最近、討鬼伝を買いまして…。ええ、予想以上に面白くてのめりこんじゃって。
いつの間にかこんなにも日数が経っていたんですよ…。
俺は悪くない、俺は悪くない!討鬼伝が面白すぎるのが悪いんだ!
紅刃「判決、死刑」
ぴちゅーん
――紅魔館庭園
ドカン、バキンなどの音が響くたび紅魔館の壁が吹き飛ぶ。庭園に穴が開く。門壁が木端微塵になっていく。
紅刃とフランの戦いは庭園全域を移動しながら行われていた。
フランの破壊の力と紅刃の斬り裂く力がぶつかり合うたび、お互いの能力が相殺され、その余波が周囲を破壊していく。
無論、力をぶつけ合っている二人が無事なはずがなく、ぶつかり合うたびに二人の体は傷ついていく。
しかし、フランの体は吸血鬼の回復能力によって傷つく端から回復していく。紅刃の体も妖力により少しずつ回復しているが、傷つく速さに勝ることはなく、傷が増えていくばかりだ。
能力は互角だったが故に拮抗していた戦況が基本スペックの差により徐々にフランの方に傾き始めていた。
「まだ遊べるのね?じゃあどんどんいくよー!」
――禁忌「恋の迷路」
迷宮を模したスペルが回転しながら紅刃に襲い掛かる。
紅刃は自分の進行を邪魔する弾幕のみを斬りながらフランに接近する。
(先ほどの戦いのせいでほとんど力は残っていない、しかし、あの吸血鬼の首さえ落せれば――!!)
フランの弾幕を潜り抜けた紅刃の斬撃は確かにフランの首を断ち切った。しかし、首を斬られたフランは幻のように消えてしまう。
――禁忌「フォーオブアカインド」
「あははっ♪」 「引っかかった~♪」 「本物はどれか分かるかな?」
紅刃の左右と上にはいつの間にか三人のフランが存在していた。
(!!??いつの間に分身した?いや、分身なのか?それとも幻影なのか?
分からない…、だが囲まれるのは危険だ!)
紅刃はとっさにスペルを自身の右側にいるフランに放つ。
――処罰「首斬り御免」
概念としての斬撃は狙われたフランに防ぐことも避けることも許さずにその首を落とした。しかし、そのフランもやはり消えてしまう。
「わっ、もう二人もやられちゃった」 「今度はこっちの番だよ!」
二人のフランは弾幕を張り、紅刃を牽制する。
弱った紅刃では、二倍に増えた弾幕は消しきれず、逃げに徹する。
(くっ…!!先ほどの攻撃に妖力を使いすぎましたね、このままでは押し切られる…!!)
紅刃は物陰から飛び出すと、紅魔館の窓を突き破って館内に逃げ込む。
二人のフランも紅刃を追いかけて館に入った。
「「今度はかくれんぼ?まずは私たちが鬼ね!」」
二人のフランは無邪気な笑顔を浮かべると紅刃を探し始める。
紅刃はそんなフランたちを陰から探る。
(とりあえず隠れることは出来ましたが、このままでは妖力がもたない。どこかで補給しなくては…)
紅刃がフランに見つからないようにゆっくりとその場を離れようと廊下に出ると、きょろきょろとあたりを見回している人影が目に映った。
紅い髪に、頭から生えた小さな羽。小悪魔である。
彼女は自分の主であるパチュリ―が心配で様子を見に来ていた。(フランとの弾幕ごっこの時は怖くて本棚の陰でうずくまっていたが)
彼女は周りを見渡し、後ろを振り返る。すると当然、紅刃と目が合う。
小悪魔は紅刃の姿を見た途端、誰であるかを理解し、顔をひきつらせた。
(彼女のような者から力を奪うのは気が引けますが、背に腹は代えられません!)
紅刃は小悪魔に素早く近付くと、一瞬で動けないように拘束し、彼女の唇に自分の唇を押し付けた。
小悪魔は予想外の展開に目を白黒させていたが、自分から力が抜けていくのを感じ、そのまま倒れてしまった。
(これで大分回復できた。あとは…、ご主人様、能力をお借りします!)
紅刃は心中で椛に謝ると、千里眼を発動させ、フランたちの位置を探る。
どうやら二手に分かれて紅刃を探しているようだ。…紅刃が隠れられそうにない家具の下などを探しているのを見て、紅刃は力が抜けそうになった。
フランの一人が紅刃の方へ向かってきているのを見て、紅刃は千里眼を発動しつつ、手近な部屋に滑り込んでタイミングを計る。
(もうすぐ、もうすぐ、…今だ!!)
フランが正面に来た時、紅刃は壁もろともフランを斬り裂いた。
しかし、そのフランも消えてしまう。
「驚いた。もう一人になっちゃった」
後ろからの声に紅刃が振り向くと、笑顔のフランが佇んでおり、その手にはスペルカードが握られている。
――禁忌「レーヴァテイン」
フランの手に炎を纏った時計の針のような剣が現れた。
「でも…、みいつけた♪」
フランは歪な剣を手に、紅刃に襲い掛かった—―