笑顔は太陽のごとく…《艦娘療養編 完結済》 作:バスクランサー
そして戦闘回です。
あまり得意ではありませんが…気合い、入れて、頑張りました。
そして筆者の折りたたみ傘壊れるという件…
「あの戦闘機は…!?」
加賀たちは見た事のない機体に、一瞬目を奪われる。
放たれた二本の矢は、それぞれ2機ずつの機影に変わった。シャープなものと、もう一つは丸いような形のもの。どちらも零戦タイプとはまるで違うフォルム。銀色の機体には赤いライン、尾翼には矢羽根にあったのと同じ、エンブレムにMATの字。
「ほお…マットアロー1号、2号か。」
「マットアロー…?聞いたことがありません」
「ふふ、だろうな…。おっと、団体様のお着きだ」
双眼鏡で覗いた視界の遠くに、米粒くらいの大きさの敵機動部隊が見える。恐らく先発隊だろう。
「ここでの迎撃は明石がやってくれる。加賀、瑞鶴、翔鶴は3人で出撃、ヌ級とレ級を叩け!」
「…わかりました!…しかし提督、私の飛ばしたあの戦闘機は…?」
「いいからいいから、話は後でする!今はそんな場合じゃないんだろ?」
「…ふふ、そうでしたね。行くわよ、翔鶴、瑞鶴」
「了解です!」
「いきます!」
飛び立ったマットアローを追うように、艤装を展開した3人が海に出る。俺も作戦司令室へと向かった。
「提督、敵先発機動部隊を間近で確認、数はおおよそ20機と見られます」
加賀からの連絡。どうやら相手も、鎮守府襲撃隊と対迎撃部隊用の編隊は異なっているようだ。
「わかった、ありがとう。
大淀、工廠へ繋いでくれ。明石に連絡する。」
「もう繋いでますよ」
「さすがといったとこだな。作戦司令室より工廠へ」
「こちら工廠、明石です。」
「加賀たちから敵機動部隊の情報。数は約20だ。」
「了解です!…フフフ、余裕すぎますね」
「…まぁ油断せず、頑張ってくれ」
「はい!…へへへ…」
…なんか明石キャラ崩壊してないか?
「提督、明石さんなら20機分の先発隊、というかその後の本隊のお掃除なんて一分で終わります。」
「大淀…そりゃどういう?」
「前の鎮守府で、明石さんは休日の度に近くのゲームセンター行っては、シューティングゲームで記録更新しまくって、景品を荒稼ぎしてたんですよ。…ここだけの話ですが」
「なるほど…」
これは実戦だが、確かにシルバーシャークGは、シューティングゲームのようにカーソルを敵機に合わせてトリガーを押すというシステムだからな…
「提督、こちら明石、敵機動部隊を射程距離に補足、攻撃開始許可を求めます」
「よし、攻撃開始!」
「了解!」
明石はロックオンカーソルを敵に合わせ、トリガーを引く。するとそれにシンクロし、鎮守府のシルバーシャークGから赤いビーム光線が発射される。被弾した敵艦載機は、炎上墜落どころか当たったその瞬間に爆散した。明石は一撃で多数の敵機を落とせる所を素早く、正確に射抜いていく。
「…フフフ、私の弾幕から、逃げられると思わないでくださいね…!」
「明石さん、すごい…」
驚きのあまり呆然とした表情の夕張が、その様子を見つめていた。
「加賀さん、あそこ!」
洋上で鎮守府襲撃隊と思われる敵機動部隊を見送った少し後、瑞鶴が敵艦隊を発見した。
「提督、敵艦隊、見ゆ!翔鶴が言っていたように、ヌ級2隻、レ級1隻です!」
「よし、わかった。まずは制空権だ、飛ばしたマットアローを使え!そいつは空中戦にはかなり強いし、妖精さんたちも操縦はできるようになってる!」
「了解!マットアロー1号、2号、攻撃開始!」
1種2機ずつ、合計4機のマットアローが敵機動部隊に向かっていく。相手は軽く20機を超える数、のはずだったのだがーーー
数の差などお構い無しに、一瞬で敵機動部隊は崩壊した。
「マットアローとかいうあの戦闘機、すごい…」
瑞鶴は思わず声を漏らし、翔鶴もあっけに取られている。マットアローは次々とミサイルを主翼下部のポッドから連射し、敵を撃ち落としていった。敵機動部隊も機銃掃射で応戦するが、卓越したマットアローの運動性能の中では、まるで明後日の方向に撃っているかのようだった。
「すごいすごい!あの戦闘機すごい!
よし、私も!」
「そうね!」
弓を構える五航戦姉妹。加賀が司令を出す。
「今空中にいる敵機は、私に任せてください。二人はまずはヌ級を討って、制空権確保を確実にお願いします」
「OKです加賀さん!発艦します!」
瑞鶴が矢を1本放つと、その矢が2機の戦闘機となる。
「提督さん、この戦闘機は?」
俺は出撃する艦娘たちにつけている、小型カメラで確認する。
「あぁ、これはジェットビートル、科学特捜隊の戦闘機だ。」
「へぇー。…科学特捜隊?」
「今は気にすんな瑞鶴。とにかくヌ級を叩け!」
「はーい!」
ヌ級の飛ばす艦載機も、加賀のマットアローで次々と撃ち落とされる。今だと言わんばかりに、瑞鶴は2機のジェットビートルに急降下爆撃を命じた。
「発射!」
ジェットビートルの後部主翼から放たれたミサイルが、正確にヌ級の急所を貫く。炎上し、沈むヌ級。
「さすがね瑞鶴。私も!」
翔鶴が二本の矢を続けざまに放つ。すると1本は円盤状の翼を持った真紅の、もう1本は細長い銀色の戦闘機へと変わる。どちらも機体に太字で大きく、MACの三文字が書かれている。
「MACのマッキー2号と3号だな、安定飛行性能、ミサイル発射速度には定評のある機体だ。」
「わかりました提督、低空滑走をして正面から一気に狙います!」
翔鶴が操るマッキー2号、3号は海面ギリギリを飛行し始めた。機動性を活かして機銃弾をかわし、小型速射ミサイルを目にも止まらぬ速さで次々と放ち、一瞬でヌ級を撃沈させた。
「加賀さん!こちらヌ級2隻、撃沈確認!」
「こちらも制空権、とりました!」
3人が状況を確認する。そして目の前には、最後の強敵、航空戦艦レ級が残りの敵機動部隊とともに、恨めしそうにこちらを睨んでいた。
「オノレェ……!」
地獄の底から響くかのごとく不気味な声を発しつつ、レ級は艦載機を差し向け、自身も砲撃をしてきた。
「全員回避!」
加賀の一声で3人とも回避体制に入るが、さすが戦艦といったところか、砲弾の雨は執拗に襲ってくる。
3人も艦載機で反撃を仕掛けるが、レ級はかなり強い階級のもののようで、あまり効果がないようにも見えてしまう。
「加賀さん、あいつ、格が違うよ!」
「どうします!?」
「瑞鶴、翔鶴、落ち着いて。とにかくまず提督に状況を報告します。」
加賀は提督と連絡をとる。
洋上の加賀から、俺に通信が入った。恐らくレ級のことだろう。
「加賀より提督へ」
「加賀か、状況はこっちも確認してる。」
そして、一呼吸置いて、
「でも大丈夫だ、必ず勝てる」
「提督、何か勝算が?」
「ああ。加賀たち3人の胡禄に、『SUPER-GUTS』と書かれた矢が、赤、青、黄のバージョンで1本ずつ入っているはずだ。そいつを使え。」
「わかりました」
加賀は静かに了解し、瑞鶴、翔鶴に指示する。
「これね、加賀さん」
「では、発艦します!」
瑞鶴は赤い矢、加賀は青い矢、翔鶴は黄色い矢を飛ばす。空中でその矢は、それぞれの色と同じ色のラインが入った戦闘機へと変化した。
「なんかすごい、すごい近代的な形してる!」
3人が飛ばしたのは、赤いラインのガッツイーグルα、青いラインのガッツイーグルβ、黄色いラインのガッツイーグルγだった。
「まずはその状態で、邪魔な敵機を全て落とせ!」
提督の指示を受け、3人が操る戦闘機は敵陣へと切り込んでいく。
「攻撃、開始!」
すると3機の戦闘機から、次々と機体のラインと同色のレーザー砲が放たれ、マットアローなどと協力して敵機動部隊を殲滅させていく。レ級の砲撃も、その機動力で次々とかわされる。
俺は頃合いを見計らい、3人に連絡をとる。
「よし、敵機動部隊はマットアローやビートル、マッキーで何とかなる。あとは今の3機で、レ級にトドメを刺せ!」
「しかし提督、レ級は攻撃力だけでなく防御力も優れています、いったいどのように?」
「加賀、瑞鶴、翔鶴、よく聞いてくれ。
今飛ばした3機は、合体して1つの戦闘機『ガッツイーグル』となることができるようになってる。」
「合体…!?」
「ああ。そして合体すると、超強力ビーム砲の『トルネードサンダー』を撃てる。しかし、合体後は3人の連携が最高レベルで合わないと、かなり厳しい。」
「心配いりません、提督」
俺の心配を、加賀の静かな、しかし力強い声が断ち切った。
「私には、たくさんの仲間がいます。瑞鶴、翔鶴、赤城さん、提督…たくさんの、支えてくれたみなさんがいます。
私を支えてくれた仲間達と私が連携できないとでも、お思いですか?」
「ふふ、すまん加賀、愚問だったな!
ならばその仲間達と、前に進め!」
「了解です…!」
加賀は提督と通信を切り、瑞鶴、翔鶴にガッツイーグルの仕組みを伝える。
「2人とも、行きますよ!」
「はい!」
「はい!」
残存敵機動部隊をマットアローなどに任せ、加賀たちはレ級へと向かう。
「瑞鶴、まずはあなたの機体を私のと合体させます」
「はい、加賀さん!」
瑞鶴が操るガッツイーグルαが、加賀のガッツイーグルβの前部に、正確に合体した。この隙を狙わんとするレ級の砲撃も、マットアローなどがミサイルで相殺して届かせない。
「翔鶴、あなたのも」
「了解です…!」
翔鶴のガッツイーグルγが、先程合体した機体の下部から回り込むように変形して合体する。狂いもない。
「…ガッツイーグル、合体完了しました!」
「よし、そのまま上空へガッツイーグルを一気に急上昇させるんだ!」
「はい!」
レ級を抉るようにぎりぎりのところを飛行した直後、ガッツイーグルは垂直に急上昇していく。残存する敵機が後を追おうとするも、マットアローなどのミサイルで全て撃ち落とされ、敵機動部隊はこれで完全に崩壊した。レ級の砲撃も、ガッツイーグルの余りの上昇速度にはただただ空を切るばかりだ。
「よし今だ!タイミングは3人に任せる、機体向きを一気に変えてレ級を叩け!」
「了解!」
3人は心と声を1つにして叫んだ。ガッツイーグルは空中で急旋回し、機首の向きを上から下へと180度変える。そして、その先端がはるか真下のレ級をロックオンした。当のレ級は、いなくなった機体を探して闇雲に砲弾を撃ったりと、かなり混乱している。
ーーー今なら、叩ける!3人の心が揃った。
「提督ーーーいきます!」
「よし!トルネードサンダー、撃てえええ!」
「トルネードサンダー、発射ぁぁぁ!」
魂の叫び、そしてそれに共鳴して、ガッツイーグルの機体先端から、一筋の力強い光、トルネードサンダーが放たれたーーー
レ級はかすかなジェット音に気づき、上を見上げる。その目が最後に捉えたのは、3人の絆の結晶が現実に現れたかのごとく眩く輝く、トルネードサンダーの光だった。
ズドカーーーーーン!
トルネードサンダーがレ級の体を一気に貫く。盛大な爆発と火の粉をまいて、レ級は爆散し、沈んでいったのであったーーー。
ーーー十数分後、鎮守府港にて
加賀、瑞鶴、翔鶴が、マットアロー、ジェットビートル、マッキー、そしてガッツイーグルの航空編隊を引き連れて帰還した。加賀が状況を報告する。
「提督、艦隊が帰投しました。こちらの損害はなし、敵軽空母ヌ級、及び敵航空戦艦レ級は、全て撃沈させました。鎮守府の方は、大丈夫でしたか?」
「ああ。敵の基地襲撃隊も、明石がシルバーシャークGで全部撃破してくれた。」
ほっとする加賀。彼女の顔は、困難を乗り越えきった、すがすがしい勇者の顔そのものだった。
「みんなよく頑張った。特に加賀、お前は過去の自分に見事に打ち勝った。本当に尊敬の意を送るよ」
「ありがとうございます、提督。…やはり気分が高揚します。」
「よし、それじゃ祝勝として、なんか食うか!」
「おおー!」
その後、俺と加賀、瑞鶴と翔鶴、さらに合流した赤城で食堂で腹に入るだけの食事をした。やはり赤城、加賀はよく食べる。しかしその顔もまた幸せそうだ。そんな中、瑞鶴がふと聞いてきた。
「ねえ提督さん、私達が今回使ったあの戦闘機って、一体どういうものなの?」
「あーーー、そうだなー…よし、食事終わったら俺の部屋に来てくれ、そこで話そう。」
俺は彼女たちが食事を終えるのを待ち、そして自室へと案内した。彼女達は用意した座布団の上に座り、少しばかりはなしを待っているように思える。
「それじゃ、話そうかな。
これは俺の祖父のことなんだけどなーーー」
というわけでウルトラメカ大活躍でした!
明石さんも地味にいい仕事しておりました!
そろそろ筆者のアイデアが尽きかけてます。
これから投稿ペースゆっくりになると思います、ご了承ください…
ここまで読んでくれてありがとうございました!
次は閑話休題で提督さんのお祖父さんの話です!
↑ほぼほぼウルトラマン関係…
感想や評価お待ちしております!
それではまた次回!