魔法科高校の変わり者   作:四葉夜々

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初任務に向かう子鬼

 七草姉妹の妹、七草泉美に懐かれ、彼女達が七草の関係者だと知った右隣の少女、北山雫がサインを貰いたいというと何故か一緒に連れてこられた羊ははぁ、とため息を吐いた。

 

「どーしたの?」

「七草真由美に会いたいのティアだけっしょ?俺関係なくね?」

「ティア?」

「涙の雫でティアラ、略してティア………君は将来このあだ名で呼ばれることがあるだろう」

「………ふーん?」

 

 雫は良く解らないと言うように首を傾げる。

 

「へー、あだ名付けるの好きなの?じゃ、ボクは?」

「香澄……香り、コウ……コウで」

「わたくしは?」

「みーちゃん……予定はいるし……チウアンを略してチウで」

「中国語?」

「……そ」

 

 新しく買ったポップコーン(バター醤油味)を食べながらあだ名を決めた。

 ズゾーとコーラを啜り、どうやって立ち去ろうか考えていると七草真由美本人がやってきてしまった。

 

「お待たせ2人とも~!そっちの子達がサインを欲しいって子?」

「俺はいらん。欲しがってるのはティアだけだ

「き、北山雫です」

 

 笑顔を向けてくる真由美に雫は慌ててお辞儀をする。

 

「斎藤羊、ヒツジと書いてヨウと読む名前通り大人しい草食系男子です☆」

「あ、そのポーズ良いわね。後何か決め台詞があれば……」

「綺羅星とかどうですか?」

「綺羅星………うん、良いわね。綺羅星☆」

「綺羅星☆」

 

 真由美と羊が綺羅星十字団のポーズを取る。他の3人も流れで綺羅星のポーズを取った。

 

「よーちゃんね。私は七草真由美。魔法師……よね?」

「この2人に偉そうに魔法の危険性説いといて魔法師じゃない、ってなら笑いもんすね」

「じゃあ魔法師なのね……魔法科高校は何処にするか決めた?」

「まだです」

「なら一校にしない?良い所よ」

 

 仮装行列(パレード)ど解くんじゃなかったと後悔している羊。既に顔バレしてしまっている。

 

「保護者が進める高校に入学する気なので、まだわかりませんよ」

「保護者?両親じゃなくて?」

「親は実の両親と養子にしてくれた方達含めて計15人失ってます」

「………ご、ごめんなさい……」

 

 その言葉を聞き申し訳無さそうな顔をする真由美と暗い雰囲気になる3人。

 

「………大丈夫、昔の話しだから………そんな過去持つから引き取り手も無くなってね……だから、今の保護者には感謝している」

「……そう」

「じゃ、そろそろ戻るんで………一校に入学できたら魔法の手ほどきお願いしますねマユ先輩」

 

 羊はそういってその場から立ち去った。

 

 

 

 新たなポップコーン(キャラメル味)を再び屋台分購入して真夜のいるVIPルームに戻る。

 

「女好きで最高のキャラと言えばGSの横島忠夫!これは譲れません!」

「何を言う!うる星やつらの諸星あたるだ!」

「あんなのただのスケベじゃないですか!横島は力もあるしルシオラとのやりとりは感動を覚えるわ!」

「……………」

 

 漫画のキャラについて熱く語る十師族の2人。護衛達は床に突っ伏して紙に何かを書いている。

 

「漢字に出来る文字と出来ない文字によるモールス信号じゃない、次!」

「………何これ?」

「彼らは奥様達の会話を暗号と勘違いして解読法を探しているのだ」

 

 羊が首を傾げると葉山が応えてくれる。なる程馬鹿の集まりか………。

 

 

 

 

「よーちゃ~ん!」

「げげ!?」

 

 次の日、再び自由行動をしていると真由美に見つかった。

 

「逃げるが勝ち!」

「りんちゃん!捕まえて!」

「………はぁ」

 

 逃げようとした羊だったが反対側から現れた女子に捕まる。

 

「もう、どうして逃げるの?あんまりじゃない!」

「いやぁ、撫で回されそうだから」

「え?だめなの?」

「この年齢になるとね~……」

 

 五十路になった身としては頭を撫でられるのは………と、思っている間にも頭を撫でられた。

 

 

 

「ひどい目にあった………」

 

 トイレの鏡でグシャグシャになった髪を戻しながらため息を吐く。

 

「で、ハヤマンなんか用?」

「奥様がお呼びだ。ついてきてくれ…」

「うぃ」

 

 

 

 

 

「まーちゃん来たよ」

「よーちゃん、今私の姉が沖縄にいるのだけど………」

 

 真夜がテレビを付けると沖縄が所属不明の潜水艦隊に襲われていると言うニュースが流れていた。

 

「………………」

「半日で地球を一周するアナタだもの、沖縄なんて直ぐでしょう?」

「助けにいけと?」

「慣れてこい、そう言ってるのよ………聞いたわよ、魔法は人を殺せると女子に説いたのでしょう?アナタも、その力を持っていることを自覚してきなさい。これは頼んでいるのではないわ、命令しているの」

「……………りょーかいまーちゃん、いや……真夜様……顕現(ダウンロード)

 

 そう言って羊が保存用CADから飛行ボードを取り出す。

 

「行ってくる」

 

 普段使っている魔法に加え光学迷彩を使用して姿を消すと窓の外から飛び出していった。

 

 

 

「…ねえ葉山さん」

「…………」

「わ、私あの子に嫌われないわよね?大丈夫よね!?ちょっと偉そうに命令しているのとか言っちゃったり……!呼び方他人行儀になってたし!」

「四葉に生きる以上何れ殺人は体験するべき事です。奥様は彼を思ってあのような態度を取っていることを、察せない彼ではありませんよ……」

 

 

 

 

 

 雲より上空を飛ぶ羊。

 記録(インストール)していた、こんな時のために用意していたコスチュームを顕現(ダウンロード)していた。

 

「やっぱこういう乗り物に乗るならこの格好だよな!」

 

 実写版スパイダーマンのゴブリンの衣装になった羊は音速を超えた速度で沖縄に向かった。




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