最後がなんか無理矢理な気がする。
あとおまけ程度の過去編に突入。たぶん2、3話で終わると思います。
――紅魔館内部
剣戟の音が館内に響き渡る。
紅刃の刀とフランの剣がぶつかり合い、壁や床、天井に傷跡が走る。
一部は完全に穴が開き、外の風景が見えてしまっている。
先程までは紅刃との戦いを楽しんでいたフランだったが、今は苛立ちが混じった表情で紅刃に斬りかかっている。
それというのも紅刃がフランの攻撃をことごとく受け流し、のらりくらりとかわしていくので手ごたえが全く感じられなくなっているからだ。
まあ、このような膠着状態になっているのは当然と言える。
単純な力だけならば、吸血鬼であるフランに軍配が上がるが、フランには剣術の素養がない。ただ振り回しているだけである。
それに対し、紅刃は刀そのものであり、今まで様々な剣術を見てきたし、体で直接感じてきた。技術だけならば歴戦の剣士にすら届くだろう。力でフランに勝てない以上、技術を使って上回るしかない。しかし、小悪魔から力を奪って回復したところでその量は微々たるもので、紅刃の切り札と呼べる力を発動できるほどではない。故に彼女は自らの技術を最大限に生かしフランの攻撃を防御、回避することを選んだ。
フランは力で押すことしか知らないために余計に力押しで攻めてしまい、それによって紅刃はどんどん守りを固めていく。完全に千日手になってしまっていた。
もちろん、このままの状態が続けば体力はフランの方が上なのだからそのうち紅刃は倒れるだろう。しかし、フランは精神年齢の幼さゆえにそれほどの時間を我慢することができない。
だから、フランは能力を行使しようとした。
「もう、つまんない!いいや、壊れちゃえ!きゅっとして――」
――それが、紅刃の狙いだとも知らずに。
フランが手を握り、能力を使おうとした瞬間、フランの両腕が斬り飛ばされた。
驚きと痛みで動きが止まったフランが紅刃を見る。彼女の両手には最初から使っている刀と、その刀に瓜二つの真っ黒な刀が振りぬかれた状態で存在していた。
――影打「成り損ないの妖刀擬き」
真っ黒な刀は紅刃の能力に耐え切れず、霧散してしまうが、紅刃は気にせずに動きの止まったフランを袈裟懸けに斬り裂いた。
しかし、その直後、突如飛び込んできた紅い弾丸に紅刃は吹き飛ばされ、かろうじて残っていた調度品を巻き込んで壁に激突し、気絶した。
「フラン様、無事ですか!?」
飛び込んできた紅い弾丸は紅美鈴だった。
彼女は門で目を覚ました後、気を失っていたレミリア、咲夜、小悪魔をある程度安全な場所に避難させ、争いの跡を追ってここまで来たのだった。
美鈴が来たとき、ちょうどフランが斬られる場面であり、とりあえず、気で気配を殺しつつ近付き、紅刃を殴り飛ばしたのだ。
「うん、この程度ならすぐ治るよ。美鈴、私の腕とってきて~」
紅刃と戦ったことですっきりしたのか、先ほどまでの狂気は鳴りを潜め、見た目相応の笑顔を見せる。両腕が無いことと言っていることが笑顔にあっておらずなかなかにシュールではあるが。
美鈴はフランに言われた通りに両腕を持ってきてそれぞれ断面にくっつけることでフランの治療(?)をする。
その後、気絶している紅刃を見下ろし、どうしたものかと考え込む。
このまま殺しても構わないのだが、下手に手を下すと後で我儘な館の主人に「なんで私にとどめをささせなかった!」などと理不尽に怒られるかもしれない。
美鈴が悩んでいると、完全に傷を治したフランが近寄ってきて話しかけてきた。
「ねえ美鈴、私がこの子もらっていい?」
「へ?ええ、構いませんが、なぜ?」
意図が読めず美鈴が問いかけると、フランは無邪気な笑顔で言った。
「えへへ、私のペットにするの!」
さすがの美鈴もこの回答には顔をひきつらせて苦笑いした—―――
――???
犬走椛は夢を見ていた。
夢と言っても普通の夢ではない。誰かの記憶を見ていた。
カーン、カーン、と一人の男がハンマーを熱されて真っ赤になっている鉄に振り下ろす。
それが徐々に形を成していくうちに椛は男が作っているのが刀だということに気づいた。
刀は仕上げに冷水に浸され、じゅううと音を上げる。
男が水から出した刀を見つめ、満足そうに笑った。
「うん、上出来の仕上がりだ。これなら陛下も喜んでくださるだろう」
男はその刀を丁寧に拭き、大切に作業台らしき机に置くと、どこかに行ってしまう。
椛は男の後を追おうとするが、部屋の中から出ることができない。
夢の癖に随分と不自由だなと思いながらも椛は男を追うのを諦め、今しがた出来上がったばかりの刀を眺める。
椛から見ても名刀と言えるその刀は未だ――完成したばかりなのだから当然だが――銘が彫られていなかった。
しかし、椛はその刀をどこかで見たような気がして目をはなすことができなかった――
とってつけたようなスぺカ説明
処罰「首斬り御免」:斬撃を出して首を斬るのではなく、概念としての斬撃を発生させ、
確実に相手の首を切り落とすスぺルカード。ぶっちゃければFateのゲイボルグの斬撃版。
もちろん、正規の弾幕ごっこでは反則に当たるため使用不可。ものすごく燃費が悪いのでそうポンポンと使えない。
影打「成り損ないの妖刀擬き」:妖力で紅刃の本体である刀の偽物を作り出す。
切れ味は凄まじいが、非常に脆く、妖怪が一振りしたら壊れてしまう。