魔法科高校の変わり者 作:四葉夜々
「そーいやさ」
「ん?」
今日は達也が深雪の護衛を離れられないということで深夜から勉強を教わっている。形から入るタイプなのか深夜は現在伊達眼鏡をかけていた。
「みーちゃんの生存、旦那さんには言わなくていいのか?」
「私が死んだことになって今頃本当に愛していた人と幸せになれてるのよ?水を差すなんて出来ないわ」
「優しいねぇ」
「優しさ………違う、これは憐れみよ。四葉の血を強くしなくては、と贖罪のつもりで愛する女がいる男と結婚して、子供まで作った………もっとも、その程度じゃあの人達の絆は壊れなかったみたいだけど」
そういって一気にコーヒーを煽る深夜。
羨ましいのだろう。嫉妬は嫉妬でも恋愛方面ではなく、壊れない絆を持っている2人の関係が。
真夜と深夜の絆は、確かに一度砕けているから。
「…………何の真似かしら?」
「ん?あ、すまん……無意識だ」
気がつくと羊は深夜の頭を撫でていた。気恥ずかしさと子供扱いされたことによる怒りで深夜は顔を真っ赤にしてプルプル震えている。
「子供のくせに私を子供扱い……」
「いんや、俺は五十代だよ」
「………転生ね、真夜はネットに毒されて信じてるけど、信じがたいわね……ギフテッドを偽ってるだけじゃないの?」
「さあね………」
確かにギフテッドなら子供でありながら優れた知能を持っていても不思議はない。成長薬とか明らかに可笑しいモノも作ってるが……。
「仮に神が居たとして、ならば何故どの神話にも恐竜がいないの?って、思うのよね」
「ああそりゃ仕方ないさ。神は世界の環境や魂を操作することは出来ても何もないところから生物を生み出すことだけは出来ないんだ。だから進化させて失敗したら滅ぼすを繰り返してんだ」
「………………は?いや、まあ……筋は通ってるかも知れないけどそれならアナタはどうなるの?」
深夜は後付けのような設定に呆れたような視線を羊に送るが羊は無視した。
「それは転生者にも言えることでね、俺はこの世界に肉体を持ってきたんじゃなくてこの世界に存在した人間に取り憑いてその肉体の見た目を前世の俺と同じように作り替えて神から貰った魔法師の才能を使ってんだ………だから俺は厳密に言うと人間に転生したのではなく人間を魔法師に変え精神を乗っ取るパラサイトに転生した訳だ」
「パラサイト………それが本当なら四葉としては何とも研究したい対象ね」
「全力で抵抗させて貰うが?」
「冗談よ。四葉は他の家と違い、兵器としての魔法師を求めすぎていた………これを機に変わった方が良いと思っているのは、私だけじゃないと思っているわ」
深夜はそう言って自虐的に笑う。誰よりも兵器としての魔法師と言う単語に相応しい存在になるよう息子を改造したのは自分だろうと、嘲ているのだろう。
「みーちゃんは優しいと思うけどね、優しくない奴は誰かを傷つけたことを悔いたりしない。俺みたいにね……」
「………優しくない、ねぇ……なら愚痴に付き合ってくれる?優しくないなら同情しないのでしょう?」
その後深夜の愚痴という名の贖罪を聞いている内に、その日の勉強時間は終わった。
羊(計画通り……(ニヤリ)
深夜「あら、話しすぎていたわね……仕方ないわ、今日は自由時間を減らしましょう」
羊「orz」