東方呪刀話   作:村雨 晶

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サブタイトルきちんとつけたほうがいいのかどうか迷うなあ…


4話目

 

 

――幻想郷 太陽の畑

 

 

ひまわり畑の上空を幽香が放った極大の光線が走り抜ける。

お返しとばかりに椛が刀を振る。

 

 

犬走椛と風見幽香が戦ったら勝つのはどちらだと問われれば誰もが

 

 

「風見幽香が勝つ」

 

 

と断言するだろう。両者の実力差はそれほどまでに大きいものなのだ。

だがしかし、この戦いにおいては、風見幽香は劣勢を強いられていた。

 

 

(くっ…、なんなのよ、こいつの攻撃!私の攻撃がことごとく無効化されるなんてっ…!)

 

 

そう、幽香の攻撃は凄まじいと評されるほどに苛烈で、ほとんどの者はその攻撃をさばききれずに倒される。

 

しかし、椛の攻撃は今まで幽香が戦ってきたものと根本的に違っていた。

椛が刀を振るたびに幽香の攻撃が全て消えてしまうのだ。まるでそんな攻撃など存在しなかったように。

 

そんな芸当ができるのは幻想郷内では「八雲紫」という隙間妖怪しかできない。

だが彼女がそれを成せるのは彼女が「境界を操る程度の能力」という反則じみた能力を有しているからこそだ。

 

椛はそんな能力は持っていない。椛の能力は「千里先を見通す程度の能力」という能力だ。

 

幽香は椛の名前も詳細も知らないが、妖怪の山が完全な実力主義であることを知っている。

 

故に分からない。自分を苦しめるほどの実力を持つこの相手を自分が知らないということに。

 

いくら天狗たちが排他的であったとしても実力者の名前ぐらいならば幻想郷に広まる。(事実、天魔や大天狗たち、射命丸文などの実力者たちのことは幽香も知っているし、幻想郷縁起にも記載されている)

つまり、これ程の実力者ならば幽香も知っているはずなのだ。

 

 

「どうしました?当初の威勢はどこにいったのです?それとも、四季のフラワーマスターというのはこの程度の実力しかなかった、ということですか?」

 

 

安い挑発だ、と幽香は思う。いつもなら鼻で笑って言い返しただろうが、今の彼女にそんな余裕はない。

 

だから――風見幽香は激昂した。

 

 

「調子に乗ってんじゃないわよ――駄犬風情が!!」

 

 

今までとは比べられないほどの妖力を収束させ、光線として椛に向かって放つ。

正面からこの光線と向き合えばまるで世界が光に飲み込まれていくように見えるだろう。これほどの攻撃をくらえば死ぬどころか肉片一つ残らない。

勝利を確信した幽香が見たのは椛が光線に飲み込まれる姿、ではなく、一振りの斬撃で光線を消した姿だった。

 

 

「この程度ですか。これで――終わりです」

 

 

風見幽香はいつの間にか目の前にいた椛にずたずたに切り刻まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、ご主人様は彼女を凄まじく強いと記憶していたのですが、期待外れでしたね。これでは駄目です。もっと強いものを倒さなければ。では次は、そうですね、天才、「八意永琳」にしましょうか」

 

 

そう言うと椛は「迷いの竹林」と呼ばれる場所へと飛んで行った。

 

その後に残ったのは、血まみれで地面に伏している風見幽香と、幽香の結界によって守られた無傷の花たちだけだった。

 

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