笑顔は太陽のごとく…《艦娘療養編 完結済》   作:バスクランサー

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どうもです。

山歩きの腰痛も、結構引いてきました。

それでは本編どうぞー!


島風の章
運命の出会い!ゲンと島風


 銀河系を離れること三百万光年の彼方。

 光の国ことM78星雲から、今しも地球目指して、1人の男が出発したーーー

 

 ーーー超光速で宇宙を飛行し、やがて彼の視界は青と緑の地球を捉えた。大気圏へと突入し、そして地上ーーー目的のとある島へと照準を合わせ降下する。と、

「…!?」

 100km先のマッチ棒をも識別するほどの彼の目は、彼にとって、にわかに信じがたい事を捉えた。見覚えのある真紅の戦闘機が、その島の近くを飛行していたのだからーーー

 

 ーーー第35鎮守府

「おお、提督」

「あ、司令官さん!こんにちは!」

「長門、吹雪。掃除お疲れ様」

 玄関で、掃除をしている長門と吹雪に会う。数日前のあの1件以降、2人は打ち解け、時々こうして一緒に掃除をするようになっている。2人に挨拶をして、俺は響を連れて、玄関から外に出た。

「今頃、どうかな…」

「島風ちゃんのことかい?」

「ああ。あいつもかなり、ショッキングな過去を持つからな…」

 そう言いつつ、外から港に出て、海を見つめつつぼーっと待つことにした。伊豆諸島近くで今頃頑張っているだろう、島風のことを考えつつーーー

 

 ーーー今心の療養を試みているのは、島風型駆逐艦の島風。ここに来る前、かつて第40鎮守府に在籍していた艦娘だ。彼女が何故ここに配属されたかというとーーー

 第40鎮守府は、新種の深海棲艦の襲撃によって、ごく少数の生き残りを除き全滅してしまったからである。

 俺がまだ大本営にいた頃の話だ。当時の大本営も、これに大きな衝撃を受けていたのを覚えている。鎮守府の全滅はこれが初めてだったこと、さらにはこの時、鬼級や姫級を超えるボス、水鬼級が初めて確認されたからだ。第40鎮守府はその水鬼級の戦艦、すなわち戦艦水鬼に襲撃され、あっという間に全滅してしまったという。島風はその時の数少ない生き残りの1人であり、そして一番最後に発見された艦娘だった。ほかの艦娘たちが自力で脱出などするなか、島風は現場に駆けつけた大本営の救援艦隊によって発見されたのである。その時にはもう、鎮守府だったところは全て灰になっていた、つまりーーー島風は、そのさまを一番長く見てしまったのだ。それによって心を病み、何もできなかったと、罪悪感と自分を自責する感情に囚われ、一人ぼっちを極端に嫌がるようになってしまった。そして持ち前の自由奔放な性格も、本来のスピードも出せなくなってしまったのであった。

「さて、そろそろ島風が、鳳翔や天龍、龍田と戻ってくる頃かな…」

 

 ちなみに天龍と龍田は、最近この鎮守府に着任した艦娘だ。心の傷に葛藤しつつ、今度こそみんなを守るために強くなりたい、という島風の意思を尊重して、彼女の指導教官のような立場として、大本営時代に多少付き合いがあった2人を呼んだのだ。面倒見は二人ともよく、何かと他の仲間を気遣える優しい人達だ。また運動性能や火力といったその能力も、軽巡洋艦の中ではトップクラスを誇る。

「あ、見えたよ司令官。帰ってきた」

 響がふと言った。彼女の言う通り、島風、鳳翔、天龍、龍田の4人がこちらに帰還してきーーー

 

 ん?

 なんと彼女たちに、1人の男が支えられているではないか。服装は和装、例えるなら江戸時代の旅人というか僧侶、と言ったような感じだろうか。手には真っ直ぐな木製の杖、そして笠を携えている。

 やがて彼女たちと、その男が港につき、彼女たちは艤装を解除した。鳳翔は俺に報告に来て、男は天龍たちと話している。

「提督、島風ちゃんの指導から帰還しました。ごめんなさい、今日もこれといった収穫は…なかったです。」

 鳳翔はそう言った。

「そうか、ご苦労だった。何、謝ることは無いさ。焦らずゆっくり、回復が見られればいいんだよ」

 俺は鳳翔にそう言った。数日前から彼女と天龍、龍田による島風の指導をしているのだが、まだまだ島風は成長が見られない。心の傷はそれほど深いのだ。そして俺は、今最も気になっていることを鳳翔に聞いた。

「鳳翔、彼は?」

「ああ、あの方なんですがーーー」

 

 ーーー少し前 伊豆諸島近くにて

 島風の一番の持ち味であるスピードをまた復活させるため、鳳翔たちが考えたプランは、ミサイル発射速度に長けた、MACのマッキー2号と3号に演習弾を装備させ、鳳翔によってそれを発艦、放たれるミサイルを避けさせるというものだった。もちろんこれを受けるのは島風1人のため、単独恐怖症を克服する訓練にもなる。天龍と龍田は、そばで島風にアドバイスを出す。

「島風ちゃん、もう一回行きますよ!」

「いいか、よくミサイルを見て、全力のスピードで避けるんだぞ!」

「あなたがしゃっきりしないと、連装砲ちゃんもしゃっきりできないわよ〜」

「は、はい!天龍さん、龍田さん!」

 意気込む島風。しかし…

「うっ、ひゃっ!ああっ!」

 避けきれず、演習ミサイルを喰らってしまった。

「うう…」

「もう少しスピード出るはずだぞ、島風!」

「ほらほら、頑張って〜」

 励ます天龍と龍田。しかし、今日も予定の時間まで、成長が見られなかった。

「時間が来てしまったので、今日はもう鎮守府へ帰投しましょう。」

「…はい、鳳翔さん…ごめんなさい…天龍さんも、龍田さんも」

「まあ、お前も色々あるからな…そう気にすんな」

「私たちでよかったら、明日も特訓、付き合ってあげるからね〜」

「ありがとう、ございます」

 そうして、4人は帰ろうとした。しかし…

「…あら?」

 龍田は見た。今は無人島となっているはずの伊豆諸島南端、黒潮島。そこに、1人の男が座っていた。

「どーしてあんな所に人がいるんだ…!?」

「とにかく、あの人が深海棲艦に襲われたら大変ですし、みんなで保護しましょう。」

「はい!」

 鳳翔の判断により、4人は黒潮島へと上陸した。男が座っていたところには、小さな石碑があり、そこには数本の風車が、お供えかのように飾られていた。

「…ん、何か用か」

「こんにちは、何をなさっていられるのですか?」

 鳳翔が丁寧に聞く。すると男はこう答えた。

「この黒潮島はな、1970年代に双子怪獣によって沈められたんだ。…俺はその時、沈むこの島を、守れなかったんだ…それどころか、その時憎しみの心に囚われていた私は、ここの島民たちを余計に追い込んでしまった…私は彼らへの償いと平和への誓いのため、ここに時々来るのだよ」

「はぁ…」

 ポカンとする天龍たち。すると男は唐突に、

「君たちは、艦娘、だね?」

「え…!?は、はい。」

 いきなり言い当てられ戸惑う。

「さっき、そこの着物の方が、弓の艤装でマッキーを飛ばしていたからね」

「…!?」

 戦闘機の名前まで言い当てられ、戸惑いがピークになる鳳翔。しかし、用件は伝えなければならない。

「あなたも深海棲艦の脅威は、ご存知ですよね?」

「はは、俺は大丈夫ーーー」

「何を言っているのですか!?とにかく我々の鎮守府で保護します!」

「いや、俺は…あ、おいっ!」

 いうが早いが鳳翔が、男を持ち上げ、残りの3人が脇から支える。

「おい、待つんだ君たち、おい!」

 

「ーーーというわけでここに連れできたんです」

「…そうか。少し執務室で話を聞こうかな。響、天龍、龍田、ついてきてくれ。」

「お、おう」

 鳳翔はこれから食堂にてご飯の準備、島風はそれについていく。男と天龍、龍田は結構話が弾んでいるのかと思えば、先程の島風のことや、この鎮守府のことを話してくれていたという。まあ悪い人ではなさそうなので、許すことにはしたが。

「どうぞ、執務室です。」

「おお、失礼する」

「お茶をどうぞ」

「ふふ、悪いな嬢ちゃん」

 男を椅子に座らせ、早速色々話を聞くことにする。と言っても、ほとんどのことは先程の鳳翔の話や、天龍の質問で分かっているが。すると男が、やけに俺を見つめてくる。

「…な、何か?」

「…お前さん…いや、そんなはずは…」

「どうか、しました?」

「いや、昔世話になった人に似ているからな…〇〇という名前だったと記憶しているのだが…」

 その名前を聞き、俺は驚いた。その男が言った名前は、俺の祖父の名前だったのだ。

「…祖父を、ご存知なのですか…?」

「祖父…というと君は、孫か。ふふ、私はとあるチームにいた時、彼に世話になったからな…」

「…防衛チームに属した経験がおありで?」「ああ、私は以前、MACに在籍していたんだ。先程鳳翔とかいうあの娘が、飛ばしていた戦闘機・マッキーを見て私も少し、気になっていてね。」

 それを聞き、俺はさらに驚く。MACはかつて、敵に襲撃されて、アジア本部基地の宇宙ステーションが全滅した経緯があるからだ。

「…そうでしたか、MACの方でしたか。…そういえば失礼ですが、あなたの名前は?」

 すると、男はゆっくりと言った。

「おおとりゲン、という者だ。」




わかる人にはわかったと思いますが…というわけでこの章は本格的にウルトラマン要素でます。ご了承ください。m(*_ _)m

というわけで今回も読んでくれてありがとうございました!
これからも頑張ります!

評価などよければお願いします!
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