処女作ですので、未熟な部分があるかと思いますが良ければお見知りおきを。
では、まずはプロローグから。
ー3年前ー
「ごめん・・・私、ずっと一緒にいるって、言ったのに・・・。」
孤児院を発つ前、院長先生と見送りに出てきた少年に向けて、少女は泣きそうになりながらそう言った。その後ろでは、もう一人の少女も俯き、悲しげに目を伏せている。さらにその奥ーーー彼女達を迎えに来た黒いスーツの男達は、黒い車の中で苛立たしげにこちらを見ていた。
「君らは謝る事ないよ・・・悪いのはあいつらだ。だから・・・泣かないで。」
奥の男達を睨み付けながらそう言った。少女は堪らなくなったのか、少年に抱きついてくる。必死に悲しみに耐えているのは明らかだった。その頭を撫でながら、少年は昨晩から考えていた言葉を伝える。
「君が何処に行こうが、僕が絶対に見つけるから。それで、誰にも負けない位に強くなって、守るよ。だから、待ってて。」
そう言うと、少女は顔を上げた。目尻に溜まっていた涙を拭うと、いつも少年に見せていた笑顔を作って、
「分かった、待ってる。約束だからね。」
と、そう言った。少年も、いつも見せていた笑顔で頷き返して、
「お前もだからな。」
と、後ろで二人を見守っていた少女にも向けてそう声をかける。その少女はその言葉を聞いて驚いたようだったが、確かに笑ってくれた。
車に向けて歩き出す彼女達を見送りながら、少年は一人、静かに拳を握りしめていた。
ー現在ー
「・・・随分と久し振りに見たな。最近は全然見なくなったと思ったんだけど。」
あれから3年か・・・と思いながら、少年ーーー双月悠はベッドを出た。隣のベッドでは、自分の友人ーーー夜吹英士郎がアホ面を晒して爆睡している。
「・・・まぁ、また先生にぶん殴られるかな。そうでもしなきゃ懲りないだろうし、いいや、放っとこ。」
友人に対して無下な一言を残しながら、さっさと制服に着替え、かれこれ6年の人生を共にしてきた相棒達を持って、部屋を出ていった。
(しっかしまぁ、近くにいるのに会えないってのもキツいなぁ・・・。)
そんな事を思いながら、通学路を歩いていく。時折そよ風に混じって桜の花弁が舞う中、彼の脳裏には二人の少女ーーーシルヴィア・リューネハイムと高原実里の顔が浮かんでいた。
「あの二人がクインヴェールの序列1位と2位って、やっぱ信じられないんだよなぁ。二人とも、久し振りに見たけど武道派って感じじゃないし・・・。」
「何だ、また
「うん、そうそう。・・・って、え!?何でいるのさ!?」
「居たら悪いのか!」
いつの間にやら隣を歩いていたのは、赤い髪に悠と同じ学校の制服を着た少女ーーーユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトだった。悠の友人の一人だが、リーゼルタニアという国のお姫様という、結構やんごとなき出身の少女である。
「全く・・・朝から何をぶつぶつ言っているかと思えば、またあの二人の事か?」
「いやさ、久し振りに俺とあの二人でよく一緒にいた時の夢を見たんだよね。いやぁ、懐かしかったなぁ。」
「言葉と表情が全く合ってないから説得力皆無だな。」
あっさりとバレていた。自覚はなかったが、どうやら自分は感情とかが顔に出やすいらしい。
「ま、お前に何があったは聞かないでおこう。・・・所で夜吹はどうした?」
「ん?あぁ、夜吹なら置いてきた。わざわざ起こすよりぶん殴られる方があいつの為になるかと思って。」
「・・・相変わらずお前たち、仲が良いのか悪いのか分からないな・・・。」
ユリスは深い溜め息をつくと、悠を追い越してさっさと歩き出した。それに負けじと悠も、はっきりと見えてきた学園の門へ向けて歩き出す。
アスタリスクの一角、そして実の姉も通っているーーー星導館学園。そこが、今の悠の戦場だ。
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。とりあえずはプロローグでございます。
基本週一で投稿していく予定なので、よろしくお願いいたします。