「それは私のおいなりさんだ」

本来人類は潜在能力のおよそ30%しか発揮されていないと云われている。
しかし学園都市に住まう上条当麻は頭部顔面にパンティを被ることによって100%引き出すことができるのだ!
何時しか人々は彼をこう呼ぶようになった。


『変態仮面』――――と…

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何気ない日常を送っていた学園都市の学生である上条当麻。
彼はひょんなことから白い修道服を着た少女――インデックスと知り合いになり、一緒に住まうことになった。
しかし、それを快く思わない者達が現れ、インデックスは彼らの襲撃に遭い…
血塗れになって倒れてしまった。


変態仮面 vs 不良神父

 

 

学校が終わり家に帰宅した上条当麻( かみじょう とうま )が玄関の前で真っ先に見たものは…

白い修道服を真っ赤な血で汚して倒れた少女――――インデックスの姿であった。

 

 

「インデックス!!!?」

 

 

一直線に彼女の下に駆け付け安否を確認、弱々しくも生命の息づかいを感じ取り、安堵を漏らす。

だが危険な状態に変わりはない……すぐさま彼女を助けるべく行動を起こすが――――

 

 

「ステイル=マグヌスぅぅぅ…!!!!」

 

 

そこへ元凶とおぼしき人物が現れ、底冷えするような声で上条当麻はその名を呼ぶ。

名を呼ばれたステイル=マグヌスもまた上条当麻を射殺すような視線で睨み付けて返す。

 

 

かくして死闘が始まった。

 

 

ステイルが魔術で生み出した炎を上条の右手に備わっている異能を打ち消す異能――幻想殺し( イマジンブレイカー )で打ち消し、突進してくる上条をステイルは炎の剣で牽制し距離を稼ぐ。

 

 

幾度の攻防の末、上条相手に生半可な攻撃は通用しないと判断したステイルは己の切り札――魔女狩りの王( イノケンティウス )を発動、炎の巨神を顕現させ、上条当麻を標的にしてけしかけた。

 

 

無論、上条当麻は己の能力でイノケンティウスを消しさろうと試みたが…

消した側から無限に再生する炎の巨神相手には一度撤退せざるを得なかった。

 

 

炎が生み出す熱のせいで大量の汗をかき、額の汗を拭うためにズボンのポケットにあったピンク色の布で()()を拭く。

 

 

その時になって上条当麻は気づいた。

 

 

「フォッ!!!?」

 

 

上条当麻が手にしていた物は女性用の下着だったのだ。

不本意ながらも女性用下着が顔面に張り付き、その場で苦しそうに蹲る。

 

 

余談だが、本来人類は潜在能力のおよそ30%しか発揮できないとされている。

しかし、とある一族は頭部顔面にパンティを装着することによって、潜在能力を100%発揮させるが可能になり……変態仮面となるのだ!!

 

 

フォオオオオオオオオオオ――――――――――ッッッ!!

 

 

上条当麻の口から狼のような遠吠えが発せられて…

 

 

「クロス・アウツッッッ!!!!( 脱衣 )」

 

 

着ていた衣服を()()で脱ぎ捨て、脱ぎ捨てられた衣服が夜空に舞う。

 

 

 

 

上条当麻が去ってから幾分経った。

ステイルはインデックスを回収――抱えるために体を屈めると、白い布切れが視界の片隅に入った。

インデックスの帽子か? …と手を伸ばす。

 

 

「何だ? この妙に柔らかく生温かい感触のモノは?」

 

 

それは片手ほどの白い塊であり、ステイルの記憶にはないモノだった。

しかし何かが引っ掛かる。その正体を突き詰めるべく何度も軽く握って感触を確かめる。

悩むステイルに聞き覚えのある声の主が解答を教えた。

 

 

「それは私のおいなりさんだ」――と。

 

 

ステイルが触れていたモノは男性の股間だった。

 

 

「いやぁぁぁぁ―――――っ!!!!」

 

 

女性のような悲鳴を上げつつ、触れていた手を瞬時に引っ込めさせてぷらぷらさせる。

 

 

「その声、上条当麻だな!? 何だその変態的な格好は!?」

 

 

今の上条当麻の格好はブリーフのみ着用し、顔面にパンティを被っている。

ステイルどころか第三者に変態と言われても仕方のない格好をしている。

 

 

「確かに私は上条当麻だが、今の私は上条当麻であり同時に『変態仮面』でもある」

 

 

逆光を背に佇む上条当麻――もとい変態仮面。

その体つきは鍛えられているのか、筋肉質でよく引き締まっていた。

とてもじゃないが普通の高校生には見えない。

 

 

そこへイノケンティウスの炎を纏った腕が振るわれる。

背後からの強襲にも関わらず変態仮面は身を屈めて避け…

さらに床を蹴り、壁を蹴り、天井を蹴り、残像を残しながら縦横無尽に駆け巡る。

 

 

先ほどとは全く違う動きにステイルは舌打ちをする。

 

 

…がそれだけだ。

 

 

上条当麻にイノケンティウスを破壊する術も方法もない。

イノケンティウスに足止めさせてる間にインデックスを回収することにした。

 

 

しかし上条当麻がブリーフに手を突っ込み、中から鞭を取り出すと状況が一変する。

イノケンティウスの攻撃をかいくぐりながら手にした鞭で床や壁、天井に貼ってあるカードをズタズタに裂き始めたからだ。

ステイルの見ている前でみるみる間に着実に確実に減らしていく。

 

 

「ちぃっ!」

 

 

ルーンがなくなればイノケンティウスは弱体化し、場合によっては形を維持できなくなる。

失ったカードを補充すべく懐に手を滑り込ませ…

その腕にロープが巻き付き阻止され、さらに生き物のようにうねって動いて全身を駆け巡り、気がつけばステイルは全身をロープで縛られていた。

 

 

妙にSMチックな縛られ方で捕縛され、床に転がされるステイル。

火や熱を感知したのか天井に設置されているスプリンクラーから水がばら蒔かれる。

 

 

しかしステイルは動じない。

 

 

何故ならイノケンティウスがこの程度の水量で消えることはないからだ。

だが消えないハズのイノケンティウスが形を崩し、やがて消滅した。

 

 

「水で消えなくとも、カードに書かれたインクは消えたようだな…」

 

 

言われて初めて気がつく。

カードに耐水性を施していないことを…

 

 

徐々に近づいていく上条当麻――変態仮面。

その場から逃れようともがくが、いつの間にかに背後が蜘蛛の巣状にロープが張り巡らされて身動きが取れない。

 

 

一定の距離まで近づくと上条当麻は体を後ろに反らしてブリッジ体勢を取り…

股間をステイルに向けながら両手両足を前後にゆっくりと動かし始めた。

 

 

その姿はさながら一匹の巨大な蜘蛛。

 

 

「イノケンティウス! 

イノケンティウス! 

イノケンティウスぅぅぅぅぅ――――――――っ!!!!」

 

 

無駄だと知りつつも迫り来る変態仮面に叫ばずには得られない。

 

 

しかし無情にもステイルの顔面に変態仮面の股間が接触、ほのかな感触を肌に感じながらステイルは白目を剥いて気絶した。

 

 

気を失った状態にも関わらず、その両目から涙が止めることなく流れていたという。

 

 

こうして上条当麻はステイル=マグヌスを無効化したのであった。

 

 

 

 

尚、余談だがブリーフ姿のままインデックスを背負ったところを無関係な第三者に目撃されて、警備員( アンチスキル )に通報されたことをここに記載する。

 

 

 

  




(´・ω・)にゃもし。

勢いで書いたが、後悔はない。


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