信ずる者は救われる?   作:藤種沟

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新しく連載はじめました!

どうぞ最後までお付き合いください!


とある奇怪なおっさん

最近ついてない。

 

十円拾った。

その後五百円落とした。

 

最近鉛筆の芯が良く折れる。

一日に何度も折れると心が折れる。

 

白いシャツを着てる時に限って昼ごはんが味噌煮込みうどんとかスパゲティとかカレーうどん。汚れるっちゅうの!!

 

まあ愚痴ばかり並べてもしょうがないけど………

 

申し遅れました。

僕は中学生の七志権平。

「ななしのごんべい」じゃないぞ!「ななしごんべい」だ!

(大して変わらない)

 

僕の最大の失敗は受験して男子校にきてしまったことだ。

 

当時はあまり気にしなかったけど想像してみてください。

右向いても左向いても上向いても下向いても野郎ばっか。

男がむさ苦しく集まっているだけ………

 

小学校の時の友達は地元の共学の中学に通っているのだが話聞いてると自分が悲しくなって………

 

「俺、今彼女いるんだぜ。」

 

いいよね、幸せで。

 

「リア充爆発しろ!」

 

そんなこと言ってるうちが花さ。

 

「俺、共学なのに彼女いない………」

 

チャンスあるだけ良いじゃん。

 

 

 

 

我が青春はどこへやら。

 

どれもこれもしょうもないことだけど、それがいっきにくると神経まいっちゃうよ。

 

 

 

 

そんな時、僕はバナナの皮で滑って転んで水筒落っことしてころころ転がっていくのを追い掛け、神社の前に来た。

 

これも何かの神縁。

参拝しとくか………

 

手水舎で手と口を清め、拝殿へ。

二礼二拍手一礼。

 

どうか神様。この日常なんとかしてください。

 

すると………

 

神様のおな〜り〜!

 

は?

 

神様のおな〜り〜?

 

くるの?神様が?

 

「ばあ!!」

 

「わっ!」

 

驚いた。おっさんがなんと賽銭箱から出てきた。

 

「私を呼んだかな?」

 

「………」

 

僕は唖然としていたがすぐに正気に戻り、

 

「呼んでません、誰も呼んでません、早くもとの場所に帰ってください。」

 

僕は首と手を横に振りながら答えた。

 

「賽銭箱に帰れってか?冗談は顔だけにしてよ。こんな小さい隙間から賽銭箱に入れると思う?」

 

入ってたくせに

 

「しかし賽銭箱のなかは良い。お金がたくさん手に入る。」

 

言ってること矛盾してるぞ

 

「私は神様だ。君を救う為に高天原からやってきた。」

 

神様?賽銭箱で金を奪おうとせこいことしてたくせに

 

「分かったか少年。」

 

わかるわけね〜だろ!

 

この奇怪なおっさんが一通り話し終わると僕ははじめて口を開いた。

 

「神………様………?」

 

「うむ。」

 

「本物の?」

 

「うむ。」

 

ああ、ついに僕はこんな幻想を見るまでに落ちぶれたか!!

 

僕は思わずしゃがみこんだ。

 

「大丈夫、辛かったろう。私がいればもう大丈夫。」

 

あんたのせいで落ち込んでるんだよ!

 

「少年、神様がきっと救ってくれるさ。」

 

今自分のこと神様って言ったくせに!

 

僕はしばらくしゃがみこんで落ち込んでいた。

 

今回は誰かに相談できる悩みじゃない。

賽銭箱から神様と称する奇怪なおっさんが出てきました。助けてください。

 

誰も助けられね〜よ‼︎

 

第一こんなおっさんのことを友達かなんかに言ったら絶対「は?」って顔されて縁切られるよ‼︎

 

あ〜僕の人生終わりだ‼︎

こんなしょうもないことで人生終わるなんて‼︎無念‼︎

 

神様を称するおっさんが心配そうにこっちを見る。

 

神社を囲む森の木々が風に吹かれ、ザワザワとなく。

 

誰もいない森の中で男子中学生と神様を称するおっさん。

 

このままではどうしようもないのでとりあえず僕は今日の出来事を振り返ってみた。(僕が発狂死する前になるだけ死因を突き止めたい)

 

 

下校中、バナナの皮で滑って水筒落として神社の前………

 

ちょっと待てよ。

 

普通、道にバナナの皮なんか落ちてるか?

そしてそれで滑るか?いくら運が悪くてもそんなこと普通あるだろうか?

 

そして普通、変なおっさんが神社の賽銭箱の中に潜んでいるだろうか?

 

信じたくはないけどこのおっさんは本物の………

 

神意は人間には理解しがたいと言うしな………もしかしてもしかすると僕は救われる為にこの神社に来たんだろうか?

 

ということはこの神様が僕の超ついてない状況を何とかしてくれるかも………

 

「あの…」

 

「何か?」

 

「なぜ神様が僕のところへ?」

 

「それはな………」

 

僕はなぜか固唾を飲んだ。

 

「天照大御神様のご意向でな。天照大御神様はいつも人間のことを大切に思ってらっしゃる。だからとんでもなく運の悪い人間がいるのは耐えられんのだ。だから天照大御神様は特別運の悪い人間のもとに神を遣わし彼らの運気をあげるんだ。だから私はここにいる。」

 

(神様が救いにきてくれて)喜んでいいやら

(特別運が悪いと言われて)悲しむべきか………

 

「ま、少年よ。そういうことだから今日から私が君の生活を観察する。そして何をどうすればいいか考える。」

 

「えっ?」

 

「要するにしばらく一緒に生活するのだ。」

 

やだやだやだ。絶対にやだ。美人の神様ならともかくこんなおっさんと生活するのか?

 

「なぁに心配するな。寝る時は君の家の神棚におじゃまさせてもらう。神棚の神様も天照大御神様のご意向なら私を受け入れてくれるだろう。」

 

僕は受け入れたくない。

 

でもせっかく天照大御神様が僕を救おうとしてくれてるし………。

 

まあこの神様はちょっと変わってるけど良い神様っぽいし………。

 

「分かりました。お願いします。」

 

「うむ。きっと君を運のないクソ人生から救い出すぞ。」

 

………クソ人生って。

 

 

 

 

 

僕の神様とのちょっと不思議な毎日はここから始まった。

 

 

 

 

 

 




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