でも、用事があるのでまたしばらくはパソコンいじれないです。
――小傘の家
「それでは、お世話になりましたね、小傘」
「ううん、私も紅刃の話聞けて楽しかったよ、またいつか話そうね!」
紅刃と小傘は玄関前で別れの挨拶をしていた。
紅刃は追手が来る前に小傘の家を離れることにした。追手が来たら小傘まで巻き込むことになる。それは紅刃の望むことではない。
彼女はあくまで強者と闘い、勝利し、主人に求められることを目的としており、同類(厳密に言えば違うが)を巻き込むことは良しとしない。
別れを済ませ、紅刃は小傘から離れようとしたが、何かを思い出したかのように再び小傘の前に戻る。
「どうしたの?紅刃。何か忘れ物?」
「いえ、外の世界での別れの挨拶をしていなかったと思いまして。では…」
――ちゅっ
紅刃は小傘の顔に自分の顔を近づけると、小傘の頬に口づけを落とした。
小傘は一瞬呆けたが、すぐに顔を赤く染めた。
「な、にゃあっ!?あ、紅刃、何を!?」
「外の世界での親しいものへの別れの挨拶だそうですよ?前のご主人様がしていました」
紅刃はふわりと笑い、小傘の頭をぽんぽんと撫でると、今度こそ小傘から後ろ手を振りながら離れていく。
そして、紅刃の姿が林に消えると、小傘はへなへなと座り込んでしまう。
(あ、あんなの、反則だよう…!)
小傘は顔の熱さを感じながら、しばらくそこに座り込んでいた。
――霧の深い湖
「この先に吸血鬼が住む館があるはずですが…、霧が深いですね。このままでは迷いそうです」
紅刃は紅魔館に住む吸血鬼に戦いを挑むため、紅魔館近くに来ていた。
永琳の言葉や文との戦いでの敗北などで心身ともに疲労していたが、小傘との出会いと一日ゆっくり療養したことですでに全快していた。
「おい、お前!ここはあたいの縄張りだぞ!痛い目にあいたくなかったら早く出て行け!」
深い霧で立ち往生していた紅刃に大声で警告してきたのは『チルノ』この湖の周辺に出没する氷精である。
しかし、チルノの後ろからもう一体の妖精が慌てて出てきて彼女を止める。
この妖精は『大妖精』チルノの親友だ。
「チ、チルノちゃん!だめだよ!その人、なんでも斬っちゃう妖怪だって隙間妖怪が言ってたでしょ!?私たちじゃ一瞬でやられちゃうよ!?」
「だいじょーぶよ、大ちゃん、なんたってあたいはさいきょーなんだから!」
「それでもだよ、チルノちゃ…、ひっ!?」
チルノと大妖精が言い争っている間に紅刃はチルノのすぐ後ろに立っていた。
それを見た大妖精は涙目になってしまう。
チルノは大妖精の視線に気づいて後ろを振り向くと、紅刃が見下ろしていたので、少し後ずさりしてしまった。
「な…なによ!やるの!?」
チルノが冷気を右手に集め、紅刃を威嚇すると、紅刃はチルノに向かって手を伸ばす。チルノがスペルを唱えようとした時、紅刃はチルノの頭を撫でながら微笑ましそうに言った。
「元気のいい子ですね、そういう子は好きですよ?」
「「…、は?」」
予想外の言葉と行動にチルノと大妖精は固まってしまった。