魔法科高校の変わり者   作:四葉夜々

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沖縄戦

 地下シェルター・連絡通路に避難していた司波深夜は先程の電話を思い出す。

 人を送った、そう言っていた……。それが本当ならその人物は音速を超えた速度で移動することになる。

 まあ、数年ぶりの会話なのだ。冗談の一つでも言ってくるだろう。

 息子の達也は今外にいる。だから、待つと言う建前で金城と言う軍人の案内を断った。精神干渉魔法の使い手である深夜は彼から敵意を感じ取っていた。

 

「ディック!その人達に何をするつもりだ!」

 

 と、その時軍人の一人である桧垣金城に向かって銃を向ける。同じ軍人であるはずの金城はしかし言葉ではなく銃弾で返した。

 

「お二方とも、そこから動かないでください。お護りいたします!」

 

 銃撃戦に巻き込まれないように障壁魔法を張るが軍人の一人が指輪のついた手を翳すと障壁魔法が破られた。

 魔法式を破壊するキャスト・ジャミングと呼ばれるモノだ。元々体に無理がたまっている深夜は特に強い影響を受けている。

 

「ディック!アル!マーク!ベン!何故軍を裏切っ───」

「邪魔だハゲェ!」

「ごが!?」

 

 桧垣は金城達に何かを訴えかけようとしたが、突如後ろからやってきた者に轢かれ気絶する。

 

「な、ば……馬鹿な……」

「何故あいつがここに……!」

 

 深雪は訳も分からず固まっていると金城達が恐怖で顔をひきつらせていた。

 

「実写版グリーンゴブリン!」

「ジッシャバングリーンゴブリン……?」

 

 聞き覚えのない単語に深雪は首を傾げる。あの怯えようから裏では名の知れた魔法師なのだろうかと母達の反応を見てみるが同じように首を傾げていた。

 

「俺がクビだと!ふざけやがって!」

「そもそも雇ってすらねーけど!?」

 

 グリーンゴブリンと言う男が小さなオレンジカボチャのような球を投げつけ、発光すると光に包まれた一人の軍人が骨になる。

 

「ほ、本物だ!」

「………今の魔法は………アナタ、何者なの!?」

「…………グリーンゴブリンの正体が知りたきゃスパイダーマンを観よう!」

「宣伝してるぞ!あいつは映画会社が雇った偽物だ!」

一方通行(アクセラレーター)

 

 何やら宣伝をしたらしいグリーンゴブリンを偽物と判断した金城達は銃弾を放つがグリーンゴブリンが短く呟き魔法を発動すると巻き戻しのように銃弾が銃口に吸い込まれていった。

 

「が!?」

「ぐ!?」

「ひっ!」

「あ、やべ………」

「………へ?」

 

 銃が暴発し大怪我をする軍人達。そしてどこか慌てたような声を出した時、ドスと喉に激痛が走る。暴発した銃の破片が喉に突き刺さったのだ。

 

「深雪!」

「……お…兄さ………」

 

 

 

 

 基地内を移動していた達也は深雪の異変を感じ取り走り出す。

 そこには喉から血を流し倒れる深雪と見るからに怪しい不審者がいた。

 

「深雪!」

「……これはある意味チャンス?大嘘憑き(オールフィクション)

「………な……」

 

 不審者が魔法を発動すると深雪の傷が消える。自分の再生に似ているが少し違う…。

 

「治した!?く、この……」

「やかましいわ!後にしろ!」

 

 金城達が不審者に向かって銃弾を放とうとするがオレンジカボチャ型の球を投げると骨になった。

 

「今のは、分解!?」

 

 無駄な光波振動魔法も含まれていたが、今の球が発動した魔法は間違いなく分解。骨以外の肉、脂肪、血液、神経、服を全て分解した。

 

「な、なんて無駄な魔法なんだ………」

 

 わざわざ骨を残す理由が解らない。そんな事をするより対象を完全に分解した方が速いはずなのに……。

 

「………アナタが真夜が言っていた増援かしら?」

「ん?ああうん……俺がまーちゃ……真夜様の命令できた者だよ。素人なんでね、さっきの失態は無かったことにしてもらうと助かる」

「深雪を傷つけたお前を許せと……?」

 

 達也はギロリと不審者を睨むと不審者はふぅ、とため息を吐いた。

 

「怒るのは解るが………文句ならどうせ後で真夜様に言われる………それとそこの気絶している子の治療は君がしたって事にしといて」

「………………良いだろう」

「じゃ、俺は殲滅してくる……」

 

 

 

 

 不審者こと羊は敵を次々駆逐していく。真夜が予め軍に連絡していたからか、軍の者には写真こそ撮られ攻撃はされない。

 

「……んにゃ?」

 

 空から『骨だけ残して分解爆弾』をポイポイ投げていると達也が戦場に現れた。

 銃弾を音もなく消滅させ、傷ついた仲間を癒やし敵を消し去る。

 いやぁ、敵からしたら悪夢だね~。俺も出来るけど………。と考えながらもキチンと爆弾は落としていく。

 

「にしても殺しの嫌悪ってのは全然ないな………たんに心が麻痺してるのか………俺があいつ等みたいに平気で人を殺せる奴って事か………あん?」

 

 羊が自嘲気味に笑っていると達也が何時の間にかライフルを構えていた。

 質量爆散(マテリアル・バースト)を使うのだろう。敵もそれを知っている訳ではないが達也の邪魔をするようにミサイルが飛んでくる。

 

「反射膜大規模展開」

 

 羊は反射膜の範囲を広げるとミサイルの先端の反転されたベクトルと噴射による前に進むベクトルがぶつかり合い爆発を起こしていく。しかしその爆発は全て反射膜の外側に向けられていた。

 

「援護、続けようか?」

「…………頼む」

「りょーかい………」

「…………せっかく来たのに……私いらない子……」

 

 達也が質量爆散(マテリアル・バースト)を発動する援護のために来た桜穂波は体育座りで地面にのの字を書いていた。

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