すっかり季節は冬。枯葉の舞う季節。
ハックション‼︎
今日は学校。
毎日学校。
新学期の始まりとかはとっても学校楽しみなのになぜ毎日学校があるとこううんざりするのかな………
「おはよう!」
「おはよう。」
こいつは朝から元気な呉李 羅太郎(ごりらたろう)。
むさ苦しい男子校など苦にならない(というか女性に興味がない)単細胞だ。
「今日宿題忘れてさあ、もう参っちゃうよ。」
宿題なんか持ってきたことないくせに。
こいつについての説明は必要なかろう。(ていうか説明したくない)
どこの学校にもいる、クラスで迷惑しかかけない馬鹿の典型例だ。
「おはよう!」
「おはよう。」
こいつは親津輪山時 麻呂(おやつはさんじまろ)
「いや〜モグモグ…僕教科書全部忘れた…モグモグ」
まだ授業始まる前なのにもう弁当食ってる。こいつは授業中はいつも弁当食ってるから今更だが。
ていうか教科書全部忘れた、て何持ってきたんだよ。
「いや〜リュックの中にたくさん食い物つめたら教科書入らなかった。」
麻呂は笑顔で言う。
僕はここにバズーカがあったら最大限のツッコミをしたい。
「ま、学校には弁当食べに来てるようなもんだけど………」
彼は気づいてなかろう。
隣で神様が麻呂の食べてる弁当を物欲しそうに見つめ、すきあらば弁当箱からとって食べている、ということに。(麻呂はすきだらけなので好きなだけ食べ物がとれる)
ま、彼は羅太郎とは違って特殊な人種だが………。
僕は他にもたくさん友達はいるがだいたいこんな癖のあるやつばかりだ(中二病とかロリコンとか)
こういうのも不幸に入るのか………?
ま、一番の不幸はよく分からない神様(雷落とす妖怪と言ったほうが妥当か?)が僕にとりついていることだがな。(その神様は麻呂から奪った弁当を食べている。煩悩の塊か⁉︎)
さて、僕は羅太郎と、ある重要な議題について議論していた。
その議題とは………
「ネコ科最強はライオン‼︎」
「いいや、ネコ科最強はトラだ‼︎」
羅太郎が、なんとネコ科の中で一番強いのはトラだと主張し始めたのだ‼︎(僕はライオン大好き❤️)
「トラにたてがみある⁉︎無いじゃないか‼︎たてがみのあるライオンこそネコ科最強だ‼︎」
「いや、ライオンのたてがみは雄しかないけど、トラのしましま模様は雄も雌もあるぞ‼︎」
「そもそもライオンは百獣の王なんだぞ‼︎」
「じゃあトラは千獣の王じゃい。」
このあまりにもくだらない議論に皆呆れていたが、唯一麻呂が仲裁に入った。
「まあまあ…モグモグ…そんなの…モグモグ腹に入ったら同じっしょ…ムシャムシャ…そうカッカしないで………」
「おまえはトラとライオン食うのか⁉︎」
そんなよく分からない仲裁を無視して二人の喧嘩はさらにヒートアップ。
「そもそもおまえは成績悪いんだからぶつくさ言うな‼︎」
「ネコ科最強と成績は関係ないだろう⁉︎」
「まあまあ、弁当食べて仲直り………」
「さっき弁当の時間だったろ‼︎」
そこで神様が口を挟んだ。
「羅太郎君には私の姿は見えんがな、私が君たちを仲直りさせてやろう。」
おお!神様!(雷はやめろよ)
「ネコ科最強はチーターだ。」
話をややこしくするな‼︎
それからというもの羅太郎とはすっかり仲が悪くなった。
皆このあまりにもくだらないことでの亀裂をどうにかして埋めようとしてくれたが、僕はトラを認めようとは思わなかった。
「いい加減ネコ科最強はチーターだったということで矛を収めろ。」
神様がなんかよく分からない仲直りの方法を提案した。
雷が怖いので殴りはしないが、なんでこんなのが神様やってるのか本当に不思議に思った。
そのとき、
「おい。」
羅太郎が話しかけてきた。
「そろそろこの議題決着をつけようぜ。」
「おう、望むところ‼︎」
気がつけばこの議題で一週間喧嘩していた。
僕たちは動物園で議論することになった。
「…モグモグ…いい加減やめなよ、そんなくだらないことムシャムシャ…」
動物園までついてきて喧嘩を止めようとしてくれる麻呂の友情はありがたいが、麻呂が弁当を食べるのをやめろと言っても聞かないように、我々もこの議論は譲れないのだ‼︎
「人間のやることはよう分からん。」
神様、あなたのほうが意味不明です………
「これを見ろ‼︎」
羅太郎がいきなり叫んだ。
彼の手には弁当。
「あ、僕の弁当返して‼︎」
どうやら麻呂の弁当奪ったらしい。
「ええええい‼︎」
そう雄叫びを挙げた羅太郎はなんとその弁当をトラの檻に投げたではないか。なんと野蛮な‼︎(羅太郎が野蛮なのは知ってたけど)
それに気づいたトラはおもむろに弁当に近づき、弁当をむさぼる。
「ああ、僕の弁当‼︎」
哀れなり麻呂‼︎
しかし羅太郎は何をしようとしているのか………
数秒後、トラはペロリと弁当を完食した。
「見たか‼︎トラは狙った獲物は必ずしとめるのだ‼︎」
ちょっと違うような………
「はーっはっはっは‼︎どうだ、悔しかったらおまえもやってみたらどうだ⁉︎」
ムカッ
ここでのってしまったのが運のつきだった。
「麻呂ごめんよ‼︎」
「へ?」
僕は弁当(のみ)が入っている麻呂のリュックをつかみ、中身(全部弁当)をライオンの檻に投げた。
「イイイイイヤアァアアア‼︎」
麻呂の叫び声。
寝ていたライオンはその叫び声で起き、目の前に落ちている食べ物を家族皆でむさぼった。
「ふん、ライオンは獲物をしとめるだけでなく、家族で分け合って食べるのだ‼︎」
「くっ‼︎」
羅太郎は戸惑っている。
「僕の弁当………」
麻呂は声を失っている。
「何を、私だって‼︎」
次は神様が叫んだ(まあ神様の声は僕以外聞こえない)。
「どおおおおりゃああああ‼︎」
ああ本当に哀れなり麻呂‼︎
神様は麻呂を持ち上げると、なんとチーターの檻に投げ入れたではないか‼︎
「はーっはっは‼︎弁当なんてしょぼいしょぼい。本物の肉を投げて動物の様子を調べなきゃ‼︎」
ちょっと待て〜‼︎麻呂が肉なのは認めるけど(いつも弁当食べてるので太ってる)それをチーターの檻に投げ入れるっておまえ麻呂を殺す気か‼︎
しかし、幸いチーターは寝ている。このまま寝ていれば麻呂は無事………
世の中そう甘くはない。
「NOooooooooo‼︎」
不運にも叫んでしまった麻呂の声でチーターが起きてしまったのだ。
「ガルルルルル」
昼寝の邪魔されご機嫌ななめのチーター。
「しまった‼︎こんなことになるとは思いもよらなかった‼︎」
神様、あんたは厄病神か祟り神の部類に入るだろう。
僕が唖然と口をパクパクさせていたら羅太郎の声が聞こえた。
「権平‼︎俺は飼育員呼んでくるからおまえはチーターなんとかしろ‼︎」
単細胞の羅太郎がこんな異例の事態に冷静に判断できるとは思いもよらなかったがチーターなんとかする、てどうすれば?
「羅太郎、」
僕が呼び止めた時には彼はいなかった。
運動神経だけがうりの羅太郎はでかい図体してても足が速い。
ま、そんなことより麻呂だ。
僕が振り返り、チーターの檻をみると麻呂は発狂していた。
「バビブベボ〜‼︎タイヤキアンコナシ‼︎」
グルグルチーターと追いかけっこ。
人間生きるか死ぬかの瀬戸際だととんでもない力がでるもので、麻呂はチーターに全然追いつかれない。
「麻呂‼︎もうすぐ飼育員さん来るからそこで待ってろよ〜‼︎」
僕は叫んだ。
すると
「さて、私の出番かな。」
二度と出てくるな厄病神。
「必殺技受けてみよ‼︎」
「神様、チーターに雷うったら麻呂も巻き添え食らっちゃうよ‼︎」
引っ込め厄病神。
「心配ない、雷ではない。」
あんたの心配ないが一番心配なのがなぜ分かんないの⁉︎
「必殺!」
もうだめだ。
「神風〜‼︎」
ぴゅうううう‼︎
神様が叫んだとたんに強い風が吹いた。
「な、な、な?」
僕は全く状況が読み込めないでいた。
気がつけば麻呂が風で吹き飛ばされている。
「よし、麻呂がチーターから解放された‼︎」
さすが神様‼︎
ではない。
ずしーん
数秒後、麻呂が僕の目の前に落ちてきた。
「ハラホロひれはれ………」
麻呂はまだ状況が飲め込めないらしい。
そりゃそうだ。
麻呂、君生きてるだけで奇跡だよ。
「あ、麻呂大丈夫か⁉︎」
飼育員さんを連れてきた羅太郎は麻呂に駆け寄った。
「あ、羅太郎くん、な、なんとか大丈夫。」
「麻呂、ごめんな、俺たちのせいで………」
「いやいや、二人が仲直りしてくれれば僕は満足。」
僕はこんなに体をはった喧嘩の仲裁は初めて見た。
あっぱれ親津輪山時 麻呂‼︎
僕らは(当然)こっぴどく飼育員さんに叱られた。
動物園を出た後、僕と羅太郎は仲直りして、三人仲良く帰った。
「人間は良く間違いをするさ、神様も間違いをするんだもの。」
神様がいきなり語りだした。
「今回みたいに些細な理由でも、大変なことになることはあるんだ。でも、その間違いを今後にどう活かすかが重要なんだ。
歴史は繰り返すというが、それだけ変わるのは難しい。
でも変わらなきゃいけないんだ。
君も今回のことを糧にして、成長するんだよ。」
神様………
「偉そうに言うな〜‼︎」
「何⁉︎」
「麻呂をチーターの檻に入れた張本人はあんただぞ‼︎ちょっとは反省しろ〜‼︎」
「いや、神様も間違いはあると………」
「うるさ〜い‼︎」
後日、神様は天照大御神様にこっぴどく叱られたそうな。
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