめて問いかけた。

 

『君のその意思は、例え地獄に堕ちるとしてもか?』

 

『ああ構わねぇさ、ノイズさえぶち殺せるならアタシは喜んで地獄に堕ちるッ!』

 

『…そうか』

 

 それ以上は何も言わず、風鳴司令は奏をそっと抱き締めた。いきなりの事に惚けた表情を奏は見せるが、周りから見れば一目瞭然で、奏の意志が通ったことを示していた。

 

「…どうして?」

 

 その光景を私の腕に掴まって身を縮めながら見ていた翼が小さな声でそう漏らした。

 

「どうかした、翼?」

 

「どうして、あの人は彼処まで力を求められるのかな?」

 

「それ、は―――」

 

 その問いかけに言葉を返そうとして、しかし、浮かんだ言葉は口の中で上滑りした。答えは浮かぶ筈なのに、言葉は渇いて出てこない。それ所か思考が動くのを拒絶して、何故なのか気がつけばわからなくなっていた。

 

―――私にそんな言葉を言える資格はないだろう。

 

「―――私には、わからないよ」

 

 そんな胸中に溢れた言葉を理解できずに俯きながら吐いた言葉は何故か冷たい言葉で―――。

 

 

 

 

 

「――く、みくー? 未来ってばッ!」

 

 呼ばれる声にはっとなり、前へと顔を向けると、右斜め前、見えやすい位置に心配だという表情の明るい跳ねた茶髪と花のような髪止めが特徴的な彼女、響がいた。何故響がと疑問が浮かぶ。

 そして、すぐにああそうだと思い出す。検査を再度しても変化なしで様子見、だから自由になって今は響と遊ぶ約束を果たしている最中だった。

 

「―――あ、ごめん。何?」

 

「もう、ボーッとしちゃダメだよッ! せっかく一緒に遊ぶことを考えてたのに」

 

「うん、ごめんね」

 

 謝りながら周りを見渡す。今いる場所は学校と家の間にある公園。遊ぶ内容を考えるって言っていた響は何時も通り公園で会うとその事を忘れていたから、何をするのか考えていた所。そこまで思い出して、じゃあと尋ねる。

 

「で、何で遊ぶの?」

 

「せっかくの外で集まったし、お日様も元気。外遊びといきたいところだけどー…何しよっか?」

 

 困ったように眉根を潜める響は普通なら浮かぶだろう一般的な運動という選択肢を口にしない。理由は、私にとっては普通のことなのだけれど、周りから見ると私の身体能力はぶっちぎりの反則級だかららしい。       

 らしい―――というのは言われてもそうはあまり思えないから。確かに体育の授業では楽に50m走で5秒を切る程度の速度は出して一位を取れるし、野球やサッカーとかの球技等でも打率八割だったり、ハットトリックを決めたりと毎回活躍を残せるくらいの能力がある。だけれども近くに憲法に抵触しかねないと噂される人もいるし、忍者もいると考えると私程度がそんなに凄いと思えない。つまり、皆本気出せばもっとすごいことが出来るはずなのだ。そう思い、響を運動に誘うけれど反応は芳しくなかった。

 

「――――よし、決めた! 困っている人を探して助けにいこうッ!」

 

 そうして悩んでいる内に、響はそう声を上げた。

 それって遊び? とか困っている人は探すものじゃなくない? とか色々思うことはあるけれど、今までも同じようなことになった時にこの結論は幾度かあった事、そして何よりも、

 

「私は響がそれでいいならそれでいいよ」

 

 私としては響と一緒にいるなら、大体それで満足してしまえるから、たいして気にならないからまあいいかと了承する。響はいよぅし! と元気よく腕をあげ、いつも通りに探しに行こうと声を上げると思いきや、私を見据えた。

 

「じゃあ未来、困ってる事を教えて?」

 

「……え?」

 

 予想外の発言に言葉を吐くのを忘れて響を見る。惚けながらも改めてみた響の顔はお見通しだと言わんばかりの自信満々に私を見ていた。

 

「どうして私が悩んでると思うの?」

 

「ずっと一緒にいるんだよ? 未来が悩んでることくらいわかるよ。絶対に誰にも言わないから教えて?」

 

「…………」

 

 出来ない。

 気付かれたことに対して驚きながらも、守秘義務があるから教えてはいけないと思考が冷静に釘を刺す。当たり前の話だけれど二課の事を部外者に教えるようなことはあってはならない。

 

「私は未来が困っている顔は見たくないもん! 困ってること、悩んでることがあるなら何でも話してよ!」

 

「―――っ」

 

―――けれど、嘘をつきたくないと思ってしまうのも確かだった。

 

 元々話すのが得意じゃない私が何でもないと上手く誤魔化すなんてできると思えないことと、真っすぐこちらへと顔を向けて聞かせてとせがむ響に嘘を吐きたくない。ただそれだけの感情が、あってはならないことに押しとどめようとする理性と争い、短い葛藤の末にそうだ、と思い出した言葉を口にする。

 

「実は、私が毎週通っている病院で―――」

 

 吐いた言葉は、大分暈した本当の話。大まかな話としては、私のいる病院に来た子が、暴れる理由がわからないといった内容。大事な事は伝えないで伝えたそれだけの単純な内容は以前了子さんが何かの拍子に気付かれかけた時に、こんな感じに話しちゃいなさいと言われた通りに弄ったもの。本当のことだけれど、真実は暈した言葉で話さないという手法だった。

 

「んっと、それってつまりさ」

 

やがて、話を聞き終えた響は首をかしげながらそう言葉を述べた。

 

「病院に来た子の事が気になるってことだよね?」

 

「それは……そうなのかな?」

 

「そうだよ! だって、気にしてなかったらどうして怪我してるのに暴れられるんだろうとか思わないよ?」

 

―――そうなのだろうか?

 

 あくまで内容は暈しただけで事実は事実。ならば何故の答えはそうなのかもしれないと自分に問いかけてもやはり答えは返ってこない。ただずれてるような気はしたけれど、間違っていないとも思えた。

 

「じゃあ、私はどうしたらいいのかな?」

 

「ふっふーん! そんなの簡単だよッ!」

 

 尋ねた質問に、そんなの簡単だと言いながら響は腕を伸ばし、私の手を掴んで目の前まで持ち上げた。

 

「友達になって聞けばいいんだよ!」

 

 自信満々に、どうだと言わんばかりに響は笑みを浮かべながらそう言いきる。しかし、私は首を傾げることを止められなかった。

 

「……友達に?」

 

「うん、友達」

 

「……私が?」

 

「未来が」

 

 他に誰がいるのさと響は言うけれど、それはどうなのだろうか? そもそも話せるとは思えないし、何よりも。

 

「私が自分から友達を作れると思う?」

 

 自慢にならないことで、響も知っていることだけれど私は友達が少ない。少なくとも校内では響と先生位としかまず話さない。というより話し掛けてくる人がいなかった。  

 元々転校生で浮いていたのに転校当時は今より協調性がなく、しかも左目に眼帯を付けている。そんな人に対して絡む子は少ない。例外は響とあと数人ぐらいだったけれど、結局友と呼べるような人は響位しかいない。それに二課では翼以外大人しかいない関係上やはり友達と呼べるのは翼位で、つまり私は友達を二人しか作ったことがないのだ。

 

「へーき、へっちゃらッ! 友達になるのなんて未来が思っているよりずっともっときっと簡単なんだよ!」

 

 なのに、自信満々に響は私の手を握りながらはっきりとそう言いきる。ゼロ距離と言っても間違いではないくらいまで顔を近づけてきて、私の右目には迫る響の顔が映る。

 

「嫌がられても諦めないよ。どんな時でも未来は一人じゃない。例え何があっても繋いだ手は離さないから、だから友達になろう?」

 

「あ―――それって、あの時の」

 

 紡がれた言葉は忘れはしない、出来る筈もない言葉だった。そう、私が響と友達になったと、そう信じているあの日の絆を結んだ強い想いの篭った言葉。

 

「私があの日、未来に送った言葉だよ」

 

 ね? と響は笑う。気付けば私の口角もつり上がって、笑みが零れた。

 

「―――そうだね。友達になるのは無理でも、人と話すのは案外思った以上に簡単かもしれない」

 

「うん誰かと手を繋ぐのは難しいことじゃないよ! ……じゃ、改めて困っている人を探しにいこうッ!」

 

 手を繋いだまま歩き始める響の背を追いかける私の心境はきっと穏やかで、なんでも出来る気がしていた。

 

「響」

 

「なぁに、未来?」

 

「ありがと」

 

「えへへ……どーいたしまして!」

 

 

 

 

 

―――……

 

 

 

 

 

「奏君と話しがしたい……だと?」

 

 響と遊んでから三日後、定期検診の為に二課に来て軽い検査を終えた後に司令室に向かった私は風鳴司令にその意思を伝えた。

 

「それは構わないが……その、未来君は大丈夫か?」

 

 意外だと言いたげな色を見せながら風鳴司令はそう聞いてきた。しかし、何が大丈夫でないのかわからず、おうむ返しに聞き返す。

 

「奏君と始めてあった時に色々揉め事があっただろう?」

 

「心配要りません、興味があるので少し話してみたいだけです」

 

「そうか……」

 

 珍しく、風鳴司令の歯切れが悪い。いつもはもっとサバサバとあっさりと物事を決めたりするような人で、こういう姿を見るのは新鮮であると共に何か困らせるようなことだったのだろうかと不安が出る。

 

「……そうだな、了子君に伝えるから少し待ってくれ」

 

 しかしその理由がわからないままに風鳴司令は機器を操作し内線を繋ぐ。

 

『はいはーい。どうしたの弦十郎君? 何かあった?』

 

「ああ、実は未来君がな……」

 

 風鳴司令が話し始めてから暫く、許可が出たと言われ、場所を聞いた所で一礼して感謝を伝えてから奏がいる場所、トレーニングルームへと向かおうとする。

 

「未来君」

 

「はい?」

 

「……いや、なんでもない」

 

「……? 失礼しました」

 

 結局理由がわからないまままあいいかと歩き始め、5分も掛からない時間でたどり着いたトレーニングルームへ扉を開けて入ると、瞬間熱気に包まれる。

 

「っぉおおおおッ!」

 

 叫ぶ声が響く。その声を上げている主、奏が非常に早い速度でトレッドミル、ランニングマシーン上を全力疾走していた。かなり早い速度であり、話し掛けようと思ったけれど邪魔すると危ないかもしれないと思い、そのまま眺め続け―――ふと、目があった。

 

「おまっえあ―――ッ!?」

 

「―――っ危ないッ!」

 

 気不味そうな顔になりながら驚くような声をあげると共にバランスを崩す奏の姿に、声を上げた瞬間に起きることが想像できたために腕を伸ばしながら駆け寄り転びきる直前で何とか左腕で奏の右腕を掴む。しかし長い間走っていたからか予想以上に汗で濡れており、このままだと滑って離してしまいそうだと不安になり、背中の下に足を差し込みながら背中へ右腕を回し、何とか転ぶのを止めた。

 

「―――大丈夫?」

 

「あ、ああ……」

 

 軽く目を閉じながらほっと息を吐いて、改めて開いた時にこのポーズになんらかの既視感を感じた。そしてすぐに該当するものが思い浮かぶ。バレエのフィニッシュポーズだ。女性の上半身が床と平行になって男性が顔を近づけた状態で支えているやつ。

 しかし、それを思い浮かべてすぐさま苦笑せざるを得なくなる。身長130㎝強の私が男役で身長160を超えていそうな奏が女役なんてあべこべだと。

 

「わ、笑うなよ……」

 

「あ、ゴメン」

 

 違う笑いに思われてしまったのだろう。不機嫌な表情になった奏に謝りながら支えるために強く握っていた手を緩める。ばっと飛び跳ねる様に奏は退いて、視線を合わさずに逸らした。

 

「……」

 

「……」

 

「……なんの用だよ」

 

 沈黙に耐えかねたのか奏が顔を背けたままそう問いかけてきた。そういえば用事があって此処に来たんだと思い出し、近くにある椅子に座ってから口を開く。

 

「話をしに来たの」

 

「あー……その、なんだ……悪い」

 

 いきなりなんだろうか?

歯切れの悪そうな様子だった奏は何故か突然掌を合わせ謝ってくる。理由がわからず、首を傾げることしか出来ないままその様子を暫く見続ける。そうしていると、相手もアレ? と首を傾げて、恐る恐るといった様子で手を降ろした。

 

「アンタあの時、アタシが此処に来た時に人質に取ったガキだよな?」

 

「そうだけど……て、ああ」

 

 あの時の事を謝っているのか。遅まきながらにそれを理解して、別に気にしなくていいと返す。しかし、奏は納得していない様子で、そんな訳ないだろと言った。

 

「初対面で首絞めて殺しかけてんだぞ? 気にしないわけねーだろ。特にあの風鳴のお姫様なんかビクビクしてるくせに突っ込んできたんだぞ?」

 

「風鳴のお姫様って……翼の事?」

 

「気にすんのそこかよ! ズレてんな、ガキ!」

 

 ズレていると言われても私としては本当に気にしていなくて、謝られても正直に言って困惑する気持ちの方が強い。なによりあの後に判明したニーベルングが起動していたという事実の方が重要で印象に強く残っているだけだ。と、いっても納得しそうにない。

 どうするべきかと少し悩んで、とりあえず聞きたかったことをさっさと聞いてしまおうと結論付けた。

 

「とにかく、奏……さん? とりあえず貴女に話があってきたの」

 

「……さんはいらねえ。で、なんだ?」

 

「貴女はどうして戦おうとするの?」

 

 ポカンとした表情。今までの歯切れの悪そうな表情とはまるで違い、少しだけ新鮮だという思いと、そんな表情をさせるような何かを言っただろうかと不安になる。

 

「んなことを聞くためだけに来たのか?」

 

 頷けば、変な奴と小さく呟かれる。そんなにおかしい事だろうかと思ったが、教えてやるよと言われて耳を傾け―――聞かなければよかったと後悔する。

 

「アタシが戦う理由は復讐だ。大好きだった家族を、両親と妹を殺したノイズにこれ以上わが物顔でのさばらせるのが我慢ならねえ、アイツらを倒すために此処に来た。力と技を求めてな。単純だろ」

 

「―――――」

 

 単純だった。分かりやすかった。明快だった。犬歯を剥き出しにして吐き出される言葉には風が唸り、地が裂けると錯覚する程の純粋な殺意とそれと同等に愛する家族を失った苦しみが理解できる。そして私はわかっていて、気付かないふりをしていたのだと理解する。

 

―――故に酷く心が軋む音が聞こえた。

 

「―――いいご家族だったの?」

 

「言いも悪いもあるかよッ! アタシにとっての唯一は、変えようのない大切な人達が殺されたんだッ! 復讐して何が悪いッ!」

 

 感情を高ぶらせるままに吠える様に言う言葉には失ったが故の重みがあった。曇りなき怒りがあった。凝縮された憤怒があった。

 

―――それが何処までも私の呼吸を狂わせた。

 

「ひょっとしてあれか? お前も風鳴のお姫様みたいに復讐なんて理由で防人の剣を取るなどと否定するクチか? 生憎だがアタシは―――」

 

「―――いや、否定しないよ」

 

 あん? と言葉を遮って言った私の発言に訝しむように奏は初めてこちらを真っすぐ見据える。否定する気はない。出来るはずもない。寧ろ応援したいとさえ思う。

 

「奏のような人こそ、ギアを持って戦うべきだ」

 

―――私のような人殺しこそ、こんな力を持つべきじゃなかった。

 

 どうして風鳴司令が複雑な表情をしていたのか今なら理解できる気がした。この話を聞かない方がいいと思っていたのだろう。しかしいずれは知る話で、今日知った所で違いはない話だからこそ無理にでも止めなかったのだろう。

 しかしもう聞いてしまった言葉は覆らない。視界が明滅して、明るい場所から遠ざかっていくような、暗闇に自分から落ちていくような後悔と、罰と罪(・・・)の記憶が自然と脳内をめぐる。苛むそれを受け入れ、歯を食いしばる様に口内を噛んだ。

 

―――この残酷は受け入れるべきものだ。

 

 その想いから、わかる奴だったかと獰猛に笑う奏を私は声に出して応援することにした。




未来さんの過去話辺りは次回辺りに漸く見えてくるかと。
もう少々お待ちください。

……ビッキーの出番すくねぇな。
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